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雪中に駅を520m過走!@新幹線郡山駅
1段制動デジタル・パターンATCに氷雪モード必要

 3/06朝9時頃山形行き新幹線「つばさ121」7両編成が停車駅の郡山駅ホームに停まりきれず約500m(520m)過走した。ホームのある副本線への分岐時に強いショックがあった。対応に盛岡までの区間が2時間余全面運行停止となった。同様の事故は2022/12/18にも発生している。短編成の早朝の1番列車が過走しやすいことから、昨シーズンは後にフル規格車10連の空車を増結して滑走軸の割合を減らして対策。JR東として原因究明中とある。(補足参照)
新幹線標準駅構造@東海道


平常時減速度=4.0km/h/s(緑色)
降雪時減速=1.11 km/h/s(赤色)
中間現示制限=〃 km/h/s(紫色)
机上演算固定で氷雪条件を無視した「一段制動ATC」を地上線で使い、降雪減速運転をしなかった!


停止限界点を基準に、速度限界パターンを設定して強制制動するATS-PやD-ATCでは、列車それぞれに減速度を設定(緑線)してこれと速度照査する。 この減速度設定を最悪値(赤線)に切り替えれば降雪等最悪条件でも追突を防げる。氷雪下での安全な最大輸送量を確保。
列車の減速特性が、正常時の緑線(230m停止)から降雪で突然赤線(800m停止)に変わった。 停まれずに冒進して追突したのが東横線元住吉駅追突事故だ。 ATS/ATCを降雪モードのパターンに切り替えて手前から制動するか、1段下の制限速度に切り替えないと降雪追突を防げない。
 ATS/ATC車上装置の減速度設定を降雪モードに切り替えることで降雪中も衝突を防げる。

JR東日本03/19/2024発表の概況図

 古くは東海道新幹線岐阜羽島駅で降雪中に780mの過走事故1967/12/09を起こしているし、名古屋駅での過走事故1965/05も380m過走、鳥飼電車基地出口本線支障過走冒進脱線事故など数回あって、合流線にはQ点設置(≒P点B点設置相当)とか、東海道新幹線での最終対策は速度計軸を16両編成の中央車両に取ることと、先頭車両と中央車両のブレーキ力配分を小さく平均の45%として他車両に配分するとか、当初は先頭軸の滑走検知で先頭軸だけブレーキ力をゼロにする等で凌いできた。 昨年末発生の北京地下鉄地上区間降雪時追突事故(日記#477)も降雪下の減速度激低下という共通原因の可能性が高い。
 東北・山形新幹線つばさ121号の7連列車(約144m長)で3/6早朝起きた過走事故は、かっての東海道新幹線で繰り返した過走事故と共通して線路と車輪踏面からの氷雪除去が間に合わなかったようだ。鉄道趣味誌にも繰り返し述べられた東海道新幹線関ヶ原廻りでの結氷・降雪滑走対策なのに、JR東日本はなぜ雪の本場である秋田・山形新幹線で手を抜いてしまったのだろう?ミニ新幹線の5〜7両編成では東海道の16両編成よりは影響されやすいだろうに。

 東北新幹線はパターン式のデジタルATC(DS-ATC)に換装済みで、普段なら信号の制動パターンに沿って減速し、駅の分岐(18番分岐:70〜80km/h制限)手前までに70km/hに減速させて、70km/h以下は手動制動で所定位置に停止させるが、B点設置による踏み込み遅延送信で30km/h制限に切り替えて過走を押さえた高速進入を実現している。
 過走防御は、ホーム先端から先15m以降に50m長の絶対停止添線軌道回路を置いて絶対停止03信号を与えて添線起動回路内に非常停止させるようになっている。 B点地上子により停止位置手前側に30km/h制限区間が出来て(0km/h→確認操作で30km/h)、無操作過走でも絶対停止03添線軌道回路50mで停まりきれる設計だったが、DS-ATC換装で停止位置基準の車上演算(=パターン方式)となったはず。従前の03添線軌道回路非常停止機能は残されているだろうか?
 今回の過走事故はその強制停止・速度制限を乗り越えての約500m過走だから深刻である。駅入り口分岐通過も乗客がショックを感じるほどだったというのは#18番分岐の一般的な制限速度の70〜80km/hを大きく越えているのだろう。 新幹線では開業以来#18番分岐の制限速度を70km/h(分岐曲線側安全比率5.5が目途&乗り心地限界横G=0.05G)としていて、正常運転であれば分岐曲線の安全比率5.5以下で、0.05G以下であり、通過ショックはほとんど無い。今回は明らかに過速度通過である。
 横G=V速度2/R曲率半径、曲率半径R=2W#N2より、 V≦15.94#N・sqrt(WG)、V≦4.270#N=76.86[km/h] (新幹線0.05G)  70km/h制限は若干の余裕Gで定めている。 (曲線部の安全比率とは基本、線路面での重量中心のズレが軌間1/2の1/3=軌間の1/6を限界と定めているが、カントがゼロである分岐曲線は曲線より厳しく軌間の1/2の1/5.5と定めている。横G限界値の逆数の3,5.5を安全比率と呼んでいる。 分岐曲線では5.5以上、一般曲線では3で制限速度を定めるよう規定されてる。)

