[357]

BBS
鉄道解析ごっこ
mail to: adrs
旧
新
Diary INDEX
Geo日記
戻る
LIST
主目次

安全余裕確保を軽視か!東急ATC雪中追突事故!

 ATC路線で降雪中に耐雪ブレーキを働かせながら追突事故を起こしたという14日深夜の東急東横線元住吉駅追突事故は、ATCの設定で、安全余裕をギリギリまで削って列車密度:線路容量を大きくする方式に、雪中、豪雨中など悪天候下の制動状態悪化を組み込んでいないのに、平常通り80km/hまで加速してしまい、耐雪ブレーキは掛けて雪挟み対策はしていたものの不十分で凍結、非常制動が効かなくて先行列車に40km/hで追突したという可能性がかなり強い様です。

東横線元住吉駅追突事故試算    <4>

元住吉事故
(正常制動動作See→ATS-Sx地上子設営基準:減速定数20/0.7)
 報道通りの運行だった場合の減速度を求めますと、
(802-402)/制動定数=600m ですから、
制動定数=(6400−1600)/600=8.0→減速度=8.0/7.2=1.1111・・・・km/h/sとなります。(赤線→)
 この値は名鉄新岐阜新羽島駅降雪過走衝突事故(2002/01/03)での 事故調報告書2002-5-2 p10L21推定値1km/h/sとほぼ同じで、ブレーキシューに雪挟みによるブレーキ異常と考えて矛盾はありません。
 通常の電車なら標準で減速定数20/0.7≒28.6、減速度(20/0.7)/7.2≒4.0km/h/sですから停止距離は802/(20/0.7)=224mで止まれ(緑線→)、平均制動力が実に1/3.6に減っていたことになります。「平均」というのは、雪がブレーキに挟まってツルツル滑っていたのが急に効き出す場合もあるからですが、乗客の証言の通りならブレーキが効かないまま追突したのでしょう。

 600m地点が中間現示速度55km/hだった場合、減速定数8.0での停止距離552/8=378m<600m(紫線→)ですから1段制動ATCでなければ追突しないで済んだ可能性があります。あるいは豪雪中の特別措置として55km/h制限に読み替えて運行していれば衝突は防げたかも知れない・・・・・ということです。
 80km/hから減速定数8.0で減速しての停止距離は(前に電車が止まっていなければ)800m=802/8、40km/hからでは200m=402/8ということで、車間距離が200m足らずに衝突した。600mで停まるには69km/h=√(600×8)以下である必要があったことが分かります。(略図参照↑)

ブレーキ特性の乱れは全く想定外!ATS・ATC    <1>

発生日時内容条件対策
1965/05、'98/新幹線名古屋駅過走 豪雨
速度計軸の
滑走


速度計軸1/2ブレ−キ化=
1967/07、/11新幹線岐阜羽島過走 速度計軸0ブレ−キ化
(誤計測防止)→
+先進路開通
1967/12新幹線岐阜羽島800m過走豪雪
1973/02/21新幹線鳥飼電車基地出口手前停止無

滑走防止
Q点設置=03信号手前停止地上子
3信号2m延伸50m、
油垢清掃、塗油適正化
1986/03/23昼西武田無駅降雪

耐雪ブレーキ装備(シューを摺動)
2002/01/03名鉄新羽島 耐雪ブレーキ使用基準制定
2005/02/02 07: はるか9号過走冒進260m
東海道線加瀬駅
−対策不詳
2005/02/02 11:17 雷鳥16号過走900m冒進
異線進入30m湖西線近江今津駅
2014/02/15 00東横線元住吉駅(一段制動ATC) 速度抑制
過走事故(抄): http://www.geocities.jp/jtqsw192/FIG/histrydc.htm#2.2
日記#70:特急雪中過走事故2件:はるか9&雷鳥16
↓<毎日新聞 2月16日(日)16時1分配信><T2>


<東横線>14日にオーバーラン10件 徐行運転命じず

毎日新聞 2月16日(日)16時1分配信
 15日未明に川崎市中原区の元住吉駅で電車追突事故が起きた東急東横線は16日、始発から全線で運行再開した。15日夜に記者会見した東急電鉄は降雪が始まった14日に同線で他にオーバーランが10件あったが、徐行運転を命じていなかったことを明らかにした。

