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青函新在共用運行区間の140km/h制限考    <1>

青函新在共用運行
140km/h制限では約16分遅くなる。高速走行時間帯を設けるには対向側の貨物抑止を長く必要とする。
SKS=240km/h、貨物=110km/h、定点間距離=23.0km、 新在共用距離=84.4km、最短時隔=3分
 北海道新幹線の在来線共用区間84.4km(新中小国信号所−木古内信号所間:青函トンネル内等)での制限速度が貨物列車への悪影響の懸念や旅客の安全確保から140km/hに制限され、速達性が若干犠牲になることが残念がられていますが、将来の札幌開業時に東京4時間圏達成に微妙に絡みそうな遅れでもあり、高速化に何か工夫の余地はないものでしょうか?
地点 距離程 区間距離 備考
東京 −713.7
新青森 0.0
(青森) (3.9)
新中小国信号場
(分岐合流点)
28.9 共用区間
84.4 km

定点間
23.0 km
奥津軽今別駅 38.5
龍飛崎海底 61.4 中小国〜32.5km
吉岡海底 84.4 中小国〜55.5km
木古内駅
(分岐合流点)
113.3
新函館北斗駅
(七飯)
148.8
(函館) (164.3)
札幌駅 360.3

 青函トンネルは現在北海道-本州物流の大動脈で連日40本近くの高速コンテナー列車が通過して北海道−本州間の物流の大動脈となっていてこれは減らせません。 北海道に接続する道路が無く、航空貨物でペイできる貨物はごく少なく、船便の速度では間に合わない大量の生鮮食品輸送には青函トンネルが主役で、この輸送力確保は至上命題です。 たとえば博多名物辛子明太子は北端の函館港に水揚げされたスケトウダラの卵を高速貨物で西端近い福岡に送って製造されていました(昨今は輸入物にシェアーを奪われてきましたが)し、ジャガイモ、タマネギなどの農産物出荷にも使われていますし、関西地区へは裏日本縦貫線(奥羽−羽越−信越−北陸:トワイライト・エクスプレス経路)、関東地区へは東北線回り(北斗星経路)と一部上越・羽越奥羽回り(北斗星迂回路)で最大牽引重量いっぱいの高速貨物列車が走っています。
 これに対し旅客列車は特急のみ1日13本ですから、貨物3旅客1の物流線が実態で、この旅客列車が新幹線に変わります。(蟹田−中小国−津軽小国−木古内相互間は特急券なしに自由席に乗れます:津軽海峡線時刻表の注参照)

 高速貨物列車の最高速度は現在110km/hで、東海道線の貨物電車スーパーレールカーゴでも130km/hですから、当面はこの程度の速度で走ることになるでしょう。

 問題は新幹線が貨物とのすれ違い時の風圧で、脱線などの危険を生じない保証が無く、当面140km/h制限の根拠になっています。

 新幹線方式の高速運行には、列車を通さない時間帯を決めて線路設備の集中保守整備を行うことが決められており、在来線型の列車間合いに保守整備を行う方式では間に合わないのと、作業者の安全確保の保証ができません。貨物輸送がまとめた間合いを取れるかどうか、これは高速化のネックです。

 更に海底トンネルである青函トンネル特有の制限として、トンネルからの非常避難口である2つの定点:竜飛崎海底定点と吉岡海底定点間23.0km/hには1列車しか入れない規制をしていて、貨物列車に対しては適用除外としても、ダイヤ編成上の制限になります。 定点規制の起源は北陸トンネル急行きたぐに列車火災事故(1972/11、死者30負傷714)の教訓で、トンネル内での列車火災は止まらず走り抜けることを決めましたが、1989年営業開始の長大54km青函トンネルでは海底駅からの地上脱出する避難路確保の方策として定められた基準です。


 これらの条件に配慮して、在来線共用区間84.4kmでは従前通りの140km/hのままにしたようですが、当初目論んだ320km/hでの通過時間約16分に対して140km/hでは36分余ですから20分余延びてしまい、東京から4時間圏を目指す札幌開業時までには改めて高速化の検討が求められるでしょう。(最高速度260 km/hというのは「整備新幹線」の基準で、これを超えると、様々な公的資金援助が無くなり、鉄道事業者が自前で負担することから政治的な上限速度になっています。)

 そういう前提で、貨物を集中運行して新幹線高速運行時間帯を設ける試みが右図ダイヤグラムですが、上下線の高速すれ違いのための時間が70分ほどは必要で、新幹線用メンテ時間帯の確保と合わせると、なかなか採用が難しいことが判りました。 速達列車を早朝・深夜便に置けるかどうか、・・・・・・・・深夜も貨物が走っていて間合い時間は少ないので、それもなかなか苦しいところで20分の遅れはやむを得ないのでしょう。

新在共用区間青函トンネルは20kV在来線規格のままで良いのでは?