 新幹線DS-ATCや東急地上演算ATC、山手・京浜東北D-ATCなど、1段制動ATCの重大な弱点は、氷結・降雪などにより設計想定の減速度が得られなくなった場合に、過走誤動作を許容するゆとり=無駄がほとんど無いことで、危険領域に突入してしまうことだ。
 東急元住吉事故はその典型で、通常動作では制動定数25前後(20〜30)なのが、激降雪下で約8にまで低下して、停止制動距離が25/8倍となって停まりきれず前列車に追突した。
 つばさ121号の郡山停車過走事故では、過走距離500mにホーム長420m、ホーム両端先停止限界余裕15m×2、逆方向03強制停止区間50m、分岐距離150mとして、都合、減速距離1150mとして、今回事故での分岐通過速度を仮に100km/h、または岐阜羽島過走事故での120km/hとするとき(安全比率換算5.5/(120/70)2≒1.87153∴転覆限界内。大衝撃ではある)、
  有効減速定数K=速度V2/制動距離Lであるから
   K(100)=1002/1,150=8.696 あるいは    K(120)=1202/1,150=12.5217 となる。
これは東急元住吉駅事故結果8に非常に近似する!(減速度としては 1.20777 km/h/s、1.739km/h/sと、 1.11111 km/h/s で通常減速度の1/2〜1/3.5)

[別解]過走記録動画から逆算<1.2>

 https://twitter.com/Shinaga58734933/status/1765192986185572838
 (源 https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/train/1705321480/15-115 #0115 )
 着目点を、ホーム先端の10m手前通過時刻(0:10)と停止時刻(0:42)に採って、それが過走距離500mだから、等加速運動として平均減速度を算出できる。判らないのは停止目標位置で、ホーム先端手前10mなのか、さらに、つばさ7連分の145m手前の155m手前なのかが判らない。だから10mと155mの両方計算してみる。
  減速距離L=(−加速度α÷2)×時間t2  だから、減速度β(−過速度)=2L/t2
  β(10)={2×(500−10)}/(42秒−10秒)2=490×2/322 =0.9570[m/s2]=3.4453・[km/h/s]=25.92[K]  (常用減速度範囲:非常よりヤヤ弱)
  β(155)={2×(500−155)}/(42秒−10秒)2 =345×2/322=0.6738[m/s2] =2.4258・[km/h/s]=17.465[K] (やや弱い減速)
この結果をみるかぎり、停車寸前の低速領域では、ほぼ正常常用制動値に近い減速をしていることが判る。動画の印象では弱めの減速に見える。
すなわち駅進入直前の高速度域で起きた滑走が主因で過走が起きたと判断できる。TGV(仏)が未開通建設線での高速度試験中に過速度転覆事故を起こしたが、曲線突入に際して最高速試験運転からの減速距離が不足した模様。高速度記録試験と氷雪滑走と発生条件は違うが、今回の郡山過走と同様の、高速部での減速不足だった様だ。

 分岐速度Vを逆算: <1.3>

V(1220)=sqrt(1220*25.92)=177.8[km/h] または、V(1220-145)=sqrt(1075*17.465)=137.0[km/h]
 山形新幹線つばさ7連の停止目標は、後方の10連用付近で、分岐速度137km/h前後だったと考えるのが矛盾が少ない。

