時素速照による
 
過速度過走防止装置調査

◎問題提起
◎設営法試案
◎宿毛駅過速・過走防止試算
←リンク

西船橋駅ATS-SF過走防止装置実測と動作推定

   <ATS-ST>
ATS-ST過走防止装置

武蔵野線西船橋駅SF(ST)地上子設置状況
時素=
0.55
ATS-SF
#9〜10 ↑N#11〜(12) ↑S
位置速照
km/h
位置速照
km/h
m’本:m
出発信号-52.10.0  0.00.0*写真
判定

3SC
直下地上子-32.120.09.021.8
貨物停目-8.044.155.035.3
誤出発?-0.851.3
1SC−27.659.712.477.049.49.3
1SC−010.062.1 80.051.3 
2SC−261.4113.522.996.061.513.5
2SC−065.4117.5 100.064.1 
3SC−2150.5202.633.4162.0103.821.9
3SC−0156.1208.2 168.0107.7 
4SC−2 04/03/1x
/05/06撮影
実地調査
45.4169.929.5
4SC−050.2174.9 
5SC−2158.9287.837.6
5SC−0165.0294.1 
  武蔵野線西船橋駅に設置のATS-ST過走防止速度照査地上子対の設置状況を調査。算出条件は下記の通り。
  1.   枕木が等間隔で配置されているものと仮定し、枕木位置で地上子位置を計測、
  2.   編成長からホーム全長を推定して、これから比例配分で地上子位置を算出した。
  3.   両ホームは幅広の枕木だが、拡張した10両ホームは外れた部分から普通のコンクリート枕木になるので、両ホームを基準にして
  4.   コンクリート枕木は写真よりレール長25m中の本数を基準にピッチ
  5.   過走防止装置には等速度で進入するもの
として位置計算した。
  この方式では計測分解能が枕木ピッチの1/2程度だから、3〜6ピッチしかない速度照査値の計測精度が非常に悪いことに着目し、相対的な対の地上子間隔に留意してDATA採取した。
  ATS-SF、OER、KTR共、速照対の位置は概ね想定標準減速曲線から空走時間手前のラインに乗っているが、速度・位置の分割規則はまちまちで、実測からは見えて来なかった。
  #11番線の初期の計測値だと非冒進で停まれたが、不審につき高所から撮影して確認の結果、冒進型と確認された。逆方向の#9〜#10は最初から冒進前提の値になっている。
  停止限界位置との相対関係では、ATS-ST 過走防止装置の標準的設定と思われる。
  1. 地点速照対5組を設置して、進入速度45km/h、貨物空走時間6秒で冒進しても過走限界内に停車させる設定になっている.
  2. ATS-STの速照地上子はどれも共振周波数が108.5kHzであり、前後共通に使える.現に京葉線では-SC2型を使わず-SC0型ばかりで構成される速照対がある.と云うことは速照地上子がn個並ぶとn−1径間で速度照査が行われることになる.これを積極的に利用したのが小田急式過走防止装置で、7(一般)〜12地上子(新宿駅)に設置されている.京王新宿駅も最近この方式の15地上子式に切り替わった様である。

ATS-SK過速度防止装置
車上時素と制限速度
速照地上子標準振子貨物時素
位置
間隔
500450550時素
mS
1段12.31859477 km/h
速度
制限
2段9.53657259
3段6.75455041
分岐0455045基準
中心間隔m=0.5+速度×0.5/3.6

JR九州ATS時素速照 設定<ATS-SK>

  JR九州の振り子車速度制限がATS-SK速照の時素を標準の90%=450mSに短縮して独自の速照値を定めていると思われる写真資料を発見!その写真には右の表の500mSと450mSの制限速度が明記されており、機関車の設定である550mSの制限速度と地上子間隔を算出して一覧表とす. 原ページ=博多駅の工事:写真は北原東口氏提供による.06/02/15追記)
http://senrokoji.fukurail.gozaru.jp/haka_sks/2006_0103/#ATS_sokushou
(この過速度防止装置の設置場所は鹿児島線上り博多駅場内手前で、3対の速照地上子により分岐器過速度防止装置を構成、防護対象ポイントの制動余裕距離手前に設置.分岐器に対する設置位置は未計測)
1
初段速照
  最高速度で減速可能な位置。
  振り子列車は94km/h・他の列車は85km/h
2
2段目速照
  前段の照査速度85/94km/hで減速可能な位置
  照査速度は振り子が72km/hでそれ以外が65km/h
3
3段目速照
  前段の照査速度65/72km/hで減速可能な位置
  照査速度は振り子は50km/hでそれ以外が45km/h


OER過走防止装置地上子設置状況
   <OER>

  時素型速照対利用の小田急式過走防止装置は、7地上子6径間の速度制限で過走を抑制するもので、設置位置から考えると突入速度(=ATS制限速度)は18km/h〜20km/h、ATS-ST型の時素が標準で0.5秒に対し連続径間速照型では標準時素1秒と思われる.   (向ヶ丘遊園駅の地上子番号表示は最近逆順になった様だ.速照時素は1秒.新宿駅地上子には番号表示なし.)

