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「浸食」とは、こんなに激しい現象だったのか!
地盤崩壊、土石流、大鉄橋流出、・・・・・・・・・・・

 大分県と福岡県南部が歴史上希に見る豪雨に見舞われて、土砂崩れや氾濫により被害が拡大、多数の死傷者・行方不明者が出る大惨事となり、大鉄橋の流された久大線の復旧も数年を要する大災害となりました。被災者の皆さんには心から御見舞申し上げます。
 橋などに詰まって氾濫させるおびただしい量の流木は、上流で山崩れが幾つも起こって立木丸ごとが川に流されるモノ!理科(地学)で大地の「浸食」というときには、雨水でチョロチョロ削られるのとは桁違いの規模を想定すべきだと思い至りました。
 現在はアメダス・システムとレーダー&衛星の気象観測網の発達で「線状降水帯」といった激しい集中豪雨の構造が明らかにされていて、災害構造は昔より良く見えるようになりましたが、それを生かしての対応策がまだまだ開発途上ということでしょう。
 岩山のV字渓谷ですと岩だらけの土石流災害の跡が沢筋で長期間で渓谷化してゆき、崖崩れ跡が沢筋で、緩勾配部に出るとなだらかな丸い地形となり、繰り返す土石流が谷から開けた平野部に形成するのが扇状地、黒部川の大渓谷は後ろ立山連峰、立山連峰間の土石流経路なのか!・・・・・と、スケールアップした想像が必要です。
 この手の激しい気象災害で鉄道が長期に寸断される記憶としては、廃線になってしまった宮崎県高千穂鉄道(2005/09)、駅で列車待避注を土砂崩れに見舞われ間一髪の避難誘導で大多数の乗客を救命できた日豊本線竜ヶ水駅(1993/08)、長野県大糸線南小谷北区間(1995/07不通2年余)、只見線(2011/07現状未復旧)などが印象にあり、橋脚間のスパンが100mを越えるような大鉄橋が次々と流されてしまう豪雨のスケールには驚かされます。無論「潜掘」「洗掘」といって橋脚の基礎部分の土砂を激流に流されて橋脚が崩壊するのが主ではありますが、下路式トラス橋の天井部にゴミが引っかかった写真は鉄橋全体が激流に水没したとしか考えられない高水位に見舞われたことが推定されます。2011/07只見線豪雨災害の場合は原因河川の只見川の源流である尾瀬ヶ原自体が遊歩道の木道上を胸近くまで水没する大規模豪雨に見舞われていて、その2ヶ月余後の10月初に木道を歩くと田村十字路前後から東側で特に両側の葦などの植物が水流で倒されたままになっており、あの平原でそんなに大量の雨水が流れたのか!と驚いたものです。その水が奥只見川を直撃、川沿いの只見線を崩壊させたものであることは容易に想像できました。
 また、川が大昔の流域を取り戻す現象も目立ちました。2015年9月の鬼怒川堤防決壊による水海道の大洪水など、もろ旧河川敷を宅地開発した領域が水没しましたし、石狩川の氾濫(2016年8月)も同様の市街地を水没させています。 古くは東京狛江の多摩川水害(1974/09)も埋め立てられて宅地化した旧河川跡が豪雨で浸食されて復活し19戸の家屋が流され崩壊したものでした。 その水害現場直近西側の狛江市と調布市に掛かった大規模団地「東京都住宅供給公社、多摩川住宅」も、河岸段丘と猪ムで囲まれた河川敷に締め切り堤防を架設して湿地帯を排水、宅地化したもので、調布市のハザードマップに依りますと最大水深4mの洪水に見舞われる危険性ありとされていまして、集合住宅各棟の電話回線のターミナルボックスが階段室の2階と3階の中間の壁上に設けられており、万一洪水で浸水しても電話が生き残りやすく復旧しやすい配置になっていて、「供給公社は水没リスクは理解して建物設計している!」と思いました。 但し、その団地の各棟に最近設置の光ケーブルによる集合インターネット端末はNTTもKDDIも1階階段下に設置されていて浸水0.5m一発お釈迦の不用意な設置になっていますが、これは災害想定の近年の手抜きでしょう。

 結局は、(1).何十年に1回の激甚災害に耐える設計をするのかの想定の問題と、(2).想定を越えた激甚災害時に住人個々の脱出ルートを確保できているかどうか、(3).事前避難の適切な予報体制、収容体制準備といった問題でしょう。平野の集合住宅なら河川氾濫は階段室で上の階に逃げられますが、15mの津波では全く駄目!裏山に登れれば救命だけは何とか・・・・・、長い期間の無事故実績に馴らされてしまわず、真剣にリアルな想定をして対策すべしと云うことのようです。


保育園は通勤の一部!非難失当
通勤公用車が立ち寄って良い場所
失業中の「育メンぱぱ」は保育園送迎はしないのか?  <2>

 妻の出産入院中の不倫がバレて国会議員を引責辞任した「育メン」議員の当の妻議員が、自分の子を保育園に預けるのに公用車を使ったことが非難されていて、公用車に子供は乗せないことで結着したと報じられています。

 国会議員の出勤に送迎車を付けるのが適切かどうかはひとまず置いて、通勤途中で保育園に寄って子供を預けるのは働く上で当然のことで通勤とは一体のものなのに、なぜそれを問題にして攻撃するのでしょうか? 子育てしながら働ける状態というのは保育園立ち寄りは必須です。 制度として通勤に送迎車を差し向けるのであれば、通勤と一体の行動として保育園立ち寄りがあるので、公用車に子供=家族が乗るのは必然で、攻撃側の発想が根本的に間違っています。「公用車を私用に使ってはならない」モラルは当然ですが、通勤はすでに認められた公用の一部、通勤に保育園立ち寄りが付随しているのでしょうが!
 送迎車を差し向けるのが不当だというのなら、保育園立ち寄り云々(うんぬん:for僕チンでんでん首相)はまったく関係ありません。
 「一億総活躍社会」云々が本気の政策であれば、官邸が断固ガードして、容認見解を述べて送迎公用車の保育園立ち寄りを保証すべきです。 金子議員当人も中途半端に妥協せず、世論に訴えて働く両親の基本的権利を守り抜いていただきたいモノ。