 同社によると、追突した電車は時速80キロで走行していた。先行電車がオーバーランしたため指令室から停車を命じられ、元住吉駅の手前約600メートルで非常ブレーキをかけた。通常は200メートルで停止できる性能があるが、実際には速度が落ちず、30〜40キロで衝突したという。東横線はATC(自動列車制御装置)が導入されているが、非常ブレーキをかけると作動しないという。

 雪による制動力低下を防ぐため「耐雪ブレーキ」と呼ばれる装置も作動していたが、同社鉄道事業本部は「車輪とブレーキパッドの間に雪が挟まり摩擦力が落ちた可能性がある」としている。

 同社の説明では、14日に相次いだオーバーランについては「距離が短く、誤差の可能性もある」などと判断し、徐行運転措置は取らなかったという。同社は再発防止策として、降雪時は速度を落として運行する方針を示した。【小倉祥徳】
 そもそも「保安装置」と呼ぶATC・ATSは、ブレーキが安定的に動作することが前提ですから、雨や雪でスリップした場合、安全余裕が小さすぎると衝突安全性は担保できません。
 前例となる事故も多発していて、有名どころとしては西武田無駅、名鉄新羽島、新幹線鳥飼電車基地出口本線合流点などがあり、根本解決しきれずに時折過走事故となっています。(See→表1)

1段制動ATC
 安全余裕削除に拍車をかける  <2>

 ところが、近年のATCは、車上信号化して地上信号スペースを無くし地下鉄トンネル断面を小さくして工事費低減を図るとか、1段制動式ATCで減速された中間現示速度を排して、先行列車にギリギリ接近できるようにして輸送容量を増やすために導入されるようになりましたが、ブレーキが安定的に動作する環境なら衝突安全性を保障できますからオペレータ=運転士としては日常的にはATCに全幅の信頼を寄せて、ATCブレーキに頼る運転が可能になります。ところが制動力が保障できない豪雪中などでこれをやると、制動距離が足らなくなり、過走、冒進、最悪は衝突事故となって現れます。
 今回の元住吉駅追突事故も、通常運転速度の80km/hで運転していて600m手前で非常制動を掛けて40km/hで追突したというのですから、雪でブレーキの減速度が落ちることを想定しない運転だったことが第1の問題、非常ブレーキで発電制動が強制的に切れる仕様だとすれば第2の問題です。
 しかし、近年は電力回生制動が主流になり、回生電力を他で消費できない場合に回生失効して、昔は自前の抵抗器に消費させる発電制動に切り替わりましたが、最近は発電制動機能が無く、直に空気制動に切り替わる方式が主流になりました。
 その空制が雪などで効かなくなると、もはや停めることができません。回生失効を避けるために変電所側で架線電圧を監視して急上昇時に負荷を繋いで吸収させる措置が必要かも知れません。
 そしてATCが日常的には効率の良い「一段制動ATC」ではなく、従前の中間現示速度段階毎の減速方式なら衝突が避けられた可能性が強まります。

 限界ギリギリまで追い込む方式の採用には、降雪など異常状態をもシステムに組み込む必要が出てきます。たとえば降雪時に、ブレーキシュー温度で耐雪ブレーキを制御・加熱し氷結を防ぐとかの「外的条件を制御ループ内に取り込む措置」が考慮されるべきですが、当面、即座に実施できることは、豪雪でブレーキ力が心配な場合に、既定の速度を落とすこと。ATS-PやD-ATCの様に減速度が演算設定値の場合のシステムは、減速度を小さい値に切り換えて限界速度を演算する機能を付して対応することが必要でしょう。
     See.→ 日記#386 現行一段制動ATCの欠陥!

 この結果は他私鉄1段制動ATCでもD−ATC(京浜東北、山手)でも、DS−ATC(新幹線)でも同様ですが、降雪時の減速基準制定など適切な対応が採られているでしょうか?(新幹線は滑走・過走自体は厳重に対策していて、速度計軸を16両編成中間の8両目にして、その軸のブレーキ力を半分に減らす等の設定はしています。これが雪噛み対策として十分かどうかは別問題で、検証の有無は注目されますが・・・・)