 ところが新宿駅は12個の地上子で過走防止装置を構成しており、その配置から突入速度はYY現示制限速度25km/hと推定される。途中駅の制限18〜20km/hとどう違うのだろう?7素子過走防止装置に25km/hで進入すると丁度空走距離分冒進します.安全装置としてはそれで良いけれど、18km/h以下だと閉塞区間内に停車できる.



向ヶ丘遊園駅上り#3ホーム
上りホーム#3
枕木 本位置 m照査速度
(時素=1秒)
ホーム端0.00.0基準1



停目1013.07.8基準3
停目876.045.8
車端345.0207.8基準4
ホーム端357.0215.1基準2
直下P04.52.7立上
km/h
内法
km/h
6 (08.04.88.76.9
5 (112.07.210.89.0
4 (217.010.211.910.1
3 (322.513.613.011.2
2 (428.517.215.213.4
1 (535.521.417.315.5
0 (643.526.2地上子幅0.5m
33.019.9調査:
04/03/31
66.039.8
148.089.2
235.0141.6
298.0179.5
354.0213.3
369.0222.3
宿毛駅地上子位置 <sukumo>
位置
速度 km/h間隔
備考
照査防御
8007513020.425 過速防止
事故後増設部
7006511919.070
400457914.286
2423047.510.999(242mは推定)
168(25)分岐器制限速度
381030.71.991過走防止移設
0012.2絶対停止
設定算出12m過走余裕

  土佐くろしお鉄道宿毛駅突入事故では、JR四国と同じATS-SSが採用されながら保安装置としては全く役立たない速照2対が当然無試験で設置され、ロング地上子も最高速度を全く考慮しない51km/h対応=Y現示制限速度以下対応であったために事故を防げなかった.

  ロング設置位置は運輸省/国交省の設置基準であり、鉄建公団の設計施行を運輸省が事前審査していたことと、第3セクター現場に機能チェック能力が無いことを示すものだ.

  増設した3基の速照対の設置費用は100万円弱とのことで、運輸省の指示があればすぐにでも設置していたとは土佐くろしお鉄道の弁(4/8赤旗中四版).これで最高速度130km/hから防御できる.

  設置規則を追う目で見ると新設の3点は「常用制動での運行を阻害しない」という基準は適用されていない様にみえる.800m手前地点で75km/h照査というのはかなり手前での事前減速を義務付けた設定だ.



OER新宿地上ホーム#3〜#4(#1〜#6)
地上ホーム#1〜#6
枕木 本位置 m照査速度
(時素=1秒)
車止め0.00.0※位置基準1
P011.07.3立上り
km/h
内 法
km/h
停目7/1013.58.9
15.09.97.25.4
18.011.98.36.5
21.514.29.57.7
25.516.910.78.9
30.019.913.111.3
35.523.515.513.7
42.027.816.714.9
49.032.519.117.3
57.037.821.519.7
1066.043.723.822.0
1176.050.328.626.8
1288.058.3地上子幅0.5m
93.061.6調査:
04/03/31
104.068.9
117.077.5
144.095.4
158.5105.0
165.0109.3
205.5136.1
車端
222.5147.4
ホーム端317.0210.0※位置基準2
OER新宿地下ホーム#8(#7〜#8)
地上ホーム#1〜#6
枕木 本位置 m照査速度
(時素=1秒)
車止め0.00.0※位置基準1
P010.05.7立上り
km/h
内 法
km/h
停目7/1012.06.8
15.08.56.14.3
18.010.28.26.4
22.012.510.28.4
27.015.311.29.4
32.518.414.312.5
39.522.415.313.5
47.026.717.415.6
55.531.519.417.6
65.036.921.419.6
1075.542.824.522.7
1187.549.625.523.7
12100.056.7地上子幅0.5m
105.559.9調査:
04/03/31
115.565.5
130.073.8
159.590.5
175.599.6
226.5128.5
245.0139.0
車端294.0166.8※位置基準4
297.0168.5
ホーム端369.0209.4※位置基準2



KTR過走防止

KTR過走防止装置

       <KTR>

   (3〜4地上子対)

 更に、OER新宿駅方式の12地上子過走防止装置は並行するKTR新宿駅の過走防止装置に昨秋頃から採り入れられて、15地上子で、突入速度25km/h、時素1秒と思われる設定で動作している(本項末尾)。京王線の場合、他駅は速照対×3〜4+直下地上子0km/hで構成して時素0.5秒動作だから、2種類の時素で動作していることになる。
  以下の計測結果資料(by ヲタ氏)戴き!