 高速領域での速度計軸を含む滑走だとすると、速度計軸を最後端にして、純粋な速度計測用軸に=制動トルク=ゼロする必要があるのかもしれない! かっての0系での先頭軸を速度計軸とし、摩擦制動力をゼロとしたATC制御を、最後部軸に振り替えるのである。但し、電制モードで滑走が起きていると無効な対策であった。 0系で電制時の速度計軸切り離しは行われていないハズ=高速滑走の過走は収まりきらない。 減速時に速度計軸が滑走すると、実速度より低い速度値が出力されて減速不足になって過走の原因になってしまう。 高速域は電制だが、速度計測軸を最後尾にすることで電制モードでの滑走が解消すれば問題解決だ。
だが、速度計軸を最後尾にしても電制時に滑った場合、そのモータ軸の駆動OFFが必要となり、インバータ駆動方式(≒3相交流モータ駆動方式)の場合、制御単位がモータ毎にインバータを設ける1C-1M(1コンバータ1モータ)方式なら1軸OFFは容易いが、現状、多数派となっている1C-4M方式だと1両丸ごとOFFか?1C-2M制御なら台車単位でOFFに出来るが複雑化は嫌われる。 北海道の4軸独立微分最粘着制御高速特急はディーゼルカーだから元々が空制独立制御で電空切替はない。

 降雪・結氷状態での衝突防止策としては、ATS/ATCでの車上演算の減速定数設定20〜25を、耐雪ブレーキを作動させるような結氷・降雪時に8程度に切り替える機能を付して運用すれば、減速定数反比例で遠くから減速が始まり衝突にまで到ることはまず無い。低減速定数に切り替えても前に列車が無い場合には時間損失はほとんど発生しない。停止定位の駅でのみ低減速による遅延が起こりやすいが、初電を過ぎるにつれて過走の危険性は減る。

 元住吉事故の事故調査報告では対策として車輪踏面の清拭程度の制動力維持策で、お茶を濁しているが 、もう好い加減で、降雪・氷結による制動力低下を認めて、特に安全余裕の極小な一段制動ATC方式に対しては演算減速度設定の降雪モード切替を勧告すべきである。
 パターン制動という点で1段制動ATCと共通するATS-Pでは、ATSによる強制制動以前に、Yなど信号現示による制限速度45〜55km/hに手動で減速していて、強制制動後の停止距離が短いことと、さらに閉塞境界から先行列車までの距離が100m余はあって、実質の過走余裕となっていて、1段制動ATCよりはタイトでないから事故にはなっていないのだろうが、原理的にはATSパターンの降雪モード減速度切替は必要である。「D-ATCと京王ATCには既に減速度設定の自動切替機能がある」という情報はあるが、信頼できるソースは無く、詳細仕様は確認できていない。

結氷懸念時には「ブレーキ・テスト」を  <1.4>

 結氷・降雪モード採用に障害は、具体的な切替条件だろう。実運転中に滑走を検知してから切り替えたのでは間に合わないのだから、発生懸念条件では直前の安全な位置からブレーキテストをして、減速度を掴み、不足するようなら減速を続けて自動的に降雪・結氷時減速度設定に切り替えれば良い。
 ♪チャイム(運転士)「安全のため、ブレーキテストをします。掴まって下さい」♪ブザー&ブレーキ短時間(効果判定で、滑走していればそのまま減速継続)♪「ブレーキが弱めなので徐行運転します or 正常制動です。御協力感謝します」♪、という手順でOK!乗客に予告することと、判定結果を知らせることがミソで特別の装置は必要なく、ATCパターンの降雪モード切替だけで済む.
 昔日の工高生時代、発電所見学授業で観光バス乗車高速走行中に、急な豪雨に見舞われた経験があるが、運転手氏は突然一瞬の急ブレーキを掛けて「かなり滑ってるねぇ」と言いながら巡行速度を落とした。 立って手摺りに掴まっていたガイドさんがガイド用の立ち席に当たる急ブレーキ試験だった。
 その運転手氏の話では、豪雨の流水に浸かって走ったからブレーキ・ドラムが乾くまではまともに効かないから弱いブレーキを掛けたまま走って加熱乾燥させてブレーキ力を復活させているのだとか。 当時千葉県下大多喜町に出力150kW程度の超小水力発電所が有って、水路の取水口ダムから発電所下までの全行程を歩いて見学できた「実地教育設備」があったが、東京オリンピックT過ぎ頃に廃止された様だ。戦前の地域電力会社の小規模発電所を戦中の日本発送電への国策統合を経て戦後東電が管理していた模様。
 バスが人知れずそんな工夫をしているのだから、鉄道だって気温と湿度と天候から氷結条件を推定して、先ずはブレーキテストで常用パターン採用か、結氷・降雪パターン1、2採用かを判断・自動決定すれば郡山過走事故は繰り返さない。

