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国鉄型用安全設備に高加速度車投入で脱線!大出力軽量で2倍超の加速!
尻合わせ停車に誤出発防止地上子未設置か?
JR高徳線オレンジタウン駅脱線事故

 12月31日正午頃、JR四国の高徳線オレンジタウン駅で徳島発高松行きの普通列車が停止信号を見落として誤出発し、安全側線に進入して制動の砂利に突入し脱線した。負傷者はなく、夕刻に復旧した。(右枠記事→)

JR高徳線、側線に入り脱線
  信号見落としが影響

         香川 2015年12月31日 19:01朝日新聞
      http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASHD04RNNHD0PLXB003.html

脱線事故現場:読売新聞

 31日正午ごろ、香川県さぬき市志度のJR高徳線オレンジタウン駅で、徳島発高松行きの普通列車(1両編成)が脱線した。乗客乗員46人にけがはなかった。

 JR四国によると、高徳線は単線で、この列車は同駅で下り列車とすれ違う予定だった。下り列車の到着が遅れ、信号は赤だったが、運転士(54)が信号を見落として発車。衝突を防ぐ側線に自動的に入り脱線したという。

 この事故の影響で、高徳線は上下線で一部区間の運転を約6時間にわたり見合わせた。


  読売新聞=長沖真未撮影→
  (31日午後4時35分、
  さぬき市で、読売ヘリから)
    http://www.yomiuri.co.jp/national/20151231-OYT1T50086.html?from=ytop_main6

オレンジタウン駅誤出発事故
国鉄型180PS気動車では停まれた。400PS軽量高加速車に誤出発設置せず!
誤出発地上子は破線より手前の2両目許容停止位置までの間に1基設置要す
 信号の見落としは困るが、本来JR四国には安全装置(保安装置)として点制御点照査方式であるATS-SSが採用されており、出発信号直下には即時停止コマンドの123kHz直下地上子が設置されていて、誤出発すると非常制動が掛かり、対向側との支障限界に達する前に停止できるか、その制動距離を確保出来ない場所では安全側線を設けて本線には入らないようにして衝突事故を避けているものである。さらに長いホームに短編成が停まる場合に出発信号までの距離が大きいとATS直下地上子の非常制動では停まりきれなくなるので、それぞれの停止位置に合わせて誤出発防止即時停止地上子を設置するようになったが、設置の義務化はされて居らず、まだ完備はしていない。(連続制御方式や、照査パラメターを記憶する方式では起こらない問題)

 京福電鉄福井線の2度目の衝突事故以降、運輸省は全鉄道事業者に対して誤出発防止ATS設置を中小私鉄には補助金付きで事実上義務付けて、整備は完了したはず。それなのに単純な誤出発エラーが事故になり、しかも車体が不安定になって転覆・隣線支障衝突のリスクを生ずる砂利に突入して脱線するのは、どこかに想定の狂いがあるはずだ。参宮線六軒事故も常磐線三河島事故も安全側線の砂利に突入して機関車が転覆したり傾いて隣線を支障して衝突したことから大惨事になっているのだから、砂利突入では安全な防御にならない。

 たとえば西鉄津福駅誤出発事故では、駅改札口が後方にあって尻合わせ停車で連結両数に応じた誤出発地上子が複数設置されていて、3両編成以上なら有効だったが、事故車の2両編成のVVVF方式新型車では加速距離が1両分長いことと加速度もやや大きくて、その誤出発ATSの位置では支障限界までに停まりきれず、対向側を支障するところまで突っ込んでしまった。事故後の対策として西鉄はおそらく2両編成用の誤出発防止地上子を設置したのではないだろうか。2両編成停止位置を3両目と同じにする便法は停止位置が1両分遠くなって乗客サービスから採りがたいだろう。