  地上子3対で過走防止!調布下り場内信号
   (ATS-25km/hと直下地上子を加えて構成)

調布駅過走防止装置
(時素=0.5秒、ATS-YY現示制限=25km/h、内法動作と思われる)
上り#3ホーム(0.5秒時素)
上りホーム#3
枕木 本位置 m照査速度
時素0.5秒
出発-4.0-2.4
ホーム端0.00.0※位置基準1
停目109.05.4※位置基準3
直下P010.06.00.0


1 23.514.07.1
1’26.015.5
2 38.022.711.4
2’41.524.8
3 60.536.115.7
3’65.038.8
4 79.547.522.2
4’85.551.0地上子幅0.5m
停目834.020.3調査:
04/04/21
停目753.031.6
2場 189.0112.8
P  199.5119.1
P  235.0140.3
車端8※位置基準4
車端10344.0205.4
ホーム端358.0215.1※位置基準2
  従前通りの0.5秒時素で、地上子対毎8個4対動作.新宿駅過走防止装置参照



KTR時素速照型過走防止装置調布上り#3出発


  京王の時素型速度照査は従前時素0.5秒だった.しかし昨年'03年末新宿駅の過走防止装置が改良され、その地上子設置位置から推定すると時素1秒も併用している筈だ。時素の切換が必要だが、どうしているのだろうか?OERは双方1秒で共通の様だ.

  (つつじヶ丘上り本線出発信号手前の過走防止装置とほぼ同じ設営)


下り線場内信号
位置制限[km/h]備考
設備枕木[m]0.5s1秒
1場0.00.0絶縁
直下30.518.20.0非常
#145.527.29.34.6 
 #1'48.529.0
#270.742.214.97.4 
 #2'75.044.8
#394.856.620.910.5 
 #3'100.560.0
閉塞1187.5111.9151絶縁
基準335.0200.0列車長

KTR時素速照型過走防止装置調布下り場内

【 計測 】04/04/21〜/25      <shinjuku2>
京王線新宿駅#2ホーム(1秒時素)
急行快速ホーム#2
枕木 本位置 m照査速度
車止め0.00.0時素
0.5秒
時素
1秒
停目1011.006.5
 013.508.02.81.4
 115.008.94.92.5
 217.0010.17.03.5
 319.5011.59.24.6
 422.5013.312.46.2
 526.2515.515.67.8
 630.7518.218.89.4
 736.0021.322.011.0
 842.0024.826.213.1
 949.5029.330.515.2
1057.5034.033.716.8
1166.2539.237.919.0
1276.0045.044.322.2
1387.2551.650.725.3
14100.0059.1地上子幅0.5m
車端8281.50166.5※位置基準4
車端10
P 226.00133.7調査:
04/04/21
再調査4/25
P 292.00172.7
P 355.00210.0
ホーム端363.00214.7※位置基準2
京王新宿過走防止装置
   京王新宿駅#3番線の
  15地上子過走防止装置
 12〜15地上子を使った過走防止が京王線新宿駅に3本,小田急線新宿駅に5本,京王井の頭線渋谷駅に2本設置されている.
 時素式速度照査を各地上子間で行い,小田急は1秒の車上時素式と思われるが,京王の時素は0.5秒が標準とみられ,新宿・渋谷はこれとは別の1秒の地上時素式過走防止装置と見られる.14連〜15連地上子コイルは列車検知と停止動作を兼用して切替ながら動作する.

 京王線電車の車上子設置位置は台車の直後で,連結面から約5.5mほど後側だから,過走余裕はその分を引いて算出する必要がある.左表の絶対停止地上子#0が車止めから8m位置というのは,連結面は差し引き2.5m位置である.ここの許容突入速度は3.7km/h(空走2秒,制動定数20/0.7,一定速度突入)で,一定速度突入なら前段で2.5km/h以下に抑えられて来るから必ず停まれるが,06/04/21の
吉祥寺駅過走衝突事故のようにそこを加速ですり抜けた場合の余裕が残っているかどうかは微妙であるが,大局としては1967年私鉄ATS通達仕様のおかげで大事に至らない. この節06/05/14追記

KTR新宿駅過走防止装置(15地上子)
 [ 04/04/21 歩測 ] (4/25訂正#10以降+1ピッチ)
 [ 03/秋 観測推定 ]
KTR新宿駅過走防止装置旧
【 仮想、推定 】
OER新宿駅過走防止装置12地上子型


mail to: adrs
前頁 戻る LIST
Last Upload: Last Update: 06/02/15  (04/5/7 /04/21org.