 発想を逆転させ、在来線共用区間での新幹線の140km/h運転を前提に考えますと、架線電圧を新幹線規格の25kVにする必要があるかどうか、在来線規格の20kVで走れるのでは?すなわち在来線にEF800など複電圧機を新規投入する必要がなくなり在来機がそのまま使えるのではないか?と思えます。線路保守手抜きで脱線事故にまで至った金欠JR北海道とJRFには大変有用な良い情報だと思いますがどうでしょう。
 先日、北海道新幹線車両が初めて青函トンネルを通過して青森に入ったニュースが有り、在来線運行中の新在共用区間への入線試験ですから、給電電圧切り替え設備を設けたか、20kVで走らせたかどちらでしょうか?北海道新幹線の在来線共用部は当面、暫定的には20kVのまま運行する方が費用削減が図れて合理的だと思えますが、電圧過小で走れませんかね?(2014/12/08追記)


千葉県で採択数第2位54校採用→自民党教委圧力で10校へ!
日本史Aではトップ26校採用→3校へ激減

実教出版高校日本史教科書    <2>

 国策としての皇民教育で侵略戦争に動員されてアジア・太平洋を戦渦に巻き込み2000万人もの犠牲を出した苦い経験を経て、教育は国家のものでは無く国民のものという民主教育の基本原則を確立して権力からの干渉を許さず事実に基づいた教育が追求される建前になりましたが、これに「大東亜戦争正当論」蒸し返しの立場から特に社会科教科書が狙われて「不正確・誤謬の訂正」にかこつけて検定を繰り返して大日本帝国の非行の記述を縮小・削除させ侵略を美化させる攻撃が一貫して加えられて真実とのせめぎ合いの中で様々揺らぎながら作られてきました。
 現状は、侵略正当化の極右政治家安倍晋三が政府与党要職に就きNHK慰安婦検証番組改編を迫るなど不当介入を続けて、ついに首相にまでなって、社会科以外の教科書にも政治介入の動きを見せ、それまで侵略戦争の非を認め被害国との対立関係を決着させた村山談話、河野談話を撤回させる動きを見せましたが、国内外の世論の強い批判を浴びて実行しきれないでいます。

工高専門教科教科書一覧
s39卒業電気科  [表1]

教科名 学年 出版社 備考
専門科目
電気理論1
 (物理&直流)
×
電気理論2(交流理論) ×
電気機械1
 (直流機&変圧器)
実教出版
(表紙デザイン
  「電気機械2」)
電気機械2
 (交流回転機)
実教出版
電気応用1(照明等? 実教出版
電気応用2 実教出版
工業概説
 (自動制御含?
実教出版
通信機器 実教出版
電気製図1 実教出版
電気製図2 実教出版
電気製図3 実教出版
電気一般
 (機械・化学科用
実教出版
実習 1〜3 オリジナル 項目毎プリント
原子力 オリジナル冊子
自動制御&
 ラプラス変換
オリジナル冊子
発・変電所 ×
送配電 ×
電気材料 ×電気学会?
電気計測 電気学会
電気法規
 (電気工作物規定)
× 通産省令
 (現電気設備技術基準)
代数(数学1) 東京書籍 専門教科欄に表示
幾何(数学1) 東京書籍
数学2 東京書籍
一般科目
応用数学 績文館 2〜3年用
物理(工高では電気を除く
∵cgs単位系esu/emuが実務不適)
× 化学科2年
普通科3年履修
化学 ×
国語 3冊


×
漢文 3冊
明治書院
社会 3冊
×
英語 3冊
×
保健 2冊
2〜3 ×
体育は教科書無し 1〜3 柔道剣道ラグビー陸上等
美術・音楽は課程に無し
実教出版高校日本史A
実教出版「高校日本史A」
(科学的認識法指向)

扶桑社「新しい歴史教科書」中学
(大日本帝国正当論指向)

斉藤守県議会リポート2014/04

(千葉県議会船橋区自民党所属)
=文部科学省検定済み教科書を
更に排除要求県議会質問
「×」は出版社不明の非実教出版刊:廃棄済みで確認不能
●工高3年間での教科書37冊参考冊子2冊
●専門教科17冊中実教出版刊9冊!
  実教の一般教科教科書は無かった。
●濃緑色に銀文字のペーパーバックが実教出版教科書だった。備考欄↑
●「電気一般」は機械科化学科の教科書で、試験問題の山掛けを電気科生徒が引き受けていた。

検定済み教科書を目の敵の真の理由は??
千葉県採択数第2位54校採用→圧力で10校へ!  日本史Aでは断然トップ26校採用→3校へ激減    <2.1>

 そうした背景で、実教出版の高校社会科教科書が右派勢力から目の敵にされて、文科省検定合格の事実を無視して地方議会や一部教育委員会の政治介入で採択制限が掛けられています。 日の丸君が代問題で再雇用拒否解雇・減給などの違法処分を乱発して不当強制した当事者である東京都教育委員会が、日の丸君が代の「強制がある」事実に触れていることで採択禁止令を出しただけでなく、 地方議会の質問や教育委員会の要求・指示で神奈川県、埼玉県、大阪府、大阪市、川崎市などが全面採用停止・禁止、千葉等が従前のトップ・グループから新課程教科書は数分の一の大幅減となってしまいました。
 千葉県高校教職員組合発行の資料(「高校生に良い教科書を」ニュース#2号2014/10/02付発行)では県内全日制高校125校の採択校数が2位54校〜日本史Aでは2位14校をぶっちぎる断然トップ26校だった定評ある同社教科書が千葉県自民党斉藤守県議会議員(船橋選挙区)の要求質問を機に採択制限が加えられてわずか3校に激減しました(See↓下[表2])。「日の丸・君が代について一部に強制がある」とした文科省検定を通った客観事実の記述1行で、その強制の実行者である東京都教育委員会が事実上採択禁止を命じてゼロにされ、追従する自治体も現れてそこでは採択数が激減しています。摘示事実自体は文科省による厳重な検閲検定に合格したもので他社版教科書と大差ありません。どうして極右派自民党からの排斥対象になるのでしょうか?

