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津波波高、伝播速度、遡行高
伝播速度と瞬時波高が現行観測データに無い?

 能登半島大震災の大津波の波高報道がかなりバラついて理解しにくくなっている。 最大5m近い隆起で津波計測が出来なくなったのは計測装置の破損か、大幅隆起(最大4m)。 しかし津波波高が大きくバラつくのは、反射波など複数波の干渉だけでなく、津波波動の伝播速度(=速度水頭)と尖頭波高が有るはずだが、津波計には速度計測は無く平均水面高さのみの計測となっている。
 今後は、津波観測に波動速度と伝播方向を加えて、実際の遡上高と突き合わせらる様に改善した方が良い。

 速度水頭は Hv=V2/2g
但し、速度水頭 Hv[m]、伝播速度 V[m/s]、重力加速度 g[m/s2]、 流体密度 ρ [kg/m3
∵速度エネルギーが位置エネルギーに変換されると考えるから
(1/2)ρV2=ρgHv
∴Hv=V2/2g=V2/(2×9.8)≒ V2/20 となる。
 遡行高=波高+速度水頭 である。
現状「速度水頭」には触れずに、波高データのみを発表するから、実被害(=速度水頭込み)と目立った差異を生ずる。

 仮に津波先端伝播速度[m/s]を 5、10、15、20、35、30、として速度水頭 Hvを求めると、
  Hv(5)=25/20   =1.25[m]  (18km/h)
  Hv(10)=100/20 =5.0[m]  (36km/h)
  Hv(15)=225/20 =11.25[m] (54km/h)
  Hv(20)=400/20 =20[m]   (72km/h)
  Hv(25)=625/20 =31.25[m] (90km/h)
  Hv(30)=900/20 =45[m]   (108km/h)
  Hv(35)=1250/20=62.5[m]  (126km/h)
  大津波は100km/h超の速度で押し寄せることも多いもの。標高50m近くは遡上することあり。

 速度は方向性を持ったヴェクトル量で、水面内で表せるから Vx,Vy を計測して、
  伝播速度 V=sqrt( Vx2+Vy2 )[m/s]
∴Hv(Vx,Vy) ≒(Vx2+Vy2)×cosA/20  である。但し、Aは堤防・家屋等障害物への入射角
  方位角 θ=ArcTan2( Vx,Vy)×180/π [゚]   ←全方位アークタンジェント
    (函数 ATN2(x,y)、ATN2(y,x) 等「全方位ArcTan」がアプリやマニュアルに準備されている)

