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遺族への技術解説は事故調査委員会ではなく
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事故調中間報告と建議書についての国交省による遺族説明会が9/19にあったことが今日20日の朝刊に報じられている。報告文書には具体的証拠で裏付けられた事しか書いてないし、運輸省の失政の回復措置である速度照査機能の義務化='67年私鉄ATS通達の復活すら言及していない建議書と、肉親を失ったやり場のない哀しみと怒りの感情が噛み合うのはなかなか難しい点があるだろう。その辺は、なるべく疑問に応える報告も必要だが、科学調査担当の事故調査委員会ではなく、加害者側であるJR西日本が主導して鉄道総研の応援を得るなどして様々に対応すべきことではないだろうか。「ご遺族担当」個人が聞くだけ聞いて、当たらず触らず頭を下げて実質放置して尻尾を出さないことに腐心し裁判での法的対抗にのみ備えるのでは慇懃無礼の極みで、遺族を断固裁判で糾弾する方向へ強力に誘導する対応だ。遺族の疑問にJR西日本組織としての見解を出して癒しに資する姿勢を見せるべきではないか。報道を読む限り遺族が未だにATS-P化だけでこの事故が防げたと思っているが、これはJR西日本が親身の説明を怠っていることを示すもので、世論対策にBBS工作員を貼り付ける様な愚劣な対応より優先すべき課題だ。 (最近の関連BBSの論調で異様なのは「JR西日本のあれこれの責任回避に見える動きはマスコミの捏造・歪曲に依るもの」+「懲罰的日勤教育批判はJR西労が意図的に仕組んだもの」というJR西日本擁護の世論誘導が関連レスに対して執拗に行われていることである。いわゆる「西厨」と揶揄されるJR西日本の路線や車輌の強烈なファンが存在するが、その人達が非常に複雑に入り組んだ労使関係の問題まで関心をもって調査してやり取りに噛み合った発言ができることはまず無い。主張の利害絡みでみれば部外者の可能性はなく、BBSの匿名性を悪用し「西厨」にヤドカリした「お仕事工作員」の可能性がかなり高いのだ。感付かれる様ではやりすぎ。JRというのはweb工作で勇名を馳せたJR東労組革マル工作隊を含めて実にややこしく難儀な連中の跋扈する処らしい。他企業もそうした裏作業は結構やってる様だが) なぜ速度照査ATSを今まで危険な現場に設置しなかったのか、ATS-P化でそれが設置されるかの虚偽説明など責任逃れの数々を行ったことの謝罪・撤回すらしないのか、曲線速照設置基準として、物理的危険度と、輸送密度で優先度を決めるのではなく、「最高速度130km/h以上の路線」として現場を外したのか、JR東海なら40km/h以上の速度差という設置基準であり50km/h差の尼崎事故現場はJR東海基準なら文句なく引っ掛かっていた。ところがJR西日本は物理的根拠のない規定で現場への設置を除いたため、宇野線では500R75km/h制限に制限標識を建て忘れて日常的に90km/hで通過していたことが分かってSW速照が設置されるなどちぐはぐになっている。この値なら振り子式車輌の許容不足カント以下なので脱線安全性上は設置しなくても差し支えなかった。 一方事故現場は300R97C70km/hの急曲線に120km/hから突入するから、振り子車輌の不足カント限界110mmを適用して最大均衡カントは207mm許容となり、その突入限界速度は約86.8km/hとなるが、転倒限界との中間点なら不足カント約165mmになるので直線部の速度が99km/h超から曲線速照を設置すれば足りる。 懲罰的日勤教育は行わないという文面上の合意を3労組としたようだが、その一方で尼崎電車区の虐め日勤教育自殺事件の訴訟を続けて、支援者の処分を匂わせて脅迫している限りは、社員や世論から信頼される事はない。自殺事件まで起こした裁判内容程度の日勤教育は正当で今後も続けるという挑発的宣言に他ならないのだから。JR西日本が強圧的・支配的な体質を改善することを世論に納得して貰うには、認諾なり和解なりに依ってご家族に謝罪・補償しての解決が必須なのだ。そんなことも判断できないくらいJR西日本のまともな判断力は萎えきっている。 また懲罰的「日勤教育」の廃止を協定した3労組も自殺事件を他組合の組合員のこととして切り捨てず、その職場の労働者の利益を代表する立場から日勤教育自殺事件についての立場を明らかにしてその解決に尽力すべきだ。そうしないと懲罰的日勤教育の廃止が全くの空文化しかねないし、大局でみれば国鉄労働者攻撃を放置あるいは荷担し、派遣法制定・労基法職安法改悪にほとんど無抵抗だったことで、超低賃金で待機手当さえ不払いの派遣社員しか働き口のない、首切り自由の世の中にされて、更には不当解雇であっても金さえ払えば好き勝手という悪法が今準備され、大企業は金余りで投資先に苦労しているのに、一般国民は消費に回せる収入が足らないといういびつな状態で大不況が続いている。これと闘えるスタンスで結集を呼びかけなければ労働組合運動への信頼は戻らない。 |
2005/09/20 23:30
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