 今回の現場に安全側線が設置されていたのは、ATSで非常制動を掛けても、合流手前の支障限界までには停まれない距離だったからであろう。 しかし、今回、砂利まで突っ込んでいるというのは、想定より加速が良すぎたのか? または安全側線に必要制動距離確保の義務が無くて、制動距離が足らずに砂利山に突っ込んだのか? もう一点!1両編成の尻合わせ停車で駅ホームの南端に停車して、そこから誤出発した場合、適切な位置に誤出発防止地上子が設置されてないと、出発信号直下地上子で非常制動が掛かっても停まりきれない速度に加速されてしまう。 西鉄津福駅型の過走事故である。Google Earthの駅写真では跨線橋のあるホームの南端側1両分だけ屋根が見えて北行き列車は尻合わせ停車だ。そこから加速して安全側線の砂利に突っ込んで脱線するには、誤出発防止地上子の設置がない筈だ!

 事故の詳細データの発表を待ちたいが、現場写真からの概要としては、直下地上子−出発信号機間が標準で20m、出発信号機−乗越分岐先端間が20m、分岐先端−砂利盛り間が20m、ATS車上子取り付け位置が台車の後ろで−5mだとすると、地上子から即時停止コマンドを受けてから55mの減速距離(=20+20+20−5m)があって砂利に突っ込んだ事故だ。 ところが1両目停止目標から直下地上子までが2両分+ホーム余裕10m+スロープ下5m+ATS-SS車上子取り付け位置5mで計62m(=21×2+10+5+5m)あって、出発加速は更にATSの応答時間約1秒だけ行われる。 加速−減速がほぼ等距離で、減速度の方がかなり大きいのに何故砂利にまで突っ込んで脱線したのだろう?
 設置寸法が例外的だとして写真から推定してみると、信号機−乗越分岐先端間が基準の20mではなく長くて数m!・・・・・・・・異例の38m前後で標準より22mほど短く見えるが、真相は?
 かっての国鉄型気動車なら起動加速度として1km/h/s以下を考えれば良いが、事故車はどうもワンマン運転の1000型気動車らしく400PS≒300kW出力で電車並みの起動加速度としても最大3km/h/s程度、非常制動減速度は4km/h/s前後だから、ATSが働いても力行が続いた可能性が強く、運転士が思わぬ事態に慌ててしまってマスターコントローラを暫く離さず加速を続けてしまったのだろうか?ATSは加速をOFFにはしていない!AT車暴走事故の構図である。実際は、後述の通り、国鉄型気動車には対応していたが、JR化後の新型1000型気動車の加速力が強くて速度が上がり、主幹制御器を即座に切っていても直下地上子では停まれなかったものである。

 1線スルー配線にして特急の高速化を図っていて、1日に特急15本各停31本×2も通るJR高徳線のような輸送密度の高い路線で、高速運転の衝突防止・安全確保に誤出発防止地上子は欠かせないはず。単行の低速各駅停車がスプリングポイントで交換しているのならまだしも、費用の掛かる高速通過の一線スルー方式を採用しているのだから、そんな場合、誤出発防止装置は義務付けて良いのではないだろうか。 無論、安全側線端には逆U型の柵の様な形の過走検知装置が設置されており、ポイントから200m近く先の対向側場内信号を停止現示にするが、そのロング地上子はさらに600m先、直下が20m先だから、停止現示転換する前に地上子を通過・進入していて気付かず停まりきれないで衝突するリスクは大きいから、安全側線突入前に止めるべきである。

 西日本寄りではかって「脱線分岐」(引用写真→)などという物騒なもので強制的に脱線させて過走・誤出発防御をしていたから、その感覚で安全側線(写真↑)を設置していると、十分な減速制動距離が採られてなくて砂利山に突っ込んだ可能性が強い。制動距離が60m取れて、ディーゼルカーの制動定数 K=20/0.7 (=国鉄時代の標準値)としたら、防御可能な最高速度は41.4km(=sqrt(60×(20/0.7)))であり、通常のポイント通過速度はせいぜい35km/hだろう。それなら事故になっていない。 砂利山は必要な制動距離を取ったその後ろに設置しないと脱線転覆のリスクを大きくしてしまう。その場合、制動距離の短い位置への設置に問題があったと言うことだ。