  川の遡及では方向は川の方向だからヴェクトル計測は無用である。

2024/01/14 03:45

武力革命途中の自然休戦=中台両国関係
&大陸外逃亡国民党政権占領支配からの
  台湾土着勢力の独立 <2>

台湾総統選、民進候補当選最強の運動=習近平らの露骨な軍事脅迫

 台湾の総統選挙と立法院選挙が1月13日行われたニュースによれば、「大陸反攻」を掲げて「台湾国化拒否」で世界各国から独立承認を失った蒋介石国民党が、いつの間にか中国吸収容認路線に転換、実態独立堅持方針だが経済政策には難のある民進党に総統選挙では三期連続の敗北、立法院選挙では逆に民進党を一議席上回って勝利という捻れ現象を起こした。
1895:日清戦争下関条約と台湾割譲(清から統治不能の「化外の地」とされる)
1912:辛亥革命、孫文首班、国民党国民政府樹立=清国滅亡
    中国大陸は群雄割拠、軍閥支配、内戦状態、国民党&共産党2強
1937:国共再合作=対日戦優先。国民政府下に共産党軍≡八路軍参加
1938:日中戦争開戦
1941:大東亜戦争≒太平洋戦争開戦
1945:日本ポツダム宣言受諾無条件降伏、台湾、朝鮮支配放棄(領有未規定)
    国民党蒋介石軍台湾進駐(「犬が去って豚が来た」と腐敗指弾、軍事占領)
1946〜1950:武力革命:国共内戦再発
1947:2.28虐殺事件(国民党軍台湾で28,000.島民殺害)国民党独裁
1949:中華人民共和国設立宣言、蒋介石台湾へ逃亡、戒厳令軍事独裁支配
1960:日米安保条約改定、岸信介首相退陣
1971/10 中国国連代表権国連総会で中共政権に
1972/2 ニクソン訪中 '72/9 日中共同宣言
1975:蒋介石死去、子蒋経国独裁解消方針、李登輝登用
1996〜:台湾民主化、戒厳令撤廃、総統公選
     李登輝総統(国民:民主化、本省人初の総統(政権内部から改革))
2000〜:陳水扁(民進)
2008〜:馬英九(国民:中国派)
2016〜:祭英文(民進)
2024〜:ョ清徳(民進)
 前回総統選挙でも今回総統選挙も支持率低迷の民進党候補が逆転勝利の最大の原動力は、習近平等中共の露骨な選挙介入と軍事的脅迫、1国2制度の国際公約を破る香港での激越な言論思想弾圧に対する強い批判と嫌悪が経済失策への不満を上回ったのだろう。 地元との関係の強い立法院選挙は支持率通り国民党逆転勝利なのだから、今回総統選挙でも中共の武力支配脅迫と言論弾圧の実績が総統選挙での民進党の勝利をもたらした。陳水扁選挙でも中共の武力威嚇が追い風となったのは全く同じだった。 おまけに、国民党重鎮、先々代総統馬英九が投票日直前に実質的な中共への吸収合併統一路線支持を表明したことで国民党候補不支持を強めた。 中共の武力威嚇で民進党から離れる票より、集中する票の方がずっと多いということで、前回に引き続き、国民の気持ちが全く分からない習近平・中共側の敵失に助けられて民進党総統となった。 初の民進党陳水扁総統誕生時にも中共による激しい軍事脅迫があって、米空母群出動で対抗したが、やはり中共の軍事脅迫が選挙勝利の原動力となっている様だ。 日本の諺では「一寸の虫にも五分の魂」とあり、武力威嚇には断固抗する気持ちは独裁者が思うより大きいのだ。

 元々を言えば、現在も国民政府に対する中国共産党の武力革命の「内戦中」で、蒋介石軍が大陸戦で負けて「(WW2)連合国」の一角として軍事占領中の台湾島に逃亡して、たまたま長期自然休戦状態にあり、武力革命の筋から言えば制圧まで闘うから、中共軍と国民党軍との戦闘再開の可能性は低くは無い。 そして元々は中共・台湾共に苛烈な独裁政権で、民主主義蹂躙だから国民にとってはドッチモどっちだった訳で、占領軍たる国民党の馬英九元総統が中共の民主主義蹂躙を気にも掛けない思想的背景=同じ穴の狢なのだろう。
岸信介の蒋介石説得@金美麗
[CHK] '34生、'59早稲田留学生、'92帰国31年ぶり(='61帰国)。 '60岸信介退陣(∴'60〜’61に通訳)。'71中共に国連代表権。'72日中共同宣言。 記事の時系列はOK
 朝鮮からの普通のAM放送(=A3形式)を「A3秘密暗号放送」と報じるとか、「永久機関実現」をWebで報じてしまう粗忽なサンケイ系情報は特に疑って掛かる必要がある。 台湾で高く評価される「日本精神」の諸項目に、「天皇陛下のために死ね」に総てが収斂する「教育勅語」を加えるのは大日本帝国無謬論派の政治工作臭芬々だ。
 が、外部執筆者自身の直接体験記事で矛盾も見当たらないから掲載。'61帰国の件か?
 金氏の記事での日本の「左派」への非難には、自身が教育勅語肯定派中に在って日本の一般国民リベラル派からは距離を置かれることを見られない、蒋介石軍が1947年に台湾国民を約28,000人も虐殺した2・28事件を当然に知りながら日本に明らかにせず擁護、蒋介石と交流したのは「親しい」とする岸信介派だったのを無視する理解&認識の不正確さがあるのだろう @BOOK OFFで拾う。
しかし李登輝主導で民主化が大きく進んで総統公選制と各級議会選挙実施が定着した台湾で、中共流の独裁支配は受け容れられる訳が無く、李登輝の掲げた「将来、民主化された中国大陸との統一」は実質、「中共独裁政権断固拒否方針」であるから、中共からは「台湾独立運動の首魁」として憎悪・敵対の対象とされている。 台湾政府が現実に存在して居る以上「現状からの更なる独立志向」は有り得ない。革命の名による民主制台湾の武力制圧独裁志向が実態である。
 中国大陸の「経済運営」を考えたら台湾侵攻戦争どころではないのは明らかだが、暴虐の文化大革命!毛沢東回帰の妄想に踊る独裁者習近平がどう転ぶか予測できない。 武力で九段線だの南シナ海岩礁埋立だの尖閣諸島領海・領空侵犯、ヴェトナム懲罰戦争などを実行する「社会帝国主義」と糾弾される暴挙を続けていて、今後、習近平政権が理性的判断をするかが危ぶまれているのだ。 マサカのプーチン、ウクライナ侵略の実例があり、その侵略を非難せず拒否権行使で擁護する中共がある訳だ。