車体強度は、安全対策絡みの各種配慮
 「最高速度まで壊れない車体」には無理   <3>

 保安装置や専用軌道で万が一にも衝突の危険は無いようにして、通常走行に必要な強度として軽量化を図る考え方は、特に新幹線での考え方で、0系1両60トン210km/h運行が現在300系以降40トン270km/h〜320km/h運行になりましたが、これは絶対衝突させないために何重もの厳重な保安装置で守って軽量化しています。在来線は踏切があり、車体に衝撃吸収ゾーンを設けて乗客乗員への被害を減らす工夫はあるのですが、生存空間の確保など引き続き工夫が求められます。 40km/hでの追突で床が1m余も盛り上がるという結果は車体強度に不安を生じているということでしょう。

2014/02/20 02:55

BBS-0308.3 非常制動の電制断で衝突か!常用最大なら停まれた    2014/2/19 (Wed) 01:37:32 親潮鉄道 <5>

 自分なりに納得したので書き込みます。
東急5000系は、純電気ブレーキを使用しており、踏面 ブレーキは余り発熱していなかった。
結果踏面ブレーキが暖まらずに雪が溜まっていた。

 この状況で、非常ブレーキをかけたから、純電気ブレーキが切れ、踏面ブレーキで止めようとしたためにシューと車輪の間に溜まった雪の影響で車輪を拘束できず、追突に至った。

常用最大でブレーキを駆けていたら、追突しなかった可能性大
常磐線羽鳥駅構内列車脱線事故の類例かも。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1683


 同感!
一つの問題は、深夜時間帯で回生制動の電力吸収が可能かどうか。他に加速中の電車がないと回生失効で空制だけになり非常制動と変わりません。
 回生失効予防に、変電所に回生制動の瞬間高圧吸収負荷を置いて安定化する必要があるのかも。非常制動で無条件に電制を切る仕様と運転規定は踏切衝突時の電気火災予防なのでしょうが、富士急三ッ峠転覆事故(1971/3死者14)でもパンタグラフを降ろさず電制を生かしていれば救えたことが分かっていて、一律電制断は問題がありますね。パンタ下げボタンをブレーキ脇に置いて、非常制動後に運転士の判断で下げる、衝突前に客室に逃げてからパン下げ操作可能にすることも必要があるのでは。コントローラーを持って客室に逃げるのはマンガチックに過ぎますか?
 当面即座の対策としては、雪が降ったらATC区間でも最高速度を落とすことでしょう。取り敢えずの基準は、耐雪ブレーキ投入降雪量の準用で、様々検討・対策して、効果を確認しながら徐々に適用限界条件を上げていくべきです。

警察・検察の現場人身御供主義が悪影響!  <6>

 運転者が事故懸念状況に対して最も有効な対応を採るのではなく、減速度が下がって結果が深刻になる恐れのある場合でも「非常制動投入」に拘るのは、犠牲の出る鉄道事故に際して、警察・検察が現場従業者を人身御供に幕引きを図りたがる歪んだ現状があります。今回の追突事故での司令の指示が「可及的に速やかに停止。即時停止」や「常用最大制動での停止」ではなく「非常制動」となった理由もこの歪曲刑事責任回避があると思われ、その是正に国交大臣と検察庁の公式協議と、その結果での鉄道事業者への指導が必要でしょう。今回の元住吉駅事故の半分は警察・検察に責任があります。
 その時の条件では最も有効な制動が常用制動だった場合で避けきれずに事故に成った場合に「非常事態に際し非常制動を使わず適切な措置を採らなかったことは業務上過失である」と因縁を付けて刑事罰に問われる恐れがあって、非常制動では不適切な場合でも、刑事処罰回避には、アリバイ操作として物理的実態ではない操作位置レッテルである「非常制動」にせざるを得ない馬鹿馬鹿しい状況があるようです。
 その典型が北陸トンネル急行きたぐに惨事1972/11/06で、その3年前の北陸トンネル特急日本海火災事故1969/12/06で乗務員が「火災でのトンネル内停止は危険」と判断して、そのままトンネル外に脱出して消防と協力して鎮火させ物損に留めた殊勲の判断を文系支配の本社が「運転規則違反」として不当処分して火災時のトンネル内停止を強要していて「急行きたぐに」では火災発生でトンネル内に停めざるを得ませんでした。
 警察・検察は、それを一切考慮せず、トンネル内停止を処分で強要した本社の責任は全く問わず、死者が出たからと被害者といえる乗務員達が生け贄起訴されて無罪判決まで長期に刑事裁判に晒されて職を奪われました。  羽越線いなほ強風転覆事故2005/12/25でも「人が死んでるんだし刑事責任はある」という警察見解が先に示されて、駅を無人化して局地気象状況を掴めなくした本社ではなく現業の輸送指令が送検される人身御供策が採られ、参宮線六軒事故も信号の直前転換の疑いが消せないし、必要な防止策が何重にもサボられていたのに見せしめ的に乗務員有罪と、交通機関の安全優先の判断ではなく、誤った基準の刑事処罰回避策が優先される本末転倒状態を警察・検察が作って逆に安全を阻害していることが重大問題です。 福知山線尼崎事故では「部下から危険性を聞いた」という警察・検察の作文筋書きで当時の鉄道本部長を起訴して、技術系キャリア自身が当然に持つ解析力・業務知識の主張・立証を放棄して「無罪判決」になるなど、かなり好い加減な起訴が行われました。
 物理法則に反する素人感覚で送検・起訴権限を振り回してはいけません。これまでの度重なるエラーを警察・検察として総括・訂正しない限り、乗客はこの刑事処罰回避で安全策が後回しになる危険に晒されます。司法側は「個々の事件毎の判断」と逃げるでしょうが、過去の間違いは間違いで、公式に訂正しない限り、乗客は無用の危険増大に晒されます。これまで行われてきた司法の現場労働者生け贄要求主義は却って安全を損ねます。