深刻な分岐過速度145km/h!岐阜羽島過走120km/hを大きく超す [補足記事 2024/03/20(水)]<1.5>

 東北新幹線 郡山駅構内 つばさ121号が停止位置を大幅に行き過ぎて停車した事象について (JR東日本公式発表)
   https://www.jreast.co.jp/info/2023/20240319_ho01.pdf
東北新幹線オーバーラン 制限速度を約65キロ超で走行が判明(NHKニュース)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240319/k10014396131000.html

 推定計算で用いた#18番分岐制限速度は80km/h(東海道は70km/hで開通。80km/h改定説があった)、過走距離は520m(速報×500m)。滑走制御は正常に働き電空切替されたが異常動作。下りホームは副本線に島式2線で、標準駅の1線ではないから、03端から分岐までの距離は150mでは収まらず、計算上仮に350mとする。
 東海道新幹線起ち上げの国鉄技術幹部だった斉藤雅男氏の記事では、「ATC速度段階として当初、210km/h、160km、110km、70hm/h、30km/h(0km/h)、だったのを、新幹線車両制動システムの改良で+10km/h高く規定されて220km/h、170、120、80、30(0)に改定された」とあり、新幹線運営技術の最高責任者:斉藤氏の記事でもあり基本的に信頼していた。 しかし、分岐制限70km/hだけは横G=0.05G・安全係数5.5から来る制限で、制動力改善は関係しないはず。分岐制限速度が曲線0.08G・安全係数3.0より厳しい理由は、分岐カントがゼロなのと、緩和曲線が設けられないことにある。 確認扱い30km/h制限が変わらなかったのも、省令制限で在来線の25km/hに相当する30km/h以下での緩解許容だから政令が変わらなければ制動力改善とは直結していない。 その斉藤氏の記事の後に伝わってくる情報も#18番分岐70km/h制限のままなだったので、#18番分岐80km/h制限は不確実情報として、限界計算には従前の70km/h制限を採用していた。
 東北新幹線のホーム長の資料は見当たらないが、経過としては、盛岡開通後最長16連(400m)を経てに5〜7連の山形・秋田新幹線が作られて17連(=7+10)で収まっているから、郡山駅ホームは少なくとも東海道と同じ420mで作られたと推定。25m×10連+20.5m×7連+1.5=250+145≒400mで東海道並み。

 このたびのJR東日本発の公式PDFで初めて80km/h制限、145km/h通過が確認された。
   ∴横G倍率=(145/80)2=3.2852倍・・・・・・転覆限界5.5に近い危険な速度だった!
   K=V2/L、K=1452/1091.1=19.9625=2.6763・・・[km/h/s]=0.7434[m/s2]
  この値は常用の減速度範囲であるから、駅手前区間の145km/h以上の高速走行時に激しい滑走を起こしていたことが判る。80km/h分岐制限に145km/hで飛び込ませてはいけない。岐阜羽島分岐過速度通過120km/hを大きく越える危険な値である。

JR東日本発表3/20による再計算 <1.6>

 新幹線郡山駅下り線ホームが副本線の島式1面2線のため「標準型ホーム」より分岐からの距離が長くなる!その補正を行う。
 最も単純推算すれば、分岐角のママ外側ホームに達し、分岐曲線長は概略半径の1/分岐番数と考えて、線路間距離4.6mに、ホーム幅仮に7.4m(∵ホーム直の通過列車無し)とすれば、分岐先端から逆向03ループ先端までは、
L=R/#N/2+#N×(4.6+Whome)+R/#N/2、   R=2W#N2  より
分岐曲率半径R=2×1.435×182=929.88m
L=929.88/18/2×2+18×(4.6+7.4)=267.66m となる。
停目がホーム先端手前10mなのか、155mなのか不明で、双方を計算。
ホーム全長420m(東海道基準)。 03非常停止添線ループ長50m、位置15m。 過走距離520mより、
分岐からホーム先端までの距離は、267.66+50+15+420=752.66m
分岐からの停止距離は、
★停目がホーム先端 10m手前の場合、752.66−10+520=1262.66m、
★停目がホーム先端 155m手前の場合、752.66−155+520=1117.66m

