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気象庁、津波警報の改善案公表
日本大震災を教訓に、気象庁は16日、津波警報の表現法の改善案をまとめ、一般からの意見募集を始めた。来年2月までに最終的な改善策を決め、来年中に運用を始める予定。 |
ブルートレイン:悲しき、青い流れ星
JR西日本は16日、来春のダイヤ改正を発表した。「ブルートレイン」として親しまれてきた寝台特急「日本海」(大阪−青森)と、夜行急行「きたぐに」(大阪−新潟)は運転を取りやめる。これで大阪始発の夜行列車は、札幌行きの「トワイライトエクスプレス」だけとなる。 |
JR西日本が来春から寝台特急日本海と、夜行急行きたぐになどの廃止を発表しましたが、両列車は共に北陸トンネル内で車両火災事故を起こした列車です。
特急日本海は乗務員の機転でトンネル外に脱出して地元消防の協力を得て出火車両1両全焼の被害に止められた事故ながら、殊勲の乗務員は「トンネル脱出が運転規則違反」と因縁を付けられ不当処分を受けた事故。以降、列車火災は無条件で停止となりました。
一方の急行きたぐには、運転規則通りトンネル内に停車、火元の車両の切り離し作業をしているうちに全車に延焼し、死者30、負傷714の大惨事となったもの。急行きたぐにというのは先の火災事故を起こした特急日本海を整理統合して、空いたダイヤの一つで新設された夜行急行列車です。
特急日本海は1969年12月6日06:20頃、青森から大阪に向かって北陸トンネル通過中に乗務員が火災発生に気付き、火災時にトンネル内で停車しては危険だからと外へ脱出してから地元消防と協力して消火に当たり被害を出火車両の焼損に留めたことで、乗務員は機転を利かせた好判断をしたとして賞賛されたが、国鉄当局は「火災で即時停止しなかったのは運転規則違反」として不当処分を強行し、3年後の急行きたぐに火災惨事の引き金を引きました。
急行きたぐに北陸トンネル火災は1972年11月6日01:09頃、大阪発青森行きで敦賀駅を出発直後、北陸トンネルを進行中、食堂車オシ17から火災発生.乗客の通報で車掌が非常弁を引いてトンネル内に停止。消火できず、切り離しを図るが機関士には慣れない切り離し作業で火の回りの方が早く、架線地絡で停電して動けなくなり、30人死亡714人負傷の大惨事となりました。
車両可燃物燃焼の必要酸素重量を考慮すればトンネル内での停車は自殺行為なのは明白ですが、国鉄当局は3年前の特急日本海乗務員への処分を以てトンネル内停車規則を強要していて、トンネル内に停車するしかありませんでした。
国鉄は、外部学識経験者を含む「鉄道火災対策技術委員会」を設置し、大船工場での車両燃焼実験72/12、狩勝峠実験線での走行中車両燃焼実験73/08、宮古線猿トンネル内での車両燃焼実験74/12を経て、トンネル内火災は停車せず脱出した方が危険が少ないという結論を出して、ようやく運転規則を改め、車両の難燃基準を改訂しました.3年前の特急日本海火災での殊勲の乗務員処分はこのとき撤回されました。
この火災事故で機関士は殉職、残りの乗務員が刑事訴追の対象とされ長期の裁判に曝されましたが無罪判決で確定、惨事誘発の真犯人は、実車による大規模な火災実験で様々な知見を得るという触れ込みで、トンネル内停車の危険性についての予見可能性が無かったとするアリバイ実験を続けて責任を逃れることになりました。
cf.→●北陸トンネル列車火災の実際はどうだったか? (日記#114:06/04/19)
cf.→●ノーハウの敷衍で防げた可能性のある事故72/11/06'04/06/27
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