 かってはソ連、中国など社会主義を標榜する諸国は、400年余続く帝国主義侵略に走る独占資本主義体制に対抗する「平和勢力」とされていた。 私も小学時代には自作0-V-1再生式受信機と逆Lアンテナで日本向けモスクワ放送や北京放送、平城放送、VOA(米)などを受信してはレポートを送り「受信証」を貰っていた。 日本向けの北朝鮮平城放送は夜になると国内放送以上の強度で受信できたが、時折、暗号数字群を延々と送信することにはかなりの違和感を持ったが、深くは考えず、それきりだった。 (サンケイが近年「A3暗号電波によるスパイ活動」と報じたのは、無線技術には無知門外漢である記者の勘違いで、「A3」というのは日本の電波法に定義されたフツーの振幅変調形式ラジオ放送波のことで、一般向けAM海外放送で堂々と暗号乱数(表)を放送していたのである(w。サンケイ記者は自分ではこの暗号放送を聞いては居ない筈!(ww。 日本の公安警察は、おそらく、その暗号文を解読していただろう。) それが、「社会主義実現」を権力奪取戦争の旗に使って国民を煽っただけで、奪権後はソ連も中国も国民を独裁支配、悪質な侵略国、社会帝国主義独裁体制に転落してしまっている。 国民の総意機関が独立では存在せず政党である共産党が上位にあり、軍隊が政府支配下では無く共産党の軍隊である中国の独裁体制が基本的な間違いだろう。

 しかし、大陸より逃亡国民党の長期で苛烈な台湾軍事支配を、次第に民主化に導いた、初の台湾出身総統李登輝は、「将来民主化された中国との統一」を言って、明確に中国共産党独裁支配統一を否定(実質独立維持を表明)したことで、中共からは「台湾独立派の親玉」として終生敵視され、晩年、重病の国外療養さえ強烈な入国禁止要求を突きつけられた。 (引退政治家の療養拒否要求は中共流では意味がある言い分かもしれないが、日本流感覚では「中共政府は『ケツの穴が小さい』」と著しく蔑まれてしまう)。 本省人である李登輝は常々「自分は1945年22歳までは日本人だった」といい、京都帝国大学農学部に学んでいる親日派。 李登輝は長期戒厳令下の国民党政府(蒋介石総統の息子蒋経国)に農業技術官僚として招請されて、上り詰めながら民主主義獲得(=中共吸収合併断固拒否、実質独立維持派)を図った驚異の政治家であり、総統・立法院議員公選を実現させるなど、その点は民進党に非常に近い国民党総統であった。 蒋介石の息子蒋経国は国民党の台湾化「=一つの中国・一つの台湾」を見定めて長期軍事独裁の終焉を目指していた模様。 民主政体無視吸収合併容認に見える馬英九総統とは真逆である。
 と言うより、台湾土着派により「国民党軍事占領からの独立」が追求されると、外省人根無し草国民党は中共と対峙することにのみ存在価値が認められ、中共のお陰で生き延びる=中共が対決姿勢でないと困る存在に堕して実質が親中共となるのではないか?!
 大変誤解が多いが「台湾独立運動」は中共からの独立では無く、国民党軍事占領からの独立を指していることに最近気付いた。 民族や文化がまるで違う大陸と台湾は同一の国にするには無理があり、台湾土着の住民による建国が妥当。国民党中華民国軍は撤退せよ!中共は唯の一度も台湾を治めたことは無い、と言う訳だ。 アメリカ独立戦争型の建国は容認されるケースだ。 中国、香港、ロシアのように立候補の自由が無く、権力側の選択に任されるような「選挙」は独裁体制の無花果の葉でしかない。