 停止時動画から推定される減速定数が、
  β(10)={2×(520−10)}/(42秒−10秒)2 =510×2/322
    =0.9960[m/s2]=3.5859・[km/h/s]=25.82[K]
     (常用減速度範囲:非常よりヤヤ弱)
  β(155)={2×(520−155)}/(42秒−10秒)2 =345×2/322
    =0.71289[m/s2] =2.5664・[km/h/s]=18.4781[K] (概ね常用制動減速)
∴V(1262.66)=sqrt(1262.66*25.82)=180.6[km/h] または、
 V(1117.66)=sqrt(1117.66*18.4781)=143.7[km/h]
 分岐通過速度がJR東日本発表の145km/hに非常に近くなるのは、停目がホーム中程155m付近にあるとした場合の推定値だ。 過速度通過で非常制動モードに切り替わっても、常用制動程度の減速度であったことは、駅構内低速域でも滑走して居ること、&駅手前の高速走行域で大きく滑走して居ることを示している。

2024/03/07 03:40、3/20補足追記

国際交流累積=多数慣用名が流通、厳重鎖国李王朝殿!
日本海←vs→東海(伊勢湾〜周防灘〜駿河湾〜相模湾 vs 韓国東)
千曲川→信濃川、賀茂川→鴨川→桂川→淀川、紀の川→吉野川、エヴェレスト vs チョモランマ
 <2>

 韓国の一部御仁が「日本海」表記を見つけてはヒステリックに糾弾して「東海」への変更を要求するが、正直、かなり白ける。世界的慣用名が認められないなら再び鎖国して韓国ローカル名「東海」で通せばいいことだ!加えれば「東シナ海」は韓国から見れば「西海」なのに一切異議申し立てはない。失当な日本敵視が「東海」呼称強要の背景動機の様だ。
 歴史を辿れば、各地名はそれぞれローカルで命名されて、相互交流の拡大と共に広範に広がったり、征服されて別呼称になったりしたもので、相互交流区域内に自然に拡がる。 航海術が確立されて一斉に植民地獲得の武力制覇時代(大航海時代)となったAD1500年代から南蛮=西欧との交流のあった日本名が世界に拡がるのは自然の流れである。閉域ローカルの呼称は、広範に広がった公海の呼称に取って代わるのは無理で、これに逆らう変更要求:特に汎用名称の使用禁止要求は断固却下されるべきである。自国の国名呼称は主張を尊重するが、公海とは違う。にほん、にっぽん、Japan、Japon、ハポン、ジャップ・・・・・、何と呼ばれようと気にも留めない日本とは対極であるが。
 朝鮮李王朝500年は鎖国時代で、中国に朝貢する属国として人民を支配収奪してきたから、朝鮮ローカルの地名らしい「東海」が、どんなに昔からの呼称だったとしても他国とは交流のない鎖国内ローカル呼称が公海の名称として世界に拡がるはずもない。 江戸幕府相手の「朝鮮通信使」(延べ12回)もその実質は徳川幕府への朝貢だった様で、国民の貿易交流ではない。
 朝鮮李王朝の行った鎖国は非常に厳格で、明治維新後の日本政府が「西欧列強からの侵略・植民地化を警戒してアジア地域の連携を求める開国要請」をしても頑なに拒否、政変のきっかけとなり西郷隆盛失脚となっている。
 日本の「いわゆる鎖国」は、幕府独占の貿易管理体制と、西欧侵略の先兵であったキリスト教布教禁止令で、それを受け容れたオランダは長崎の出島を通した貿易交流と国際情報収集が続いたが、スペイン・ポルトガルは布教禁止の報復制裁として巨利の期待される貿易船寄港を拒否した経過があった。 中国大陸、琉球との対外交流は続いていて、幕府自身としては「鎖国」と言っては居らず、後世の命名だったこともあり最近の社会科教科書では「鎖国」という言葉を使わなくなった。 幕府としては江戸時代末期に米英仏露などにも開港したが、それ以前も薩摩藩の密貿易(幕府の許可のない外国貿易)、対馬藩、松前藩などの貿易は続いていた。
 世界的な海図を作るときに、相互交流があって広く知られた地形名称を採用するのは当然の流れで、世界は知らない鎖国地域のローカル名が採用されることは有り得ない。 そもそも「海図」というのは安全な航海を保障する為の実用物だから、広く共通認識の判りやすい表記が求められるもの。 一旦普及したら、後から鎖国を解いた国のローカル呼称が従前の公海全体名称に取って代わることはない。 実務的には、全体表記「日本海:Japan Sea」、朝鮮半島沿いローカル使用に括弧付き「(東海:East Sea)」許容だろう。
 韓国世論は、その割り切りが出来ず、1948年にようやく誕生した国家の政府が、古くからあったと主張するローカル呼称を、公海に付け直すように喧嘩腰で世界中に噛みついている姿はあまりに幼稚に見える。
 「3・1独立運動」は、日韓併合で不当な特権を奪われて平等・平民となった両班階級出身学生と宗教者などがその特権回復に朝鮮独立を言った運動で、国外から臨時政府を名乗ったが、それだけでは独立国の体は成していない。その朝鮮政府樹立を認めた国も存在しない。 その正当性の弱さを事実とは無関係の極端な反日教育宣伝&李承晩ライン宣言、竹島軍事占領と3代にわたる独裁で埋めてきたのではないか?!
 韓国では1948年建国以来の極端な国粋主義が勝って、自国文化を支えた漢字を廃してハングル一本化を図ったため区別の付けられない同音異義語に悩まされ、自国の古書を全く読めなくしてしまった。 西欧学問の翻訳にいち早く取り組み続け「解体新書」などで作った日本生成の合成訳語漢語を、漢字文化圏である中国&朝鮮は自国語学問確立に際してそのまま採用した経過があるのに、これもハングル化したから合成漢語の意味が分からなくなってしまう。 過度な国粋主義突出は、自分で自分の首を絞めてしまっている。 平安時代から続く長期間の読み書き算盤普及に義務教育が加わり、識字率50%〜80%〜97%の国=日本と、王侯貴族両班の収奪ばかりで治世無く、教育無く、識字率5%(李王朝下)〜併合後の義務教育導入で70%前後(韓国独立頃)とされた国では、全体の語彙力や翻訳力も大きく違う。 敵国であろうと、敵先帝であろうと、優れたもの、便利なものは活かして使うプラグマチズムは必要だ。 秦の始皇帝流の焚書坑儒の繰り返しは国と民族の文化遺産の徹底廃棄=蓄積拒否になっている。