 保育園送迎に直接関係ない人たちは「女性の権利問題」と誤解しますが、現実には勤務時間と通勤時間の関係で男女関係がありませんで、敢えて「両親」と書きました。根深い男女差別意識に発する誤解です。
 また議員辞任夫氏が失業中のまま主夫をしている場合にも、逆の男女差別から保育園への措置が認められることが多いのですが、逆に女性側が失業中では復活当選の政治活動をしていても絶対に保育園に措置されない男女差別が行政に存在する問題もあります。 まぁ、良妻賢母!女は家内!の保守層の「常識」が、「学童保育反対」、「中学校給食反対」、といった働く者を直接敵視する馬鹿げた議会決定をする背景となっています。 東京調布市の保守系議員達の学童保育・中学給食敵視などそれは酷いものでした。
 加えて「育メンぱぱ」で売った不倫辞任前議員氏は、保育園送迎をする条件はないのか?という疑問があります。 報道にはその関係は一切ありませんでした。時々は送迎しているのでしょうか?全く手を出してないのでしょうか?
 実は私自身が通勤途中に子供2人の保育園送迎を8年間続けていて、主に朝の送りを受け持ち、当番などで時差勤務の必要な場合には融通し合っていました。これを禁止されて、保育園から一旦家に戻ってからの出勤を義務付けられては日常生活が到底成り立たない状況でした。 15段変速ツアー車である通勤自転車に娘と息子を乗せて時折手放し運転で保育園送迎していたのを他の保護者達に見られてしまい、散散に責任追及されたものですが、きちんと調整された自転車であれば独楽の作用により自動操舵で適切なコースを進むものであることは、自転車経験者たちはよくご存じのことです。 但し、近年の安売りの東南アジアからの輸入品自転車はバランスが悪いモノが目立って、非常に不安定ですのでそれは両手放し運転は避けるしかありません。 その辺、値段の違いはあるのですが、多くのお母さん達には不安定を気付かれずに走行特性の悪い自転車が大量普及しています。 自己操舵性などの走行安定性を数値化できれば安いだけで売れる現象は収まるのでしょうが「悪車は良車を駆逐する」状態は長いこと変わっていません。


掛け算順序論争(小学2年算数)
単位剥奪強要こそ文科省数学屋側の間違い  <3>

 東京新聞の7月10日「特報面」に「掛け算の順序論争再燃」として、文科省が掛け算の順序について実質官許の方式を布告して、教科書会社がこれに忖度して一律表記としたことで、官許ではない逆順表記に×を付けるアホ教師が再び現れて、算数・数学嫌いを今以上に増やす懸念が見開きで論じられています。
 いわく「一皿に5個ずつ乗せられたみかんの4皿分の個数」を求める問題で「掛け算の式に書き表す場合は「一つ分の大きさである5を先に書き、5×4と記す」というのです。 1972年には既に、逆順解答に×点を付けられた生徒の保護者が文部省にネジ込んで逆順正答見解を公表していたのが、またぞろ旧悪復帰と取られかねない指導になっているという話です。

 われわれ現場側、理工学屋の目からみたら「馬鹿じゃないの!数学屋がモノの単位を無理矢理に数値から切り離して扱うことを強要してる偏狭さが基本問題で、各数値に単位を付したまま立式することを数学屋が許容すれば済むこと!」「計算に必要なパラメターは思いついた順に書いて必要十分を網羅してれば良い」「切り離しは演算理解の後で済むこと。立式後の途中演算で単位省略を許容すれば良いこと」なのです。 そんなもので×にしてはいけません。国語のテストで漢字の微妙な止め撥ねの違いや書き順をあげつらって×点にするのと同種の救いがたい非教育的愚行です。
 先の5個盛みかん4皿の総数の問題を立式すれば、
   総数=5[個(/皿)]×4[皿]、あるいは
   総数=4[皿]×5[個(/皿)]、 
のどちらでも全く差し支え無く、文科省の数学屋が各数値の単位を無意味に取り払うよう強要したことで生じる混乱です。 だから「バッカじゃないの!」という呆れ返ってしまう反応になります。
 上2式で、単位だけに着目すると、[個(/皿)]×[皿]=[個]、でありまして、次元の点では計算が違ってなさそうなことが分かるという副産物もありますが、これは小学2年生に持ち込むのはやや無理、もう少し複雑化した場合の計算確認バックアップ手段でしょう。 複雑な組立単位を多用する工高時代の専門科目演算次元チェックによくつかったものですし、一年生で履修の高校物理学でも「次元チェックによる整合性に確認」は繰り返し強調されました。
 かっての寺子屋教育時代の教育課程は「読み書きソロバン」の実学指向でありまして、単位抜きの純粋数学指向なんて関係ありませんでした。 ところが現在の数学教育は、なぜか実体と数字の分離に拘って、「量」を軽視し小学2年の掛け算では単位表記を行わない前提で記述順序問題という実に下らない困難を作り出して生徒を落としこぼし、さらに中学での方程式の立式では「代数」に異様に拘って変数に「x、y、z、アルファベット1文字」以外は使わせないことで生徒達に無用な参入障壁をぶつけて算数・数学嫌いを増やしてきました。
 そんなもの「漢字変数BASIC」に倣って、漢字&ローマ字で方程式を立てさせて立式能力は備えさせ、その演算表記の面倒さから代数xyzt等採用の必要性を理解させれば、「なんでxと置くんだ?」などの無用な疑問と抵抗感を生ずることなく理解してゆきます。
代数という形式より先に、実務で必要性に気付かせていたら、抵抗も少なく、理解が早いものです。 これが逆転しているから数学に対する苦手意識、抵抗感を強めて小学校高学年以降、特に中学生から先に数学嫌いが激増するのでしょう。
 「等速度での移動なら、時間tと距離Lが比例する」というのは初歩的で判りやすい現象でして、「その比例定数が速度Vなのだ」と説明されて、
   移動距離L=速度V×時間t
という式なら抵抗感なく読み下せますが、「代数表記」を優先させますと、
   移動距離をL、速度をV、時間をtとするとき、L=V t であるとなりますし、もっと拙いのは、
 移動距離を未知数Yと置くとき、速度をV、時間をxとすると、Y=V x となる。というところからの代数入門を強要するから「なんでx何だ?Yなんだ?」という無用の疑問が卓越してしまう生徒が出てきて、そこで諦めてしまって数学嫌い、数学オンチに陥るわけです。