「圧政の下、抵抗闘争は起こる」と言ってなかなか展望の見えてこない国政革新の運動・革命運動を励ましたのは中国革命を担った共産党幹部で、たしか毛沢東ではなく周恩来?劉少奇?だった気がする。 それは大昔の日本の革新運動内にも拡がった惹句である。 (後に失脚し逃亡途中の飛行機事故で亡くなったとされる(党主流による始末かも知れない)のは林彪だったか!後に国家主席となり文革(=毛沢東再奪権クーデター)で失脚させられ絶命した劉少奇著「大衆組織の根本問題」は和訳出版されており運動のハウツー・テキスト化していた活動家も居る。 使えれば何でも良いプラグマティズムは必要だが、まだ少なくない教条信仰派からは中共失脚幹部著書という外形だけで攻撃される虞も在ってメンドくさいから今は言わないかも(w。 組織全体の基本方針としては「科学」でも、個々の思考には断片的信仰が残って「俺が党だ!」と確信していたりするものだから「初心の善意」は信じて無用の対決点はスルーするのも知恵。 同様に私鉄総連某幹部著の「労働組合読本」など大変実践的で有用なテキスト。 社民系の限界として政治闘争面が弱いことだけ気をつけて活用すれば良い。基本方針としては(日本共産党)第10回党大会6中総決定の実践章も優れている)。 それなのに現在は中共自身が香港、ウイグルなど国内で圧政を布き、国内も監視・弾圧支配を強め、周辺国に力尽くの言い分を押し付けて「ヴェトナム懲罰戦争」まで起こし、台湾武力制圧を仄めかしている。 国力が付いたら言い分が180度変わって「社会帝国主義」に転落してしまったのだ。

現に存在!「一つの中国、一つの台湾」政府
  台湾にも民族自決権、台湾を統治できた大陸政権は存在しない

 元々主力の「正統政府」は、清朝を倒した辛亥革命の孫文国民政府が主流だが、共産党も軍閥を平定しながら支配力を強めたが国民党より劣勢で、対日統一戦線国共合作で国民党による制圧を防ぎ、日本軍との戦闘を極力避けて、勢力温存。 日本の敗戦と共に内戦を再開、腐敗し疲弊しきった国民党軍を崩壊させ台湾に追いやって1949年に革命政権樹立、暫し自然休戦状態が70余年続くという経過をみたときに、実態として中国政府は2つ存在して「一つの中国、一つの台湾」状態だが、双方が「唯一正統性」を言い募ってきた訳だ。 双方が「国内問題」というのなら、外部は2勢力の選択を当事者国民に任せて、現に存在する両政府と外交関係を結ぶ方針で良かったはず。現に南北朝鮮は国連に同時加盟だったはず。国際法で戦争が犯罪とされた今、革命であっても「力による現状変更の禁止」原則の適用は当然である。
対中関係の将来を見切った岸信介元首相が蒋介石総統に「台湾政権化」を繰り返し説得したが、蒋介石は「大陸反攻」を捨てられず、自ら国連を脱退して、常任理事国の座を中共に与えて、その拒否権により台湾独自政権国際公認の目を潰してしまった。
 日本は突然のニクソン訪中に慌てて、日本-中共関係改善に、両岸2政府の存在を認めるのでは無く、承認政府の乗り換えをやってしまったことに問題がありそうだ。 それはすぐにロッキード事件として田中首相の非行をバラされて退陣・失脚に追い込まれた。 米CIA恐るべしである。 アメリカの言う「自由主義陣営」は、多くが独裁支配と腐敗まみれであって、自民党政治資金賄賂=ロッキード事件よりかなりエゲツない腐敗政権なのだが、米国の方針には逆らってないから容認!という見せしめだろう。 アメリカの中国承認も日中国交回復内容に引きずられて、台湾との関係を非公式にしてしまった。 日米とも中共政府承認決定と同時に台湾島政府承認(=大陸放棄)を表明していたら、中台両側独自の相互承認だけだから問題は解決しやすかった様に思う。

2024/01/31 23:55

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