大昔から一貫記述「太平洋戦争2000万人犠牲」を問題視!    <2.2>

 千葉県教育委員会が実教出版高校日本史教科書採択排除に走るきっかけとなった本年2月県議会での自民党一般質問は、「自由民主党千葉県議会議員会」4月10日付け発行の「斉藤守県議会リポート」の冒頭に「2月県議会一般質問」という小見出しで公表されています。
 斉藤議員曰く実教出版の高校日本史Aの問題で質問する。この教科書の「日本の敗戦」のところで、「この戦争でアジア太平洋地域の人々に与えた惨害は実に膨大で、死者の数は約2000万人を超え」となっている。この数字の出典は・・・・・・著者自身、何ら検証されたものではないと言っている。 ・・・・・・それが、この教科書になると、2千万人以上の死者が全くの事実であるかのように記載され、 ・・・・・・日本人はアジア太平洋地域の人々に膨大な被害を与えたのだということを子ども達に印象づける目的をもって書かれたイデオロギーパンフの様に思えてならない。
 本年度の一連の出来事を踏まえて、各高等学校に対して、来年度に向けて、どのように指導を行っていくのか。
教育基本法に沿っていないと思われる教科書が検定を通過している可能性もあると思うし、一部の教師によって選定され、校長はそれを追認している場合もあると思われる。
 採択は・・・・判断する最後の砦。教育委員会で議論され決定されるべきだ。」

と述べて、県立中学教科書の教育長専決採択廃止にかこつけ、抱き合わせで教育長マターではない一般高校教科書採択に教育委員会が直接介入するよう要求しています。 これに教育委員会が積極反応して執拗に教科書採択に不当な干渉が繰り返し行われて高校日本史Aでは採択数断トツで、日本史Bを含む全体で2位だった実教出版日本史教科書を、実に5分の1以下にしました。

 第2次世界大戦に於けるアジア太平洋地域での死者数2千万人余、日本人の死者数320万人前後という数値は大昔から社会科教科書一般に取り上げられていた数値であり、中学社会科教科書記述に「共産主義は武力革命により世の中を変えようとする不適切な考え」などと堂々と述べていた清水書院教科書をお仕着せで使ってきた私も良く記憶している数値で、ひとり実教出版だけのものではありませんから、実教出版1社を標的とする斉藤議員の質問は全く事実に反します。 その時代の文部省検定は「アジア侵略」を「アジア進出」に書き換えさせる強制は有りましたが、アジア太平洋地域での死者数おおむね2千万人は全く問題にされず採用されていました。(実教Aの示す「2000万人犠牲」の「出典」では約2109万人=中国約1000万、朝鮮20万、台湾3万、ヴェトナム200万、インドネシア400万、フィリピン111万、インド350万、マレー・シンガポール10万、ビルマ15万p129注6、となっていて単純加算で約2109万人だから実教日本史A p129L−7の「死者の数は約2000万人を超え・・・日本人の犠牲者310万人をはるかにうわまわるものであった。」は妥当な表現。当然文科省の厳重な教科書検定を経ています。斉藤守千葉県議の議会発言「質問」は全く失当で、こんなデマゴギーで教育委員会が動いてはいけません)
 そもそも第二次世界大戦での犠牲数者数は国際的合意として「日独伊枢軸3国が仕掛けた戦争による総死者数」として扱われ、まずは戦争を仕掛けた側の責任とされ、個々の戦闘・軍事作戦でどちら側の攻撃で亡くなったかは全く埒外のことになっています。
 斉藤議員がここに気付かず善意の勘違いで質問したのなら当然取り消すべきでしょう。斉藤議員がかって学校で習った内容もおそらく「日本が引き起こした戦争でアジア太平洋地域で2千万人の犠牲」でしょうから。 世界戦争を起こした責任(=A級戦犯として処罰)が前提の、攻撃側を問わない総死者数は受け入れられないと、大日本帝国アジア侵略正当論の立場からの教科書攻撃こそ斉藤議員の自身言う「子ども達に印象づける目的をもって行われたイデオロギー質問」であり、サンフランシスコ平和条約で決着した第2次世界大戦処理の世界的合意を覆して侵略戦争の正当性を注入し連合国(=国際連合=全世界)と改めて対決させるつもりでしょうか?
 戦勝側である連合国軍の行った戦争犯罪行為を問題にしたいのなら明確に整理して行うべきで、大日本帝国側の戦争犯罪・侵略行為の正当化に利用して教科書の学問に政治介入してはいけません。明白なジュネーブ協定違反であるスターリンソ連の日本軍捕虜シベリア抑留強制労働は4年以上もの長期間放置されてその間に数万人(5〜6万人)の兵が命を落としましたが、当時、これに対して政府がジュネーブ協定違反を指摘して国際法に則った扱いを求めて釈放要求を行った話は全く聞きません。国策で渡った朝鮮・満州の日本人も敗戦後も外地に放置されて多数が亡くなりました。
 「米軍のフィリピン再上陸時の爆撃での犠牲者が多数であり日本軍の攻撃の責任ではない」という斉藤県議質問は、日本軍がアメリカ・スパイ妄想に駆られて市民大虐殺に走り後のフィリピン大統領キリノ氏の夫人まで殺害した事実を全くみていませんし、世界戦争の引き金を引いた責任の下位という前提で言うべき各論です。当時のキリノ・フィリピン大統領はモンテンルパ刑務所の日本人戦犯死刑囚の特赦を行ったことでフィリピン世論の批判を浴びて直後の大統領選挙でマグサイサイ氏に破れています。斉藤県議はこれらの事実を全く無視しています。(See→♪ああ、モンテンルパの夜は更けて♪など関連記事多数)。連合軍によるドイツ・ハンブルグの無差別戦略爆撃や東京大空襲、広島・長崎への無用な原爆投下、などジュネーブ協定違反(戦時国際法違反)の疑いが濃厚な無差別殺戮行為ですが、日中戦争での当時の中国の首府重慶(チョンチン)を無差別爆撃した日本の行為も同列で、連合国側より先に行われており、これらのかなり明白な戦争犯罪事実については相互主義的に不問になっているのは見て取れる訳ですが、そこから日本の帝国主義侵略の正当化を図る極右派(=靖国派)の試みにはかなり無理があります。 ちなみに「原爆使用」について実教日本史Aは「原爆は,相手側の戦闘能力をうばうという兵器の性格を逸脱した,国際法にも反する非人道的な兵器であった。p132左 L−7」と明確に批判し「日本は・・・・・・人類の生存を脅かす核兵器の廃絶を求めることが重要であるp132右L−4」と述べています。かって「鬼畜米英!」などと煽り戦争を強要した勢力が戦後は要所でアメリカの言いなりに「米占領軍高等弁務官」化して、エネルギー政策、経済政策などすべて、繊維、カラーTV、半導体、自動車、TPPから、果ては戦争放棄条項の憲法9条廃棄まで言いなりで、9条・前文はあべこべに「アメリカの押し付け憲法」と攻撃てアメリカ要求に沿って廃棄を策しているのは皮肉です。