 代数の導入には卓効有る処方箋が有りまして、先ずは漢字変数のママで計算して答えを出して貰い、正答を得てから繰り返し出現した「漢字変数」に代数記号x、y、z、tを当て嵌めて貰えば「xと置く」、「yと置く」、「valと置く」必要性が即座に理解されるものです。 また学校の数学で「1文字変数」と積記号「×」省略記法の無条件強要で、分かりやすい複数文字変数(漢字変数)の存在を説明すらせずに徹底排除していることも理解を妨げます。
 ところが理工系へ進みますと添数付きとなって複数文字変数が当たり前になり、演算の高速化のために敢えて「1文字変数」を採用することもあります。
 たとえば R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、・・・・・・の替わりに、慣行的に特別の意味を与えられている1文字変数名は除いて、A、B、D、F、G、H、J、K・・・・・を選んで文字式計算の高速化を図るものです。 使用を回避したC、E、I、L、M、は電気分野では慣行的に別の意味を有していて、C:電気容量、E:起電力・電圧、I:電流、L:コイル、M:質量、なので混同回避に排除です。

 こうした説明能力は質問に来た学友や家庭教師バイトでの説明でも非常に有効で、誰にもこまめに丁寧に説明することで場のステータスを得て、一見虐められキャラ(→童顔の軟弱キャラ:日記406-3)の私が、教室ではいじめの対象にはならなかった理由でもあるのでしょう。 そう言えば入学した頃はボス的上級生からは何度も呼び出されて理不尽な「鉄拳制裁」リンチは受けましたが、次第にステータスが固まるにつれて呼び出しリンチはなくなりました。
 剣道の校内対抗試合でボス上級生の野球部キャッチャー(?)氏と3本勝負で対戦、1本目は私が思いっきり面を取ったのですが、その後は胴、面、小手と何本打ち込んでも「まだまだ〜っ!」と宣され一本とは認められず、筋肉隆々脳味噌までキャッチャー(?)氏の激しい体当たりを受けて、細身だった私の場外3回で一本も取られないまま逆転負けとなりましたが、もし2本目の一本を認めてしまうと面子を潰されたキャッチャー(?)氏による激しいリンチになることを懸念した審判上級生が「前に出ながら打ち込んでない!」などとして判定を調整した様です。 その時の審判氏も私も同じ某警察道場(w、これホント!)へ小学校時代から数年間通ってそこそこ練習していまして現役警察官の職務としての「逮捕術」の流れを汲むかなり手荒い剣道で弾き飛ばされるのも経験しており、剣道としては体育の授業だけのキャッチャー(?)氏よりは強かったのですが、試合後の激しいリンチの先読みで「庇われた」ようで、判定負けでも竹刀で散散引っぱたいてやった分が儲けです(w。剣道の全国大会で常に警官が強いのは彼らが商売柄、体全体の格闘技として闘っているからです。 常に出ると負け、コールド負けも再三の「母校の誇り」野球部は親分格からして卑劣!でしたが、こちら側クラブ員たちの対外実績での評価=「母校の名誉」が「非公開の建前」を越えてアンダーグランドで広く知られると自分たちの「出ると負け」に気が引けたのか手を出してこなくなりました。 そんな暴力支配の運動部の対外試合応援など呼び掛けられても唯の一度も出掛けたことはありません。 底辺校では目立つものはもっと目の敵にされて遙かに酷い状態でしょうし、近年は逃れられない子分達による集団イジメ化していて深刻です。 「球聖長島が今日あるは、俺が野球採用に断固反対して不合格にして佐倉高校に回ったからだ!俺は長島の恩人だ〜!」と笑わせていた先生が居ましたが、たしかにあの出ると負け!弱体陰湿野球部に入って理不尽漬けにされていたら潰されていて現在の球聖長島は存在しなかったかもしれません。PL学園出身の桑田真澄氏は理不尽な鉄拳制裁に耐えてプロ野球選手になったようですが「何の益もなかった」と糾弾しています。

 余談はさておき、文部省数学主流派はそういう理解の流れを無視して、数学としての抽象化、代数化有りきの中央突破ばかり図って生徒達を次々数学嫌いに落としこぼしているのです。 その落としこぼし路線の初歩的な現れが掛け算の順序問題ですから、身近な金銭計算重視など寺子屋的実務路線導入といった誰にも登りやすい「女坂」設備を教科書に設けて理解を助けることが必要でしょう。

