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[150]. 新幹線バラ売り可否は購入側水準の問題!
   東京新聞07/03/03台湾新幹線社説

  新幹線技術を売り易いよう技術のバラ売りについて「日本側は部分輸出にもっと柔軟に対応すべきだろう。」という落ちだが、バラ売りを拒んでいるというより、摘み食い方式で導入するに際して相互に関連する項目の調整をどこが責任を持ってやるかの問題で、実質は輸入運営側の適切な導入計画と技術水準の問題だ。台湾新幹線のアドバイサーに就任してその経緯をRJ誌長期連載している齋藤雅男氏が総論としては「自主決定と早急な自主運営化」を指摘はしているが、現地での具体化に失敗したのだろう。現に中国は各国からサンプル的に車両を輸入しそれをモデルに国産化を目指し、当面、300km/hで営業運転できる車両を在来線に投入し最高速度160km/hで自力運行する。これに対し台湾は自前で用意できる体制より先に最初から最高速度300km/hで、線路容量としては途中追い抜きをして3分間隔走行可能という条件が先にきて上下分割出来なかった訳で、更に仕様決定に際して納入側に引きずられて(特に一旦落札を逆転された欧州勢の攻勢に圧され)一貫性が揺らぎ、多重設備部がかなり出来たということだろう。

  本線の保安装置に限れば日本で供用を開始したばかりのデジタルATCが設置されており、これに正しいデータが設定され、フランス側保安装置がこれに卓越・衝突で思わぬ穴を生じるなどの障害が起こらないかぎり衝突・過速度転覆の危険はない。
  一種の第3セクターである台湾新幹線を台湾国鉄が全面的にバックアップして自主技術涵養を図るのなら、安定したほんの1部に看板的300km/h運転区間を残し、実質160km/h運転から始めて、軌道、車両、運行などの自前の技術を育て、技術者層を形成してゆけばよいことだ。それは東海道新幹線が東京−大阪3時間運転を目差しながら開業から暫くは4時間余で走ったのと同じだ。
  それをアベコベに台湾では、建設設置の日本側は全員引き上げさせ、暫定的にフランス人運転士で開業し、外国語=英語で指令業務を行って300km/h運転で開業するという、ボタンの掛け違いのまま突っ走ってしまった。その辺りの指導・計画に問題があって振り回され、バラ買い出来なかったのだろう。技術陣は日本派、決定側は判断基準を理解できずということだ。対中国では、5回に亘り厳しい非難に敢えて挑戦した小泉靖国参拝の功績で収益の大きい新幹線建設は全部欧州グループに行き、中国としてどうしても欲しい保安装置(ATC)・車両制御の先端技術はしたたかにバラ売りを求めてサンプル買いされて(しかも中国国産品と宣伝されて踏んだり蹴ったりの目に遭って)いるではないか。政府首脳の露骨な中国侵略正当化行動下(靖国神社遊就館展示参照)で売り込むには名は譲るしかないが、名を取られ技術を取られ儲けも少なくて大変だ.経済的な損得では中国にとって小泉純一郎サマサマだ(w.近日中に中国製デッドコピー新幹線車両に市場を大きく荒らされる。昔の日本も輸入ED41→デッドコピー→国産ED42とかやったことではあるが。日本側のバラ売り拒否だなんて認識としてはかなり外してる。
  東京新聞は個々の記事では正確で優れたものが目立つのに、上位の記者が出任せ川島令三事故本を一面コラムでヨイショして信頼を墜落させたり、また外した結論の社説を出したりと、末端の努力を吹き消している。紙面に載せる前に詳しい情報と判断力を持つ末端現場に声を掛けて内容を見て貰えば良いものを、何をやっているのだろう。
  尼崎事故に際しては当該路線運転士の過半数が転覆速度を制限速度の約2倍だと誤信していた事実を明らかにしたし、昨夏は、一旦鎮霊社に鎮められたA級戦犯を靖国神社本殿に祀り直したことを特集でスクープし、総ての霊と「渾然一体で分離できない」はずのA級戦犯の霊をどうやって鎮霊社から分離して本殿に祀ったのか!ととっちめて靖国神社側を回答不能に追い込んでいて笑ってしまった。時折駅で買っていたがこれら内容が面白いので販売店を調べて宅配を頼んだのだが、その販売店からメインの朝日への切替をしつこく迫られて大変だ。朝日の「スクープ」はホントかどうか常に眉に唾を付けて読まなきゃイケナイからヤダ!洗剤じゃ釣られない!と断っているが、押し紙の泣き落としに掛かり決算月の朝刊だけ一ヶ月2,900.円(サンケイ&赤旗新聞の値段)+洗剤6箱3kg付きで2紙目を契約したとたん、読売新聞のコピペ記事だ!たく契約延長しないよっ!と。中味では売れず景品で売る「新聞」!どの新聞もそうらしいが、末端拡販からのナマの読者情報は新聞編集現場には伝わらず、相変わらず景品としつこさと押しの強さで売っている。NHK受信料集金でも変わらない莫迦な話だ。揚がった情報の質で金一封でも出せば良いのに。


