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既設・8ヶ月も使用停止だった羽田停止線灯!運用エラー!

 朝日新聞デジタルに依ると、羽田空港には滑走路入口=誘導路端に「停止位置灯」が設置されていたが、定期整備で昨年4月から使用停止で、視界不良時のみ運用の規則だから、視界良好の1/2事故は影響していない、と国交省はいう。

羽田空港の停止線灯、事故時は保守作業で休止中
 誤進入防ぐため導入 日航機・海保機事故 
    角詠之 伊藤和行 2024年1月6日 19時00分 朝日新聞デジタル

 東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上し5人が死亡した事故で、誤進入を防止する目的で滑走路手前に設置されている「ストップバーライト(停止線灯)」が事故当時、メンテナンス中で運用を停止していたことが国土交通省への取材でわかった。ただ、国交省は運用していた場合でも、見通しの悪さや管制官の判断で使用するかどうかを決めているとし、「事故当時は使用する条件にあてはまらなかった」としている。

停止線灯の仕組み

 停止線灯は、滑走路への誤進入を防ぐためのシステム。国際民間航空条約の付属書は「夜間などに活用することで誤進入予防策の一つとなり得る」としている。
 羽田空港にも1998年に導入され、事故が起きたC滑走路に設置されていた。

■国交省「事故当時は運用条件に当てはまらず」

 管制官が離陸を許可するまでは誘導路の赤色の停止線灯が点灯し、管制官から滑走路への進入が許可されれば停止線灯が消え、誘導路の中心線が点灯する仕組みだ。羽田を含む全国14空港で導入されている。

 国交省によると、羽田空港の停止線灯は昨年4月から、メンテナンスのために運用を停止していたという。

 国交省によると、羽田空港では、視程が600メートル以下、または、管制官が必要と判断した場合に使われる。管制官が進入を許可した際、手動で停止線の点灯を消し、進路を点灯させるという。担当者は「仮に運用中だったとしても事故当時は、視程が5千メートル以上だったため条件に当てはまっていなかった」と話す。

 国際民間航空条約の付属書は、いかなる視程や気象状況でも誤進入が起こる可能性を指摘。「夜間及び550メートルを超える視程であっても、停止線灯を使用することが効果的な誤進入予防策の一つとなり得る」と記載している。

 停止線灯のほか、一時停止すべき位置を示すライトなどのシステムがある。

 元日本航空機長の八田洋一郎さん(75)によると、世界の一部の空港ではゲートから滑走路までの誘導路上にもライトが設置され、ライトに沿って行けば滑走路に到達。停止線灯が点灯し、進入できる状況になれば消灯するため、土地勘がなくても進行しやすかったという。八田さんは「誤進入の対策として、視界の良しあしにかかわらず、日常的に使われるようになることが有効だ。費用や管制官の負担は増えるが、二度と同じような事故を起こさないためにも必要だ」と話した。
     ◇     
 事故原因を調べる国の運輸安全委員会は6日、JAL機のボイスレコーダーを回収。管制官からの聞き取りも始めたという。4、5日にはJAL機のパイロット3人と客室乗務員9人に聞き取りした。(角詠之、伊藤和行)
https://www.asahi.com/articles/ASS165W1CS16UTIL00J.html