古くからの工業高校教科書の会社「実教出版」    <2.3>



[図2] 千葉県高校教科書採用状況
 [表1]はs39年卒業(s36〜s38年度)の某千葉県立工業高校電気科で用いられた教科書一覧です(一部当事者記憶)。専門科目で19冊+オリジナル2冊(一般科目で17冊の合計38冊)のはずで、そのうち何と9冊+1冊が「実教出版」刊。 他学科用の「電気一般」は、定期試験の山掛けの相談にサークル仲間の電気科生徒が乗って(See→日記#363§2.6.6章)満点など好成績を上げていまして、実教出版の専門分野教科書とは都合10冊のつきあいがありましたから、専門教科書の約半数(10/19冊)が実教出版のものでした。 市場が小さいのに何重にも手の掛かる工高専門教科の教科書など手を出す出版社はごくごくわずかです。電気学会編著教科書のコロナ社とか、電気理論、電力関係と実教出版の他に3社ほど使いましたが数の上では濃緑色の表紙に銀文字装幀の実教出版が圧倒しました(See→右上[表1]備考欄)。
 一般に「教科書」と言えば生徒に苦役を強いる材料として嫌われ授業が終われば捨てられるものというのが世間多数派の認識でしょうが、仕事直結の理工系では仕事上絶えず参照する資料として持っていた方が便利なものも多くて、工高教員も生徒も「実教には世話になっている」という感覚になります。 ここは他の教科書一般とは微妙に違います。
 そうした工学系・技術系の、ほぼ一義的に定まる事象の教科書を作っていた出版社が、一般教科の事実解釈に大きな幅のある「社会科・日本史」などとヤクザな(w)学問の教科書を作っていたとは!!実は「東京都教育委員会が同社日本史教科書をパージした」というニュースに接するまで全く知りませんでした。極右派が特に敵視する「民主主義擁護」「平和教育」など特別の理念・政治信条に基づいて存在する出版社ではありません。採択数が保守的な千葉県で1〜2を争うベストセラーだったことからもそれは裏付けられるでしょう。受験対応で総花的記述の山川出版刊が日本史B(古代〜全期4単位普通校用)のトップ、準大学水準の専門内容を高校生に詰め込むノーハウが豊富であろう実教出版が学問的アプローチ法重視で日本史A(近現代2単位実業校等用)の断トツ採用、日本史Bでも採用数2位だったというのは大変妥当なところだと思います。

工業高校の専門教科書は    <2.4>

 工業高校の専門分野教科書は一言で言えば「工業大学並みの内容を高校生にも理解できる内容に砕いて正確に記述する」ものでした。 大学生なら高校時代に数学2・数学3で微分も積分も微分方程式も学んでおり高校物理学・化学(物理化学)も学んでいますから様々の物理現象を表し説明するのも楽ですが、工業高校生は並行して学んでいる数学1〜2が前提で解説式を微分積分を使わず示す必要があり、その専門教科書では時に涙ぐましい工夫で正確な理解を求めています。