理解に資する「組立単位」を大切にしよう  <3.2>

 現在、物理量の表記に国際単位SIの導入が強力に進められていて、理論解析や商取引にはその明確化に功績のあるところですが、副次的に発生している問題は、様々なオリジナルではない物理量の組立単位に科学上の業績のあった個人名が付されてしまい、単位の内容が表記からは分からなくなってきていることです。内容理解のためにはせめて組立単位を新制定の固有単位に並記するようにしてもらいたいもの。
【廃用単位】
SI 廃用単位
m 100
mm 10-3
μm 10-6 μ ミクロン
nm 10-9 ミリミクロン
pm 10-12
1/10nm 10-10 オングストローム
 歴史的な単位の整理で、廃棄されたものとしては、ミクロン[μ](=[μm:マイクロメータ])、ミリミクロン[mμ](=[nm:ナノメーター])、オングストローム[Å](=0.1[nm:ナノメータ])がありましたが、一方で組立単位の、個人名を採った固有単位化があり、その先陣は、振動数・周波数の [c/s:サイクル/秒]が[Hz:ヘルツ]に替えられました。
 なお浮き世離れして商用からはほど遠い天文学などの分野や、逆に取引の際の国際標準となっていた真珠の秤量単位である[匁](=3.75g)、天文単位、電子ボルトなどは手付かずでそのまま残されています。阪神淡路大震災では棄てさせたはずの[gal=cm/s2:ガル]が地震報道で市民権を得てしまい、もう消せないでしょうが、どっちでも流通できるモノほど「推奨」[m/s2]を明らかにして誘導した方が良いのですが・・・・・・、処罰で強制のみと言うのはお役人根性丸出しで極端に過ぎます。
 力と重量を使い分けるための力の新単位ニュートン[N≡kgm/s2]は制定理由に合理性があるので妥当で仕方のないところですが、圧力の単位を組立単位の[N/m2](ニュートン毎平方m)ではなくパスカル[P]という固有単位を導入するのは如何なモノが若干の疑問を生じます。 特に、比計算や操作指標で済むところまで法規制で表示を強要すべきではありません。
 電車の運転席を覗きますと、高圧空気の圧力計の490[kPa=キロ・パスカル]位置に赤線が描かれていますが、これは元々が5[kg/cm2]目盛りだったモノが、通産省によるSI単位表示切り替え強制で[kPa]表示の圧力計に換装したために起こったことです。SI計器以外の製造禁止を処罰付きで強制しては現場は旧値を残したSI計器に換装するしかなくなってしまうのです。 ブレーキの効きは高圧空気の圧力直ではなく、ブレーキシューの摩擦係数や、途中のリンクやアーム機構の長さ比で異なるもので、単位には関係なく「指標数値」が得られれば足りるので、圧力計の換装は全く無用の措置でしたが強行した結果が「490kPa赤線表示」です。博物館の保存機関車では「Atm」(=気圧)表示のものも有りました。この無益な切替強制は行政府の横暴でしょう。
磁束密度のテスラ[Wb/m2=T]は固有単位の必然性がないので勘弁して欲しいところです。
 独自の物理定数毎の固有単位は当然でありまして、それぞれについて一層の分かりやすい説明が求められます。 電圧のボルト[V]、電流のアンペア[A]、電気量のクーロン[C]、抵抗値・インピーダンスのオーム[Ω]、電気静電容量のファラッド[F]、誘導係数のヘンリー[H]、磁束量のウェーバー[Wb]、相対対数強度のベル[dB:デシベル]などの固有単位は総て必然です。
 固有単位を制定するかどうかの境界領域が起磁力のアンペア・ターン[AT]でしょう。
 残る組立単位、たとえば電位傾度[V/m]や、単純比率である摩擦係数・粘着係数μ、反発係数e、誘電率ε、透磁率μ、などについて、まるで武将への戦功報償領地のように科学者名に与えてしまって良いモノか?科学界だけが好き勝手に決めて良いことだとは思えません。
 また政府による処罰付きのSI強要は、商取引に対する規制を越えて、様々の運用の場にまで適用されて尺貫法や常用単位・実用単位がほぼ一律禁止されてしまい、和裁や和家具製造の寸法取りまで曲尺・鯨尺の使用が禁じられ処罰が強行されてしまい、故永六輔氏が曲尺・鯨尺キャンペーンの露店興業販売をあちこちで繰り返して「捕まえてみろ〜!」と政府・通産省を糾弾、例外使用を認めさせました。
 メートル法強制、尺貫法・ヤードポンド法「禁止」の一律適用で、比例の章の単位換算の例題を作れなくなり、演習不足で生徒の理解が徹底しないとか。 そんなもの、歴史的文書の読み取りとか、輸入品寸法換算に託けて単位変換章を教材とすれば良いのですが、悪名高き教科書検定が半可通のメートル法遵守でそれを阻むのでしょうか?
現象日時 金星出入太陽出入備考
日出日没
東最大離角 17/01/22 22 09:0120:4406:4716:58




2017
最大光度 17/02/17 16 07:5420:4106:2617:25
内合 17/03/25 19 05:3817:57
最大光度 17/04/30 06 03:0215:1704:5018:27

西最大離角 17/05/18 08 02:3215:0004:3418:41
(夏至) 17/06/21 13 01:5415:2104:2519:00
外合 12/
東最大離角 13/11/
東最大光度 13/12/
内合 14/01/11 21 06:3717:0006:5116:47



2014
14/02/01 04 04:3715:0906:4117:08

最大光度 14/02/15 14 04:0014:2706:2817:22
西最大離角 14/03/23 04 03:3014:1105:4117:55
外合 14/10/25 17 05:5516:5705:5616:54
かっての日米貿易摩擦でアメリカの強烈な圧力に屈してインチ規格の製品の流通を認めるようになったのに 都教委・千葉県教委などが目の敵にする「実教出版」あたりが小学2年さんすう教科書見本本で書いて検定側の反応をみてはどうでしょう。
 説明不足があるのは高校物理学の教科書には解説のない相対強度の対数表示:デシベル[dB]でしょうか。