 しかし国際民間航空条約の付属書は、・・・・・誤進入が起こる可能性を指摘。・・・・・・停止線灯を使用することが効果的な誤進入予防策の一つ」としていて、常時使用推薦の色彩が濃い。
 国交省の説明と認識で欠けているのは、根本としては「人はミスを冒すもの」という前提で、「ミスを事故発生前にフォローする」という観点に欠けて居ること。 無線通信1本での指示と、それを記憶しての行動期間があるため、誤認や言い誤りの確認・訂正のできないタイミングを生じていること。今回の事故は此処に嵌まって起きてしまった。
 人為ミス発生前提の対策は、一般産業界では労働災害対策として1970年代から追求されているものだが、国鉄JRが頑なにその受け容れに抵抗して、厳しい懲罰により事故予防できると頑迷に思い込んで、懲罰的日勤教育などに頼っていて2005年4月の福知山線尼崎事故を経ても変わらないJR界の誤謬だった。それを世論の強い批判で受け容れさせて、国交省(鉄道局)による技術基準行政指導として過速度防止ATS、過走防止設備が義務化されたものだ。
 だが、飛行場の滑走路・誘導路には未適用で、進入信号設備は作りながら、メンテと称して8ヶ月も放置、好天では使わない基準を、同じ国交省(航空局)が噛んで決めていた。セクショナリズムの役人仕事に見える。
 滑走路誤進入はエラー対応:衝突防止措置の時間がゼロになり得る危険度の高いものだから、発生させない取り組みと設備が特に重要であることを航空局・空港管制は無視している。 見通し距離に関係なく「停止線灯」&「停止信号」を常用として、進入許可と同時に必要時間だけ進行現示としていれば、海保機の滑走路誤進入はまず起こらなかった。管制塔に置く滑走路進入表示装置ではパイロットには役立たず、設置が逆順なのだ。

 また「滑走路停止位置C5」では、滑走路上停止と誤解する余地があり「誘導路(端)停止位置C5」の方が厳密表現だろう。滑走路長をフルに使う大型機では「滑走路端停止位置」は常識なのだから、混同誤認防止に誘導路端停止位置」を「滑走路停止位置」と呼んではいけない。(×注:航空管制用語では「Holding Point C5」:待機点C5であり、「滑走路C5」とは言ってない。国交省発表文の不適切訳。)

 鉄道の衝突防止信号で考えれば、信号現示を見て減速すれば、信号が見えているうちに現示制限速度に減速できるよう設置されていて、現示を見てから信号機進入までの間に口頭指示のみや記憶頼りの思い込み運転の瞬間はない。視認しても制動しきれない場所には、信号現示を予告する中継信号を設置したり、時折制動しきれない「現示」では2区間重ねて必要な制動距離を保障して居て、停止すべき区間に無信号や過速度で突入することは無く、誤記憶のまま危険領域に突入は出来ず、事前に信号現示が現れたり、ATS&過速度ATSの強制停止を動作させる様になった。過速度ATS設置義務化は福知山線尼崎転覆事故2005/04を受けた国交省の行政指導である。
 また、信号灯は複数点灯が基本で、1灯が断線しても残り1灯が点灯していて信号としては消えない構造にしている。近年のLED灯では並列表示数はズッと大きい。
 特別高圧送電線でさえ大都市圏廻りは3相2回線以上設置している。鉄道変電所は66kV3相2回線で受電し1500V直流を架線に供給、並列饋電(π型饋電)なので両側隣接変電所からも饋電を受けられる。 特高の3相1回線送電は極例外的で、昼間稼働のみの工業団地とか、過疎の東北などの山中しか見られない。 自衛隊習志野駐屯地脇の習志野変電所も特別高圧田喜野井線66kV受電3相2回線である。停電で中国・朝鮮・ロシアからのミサイルを落とせなくなっては話にならない(w。ウクライナでは変電所が執拗にミサイル攻撃されている。 国立駅北の鉄道総研への特別高圧配電線と習志野工業団地内が3相1回線だった。近年24時間操業のパン工場が習志野工業団地に接して出来て特高習志野線66kVは2回線に増強された。See→千葉市周辺特別高圧送電網(3相2〜4回線)

 超重要交通路である羽田空港の滑走路入口に設置の停止線灯を、メンテナンスと称して昨年4月から不使用・消灯8ヶ月放置など絶対に有り得ないことである。 羽田、成田、関西、福岡、札幌、中部など主要空港には、独立した2列の停止線灯と左右の信号灯を設けて、故障してもメンテでも1組1列は生きるようにして常用すべきである。 停止線灯軽視が甚だしい。
2024/01/08 00:55

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