最大・最小=工高流

 最大・最小(極大・極小)値は、最適動作点や動作限界点を定める上で実用設計の場で常に算出を求められるものです。
  最大・最小(極大・極小)を求める一般的な方法は、2回の微分によって判定するもので、第一回の微分で得られた式がゼロになる点が「極値=極大・極小点」となり、それを更に微分した関数での先のゼロ点の値が正なら「極小値」、負なら「極大値」と判定しますが、高校でこれが出てくるのは2年生後半〜3年の「数学2」〜「数学3、応用数学」で、それ以前に学ぶ専門科目授業では最大最小判定に使えません。
 最大・最小問題の「別解」例としては、式を定数部と、変数を含む2乗部に分けて表して、2乗部が必ず0以上の正になることから、2乗項が分子側に集約されていればそれが0で「最小値」、分母側なら「最大値」として、2乗項内の式を解いて極値を求めます。
 高校2年以下では極大・極小の一般的解法を使えないため、式毎にこれらのトリッキーな工夫を探して説明する必要があります。
 また高校でも大学でも普通課程の物理学では絶対扱わない計算方式が虚数を含む複素数表示を使った「交流回路のオームの法則」です。 電流位相に遅れ・進みを生ずるコイルやコンデンサー成分を虚数 j 軸(2=−1:数学での虚数単位表記は電気工学では慣行的に電流を表すので、代わりに虚数単位に を用いている)で表しますが、大学研究者がオーソドックスな微分方程式を解いて得る2つの解「過渡現象解」と「定常解」のうち、後者「定常解」を代数的に簡単に解かせています。
 電気関係現場で広汎に使われているその方法(交流回路のオームの法則や(ラプラス変換の前身である)演算子法による微分方程式の解法)の正しさを学際側が証明できて学問の場でも使われる様になったのはかなり後日のことでした。 これを工高・工大の電気関係学科では基本的な電気回路解析法として活用します。
 かって私が某大学工学部電気工学科4年次初夏頃に教育実習を某名門都立工業高校電子科で2〜4週間ほど受け入れて貰い、何教科かの授業を担当しました。(教育実習期間の記憶があいまい。工業教員資格には教育実習は必須ではなく短期の2週間か?しかし気分的には教育実習期間として一般的な4週間だった気も強くする)。 そこでは私が学部3年次後半(=半年ほど前)にかなり必死に学んだ「無限長線路のインピーダンス(=交流抵抗)」が工高電子科の初夏(6月頃)の「電気通信(有線通信?)」の授業課程には基本的知識として入っていました。 ややこしい教科書公式の丸覚えでは現場での実践的活用ができなくなりますので、公式導入の考え方:理屈をきちんと教えて理解を求める必要が有ったのですが、使っていた工高教科書(実教出版ではない)や指導要録にはまだ明記されて居ませんで、オリジナル授業が求められました。 当該工高電子科生徒の学んでいる応用数学/数学3のその時点での授業進度を調べて、極限、微分、区分求積法の内容に合わせて連立区分求積方程式(≒連立微分方程式)の立て方から入って解を求めるという工高生に楽なアプローチでの教育実習授業をしてみました。 微分方程式は数学3で素っ気なく1ページ記述されて抽象的に「微分項を含む方程式」とされ、実用とは無関係のレベルでしたが、無限長線路各点での電流・電圧の解析なら具体的動作を想像できる物理現象ですから工高電気・電子科生徒にはずっとわかりやすいのです。
 東京書籍「数学2」の教科書の付録1ページに方程式の解を試行錯誤法で求める「ニュートンの求根法」が掲載されていたのですが、高校在学時には読んだ記憶が全く無く、後にプログラム電卓を入手したときに、具体的内容を記述できる逆関数の無い関数項を含む方程式の解法に「試行錯誤法」の一種「ニュートンの求根法」が大変有用であることが初めて判りまして、数学2教科書の当該記事を発見して驚いたものでしたが、ほとんど使わない項目というのは皆そんなものでしょう。ちゃんと学んだところも忘れてしまうのが数学の人並みのようですから。 直接関係ない、使わない知識は記憶にさえ残らないものでして、数学3での微分方程式も理工系進学・就業者以外は同様に忘却の彼方でしょう。
 その無限長伝送線路の授業を受けた生徒達数名が下校時に私を正門先に追いかけてきて「この教科の授業が始まってから2ヶ月余で初めて中味が良く理解できた授業だった」と言われました。それまでは訳の分からない数式の丸暗記を強いる形の授業になっていたようです。 彼らの理解力の高さに「さすが超名門都立工高生!負けそう!」と思ったものですが、私自身、元々が工業高校電気科出身で、日常の研究サークルでの論議や、先輩側寄ってたかっての後輩指導を通じて工高生の理解のアプローチ方法が判っていたことで、一般論へ抽象化された数学的な解説よりも電気回路の実態に強く結びついて解りやすくなったものとも感じました。教材と講義の相手に合わせた工夫次第で理解度が大きく変わるということです。 (同校も今は「普農商工序列」の末端として偏差値輪切りで生徒の興味や関心に無関係に送り込まれた暴走族などが授業について行けず早期に退学していく様になり(→実例#305-p3)昔日の面影は無くなったようですが、今は学びたい者が大学進学可能になったことの反映とも見られます)。
 電機電子関係のメカトロ系設計開発職場に、物理学科や数学科、通信科など電気専門では無い新卒者が配属されたときに、促成栽培の戦力化する新入社員教育、自主ゼミ・テキストとして、大学講座テキストと、実教出版刊の工高電気科教科書「電気機械1」を比較して、実教出版製の方が具体的で理解しやすいと思い、当人たちに両方を示して実教出版「電気機械」を勧めたのですが、大変納得できたようで、その後、設計開発の技術係長・技術課長に出世しても件の実教出版教科書「電気機械1」を返してくれないのです(w。