 高校物理について付言すれば、その電気分野は永年、社会一般の常用単位・実用単位を敢えて避けて非有理単位系のcgs.esuと、cgs.emuを採用することで初学者にとっての大きな参入障壁になっている教科書が流通していました。「朝永振一郎監修!」とかあって分からなくても取り替えがたい雰囲気芬々でした(w。 それに対して現在ではSI系(国際単位系)主体に改められ、社会一般の常用単位・実用単位に沿ってそれを修正・理論整理して、空間の立体角”4π”で割って有理化している「有理単位系」なので、使い易くて理論解析にも適し普及しているモノです。 電気分野を専門教科として深く学ぶ工業高校電気科・機械科などでは分野として重複しながら内容が異なり非実用的だった高校物理の電気の章は生徒の理解に混乱を生ずるだけなので敢えて除外して教えませんでした。生徒に内容を理解して貰うことが主軸ではない教科書・カリキュラムが存在したと言うことで、掛け算順序論争も生徒の理解よりも単位を外す抽象化を優先させて起こっていることです。 普通高校で非有理cgs系esu/emu単位での授業を受けてしまった方々は物理学嫌いにされてお気の毒というほかありません。 しかし、組立単位の科学者個人名固有単位化は基本、無用で具体的意味を分からなくする弊害もあり、SIの本旨とは無関係ですので進めて欲しくありませんし、最低限、組立単位の並記は慣行化すべきでしょう。


見えた!明けの明星:金星!  <4>

 3月末から太陽と地球の間の公転軌道を追い抜いて、宵の明星から明けの明星への転換を進んでいた金星にようやく再見!7/12と6/28の午前3時半頃の北東の空に、薄雲を通して見えるというかなりの輝度で見えて居ました。もう最大離角、最大輝度を過ぎて遠ざかっていますから、4月以降しばらくの間、未明は晴れた空を見ていないってことです。

 夏至付近は4時頃には明るくなるのと、空気中の水蒸気量が多くて雲が架かりやすいので、なかなか遭遇しませんで、とんまなお化けがまだ彷徨っていそうな午前3時半過ぎの屋外作業で久しぶりに確認。 これが冬ですと午前6時過ぎまでは良く見えますから見る機会が多いのです。

 今回は台風襲来の中、地デジTVデータ放送のレーダー画像で雨止み領域を捜して待っての屋外作業などで午前3時台に戸外作業をしたモノで、ふと見上げて金星を見ることができました。 関東地方南部は箱根山が屏風の役割をして荒天・強風を抑える場合が多く、天気予報よりも穏やかに済みまして、台風が離れて行くなか、厚い流れる雲の間から金星が見えるようなことが起こります。

 宵の明星は地球との内合直後から見られるものですから、それが綺麗に見られる時季となりますと内合が冬至前後になった場合に日の出前によく見られます。 前回、宵の明星が良く見えていたのは2014年冬でして、日の出前の未明に飛行場近くで航空機の着陸灯を見ている様な強烈な輝きで見えていました。 金星との内合の周期が約584日、1年7ヶ月余でずれて行きますから、次は2018/11〜、2022/02〜が季節的に見やすい時季となります。 4年おきにしか見やすくならないうえ、宵っ張りの朝寝坊の現代人の生活スタイルからは、宵の明星なんて次第に忘れられるモノのようです。
   See→日記#397表

2017/07/12 23:55

千葉市コース平和行進16km踏破!  <5>

 2017年平和行進北海道−東京通し行進の千葉市コース14km+2km(7/16日曜全日)と、網の目行進千葉西部幕張健生病院−花園公園診療所3.7km+1km(7/14金午後)を歩いてきました。
平和行進参加人数は総勢240名+西部コース60名、通し全コース参加70名ということで、行進経路・戦跡案内地図が150部ほど配布できたのとほぼ一致しています。
 35℃を越える猛暑の中、アスファルトの道を旧鉄道連隊千葉−津田沼連絡線跡道路(通称「機関車道路」)を軸に、千葉中央公園を09:30出発、4回の途中休憩を挟んで16:20頃に八千代台駅近くの第4公園(東南自治会館前公園)に到着、北海道から引き継がれてきた平和行進の横断幕を次コースに引き渡してきました。
骨組み
板面一体構造
プラカード骨組みと板面一体構造
プラカード
A2版=141%拡大印刷
A3版=100%原寸印刷
A4版=70%縮小印刷
プラカード1/2 プラカード2/2
A2版=A3版×2=141%拡大印刷

プラカード
A2版=141%拡大印刷
A3版=100%原寸印刷
A4版=70%縮小印刷
プラカード1/2 プラカード2/2
A2版=A3版×2=141%拡大印刷
8月以降当面の汎用プラカード文案
(プラカード版下使用可)

手作りプラカード推奨  <5.1>

 ただ黙って歩いても面白くなさそうだし、皆さんが常用のゼッケンでは空気がコモって暑苦しそうなので、歩く前日になって、軽量プラカードを作ろうと思い立ち、100円ショップで材料を見繕って仕入れて、アピール力ある文面を幾つか考えて採用したのが右枠→。15mm角×910mmの角材に糊とホッチキスでプレートを固定、一種の張殻構造として強度を保ちます。
 戸外ではA3版では大きさが不足で、新聞全紙1ページ大のA2版の大きさは欲しいのが分かり、A3版2枚に分けてプラカードを作りました。 蛍光用紙が非常によく目立ち、特に「蛍光黄色」に黒色文字がプラカードを際立って目立たせることが分かり、次いで目立つ「蛍光黄緑色」に黒色文字とでプラカードの表裏にしました。「蛍光ピンク」は黒色文字に白のペイントマーカーで陰付けすると目立つようになります。
 但しインクジェットプリンターでは蛍光紙との相性が悪くインクが垂れてきてしまうので、印刷時に濃度設定を手動として−15%〜−25%に絞って印刷し、裏写り防止に1枚づつ取り上げて乾燥させ、ホワイトで縁取り時には上に紙を置いて汚れを防いで作業しました。
 八千代台からの帰りの京成電車の中でプラカードの「こんな人たち」が話題となり「ホント馬鹿だねぇ!お坊ちゃまは!あれが首相じゃ実に情けない!」と盛り上がったのでした。