鑑定付きマニュアルで徹底すべき!  <6.1>

 技術的には素人の警察・検察の誤った思い込みによる刑事処分をさせずに、安全な対応を貫く責任が事業者側にはあるはずです。現に尼崎事故調査報告書では事故調主導で、事故車種のブレーキ操作の違いによる制動効果の違いについての実験結果が述べられていて、その事故調報告書の鑑定権威を警察・検察が認める形になっています。これは、営団中目黒事故2000/03で事故調検討会を制して勝手にレールを撤去して再現実験不能にし、保線労働者を生け贄送検しましたが、主因が輪重調整不適と護輪軌条設置基準不適と全く違う原因だったことで専門分野の調査と判断を捜査機関が先導する愚にはようやく気付き、尼崎事故2005/04では事故調報告を待ちました。末端職場で行われた「非常制動に投入しないと業務上過失を取られる!」という指導に対して、運輸安全委員会などのお墨付きを得たマニュアルを作成して、降雪下など条件次第で電制を残せる常用最大制動も妥当で判断が必要なことと、その一瞬の判断を結果論で刑事処罰できないことを予め公表・徹底して乗務員を生け贄にさせない配慮が要るでしょう。捜査機関は世論の風を見ての処罰方針が先にあっての処分口実捜しの面があって、真実には関係なく「非常制動を選ばなかった」と起訴した例が有っても、別の事件では「最も効く常用最大制動を選ばず、漫然と制動力の弱い非常制動に投入した」と起訴する可能性はあるわけで、何が妥当かは専門側が裏付け実験DATAを添えた基準を予め設定してオペレータに徹底しておき、それに照らして適切・正当な操作だったか、微妙な差の一瞬の判断での若干のズレに「加罰的違法性があったか」という説得力有る基準を示しておき、労働組合もその基準に注視して、生け贄刑事処分を防ぐべきでしょう。実は生け贄処理は会社側の責任回避にも好都合なので、参宮線六軒事故1956/10のように当局側に運転通告券発行サボリや、重連対策の中継弁不設置があり、信号の直前転換の疑いは消せないのに、事故発生当初から「信号見落とし」キャンペーンで乗務員を生け贄にして処理、労働組合が頑張らないと生け贄処理は無くせません。『極左』暴力集団中核派との強い結びつきで地域労組からは相手にされない動労千葉が、国鉄JR労働者には強い支持があるのは、房総特急の安全速度問題の成果に加えて、船橋駅追突事故の運転士を職場復帰させるなどの、極左暴力看板とは違う労働組合としての具体的実績のためです。(意見が違う相手の爆撃殲滅を叫ぶ殺人集団関係と自分の組合を交流させるつもりは全くありません。断固反対!念のため。)
       (→旧版
2014/02/21 17:55

[Page Top↑] 旧
新
雑談
Geo雑談
戻る