 この大学専門に準じて背伸びして教える、自ら学ぶ力を付けるノーハウを一般科目教科書に適用したら、支持されていくのは当然のことでしょう。さらに高校生に大学講座に準ずる専門知識・実力を付けさせてしまう特殊なノーハウを適用した教科書というのは他より有用になるでしょう。
 実教出版専門科目教科書にはそうした対工高生特有のノーハウが集積されている、そのノーハウは編集部を介して一般科目にも適用されていると考えるべきでしょう。
 大学受験用事項丸覚え型の当面の実用重視で「良い国作ろう鎌倉幕府1192年成立」とか、いわゆる社会科・歴史教科書=山川出版か、実証的に学ぶ力を付ける=学問の方法を身につけさせる実教出版か、と受験対応か学問的方法重視かの両極が1位2位を争い、右翼・教育委員会の不当干渉の無いところでは実教出版教科書採用数が増えた県もあるというのは当然の結果です。

ストーリー・テラー宣言!「新しい歴史教科書」    <2.5>

 実教出版「日本史A」との比較対象のために、大東亜戦争正当論・大日本帝国無謬主義の立場から非常に歪曲した扶桑社刊中学校教科書「新しい歴史教科書」(市販本2001/06/10西尾幹二ほか13名著扶桑社刊\105@BOOK OFF)をのぞきますと、教科書部冒頭章まえがき部の「−歴史を学ぶとは−」で、 「・・・・・・・・条件が変われば,人間の価値観は変わる。・・・・・・古代の事実に,現代の善悪の尺度を当てはめることは,歴史を考える立場からはあまり大きな意味がない。(p6L17〜)」 「・・・・・・過去のそれぞれの時代に特有の善悪があり,特有の幸福があった。(同L13)」とあって、かなりあけすけに「過去基準による正当化」を行っていることを宣言しています。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道
ダージリン・ヒマラヤ鉄道@wikipedia直
 「時代に特有の善悪基準」というのは学問的扱いとしては客観事実の一つとして認識され歴史的評価となるもので、武力侵略も時代毎に様相を異にして、ポルトガル・スペインは武力侵攻でマヤ文明やインカ文明を絶滅させて、僻地やマチュピチュなど高山山頂に遺跡を残す程度。英仏蘭は寄生虫型で農産物・鉱業資源の収奪で社会インフラ整備はほとんど行わず、自分たちの避暑用に街から別荘地までの山岳鉄道を引いた程度、アヘン戦争を仕掛けて武力制圧、中国社会をアヘン漬けにしたとか、列強植民地分割を追った新興帝国主義国日本はその植民地に対して「国内」を宣言して、莫大なインフラ投資をしていて農業水利整備、最新の製鉄工場設備、社会衛生の改善、帝国大学設置・義務教育制度など教育環境整備など、植民地被支配国民の力を付けて必然的に民族独立に向かう施策も行っており、日本の行ったインフラ投資を植民地からの収奪額がどれほど上回ったかはかなり疑問なところがある「非効率な植民地支配」だったようにも見えますが、相手国の主権を無視した植民地支配であることには変わりないでしょう。
 いきなり当然の前提として歴史ストーリーを注入して狭い民族意識を鼓舞するのは「学問」ではなく政治的プロパガンダというべきです。これにあえて触れて伏線とするのは、現地国政府の招請や了解なしに軍を進めて戦争した日清戦争・日露戦争・日中戦争の「正当性」を主張する上で欠かせないからでしょう。 日清戦争の主戦場は朝鮮、日露戦争のそれは中国、日中戦争は文字通り現地の国民政府軍・中国共産軍(国共合作により国民政府八路軍)と戦火を交えた訳で、いずれも当事国未承認の場所での戦争で、この基準ではまごう事なき侵略戦争に該当してしまい、歴代自民党政権が「侵略の定義は歴史的に定まっていない」などの答弁をして過去正当化を図る基本事情になっています。

科学手法による自力判断力養成を敵視か?!
プロパガンダ無批判順応習慣の植え付け策!    <2.6>

 ではなぜ実教出版の「高校日本史教科書」が極右派から目の敵にされるのでしょう? 文科省検定済みである教科書の正当理由なき採択排除は教育への明らかな不当介入ですが、極右勢力が実は何を恐れているのか考えてみましょう。

 前述2.5項「ストーリー・テラー宣言!「新しい歴史教科書」」で右派教科書が物語を詰め込むもので、学問指向では無いことを指摘しました。学問であるべき社会科に、全く相反する神話を圧入し「万世一系の天皇をいただく神の国」「神風が吹いて神国を護る」「大東亜戦争正当論」など、信仰的内容の物語を詰め込もうという訳です。司馬遼太郎作「坂の上の雲」の愛国煽り物語にはなかなかの説得力があります。
 この立場から見ると、実証主義的な教科書で、それが示す方法論では、教科書自体の記述が事実に突き合わせて点検される構造ですから、科学的根拠の無いプロパガンダが有れば精読した読者自身が否定して捨ててしまいます。それでは教科書に思惑を持った右翼・左翼プロパガンダ記事を突っ込んでも捨てられてしまって影響がなくなります。
 それは技術解説書に時折見られるパターンで、基本原理をわかりやすく詳細に記述していると、枝葉の記事のちょっとした間違いはすぐ判り、読者自身が訂正して読み込みますし、本質を分かりやすく説明する本は記事のミスにも関わらず信頼を失うことはありません。
 これをやられて、記事を批判的に取捨選択吸収されては折角苦心の検閲教科書検定でねじ込んだ肝心の中味が捨てられてしまう、実証的学習法・科学の事実認識法を薦める教科書など、たとえ文科省の厳重な検定を通っていて採用校数がトップ〜2位であっても断固採択禁止にしたい!という事情はよく見えるではありませんか!
 個々の事実記述にほとんど違いは無いのに実教出版だけが断固排除される真の理由は、真実を見抜く方法を具体的に示していて取捨選択能力を育て意図的な政治宣伝を排除するようになるから!が真相で、減給・戒告処分や再雇用拒否で日の丸君が代を強制した客観的事実を一行述べたことは実証訓練型の実教出版教科書排除の口実に過ぎなかった!

