[327] |
|
警察庁は、準暴力団を「暴力団のように組長をトップとする上下関係のはっきりした組織ではないが、所属する者やOBが集団で常習的に暴力的不法行為を行う」と定義。暴力団対策法などに基づく指定や認定ではなく、「治安を脅かす新たな反社会勢力」と位置づけている。ほかに同様の集団がないか調べるよう全国の警察本部に指示した。ただ、すでに既存の暴力団と結び付いて犯罪組織化している実態もあり、取り組みの遅さを指摘する警察幹部もいる。 警察当局によると、関東連合は東京都内の複数の暴走族が集まって1973年ごろ結成。警視庁に2003年に解散届を出したが、その後も元メンバーが集まり、振り込め詐欺などにかかわっているとされる。 昨年9月に東京・六本木のクラブで、客の男性が目出し帽の集団に襲われて死亡した事件では、元リーダーの男らが警視庁に逮捕された。元メンバーは少なくとも50人いるとみている。 怒羅権は、中国残留日本人孤児の2世を中心に88年ごろ、やはり暴走族として結成された。解散届は出していない。東京や埼玉など首都圏に複数のグループがあり、総数は3世や日本人も含め数百人とされる。 07年12月に山梨県内の貴金属加工会社で1億2千万円相当の貴金属が強奪された事件では、幹部級メンバーらが逮捕された。ほかに、飲食店をトラブルから守る見返りに現金を受け取る「みかじめ」で資金を得ているとされる。 大阪のアマチュア格闘技団体も準暴力団候補に挙がっていたが、2月上旬に解散届を大阪府警に出したため、今回は指定を見送った。
| ||
準暴力団は「半グレ」と呼ばれる不良集団で、暴力団と一般人の中間を意味する造語。凶悪事件や振り込め詐欺被害が相次ぎ「暴力団に匹敵する資金源を形成しつつある」(警察庁幹部)ことから対策が急務と判断した。 警察庁によると、グループは暴力団のように明確な組織性はなく、暴走族時代の先輩後輩や独自の人脈で緩やかにつながるという。暴力的な不法行為を繰り返し、暴力団とも密接な関係がある。 関東連合は首都圏の暴走族が集まって1973年ごろに結成。2003年に解散したが、元メンバーが10年11月の歌舞伎俳優・市川海老蔵暴行事件を起こし、昨年9月には別の元メンバーが東京・六本木のクラブでの男性襲撃事件で逮捕、起訴された。怒羅権は88年ごろから首都圏で活動。 「上等。やれるところまでカネを絞りとる」「そろそろ、やばい」。警察庁による「準暴力団」の認定を受け、元関東連合関係者は周辺にこんな感想をもらしている。警察庁が実態解明を目指す関東連合の資金源は、次のような犯罪で形成される。 ▼架空投資話 「もうけやすい」として人気。数十万円の初期投資を行い、パンフレットや名刺を本格的に作製し、スーツを着た営業マンは「普通の会社員にしか見えない」という。「夏でも長袖のワイシャツを着ている。暑くても絶対、上着を脱がない。お客にタトゥーが見えるから」。期間は約2年を想定。「捜査の気配を感じたら別の“仕事”に替える」 ▼“流行” 最近のネット生中継を使った「美人局(つつもたせ)」が目立つ。かつては出会い系サイトを使っていたが、稼げなくなったため、“転職”。相手の職場を調べるなどし、15万〜20万円を脅し取る。 警察庁ではこうしたグループが台頭してきた理由について「振り込め詐欺などで資金源を得たことや、暴力団に入ってもあまり収入を得られないことが背景にあるのでは」と分析している。
|
[Page Top↑] |
旧 |
新 |
Geo雑談 |
前 |