戦跡付コース図必要  <5.2>

 千葉はかって海岸から北東部山側が大規模な軍の補給敞と演習地となっていて、戦争末期に旧市街地が7・7空襲など大規模な無差別爆撃を2度も受けて壊滅、沢山の戦跡が残されていまして、「轟町」の命名が「軍靴轟く地域」から来ているとか、「高射砲部隊の発砲音」とか聞くのですが、戦後71年を過ぎて風化が著しく、語り部の居なくなる前に社会的記憶としてリフレッシュする仕掛けが必要となっています。
 平和行進の千葉市コース付近には多くの戦跡が集中していて、コースの半分強が鉄道連隊演習線跡に作られた道路ですが、行進参加者に配られる資料としては戦跡案内はおろかコース図さえ有りませんでした。 風船爆弾製造の気球連隊格納庫傍や鉄道連隊演習用トンネル遺構傍を通りながらアナウンス一つないのです。 大変勿体ないと思い事情通に尋ねますと、「原水爆禁止の1点で結集する市民運動が原水協と平和行進なので、微妙に異なる戦争被害の課題は軽々に持ち込めない。参加団体が他とは矛盾しない独自主張をするのは勝手。『平和委員会』名とかなら良いのだが、人が居ない」と云います。
 要するに行進の主催者ではない「平和委員会」名のなど資料にすれば戦跡図は配付勝手ということですが、私の学生時代の「平和委員会」といいますとサファリ・ルックの半ズボンの変な叔父さん達集団でありまして、敬って遠ざけていた方々なもので、その名義で発行というのは思い至りませんでした。 原水爆禁止運動はかって「総ての国の核実験に反対する!核実験禁止条約支持決議の不採択、一致点で団結」方針を巡って社会党・総評、民社党・同盟系が分裂して運動に困難を作り出し、結局は分裂側が衰退・消滅していきましたので、「一致点」には特に慎重なのでしょう。 そこで千葉県平和委員会名で平和行進千葉コース戦跡地図 (See→日記#407−Ext) を150部ほど作って行進参加者に配ってもらいました。 丸一日の行進コース図は行進途中に何度も見られていましたから必要性にマッチしたモノだった様で、さらに戦跡写真地図から状況が伝承され見学イヴェントに取り組まれる切っ掛けにはなるでしょう。

禁止させないプラカード持ち込み  <5.3>

 純粋個人がプラカードを掲げて集会や行進に参加するには、行き帰りの電車内を持ち歩かなければなりませんが、鉄道側は意外に鷹揚で、駅構内で掲げるとプラカードだけど、柄を持ってつるすと荷物というわけで現状フリーパス、ヴェトナム戦争反対のゼッケン通勤をはじめ、不当解雇争議団50余名が常磐線通勤電車色エメラルドグリーンの華やかな作業服に解雇抗議のゼッケンを付けて電車に乗って連日都内・近県各地に闘争支援要請に回っていましたが、鉄道からのクレームは全くなかったそうで、裁判所の傍聴席に入ると腕章と共に取り外しを求められただけだったとか。 組織動員参加ですとそれらの資材は宣伝カーで運び、現場で着脱するので電車内を持ち歩くことはありませんでしたが、毎日50人余がゼッケン着用のママ電車で移動するのは大変に目立って、半年あまりで原職復帰で争議解決してゆきましたし、「市民・個人」として物申すときには自作プラカードを持ったまま電車で移動するほかありません。 鉄道側が安倍バカボン首相など権力側に忖度して持ち込み禁止にする前に、プラカード車内持ち込みをもっと当たり前のことにして禁止できなくしておく必要は有ります。 鉄道側の反共産・反労働組合意識は激しいものがあり、一旦契約済みで全数刷り上がっていた車内中吊りポスターを「あかはた新聞日曜版は認められない」と一方的にキャンセルした先例があるくらい酷いものです。 自分たちの職務怠慢の言い訳に「国労の非協力により」と枕詞を重ねて通ってしまう業界というのは実に困ったものです。 創価学会機関誌第3文明などは中吊り広告の常連で政治的に良からぬ方向への誘導があるというのに、それはOKで、赤旗新聞はダメ、会社と革マルとの癒着関係を報じた週刊誌は販売禁止!というのが国鉄JR系の実績となっています。 そういう訳の分からない妨害には、話題の熱いうちに緊急に駅弁スタイルで駅頭で売りさばいて暴挙に抗議するなど臨機応変の「言論の自由擁護」の闘いが必要だと思うのですが、どうも対応が歯痒く思えます。止められた時点で日雇い販売手配とか、販売ボランティア手配とかできるモノを、迫力不足です。全駅網羅の必要はなく、売り上げのほとんどを日雇い労賃にしても良いのですから。

知られてない!重要ニュース  <5.4>

 「日本政府は核兵器禁止条約に参加せよ!」の被爆国としてかなりみっともないスローガンのプラカードは7/16千葉市コースの出発地、千葉中央公園に向かって駅前通を掲げて歩いたのですが、運動着姿でバス待ちしていた高校生達から声が掛かり「政府は禁止条約に参加してないのっ?!」「日本は核兵器持ってないでしょうが!なんで反対?!」「本当〜〜っ?!」と大騒ぎ。 こんな重要なことでも、「ハゲ〜〜〜っ!」とか「おのれっ!恨み晴らさで置くモノか〜」の下世話ニュースにマスクされてしまって国民には伝わってないんですねぇ。 「政府は条約作成に大反対して、一切参加しない、調印しないことを繰り返し表明している」と言いますと大変驚いていまして、丁度バスが来て飛び乗っていきました。それが高校生達に広まっただけでもプラカードを掲げて歩いた意義がありました。

