SxLong結線
SxLong改

ATS-S地上子設営基準

[ ATS-Sxの想定 ]
空走距離=速度×空走時間 =V/3.6×T
制動距離=速度2/制動定数=V2/K
t勾配補正=254.016・tanθ  より
設置位置L=
  最高速度Vm2/(制動定数A+勾配補正At) +空走定数B×Vm

すなわち
 L=Vm2/(A+At)+B×Vm
 ……………………………… (1)
という算出式で求める.
 A(制動)、B(空走)各定数は電車、旅客列車、貨物列車の3区分で定義している.
SxLong地上子 m閉塞内最高運転速度km/h
A:制動定数
B:空走定数=空走時間[秒]/3.6
T1:非常制動最大応答時間(列車種別毎制定)
T2:鳴動応答時間(地上子通過後1秒とす)
T3:ATS−Sxロング警報動作時間(5秒)
Ta:全空走時間=T1+T2+T3
tanθ:勾配
Sxロング地上子設置位置
放物線作図
ATS-Sx Long地上子設営基準式   .
定数表演算定数 空走
時間
Ta秒
作図数値 (右図参照)
km/hm
制動定数
空走定数
T1T2T3 600m
速度
−V2
(2)式
軸−V
(3)式
−L
(4)式
電  車20/0.7+At7/3.6115 108−55.6−27.8−27.0
旅客列車20+At8/3.62 89−44.4−22.2−24.7
貨物列車15+At11/3.65 75−45.8−22.9−35.0


  放物線は3点が確定すると描ける
 上記、軸と頂点座標、原点、原点位置での軸対象速度の3点で決定される。
  距離軸(X軸)が対象軸の場合は頂点と、任意の1点で決定。放物線の自己相似性により部品として準備した放物線図の縦横倍率設定を変えることで実現できる。
【作図情報(放物線)】:
 L=0で、V=0、& V2=−(A+At)B …(定数)の2点を通る…(2)
 従って放物線の軸はV3=−(A+At)B/2 ……(定数)………… (3)
               =V2/2  …………………… (3)'
   放物線の頂点は Lp=−(A+At)・B2/4   ……………… (4)
               =V3・B/2  ………………… (4)’
平坦地:At=0(tanθ=0)で作図すると前掲の図となる。
 また、600m地点に地上子を置くと、電車、旅客、貨物のVmは108km/h, 89km/h, 75km/hとなる.
(閉塞の最高速度Vの場合の地上子位置が赤線上.確認扱いが無い場合、赤線上で警告を受けて、青線上で非常制動が掛かる)
(以上参考資料P16の算出式を「制動定数・空走時間」基準に整理、作図数値を付す)

[参照]ATS-Sx等時素速照設置例

[ ATS-Sx 受信器の動作 ]

<ATSS_RCV>
108.5kHz Sx速度照査地上子
  ATS-S/-Sx 系は、車上自由発振周波数が105khz/103kHzで、この車上子コイルに130kHz地上子が接近して発振周波数を引き込んで停止(赤)現示を伝えるが、この動作を子細にみると、-Sと共通の検出フィルターは130kHzを拾って動作するのではなく、常時は105kHz/103kHzを拾っていて、これが地上子により変周して拾えなくなることで動作している。
  だから、地上子の周波数が105kHz/103kHzより分解能以上高い周波数なら警報を発することができる。このため直下地上子に非常停止123kHzを用いるATS-Sx区間でもATS-Sとしては正常に動作する。
  123kHz:ATS-SN/-Sxで非常制動命令として機能拡張した部分は、該当周波数123kHzのフィルターで検出して動作する。
  108.5kHz:ATS-ST/-Sx速照周波数は、常時発振周波数に同調するフィルターで2度の落下を検出してその内法時間が設定時素より短いことで速度照査・非常制動を行う。
  ATS-S/-Sn/-SNでは、この常時発信周波数に結合しているフィルターの周波数分解能は比較的低くATS-ST/-SW(Sx)系の時素速照108.5kHz地上子では警報を発しない。S/SNの自由発振周波数許容幅105kHz±5kHzの10kHz幅を分割して自由発振周波数を103kHz±3kHz、速度照査地上子共振周波数に108.5kHz±1.5kHzを割り当ててATS-ST/-Sw(Sx)系とすることで-S/-SNとの上位互換性を保ち速照108.5kHzを検出しやすくしている。see <TBL-2>
  なお、通過現示時は、ATS-S型導入当初はコイルを短絡して検出できなくしていたが、電気試験車マヤ検対応で待機時の地上子共振周波数に103kHzを割り当てた。これは車上の自由発振周波数105kHz/103kHzより低いか同じなので、引き込み現象は起こらずATS動作に影響なく車上検査可能にした。
  制御振り子車では位置情報をATS-Sx地上子の検出で得るため,車上子の発信周波数を85kHzとして進行現示103kHz〜105kHzの地上子を検出して振り子制御を行っている(06/05/20追記)
mail to: adrs
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Last update: 2006/05/20   05/02/10 TBL-2,3,4 03/10 (02/09/14作成)



通達 「自動列車停止装置の設置について」            <S42-11ATS>
昭和42年鉄運第11号 (1967/01)
  自動列車停止装置の構造基準

  自動列車停止装置の設置基準に該当する区間に設置する自動列車停止装置の構造は、次によらなければならない。
  • 場内信号機、出発信号機、閉塞信号機が停止信号を現示している場合、
    重複式の信号制御区間の終端、 重複式でない信号制御方式では信号機の防護区域の始端までに列車を停止させるものとする。
  • 速度照査機構をそなえ、速度照査地点を照査速度を超えて列車が進行する場合、自動的に制動装置が動作するものとする。
  • 照査速度は線区の特性に応じて多段階とし、列車最高速度が100km/h以上の区間は3段階以上、100km/h未満の区間では2段階以上を標準とする。
  • 停止信号を現示している信号機に最も近い地点における照査速度は20km/h以下とする。
  • 車上設備の機能が正常であることを運転台に表示する。
  • 地上設備設置区間を運行する場合は、列車は車上設備を開放して運転できないものとする。
注記:地方鉄道法(=私鉄対象)による事業者向け。
ATS・ATC改訂版(日本鉄道電気技術協会'01/07刊 tel 03-3861-8678)3ページより
通達実施以降、故障時・誤操作を除いては大事故には至っていない。
  この運輸省通達は国鉄分割民営化(1987/04)前に廃止されている。そのため欠陥ATSであるATS-B/-Sが存続して、東中野駅追突(88/12)など防げたはずの衝突事故を起こしている。