 この科学的認識法を身につけさせ育てる点で、別教科ですが、長年継続した気になる変化が見られます。考えすぎの杞憂なら良いのですが・・・・・・。 それは正確な事実認識とその理論化(=仮説作成検証)が基本内容である物理学に立つ高校物理、義務教育の理科内容が徐々に変わって受験型社会科・歴史同様の「暗記科目化」していることです。 加えて高校物理履修者が極端に減って、かっては生徒の80%が物理と化学を選択履修していたものが、現在は30%台という話を聞いて、それでは科学的な認識法・演繹法を身に付ける機会が極端に減ってしまうのではないか!明治維新以来の急速な発展を支えた工業立国の基礎力を、アジア侵略に手を染めたわずかな期間・天皇制軍国主義暴力の狂気が支配した時代の「正当化」のために奪われてしまって良いのか?という問題です。
 物理学であれば、実験観察と解析による少ない情報で広汎の結論が得られる訳で、たとえばレンズや凹面鏡の計算では幾何学解析でジオプトリー(度)式一本(1/f=1/a+1/b)に集約されて解けてしまい、運動法則も「等加速度運動」と「物理的な仕事の定義」の敷衍で多くの力学公式は演繹的に導入できてしまい、丸覚えする部分などほとんどありません。 (普通高校では電気を何とcgsのESU/EMU単位で扱っていて、そこで多くが落としこぼされてしまったそうで、当時の高校物理教科書の「欠陥」ともいえる弱点。 国際単位SIとなったMKSA有理単位系表記なら日常との接点が多く数値も有理化で単純化されて理解が楽だったのでしょう。 工業高校の物理授業では、その部分は(MKSA有理単位系採用の)専門教科で学ぶとして省略されていましたからcgsESU/cgsEMU単位の被害を受けずに済みました。)
 これを今の授業は対極の「暗記物」に変質させて、科学的思考の訓練機会を奪い、「朝日新聞の受け売りだ〜い!」(=長期に続けられた朝日新聞TV-CM。この傲慢さはサンケイ新聞と同質の両極)式の自ら考えることの無い無批判・従順な国民作りに邁進している、こんな状況で再びの科学技術立国などあり得ないことです。 生徒の理解にかなりの積み重ねが必要でも、その努力を放棄して暗記物化に走るような志の低い教育課程など断固改めて貰いたいものです。その理解は計算力と対なので、数学計算についても十分な演習量を保障してその理解を助けるべきです。 「ゆとり」というのはそういう十分な繰り返し演習で生ずるもので、授業時間数カットは全くの逆アクションであります。


[参考リンク]
斉藤守県議会リポート2014/02(船橋区自民党) =文部科学省検定済み教科書を更に排除要求県議会質問
実教出版について          工業高校専門科目の教科書会社だった「実教出版」
実教出版日本史A入手について 高校日本史A(実教302)発売開始

国民に実証的判断力が育ったら、極右路線自民・公明圧勝はあり得ないから断固否定が本音か!実教出版排除、物理暗記物化教科書採択介入!斉藤守千葉県議介入!

 実証型学問の雄、物理学者には湯川秀樹氏、盟友朝永振一郎氏などリベラル派が目立ち、感性派である文学者は自民党の選挙カーに乗ったノーベル文学賞川端康成とか、大日本帝国マンセイ!極右指向の「臣石原慎太郎」、三島由紀夫、兵の脚気対策を幹部軍医として断固拒否して陸軍部隊に多数の犠牲者を出した森鴎外(海軍は食事を変えて発症を防げていた。陸軍兵の犠牲多発は森鴎外が病原菌原因説に立った食事変更拒否判断に責任。受け入れて無害ならたとえ結果として無効でも試験的採用に拒否の正当理由は無かった)とか、かなり鮮やかな対比となっています。 湯川博士が原子力政策がアメリカ追従の秘密主義化することに断固抗議して原子力委員長を辞任したり、朝永氏らとともに平和アピールを発し、世界平和アピール7人委員会の設立メンバーに名を連ねたりで、自民党・保守反動派の側にはいませんでした。ノーベル物理学賞益川敏英氏など京大職員組合書記長時代の研究業績が受賞対象となっており、科学解説記事を共産党機関誌「前衛」にも執筆していたりと、自分の頭で考えると反動側にはいかなくなる!愚民化支配政策の一環が、実教出版高校日本史Aなど実証型教科書徹底排除、理科諸教科の暗記科目化なのかもしれません。ノーベル自体がその発明品のダイナマイトが戦争に使われたことを嫌って賞を設立したわけで、死後も軍事一辺倒の野蛮勢力とは対峙し続けているわけです。 そう言えば、私の学んだ高校物理の教科書は朝永振一郎監修でした。電気の章で使用する単位系が国際単位MKSA系ではなくcgs-esu/cgs-emuだったのには参りましたけど、その部分は電気科の専門教科に委ねてパスでしたから実害はありませんでした。 (14/12/14 22:00追記)