一線スルー例 @西鉄津福駅略図 by現地調査
分岐の直線側だけに繋いた上下通過線[1]有り。[2]上下待避線

JR四国1200型気動車(事故車と同型)@同社公式ホームページ
オレンジタウン駅全景 オレンジタウン駅北出発 駅北出発View
 ホーム後端部のみ屋根付きで尻合わせ停車。 写真からは不明だが、それに合わせた誤出発防止即時停止地上子が未設置では?
右上の砂利積みがなければ脱線には到らず停止できて只の過走で済んだのかも
JR四国高徳線オレンジタウン駅全景と北出発付近:Google Earthより
脱線現場前面展望
直下地上子、出発信号、乗越分岐
安全側線の先に砂利盛り
スルー側での事故、尻合わせ停車
[前面展望動画]https://youtu.be/PP75SgAze_0?t=4689  : 尻合わせ停車で、誤出発防止地上子は見当たらない様だが?直下は有り。右端写真→
  詳細はブラウザの「設定」で速度を0.25としてスローモーション画像で見る
[前面展望5倍速動画]https://youtu.be/-su3b4TveMI?t=941  : 1線スルーで両方向に直下地上子がある。
   「1線スルー」とは、単線交換駅の片方の線路を直線の通過線、もう一方を分岐する待避線としてそれぞれを上下線両方向に使って駅通過の高速化を図る配線構造をいう。
(2016/01/03 補足)

安全側線と乗越分岐
乗越分岐から左に伸びる線が「安全側線」
(外部サイト:Click画像)
脱線分岐
脱線分岐とは!
(外部サイト)
 かって京王井の頭線吉祥寺駅で、停止位置を直そうとして過走し車止めにぶつかって前部スカートを曲げ乗客に負傷者を出す事故(2006/04/21)を起こしているが、子細に見ると,実は車止めの2mほど手前の線路上に枕木を締結して進入を防いでいて、これにぶつかった事故である。この枕木がなくて車止め標識だけだったら、当時フル加速していた訳ではないので、ぶつからずに済んでいたと思われる。
 念には念を入れるのは良いが、それは他の対策とバッティングしてはダメで、必要な制動距離を確保したその続きに設定すべき物である。今回のオレンジタウン事故でも、暴走制動用の砂利は必要な制動距離を確保したその後側に設置していたら全く問題なかったはず。

 また、出発信号が信号柱の左側に設置されているが(上右端写真)、運転者に一瞬、他線のものとの勘違いを起こしやすいのではないだろうか?変則設置の理由は通過線全体が右にカーブしていて信号が隠されるので通過列車から見やすくするためではあるが、それは中継信号設置によることとして、信号現示は信号柱の右置きの方が安定するのではないだろうか?

 まずは、尻合わせ停車の駅、短編成列車の停車位置が手前の駅で、適切な位置に誤出発防止即時停止地上子が設置されているかどうかの総点検と、安全側線を含めて新型車毎の加速度に応じた制動距離確保の点検を求める行政指導が要るのだろう。 オレンジタウン駅北行き出発

追伸
【 国鉄型防護仕様に高加速車投入、誤出発放置で脱線 】  <PS>

 Google Earth の航空写真から、ATS動作状況を推定すると、国鉄時代の非力180PS〜220PSのキハ40単行であれば丁度砂利盛りに接して停まれて事故になっていないが、事故車は軽量大出力で加速の良い新型1000型〜1200型、1500型400PSであるのに、誤出発防止地上子が未設置だったために砂利盛りに突入して脱線した模様!
     