 日本の大河「信濃川」は下流新潟県での呼称で、上流長野県では「千曲川」と呼んでいる。途中の山深い渓谷では人流が途絶えるから矛盾は起こらない。 京都の鴨川は桂川に注いでから支流を集めた下流の大阪では淀川、賀茂大橋より上流側は賀茂川+高野川であり地域ローカル名である。 日本海を朝鮮半島沿岸だけ「東海」と呼んでも差し支えは起こらない。 だが歴史的経過から通用している日本海全体を、新たに「東海」と強制されては甚だしく迷惑で、本州中部地方こそ「東海」地方で、日本から見れば日本海=西海だから紛らわしい!と返しておこう。
 エベレスト山は欧米呼称で、現地名ではチョモランマと呼ばれる様だ。現地名を尊重する流れはあるが、エベレスト呼称に韓国のような激しい怒りや抗議はない。
 中華民国と中華人民共和国双方を略称して「中国」と呼ぶのは、それ以前の呼称、清、民、漢、元、宗、唐、隋、秦などとは断絶しているし、本州西部の中国地方と重なって紛らわしいが、離れているから文脈で区別できることが多い。
 日本海呼称への一部韓国からの激しい抗議は、仇敵「日本」だから許さないという感情の発露の様だ。 大学教授の金看板でも発言してるが、けして理性ではない。 正当な論議で解決する見込みはないのだから、そんなクレームは敢えて無視して、古くから定着している国際流通名称「日本海」を余計な解説無しに維持したら良い。 オリンピック・ボイコットも国交遮断も、自ら好んでの孤立であり、積極的・合理的な対応方法は無いから放置として好きにさせておけば良いのだ。 惜しまれる優れたアスリートは出場資格停止ロシア同様、個人の資格で出場してくるだろう。特殊国際興行師団体IOCは儲かる方策を捻り出す。