社説 安全運行の積み重ねを(全文) 台湾新幹線

 台湾の高速鉄道「台湾新幹線」が全線開通し、中国でも新幹線型車両が走り始めた。数分間隔での高速走行はまだ先だが、新幹線技術の海外普及の第一歩だ。安全運行をしっかり積み重ねてほしい。

 今年から営業運転を始めた「台湾新幹線」は台北−高雄間約三百四十五キロメートルを約一時間半で結ぶ高速列車だ。最高時速は約三百キロ。車両はJR東海とJR西日本が採用しているのぞみ型「700系」がベースで、レール・軌道も日本方式となっている。

 中国の「CRH2型(愛称・子弾頭=鉄砲玉)」は一月下旬から上海−杭州(浙江省)間などで営業運転を始めた。こちらはJR東日本のはやて・やまびこ型「E2系1000」がベースになっている。在来線の高速化が目的のため、最高時速は当面約百六十キロに抑えている。

 台湾と中国での新幹線車両をみると、日本の新幹線システムがアジアに輸出されたと受け取られがちだ。とくに台湾は日本の技術が基本だけに、新幹線輸出第一号と呼ばれてもおかしくはない。ところが実態は大きく異なっている。

 台湾新幹線は当初の欧州方式が途中から日本方式に変更されたため、車両や軌道、ポイント(分岐器)、信号などで日独仏台などさまざまな技術が混在することになった。台湾側が最高技術の組み合わせを考えたためだが、かえってシステム全体が複雑化した。運転開始後、ポイント故障やブレーキの誤操作などのトラブルが伝えられている。

 中国の新幹線車両は日本からの輸出に加え、基本技術を供与して現地で製造した。中国は国産技術の振興に積極的だが、同時に高速鉄道技術を持つドイツやフランスにも車両を発注している。全国で一万二千キロもの高速鉄道整備構想がある中国は有望市場である。とはいえ日本だけが優位に立っているわけではない。

 日本の新幹線技術は「車両、信号・通信、運行管理システムの三点セットが基本」でどれを欠いても安全な高速運転は不可能という。このためJR各社はこれまで“技術のばら売り”は想定してこなかった。

 だが各国には鉄道技術にこだわりがある。日本の新幹線が世界最高水準であっても全面導入にはまだ抵抗感がある。海外では現地化が避けられない以上、日本側は部分輸出にもっと柔軟に対応すべきだろう。

 将来、新幹線技術の完全輸出を実現するには安全運行の実績を一つ一つ積み上げるしかない。技術情報の提供など、相手国への支援を積極的に行うことも日本側の課題だ。


2007/03/05 23:00
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