右翼、平和行進敵視妨害  <5.5>

 出発地から烏森陸橋橋詰め交差点までは例年と同じに右翼街宣車2台が行進に付き添って威圧で喚き散らし、先導パトカーと覆面パトカー2台が行進の前後を挟んで併走、陸橋橋詰め交差点手前の上り坂で右翼街宣車が覆面パトカー2台を追い越して行進脇に付き窓を開けて「ぶっ殺すぞ〜〜っ」と脅しながら、行進側宣伝カーの10倍もの大出力拡声器では「中国と北朝鮮に抗議しろ!中国の手先!北朝鮮の手先!」、千葉土建労組ののぼり旗を見つけて「組合費を勝手に使うな〜」「高い組合費を取りやがって〜〜」などと喚いていましたが、根拠の無い悪態を散散言い募って警察側の誘導に従って橋詰め交差点を直進、行進から離れてゆきました。右翼弁士はまるで千葉土建の組合員みたいな口調(w。 ヴェトナム侵攻など中国の軍事的暴挙を「社会帝国主義とも言える蛮行」として最も厳しく糾弾しているのは共産党の声明でして、自民・公明側は逆にこれ幸いと憲法破壊・軍事力強化路線を進めてきていますから、本来、そちらに向けられるべき非難で、不勉強の脳味噌筋肉型「政治活動」なので、それを大きく凌駕する運動と世論にして絶滅させていきましょう。街宣車に乗っていたのは僅か数人に過ぎませんで、以降は終点の第4公園(八千代台東南自治会館前公園)までパトカーもいなくなりました。

表現・団体行動の自由より、車の通行優先感覚  <5.6>

 あちゃ〜〜〜っ!と思ったのが16号線を歩いているとき、追い抜いていく車から思い切りの大声で「車道じゃなく歩道を歩きなさ〜い!」となじられて、表現の自由・団体行動の自由の発現たるデモもパレードもなく車最優先感覚が蔓延っていることが改めて感じられました。 即座に「道路を歩くものなの〜!」と返したのですが、東京から千葉へ移り住んで感じたのが、救急車や消防車のサイレンにもどかない自己中運転で、これは酷いなぁと思っていましたが、その車最優先感覚をデモやパレードにも直にぶつけてきています。 ン10年ほど前に、北九州は筑豊飯塚市に半年近く居ましたが、そこは逆に運転が穏やかで、煽りのクラクションさえ鳴らさずに静々と走っていて大変印象的でしたが、裏事情として聞いたのは旧炭鉱街でヤクザが大変多くて下手に煽ったら車を降りてきて大道で仁義を切られて脅されてしまうからで、駐車場毎に「大型外車お断り」の立て札があるのは「やくざお断り」の意味なのだとか! 暴力団の町飯塚の汚名返上に飯塚市ぐるみ頑張っていた時代です。 千葉ローカルでの運転は逆の対比でかなり乱暴に思え、中には行進に必要以上に幅寄せして敵意を感じさせる運転者も居て、特定のパターンを正統と信じ込んで他を断固排除するかたくなさが感じられてデモ行進・パレード敵視感覚はその辺から来ていそう。

ノーハウ次世代伝承は適切に  <5.7>

 今年の平和行進千葉市区間は、行進誘導係・交通整理係が代替わりしていて、狭い道での交互通行誘導や、追い越し車輌と行進団の間隔を適切に設定する手際が大変ぎこちなく危険を増している様に見えましたので、かっての誘導係に「引継会議をやってないでしょう!?」というと、案の定、組織として「任務分担だけ持って行ってしまって、具体的な対応法については全く相談に来ていない。(古株の書記である)宣伝カーのアナウンサーが見かねて宣伝カーから補助したりしているが交通整理係同士の連携がまるで駄目」といいます。 上下2車線での交互追い抜きで、対向側の停止指示位置が近すぎて、行進が止まってしまい歩道に上げて渋滞解消するので日程がどんどん遅れます。 基本原因は整理係3人が司令塔を決めずに、それぞれが独自判断で交通遮断、通過指示を出して指示が衝突してしまうことで、加えて行進前方の対向車停止指示が近すぎて、すぐに宣伝カーが到着して追い抜きスペースがなくなってしまい、行進を止めざるを得ないこと。 さらに、赤く長い誘導灯を行進団の歩行位置規制にのみ使って、誘導者自身はその外側に居て、追い抜く車直近に体をさらす危険度の高い誘導をしていることが問題だと思いました。 また、対向車とデモ先頭の間隔がなくなっているのに、追い越し車列を途中で止められなくて詰まらせてしまうのは行進より自動車優先感覚に邪魔されて、車同士の交互通行であることに思いが到らなかったから。 先頭宣伝カー傍の一人を司令塔にして、前後の誘導員に通過方向の指示をする方式で意思統一すれば、3人が独自に判断してかち合い動きが取れなくなる愚は冒さないで済みます。それなのに宣伝カー脇の司令塔を置かず、必要性の薄い行進団の規制に一人置いているため交互通行指示がマトモにできないのです。 そういう基本的打合せがされてないでぶっつけ本番と見受けられました。

 各団体ののぼり旗は最前列付近に集まっており、後続側はゼッケンばかりで、プラカードは私と支配者:カミさんしか居なかったので、一番外側の列を歩いて、蛍光色で目立つプラカードを右手に持って運転者から良く見えるようにして人との間隔を取って走るようアピールしながら歩くことにしました。 7/14ではさらに自転車にワイヤレスのハンドマイクを積んで隊列の外を押して歩いていましたから、その直後に交通整理やプラカードを配して車が近寄りすぎないガードをする必要が有ったのですが、交通整理氏はいくら説明して頼んでも、ハンドマイクや自分たち自身の安全を確保する指揮棒使いをしませんで、行進隊列を歩道に寄せて、車を高速で追い抜かせることのみに執着。「歩道を歩け〜」と怒鳴って追い越していったお兄ちゃんと同じ感覚であることが分かりました。 「交通整理係の安全も確保しなきゃいけないんだから、その指揮棒は車に向かって振って、行進団との距離を確保して!」と何度頼んだことか。