「韓国からの通信、同(続)」 T.K.生 (岩波刊)はどこへ?
韓国独裁政権が増幅・創造・「教育」した絶対的仇敵日本  <2.2>

 第2次世界大戦後の朝鮮と台湾には、住民誰もが納得できる首班が存在しなかった。 日本が無条件降伏して引き上げを決めて権力の真空状態を生じた。国民党大陸軍が台湾に進駐制圧した。 中国大陸では国民党軍と共産党軍(後の八路軍)が独立維持を掛けて日本軍支配と闘っていたから、朝鮮の李王朝が併合条約で合法的手続きを踏んで日本化し日本の皇族となっていたのとは異なる。
 この併合1910で朝鮮李王朝の重大欠陥だった寄生階級両班の特権は剥奪され、一般朝鮮国民は両班支配から解放され、前後して医療体制整備、近代国家インフラ整備が行われ、一般国民向けの義務教育も実施された。現状、韓国の義務教育国定教科書には李王朝の件が書かれていないとか!李王朝400年の治世は無視できないだろうに。
 連合国側の国際公約としては「領土不拡大原則」を掲げ、カイロ宣言で併合朝鮮の解放が言われ、日本の降伏条件を定めたポツダム宣言で戦争による領土の放棄などが出されたが、ソ連スターリンがカイロ宣言の解決条件を不満として領土拡大を求めたため、ヤルタ会談時の秘密協定として、敗戦ドイツ同様に朝鮮と日本の分割占領方針(千島&樺太占領)を承認した。
 これは連合国戦争公約の「領土不拡大原則」に反する不当なものだったが、受け容れられて、東西ドイツと同様に、南北朝鮮分割と千島・樺太占領として現れた。ソ連の千島・樺太・満州侵攻の兵站を米軍が助けたのもこの対日参戦条件としてのヤルタ会談秘密協定の流れである。
 北海道や最悪東北地方がソ連に分割占領されず、千島占領だけの留まったのは、ポツダム宣言受諾8/15後に、それを無視して攻め込んでくるソ連軍に対して占守(シムシュ)島守備隊(樋口季一郎中将指揮)が3日間、徹底抗戦し、邦人の安全な引き上げに1ヶ月近く闘いながら撤退したことでヤルタ会談秘密協定での許容通りに北海道以南の占領は防がれた。(ソ連は調印しなかったサンフランシスコ講和条約での千島放棄条項はヤルタ秘密協定でのソ連との密約に沿ったものであるが、北海道の一部たる島、歯舞、色丹も占領された)。
 凄惨な犠牲を出した満州引き上げでも、終戦宣言の8/15以降に軍が避難民を護衛した数少ない例ではほとんど犠牲を出していない。 満州の関東軍幹部達が避難民保護を省みず放置して真っ先に逃げ帰ったことで被害を深刻化させているようだ。 「軍は国民を守らない」とされる具体例が沖縄戦と、満州引き上げである。
奇蹟のキスカ島撤退はアッツ島玉砕と対の限界能力発揮ではあるが、樋口中将の下の作戦だった。陸続き国境の樺太撤退戦は上手くいかず大量抑留となったが。
 連合国軍日本占領後の樋口稀一郎中将に対するソ連からの身柄引き渡し要求に、米占領軍は「樋口無罪」を決めて拒否したのは、ナチスに追われたユダヤ人達延べ2万人の満州通過を許可「ヒグチ・ルート」と呼ばれることで米本国でユダヤ人社会による樋口中将釈放運動が起こされたことを受けたものとされる(ユダヤ人難民救済オトポール事件については真偽不確定)。 樋口稀一郎によるユダヤ人満州通過許容に、同盟国ナチスからの抗議があったのを東条英機が樋口の抗弁通りに「人道主義」として突っぱねたが、戦後はA級戦犯として絞首刑になっており、首尾一貫しない話半分のエピソードと若干は割り引いて捕えるべきだろう。

