[501]
mailto:
旧
新
Geo日記
Geo雑談
内検索
前
主目次
<1>
昔「リアクトル計算」は教わらなかった!
30年で強電計算が様変わり
<2>
なにげなく電検過去問題集を眺めていたらコンデンサーによる力率改善の「リアクトル計算」が頻繁に出てきてエッ!と思った。さらに「百分率インピーダンス降下」という考え方の導入で電力回路計算が大変楽になっている。コンデンサー投入時の瞬時の大電流を考えれば、コンデンサーに直列にリアクトルを挿入するのは大変妥当で電力系統の安定動作に資する措置なのは良く分かるが、60年ばかり昔の工高電気科と工学部電気工学科の授業ではどちらもお目に掛かった記憶はなく、力率改善コンデンサーを電源に直に接続する計算ばかりしていて、突入電流は酷いんだろうな!と思った記憶がある。 大容量の送電線路では同期調相機、同静止型が用いられているから、高圧受電程度では進相コンデンサーは直接続で良いと学んできた。 それは弱電志向の私自身が怠惰で強電を学ばなかった可能性がほぼ無いのは、語学での落第寸前「可・良」評価とは異なり専門教科の学業成績はそこそこ良かったし、工高電気科も通産省認定校で卒業者は電検3種一次試験免除だから、当時は教わってないと信じているのだ。
「送配電工学」(電気学会大学講座2003/02改訂1980/04刊)を覗いても、工高電気科教科書も同様であり、どちらもコンデンサー直接続による力率改善計算のみが述べられている。
さらに例を挙げると「送配電工学」(標準電気工学講座7コロナ社1958/05/30刊p283「・・・・配電系統ではその程度が軽くあまり問題にならない」、波形歪み対策(=高調波対策)として「配電用変電所に設置するコンデンサーには、直列リアクトルを入れ、合成リアクタンスを第5次調波以上の高調波に対して誘導性にする。」と例題計算なしに一行だけ述べられている。当時は数町毎の配電変電所(3次変電所)以上の大電力変電所の問題の模様だ。
背景となる時代の違いとして、使用単位でみれば組立単位の[Wb/m
2
:ウェーバー/平方メートル]が現在は[T:テスラ]と名付けられ、皮相電力の単位[VA:ボルト・アンペア]が電力界で[var]と替わり、[Mho:1/Ω]か[S:ジーメンス]と呼ばれる変化があり、昔よりも容量性負荷が増え、高力率化で誘導性負荷の割合が減って配電先の進相コンデンサーもON-OFFしないと異常現象を起こし易くなった反映なのだろうと思う。それは最近発生のスペイン全域の大停電の原因であった。
進相コンデンサーとトランス巻線の共振で高調波成分の磁界が強められて新幹線ATC信号の進行誤表示を起こした「品川信号事故1974/09/12」の時代は車庫の変電所にまだ直列リアクトルは使われて居らず進相コンデンサー単独使用で発生した模様である。
トラブル内容はレールに流すATC速度信号で、無電圧を停止0
2
としていた所へ階下変電所の洗車装置向け150kVA50Hz電力トランスの高調波が力率改善コンデンサーと巻線の漏れインダクタンスによる共振で増幅されて信号発生器の搬送波発生部に混入、60Hz電源の停電時に搬送波が消えて、それにマスクされていた階下50Hz150kVA変圧器からの第13次高調波650Hzの誘導電圧が生きてしまったことにより疑似70km/h信号746Hzを生成して線路に送出してしまい、発車したら目の前のポイントは開通しておらず手動の非常制動を掛けて危うく緊急停止した直前を回送列車が車庫線から進入通過していって事故だった。
この品川事故発生を受けて、東海道新幹線は丸2日運休して原因究明して前述の結論を得て、取り敢えずは階下変電所の進相コンデンサーを撤去、停電時には信号発生器の搬送波送出部も遮断する構造とし、さらに直後の「新大阪信号事故1974/11/12」でホーム手前での70km/h信号受信時の謎の210km/h発生を承け、開業時の最高速度210km/h以上の高速信号も割り付けるATCを2周波方式ATC-1D型に改善、無電圧の停止0
2
に加えて有電圧の停止0
2e
を新設、絶対停止0
3
信号も2周波化して確実に誤動作を防ぐようにした。 新大阪信号事故は振動応答を起こして不適なAVRの異常振動周波数(約10Hz:210km/h信号)で振幅変調された逆方向絶対停止0
3
信号が順方向の疑似210km/hとして誤検出されたもの。
この品川事故の主原因の一端である進相コンデンサーに皮相電力で6%の直列リアクトルが挿入されていれば5次以上13次の高調波は抑制されて誤動作は避けられていた可能性はある。
現在、電子機器が飛躍的に増えて誤動作懸念が増しているから、力率改善に単純に進相コンデンサーを付加するのではなく、直列リアクトルとして(コンデンサー皮相電力の)6%〜13%を挿入するようになったのだろう。 6%は5次高調波以上阻止に有効、13%は3次高調波以上に有効で、高圧受電の製品規格化されている。
なお、3次高調波は3相Δ結線で3つの相とも同相となって加算・短絡されて送電配電線路には出てこなくなるので、送電系統の何れかの地点にΔ結線を採用した。無効電力吸収の同期調相機用の3次巻線をΔ結線とすれば3n次高調波を短絡吸収できる。5次高調波以上に有効の6%リアクトルが主となる理由だろう。
かって2極3溝の直流マイクロモーターの開発設計に携わったが、電機子巻線構造が電気子ガバナー付きの主製品ではY結線なのを、サーボ用としてΔ結線のモーターを作ると定トルク損失が増えることに気付いた。 これは磁界が一様(正弦波分布)ではなく3n次調波を含んでいて3相が同相で加算された短絡電流になって制動トルクを生じていたものと考えられる。以降、モーター界磁の着磁・回転子コアの正弦波化が追求されるようになった。(Y結線のみでは支障なし)
自転車のブレーキが全く効かない!坂下まで止らない!
<1>
朝、ラジオ体操に出かけて会場近くの落差10m程の長めの急坂に掛かると後ろブレーキが全く効かず、坂下まで降りてしまった!早朝で対向交通がなくて特別に危険な事態には至らず助かったが、出発時のブレーキテストでは前後とも手応えがあって故障とは思わず出発したから、降坂安定化対策で後ろブレーキのみの制動をしてはじめて全く効かないことが判った!ブレーキ損壊はこれで4度目!今回の故障症状からしてユーチューブ動画に挙げられているCRC-556スプレーを後ろブレーキに吹き掛けたのと同じ症状である。 これで事故に至って死者が出れば「未必の故意による殺人」として厳しく糾弾される。 犯人は私を何が何でも殺したいらしい! V^2=2GH → H=V^2/2G H=(49/3.6)^2/(2×9.8)=9.45m
2025/08/31 23:55
[Page Top↑]
旧
新
前