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Geo日記
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[158]. 高圧タップ単巻変圧器容量計算
        (主変圧器の1/4)

 高圧タップ式の電圧調整用単巻変圧器の容量&重量を求めてみよう。実質2段トランス式が水銀整流器の時代に国鉄交流電気機関車の標準方式となった理由が理解できる。
 右図で降圧変圧器側の最大電力をPm、入力電圧をV、単巻トランス入力端をA点、出力端をT点、接地端をB点、単巻変圧器の変圧比をk、(0≦k≦1)、1次電流をI12次電流をI2、(I2=起動電流、V・I2最大出力Pm)、とするとき、 巻線TBに流れる電流は I2−I1、巻線TB間電圧=k・V、
巻線AT間電圧=(1−k)・V で、
巻線AT間電力=巻線TB間電力だから、
(1−k)V・I1k・V(I2−I1)=Pin ……(1)
(タップTを境の変圧器電力)
I1k・I2 ………(2)
(2)を(1)左辺に代入
Pin=(1−k)V・(k・I2)
(1−k)k・(V・I2)
(1−k)k・Pm………(3)
kに対し上に凸の放物線で、k=0、k=1 でPin=0、
k=1/2
で極大値(=上に凸の放物線なので最大値)
最大値Pin=(1−1/2)1/2・Pm
Pm/4 ………(4)
最大電力Pmの1/4の容量で可。
(k maxが1以外の計算は省略)

 さらに帰線磁路共通一体型として主変圧器帰線磁路を借りると、概ね全磁路の1/3程度を省略できるとして、単巻変圧器部分の鉄心量は主変圧器の1/4×(1−1/3)≒1/6程度となる。
 この変圧器重量増加と、低圧タップ切替2組を、高圧タップ切替1組にでき切替段数を増やせる利点の比較で、高圧タップ切替が水銀整流器のセンタータップ整流回路採用の機関車の標準回路となったが、特別高圧での電圧切替の無理は残り、絶縁でトラブルを起こしやすかった。
 ブリッジ整流回路が構成できるシリコン整流器では、低圧切替が1組で済み、その場合特高電圧切替の単巻補助変圧器が要らないので、初期シリコン車EF70、ED74に水銀整流器換装可能の高圧タップ式を残して打ち止めとなり、ED75以降シリコン整流器を用いた低圧制御式になった。

 今日の単巻変圧器計算は暫くやってなかったが、遙か少年の日の工高電気2年の課題!この手の問題はかって良く解いたが、サビ落としでノーミソまで大いに若返るようだ(w。老化抑制!

2007/05/19 23:00
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