 狭くて交通量の増える大団地周辺では今回任を外れた交通整理OB氏が見かねて交通誘導を取って代わり、ようやく収まりましたが、最後の休憩所で誘導係からアベコベに「危険行為はヤメロ」「荒いデモには慣れてない人たちで、結集を蹴散らす暴挙」とかなり厳しく追及されてしまいました。
 丸きり理解してない!自分たちの連携の不手際で行進停止を繰り返し渋滞させたのに、それに気付かず、デモの隊列に居てプラカードA2版の右半分(28cm)だけが道路側に出て人の存在を車にアピールして、人との安全間隔を取って貰う、必要な行動を非難されては堪りません。
 「主催者側からの特別の指示には従う。 だけど『交通妨害行為』という非難評価は断固受け容れられない。 体は列から出ていないから危険はないし、本来は交通整理係が隊列と係自身の安全を守るために指揮棒を使い、主には車に向けて間隔を取るモノ。 行進参加者防護は本来なら交通整理係の行うべき任務だ。 それを、生身の人間を直接車側に晒して、行進団を歩道側に追うためだけに指揮棒を使うのは基本的立場からして間違っている。 終わったあとできちんと相談してもらいたい」といいますと、 「スピードを落とさせるのは交通妨害」と返してきます。 「人が歩いてる直近を車が高速で通る方が非常識。直近を通るなら低速で走り、高速で追い抜くのなら十分に間隔を取るのが健全な常識で、交通妨害じゃない。 行進参加者の安全確保で考え直して!行進の権利を認めるというのは安全確保を含めてだ」と、全くの平行線に終わりました。
 そもそも、道路に行進があることでの物理的な交通障害は必ず発生するので、「行進の権利を認める」ということは故意ではない交通障害は社会として受忍するということです。 毎年春になると2ちゃんねる鉄道総合板に「ストライキは迷惑だ!過激派千葉動労の暴挙を禁止せよ!」などというスレッドが7〜8年に亘り建てられていましたが、「憲法にも明記されたスト権、団体行動権を認めるのか、否定するのか?!それを明らかにせよ。 ストの分、電車が止まるのは正当な権利行使で非難には当たらない。しかも現行のショボい時限ストなどまるで問題外。非難に値する暴力集団の非行を具体的に述べて糾弾せよ」という反論で毎年再反論不能に陥りストップしていました。 主観的には「憲法のスト権は認める公正な立場」と思っていてのジャッジ主張なので論旨の自己矛盾でパンクするのです。 まさか、その団体行動否定の論理構造を無邪気に原水爆禁止運動の平和行進に持ち込むとは!しかも主たる混乱の原因は行進誘導の初歩的不手際です。
 車も人も結構大きいふらつき幅をもって動いており、その振幅が競合すると事故になる訳で、その場合生身の人間側が一方的に大きな被害を受けてしまいますから、速度差に応じたクリアランス確保は必須なので、交通整理係が頑張るべきなのですが、車の流れの混乱の原因が理解出来ず、高速通過唯一論では困ったものです。
 混乱を見かねたOB氏が交通整理を取って代わっていますから、その腹いせのとばっちりが全部プラカード持ちに集中した形。 具体的な行進参加者の安全確保よりも、形式的な規則遵守優先、実体ではなくシンボルで判断、学業成績優秀者型の千葉的判断を感じました。
生の現実に沿った判断のできる活動家に育ってくれると良いのですが、今後の総括会議で自分たちのエラーに気付いてもらえますかどうか?

 実は、パトカーが前後に付くデモ行進では、主な交通整理は警察側がやっていて、多くの場合は流石は慣れたものでこんなトラブルは起こらないのですが、自分たちだけだと細かなノーハウが伝わらずギクシャクしてしまうのでしょう。 私自身が責任者としてデモ行進を組織した時には梯団毎に交通整理係を置きましたが、「デモ出し指示」として公安員会から徹底を指定される条項の他は「係自身を含めて危険な状態にならない様まとめて」という指示しか出してなくて最大実数で1,500人〜2,000人余のデモ行進が滞りなく実施されました。 交通量の多い旧甲州街道沿いの商店街1km余も難なく通っていまして、人家もまばらになる裏街道での100名前後の平和行進よりは厳しい条件でした。 交通整理だけは手慣れた交通課警官たちの方が上手い(w。(デモの責任者=トラブル発生時の逮捕要員(w。故吉川勇一氏がデモ責任者として公安警察から酷い暴力を振るわれ不当逮捕されたヴェトナム反戦デモにも、私はその宣伝カー直近の高校生の多い隊列で行進に参加していました。何らの違法行為をしていなかった吉川勇一氏は当然起訴されませんでした)。 但し、当初申請した新甲州街道は「重要幹線でデモ隊は通せない!横切るだけしか認めない」と、警備課(公安)から変更を求められて、取消請求裁判まではできないので旧甲州街道コースに変更しています。 そのほか、「隊列は3人」とか、「渋滞名所、国領踏切回避」とか様々の失当な制限が付けられましたが、各職場の梯団として「公安委員会」(=実質は警備警察)指示通りの隊列をきちんと守ったため、その制限が逆効果になり、デモ隊列通過時間が2倍になり、狛江通り、品川通り、布田の三鷹通り、旧甲州街道から市役所通りを隊列が埋めて調布市内の面交通半麻痺状態となって警察に苦情が行ってしまい、以降の地区労のデモ行進などでは5人隊列で、国領踏切を含む通りやすいコースでサッサと通過させる方向になりました。嫌がらせのやり過ぎw!デモ実数2,000人(総評型主催者発表6,000人)の威力でした。 我が身は御用連合系労働組合の組合員ながら、統一労組懇や地域全労連のデモ行進申請手続きは押しかけ事務局員として幾つも行って周辺作業は行っており、その辺は慣れているつもりでしたが、残念ながら今回の浮き足立つ交通整理の青年達の説得はできませんでした。

 炎天下の猛暑日35℃以上16km行進は、かなりキツくて来年は体力的にもう無理かも知れません。半日コースにしようかなぁ。

#本稿を書き終えたたった今、東の空に明けの明星が見えてますが、最大光度も東方最大離角も過ぎて遠ざかっていく位置で随分と暗くなりました。

2017/07/18 26:55

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