プレミアム価格上昇中!実教出版「高校日本史A」日A302
定価\640.→\1,898.+送料@amazon

 入手手続きがややこしい高校教科書実教出版「高校日本史A:日A302」\640.がamazonnの中古販売でプレミアムが付いて\1,898.+送料で出ています。不当解雇撤回争議団の闘争費バイトには使えそうですねぇ。直接は名前を出しにくい高教組・全教あたりが、その資産管理会社名義で本屋になって教科書販売指定店を通じて商品を買い取って、争議団取り次ぎとして\1,500.くらいで売り出すとか、工夫の余地はありそうです。教員個人なら入手しやすいのでしょうが、世間一般に流通させるとなると、弾圧攻撃対処のクッションが必要でしょう。
 ま、自分で地域の教科書販売店を探して発注すれば、1週間ほどで定価で入手できるのですが、PC発注など横着をしたい向きもあるでしょう。
 注:(法律的に法人格を持てない各種団体がその固有財産を所有するための便法として、資産管理会社を設立してその名義で土地家屋・自動車等の財産を保有しています。会社運営の決定権は各種団体が持ちますので実質一体。公労法などで法人格取得が認められていない労組や、各種運動体、政党、NPOなどが団体名義の法律行為を行うために使われます。民間労組やNPO法適格の団体は直接法人格を得られます)(2014/12/14 22:00 追記)


警察批判封じの見せしめ再逮捕!
ろくでなし子氏「週刊金曜日」誌逮捕勾留報告連載の口封じか?!   <3>


 摘発された内容は実にくだらないけれど、こんなものをわざわざ刑事事件にして、しかも軽微な事件であり、公然ポルノあふれる世間状況との釣り合いから立件には大いに問題がある内容を、証拠を押さえ確信犯で証拠隠滅の可能性は無く逃亡の恐れも無いのに2度にわたり逮捕・強制捜査したというのはいくら何でもやり過ぎ。誰も頼んでない「税金の無駄遣い」というほかありません。
 週刊金曜日誌に逮捕勾留の経緯を8回延べ30ページ余にわたる漫画で報告して、そこに「喧嘩上等!」「長期勾留を戦い抜く覚悟をしたら突然あっけなく釈放」などの与太者挑発台詞を載せていたのですが、その連載最終回(12/05)の直前(12/03)に「再逮捕」が報じられました。

 捜査当局のやり口は実に陰湿で大人げない。警察が与太者並みに言葉の挑発に乗って報復見せしめ的逮捕・勾留を強行したようです。万に一つ、立件して裁判に掛ける必要が有った場合ですら、有罪・無罪未確定の状態で刑罰に等しい逮捕・勾留は不当で、本件の場合、起訴前に釈放されるという非常に希な経過をたどりましたが、それを起訴前に再逮捕とは、明らかな権力乱用。即時釈放すべきです。 こういう無茶なことをする捜査官に対しては損害賠償だけで無く権力犯罪者として追及処罰が必要でしょう。中味も良く考えずに逮捕状のスタンプマシン化している裁判官も同罪!
 共犯として逮捕された「アダルト・グッズ店経営者」は、そのことで大いに箔を付けて顧客を増やすのでは?(w。

 限られた特定の相手に3D加工データ配布した本件などよりも、たとえばリンクテーブルにナマH動画を載せて荒稼ぎし、しかも脱税として時々追われている2ちゃんねるの方が、大公開・荒稼ぎという点でみても遙かに違法性は明確であり、情報入手には有用である2ちゃんねるを青少年一般が利用しやすくする掃除でもすれば良いものを、こういう恣意的な取り締まりをやってはいけません。 まるで少女銃撃など一般対象テロで宗教ドグマを他人に強要する悪名高きイスラム保守派・イスラム国と同様の無茶な判断じゃ無いですか!(自分の意思で自身の宗教戒律を守るのは各人の自由。他に暴力で押しつける不当さが彼らと同類)。 容疑者アーティストろくでなし子氏は外国人記者クラブ(海外特派員協会?∵外国人は排他的な日本式「記者クラブ」は作らずオープン取材)に招待されて記者会見が行われ、日本捜査機関の恥曝しな取り締まりが全世界に発信されて非難や物笑いの種になりました。 欧米各国からは日本社会がイスラム国同様の後進性とみられるのでしょう。
P.S.
 歯医者で型取りに使うパテを手に入れてGFに「型を採らしてよ〜!」などと迫ってイチャイチャする光景を想像したら吹き出しますねぇ(w。あ、理解されないと即破局ではありますので要注意(w。

    → ろくでなし子氏釈放要求Net署名
       検索:change.org→検索:ろくでなし子 で一覧表示、 「Petition 芸術家 ろくでなし子氏(五十嵐恵容疑者)の即時釈放」をクリック
          →最新12/3逮捕・即時釈放要求のNET署名画面

ろくでなし子弾圧続報12/23朝刊、12/27日朝刊
ろくでなし子勾留理由開示2014/12/23東京30面ろくでなし子起訴保釈2014/12/27東京26面
      勾留理由開示裁判2014/12/23東京30面                    起訴保釈2014/12/27東京26面


2014/12/05 23:55

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