 韓国には戦後建国から3代40年余にわたり独裁政権支配があって、ここで激しい思想弾圧と、事実を無視した極端な反日教育が行われ続けて、今日の社会丸ごとの反日感情の基礎になっているようだ。 サンフランシスコ平和条約制定の遣り取りで韓国側が求めた「サ条約締結国≡韓国戦勝国認定」と「竹島韓国領要求」をアメリカなど連合国側から否定されて、日本領だった竹島周辺に出漁していた日本の漁民に繰り返し銃撃を加えて多数の死者をだして抑留して武力侵攻に依る「実効支配」を強行した李承晩(イ・スンマン)ライン制定1947の非行は、「敵国日本」を国民に徹底させるパフォーマンスで、朝鮮戦争開始時1950/6に、自国民20万人を不当不法に殺戮した「保導連盟事件」の残虐政治をマスクさせる役割を果たした。 独裁政権は、さらに朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドファン)と続いて、その間、言論の自由は認められず反共法も制定され、日本擁護、社会主義擁護は内容の当否にかかわらず重い刑事罰を以て禁止されて、後の韓国大統領金大中(キム・デジュン)は東京のホテルから拉致されて日本海(東海w)に投棄される寸前で米CIAからとされる制止が掛かり韓国内自宅前に解放された。
 独裁抵抗の言論としては匿名で「韓国からの通信:T.K.生」が岩波書店刊「世界」誌上に連載され、数巻の単行本として発行され、韓国の民主化運動支持の世論を形成、現地民主化運動を激励した。
 こうして40年間の独裁政権の間、学校教育を含む韓国社会全体で根拠の薄い極端な「反日教育」が続けられて、能力を伸ばす実証的理解力養成が軽んじられて韓国人の「基本的常識」となってきた。 加えて、歴代韓国大統領の多くが支持率低下時の対策として、永年教え込まれた常識に沿った「反日行動」に走って、国民の対日偏見をリフレッシュさせてきた。 反日を思想支配の軸とした独裁政権支配40年に加えて政治便宜的反日教育の続いた延べで77年間の蓄積が是正される機会がほとんど無かったこと、これが情念的な反日行動が大爆発で盛り上がる一触即発状態の基本的原因の様だ。 刑事処罰付きの極端な反日が緩んだのは、日本文化解禁の金大中政権前後からではなかったか。その後も韓国に形成された架空の「社会常識」に基づく反日煽りが繰り返された。 しかし実証的理解の回避で科学技術系でのノーベル賞受賞はかなり遠ざけられている。 日韓併合前後からの「事実」の数々を、客観資料引用付きで韓国世論に拡がらない限り、日本側がいくら小手先の対応を重ねても、不安定状態は変わらないだろう。
 まして故安倍晋三元首相ら大日本帝国無謬論者たちのように、現実にあった日本側の非行を「全くなかった」と強弁し、カウンターの「反日世論」に再点火し続けて激しい対立を起こすだけになっている。 同時に、朝鮮李王朝400年余の存在が韓国公教育:国定教科書から排除されている間は客観事実排除が教科書を支配して誤った「善意の韓国世論」を生成するから問題解決は困難で、韓国世論・文化の健全な発展は起これない。
 日本の台湾・韓国統治について理念と制度としては日本国内扱いを目指していたが、国民一般の感覚としては特に朝鮮に対する「2等国民扱い」の差別が多々見られて怨嗟の的になっているのだが、戦時中の過酷な勤労動員・労働条件や、従軍娼婦≡慰安婦動員は基本、日本人に対しても同様で、貧困の反映ではあっても、朝鮮人だったからではない様だ。醜業従事許容年齢が日本国内より低くて多くの慰安婦を送ったのは朝鮮差別であろう。 長期に渉った李王朝両班階級の反知性支配を廃して奴隷扱いだった平民・一般国民への義務教育を施行、社会インフラ整備で日本国内に準じた近代化を図っていて「2級国民扱い」の不当差別は確かにあったが、収奪のみの李王朝・両班体制とは違い、「2等」ではあっても国民としての近代的扱いは行われるようになった両面の事態を、現在の韓国世論主流の全面否定反日だけで捕らえられるのか?!という問題がある。漢字禁止≒日本文化絶対排除は韓国自らの首を絞めてしまった。ハングル漢字交り文を許容していたら自らの過去遺産との断絶は起こらないで済んでいた。
 日本側も事実を排してフィクションで埋める復古安倍晋三型教育が強行されつつあって、客観事実抽出力を育てる物理学は高校での履修率を40年掛かりで90%台から20%以下までに減らして、政権による学術会議議員選出への不当干渉まで行われている状況は、国民にドグマと反感を植え付けた韓国独裁政権の愚をなぞりつつあって特に注意が必要だ。

2024/02/08 23:55

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