See→オレンジタウン駅出発走行図 (2016/01/07補足)

P.S.2
【 誤出発防止地上子大増設決定 】

 鉄道ファン誌5月号短信欄172頁左の記事の趣旨によると、JR四国は誤出発防止地上子(時素起動即時停止123kHz変周式地上子)を当該各駅に設置することを決めたようである。いわく「・・・・より早い段階でATSを動作させるため,列車を感知する機器を増やすことにした.同様の安全側線が設けられている単線区間の63の駅でも,感知器増設や停止位置の変更を検討する.」とある(右欄)が、正確には、 列車の停止を検出して、即時停止123kHz地上子を有効にする「誤出発防止装置」を設けることや、停車位置修正で尻合わせ停車駅でも支障限界手前に停車を強制するもの。高加速気動車導入時に同時に導入すべき設備であった、かなり遅ればせの措置である。JR四国としては事故発生直後に原因を分かっていたはずの事故である。JR四国発表の記事が「検出」のみ強調しているのは、記者側が良く理解できていないのか?会社側が誤出発強制停止地上子設置を世間一般に目立たなくしたいのだろうか?JR東日本の現場感覚では今まで誤出発防止が存在しなかったことに驚いているようだ。 (2016/03/28追記)



迷惑メール抑制策:入力転送サイトの利用  <2>

 メール・ソフトを起動すると、頼みもしない迷惑メールの山で、自動排除できない分がドサッと表示される訳であるが、そのメアドは大抵がロボット検索でサイトから勝手に持ち出されたもの。 勝手に送りつけてくる相手に、発送停止要求メールなど送っても、実在メアドであることを確定させるだけで、根拠有るメアド・リストとして転売されていくのが関の山で、残念ながら放置するしかないようだ。
 面倒を避ける対応策として、メアドを大文字(2バイト文字)にするとコピペできなくて不便なので、「@」1文字だけを2バイト文字など他の表示にしてコピペ時に書き換えてもらってメアド収集ロボットを避けて来たが、テキ側もその程度は復元してしまう様で、一向に迷惑メールは減らない。
 これまでは、cgiを利用してホームページ上で書き込んで貰うことはできたが、そこには表示されていなくても転送先メアドが書き込まれていて、メアド収集ロボット対策にはならなかった。
 ところが、メアドをWebページに晒さずにメッセージを受け取って転送して貰える外部入力サイトがあることが分かり、使ってみることにした。(右枠サンプル→)。入力サイトのURLを持って行かれたところで、全く差し支えなく、フォームに書き込まれた内容だけがメール転送されてくる。しかも個別のIDから転送先メアド設定を変更できるから、迷惑メールやプロバイダー乗換などによる一括変更に対応でる。 入力サイト名の表示は有償に切換えれば1日10円ほどで無くなる。従前のmailtoを総て書き換える手間は必要だが、これを使わない手はないだろう。自分のホームページ由来の迷惑メールに煩わされている方は、以下URLで、新規作成、フォーム変更、各種パラメター変更を試してみてはいかが?
 入力転送サイト:
   http://www.formzu.com/ : (入力フォームサイト)

 尤も、しつこすぎるDMメールも次第に迷惑メール化するもので、連日送られては堪らないし、新聞やブログを有料購読へ誘導するための中途半端で役立たない記事というのも検索妨害の迷惑記事となってしまう。あれは記事ひとまとまりを全部公開するか、見出しリストだけにして検索には掛かりにくくするかの両極に2分して貰いたいもの。主要各紙NET判を有償で購読したいほどの必要性は一般市民には無いのだし、一紙で間に合う権威と正確性・速報性を備えたメディアなど存在しないのだから、商業主義側の都合で、検索目的外の項目に止められるのは迷惑そのもの。 思わせぶりで客を釣るのはTVワイドショー由来の手法ではあっても、あざとくて支持になびくことはない。
 あれらのしつこすぎるメールは、受け取り側の反応を考えてのものとは異なり、PRメール作成者の「仕事をした」というアリバイアピール的性格が強いのではないかと思えてしまう。ほとんど読まずに棄てているPRメールが圧倒的で、希に来る新規の連絡メールを見過ごしかねないほどではないか。希に読ませるPRメールもあるんで、無理な要求をしてるのではないと思うが。

2016/01/01 23:55

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