福知山線脱線事故
「前社長に説明せず」
ATS整備 元社員証言覆す
2005年、乗客と運転士107人が死亡した兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で業務上過失致死傷罪に問われているJR西日本前社長、山崎正夫被告の第6回公判が28日、神戸地裁であり、証人尋問が行われました。
山崎被告が室長だった安全対策室に勤務した元社員の高村文信氏(現北陸トラベルサービス総務部長)が証言。高村氏は、少なくとも1989年以前から、JR西には半径450b以下のカーブに改良型の自動列車停止装置、ATS-Pを整備する基準があり、その目的は「(脱線などの)重大事故の防止のためです」とのべました。
一方、それらについて山崎被告に説明していたかとの質問に対しては「説明はしなかった」と答え、検事調書での「報告していた」との証言を覆しました。
検察側は、高村氏本人が同室勤務当時に作成した、過去の重大事故をピックアップした資料に、カーブでの事故が25年間に2件起きていたことが記されていたと指摘。カーブでは事故の危険性があるためATSを整備する必要性があることを山崎被告に説明していたのではないかと追及しましたが、高村氏は「そういう観点では見ていなかった」などと繰り返しました。
2011/01/29しんぶん赤旗14面社会・総合面#3トップ
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JR西訴訟で社員陳述
脱線の危険性認識
2005年、乗客と運転士107名が死亡した兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で業務上過失致死傷罪に問われているJR西日本前社長、山崎正夫被告の第7回公判が2日、神戸地裁でありました。山崎被告が室長だった同社安全対策室に所属していた同社員の藤江龍二氏に対する証人尋問が行われました。
藤江氏は、カーブでの脱線事故の危険性と、それを防ぐATS(自動列車停止装置)の必要性を認識していたとのべた検察調書を否定し、ATS設置は「乗客の転倒を防ぐため」などとのべました。しかし、検察側の質問に対し、「(速度)制限は何のためにあるのかと理詰めで話されると、最終的には脱線(防止)しかないのでそういう供述になった」とのべ、カーブでの脱線事故の危険性とATSの必要性について認識していたことを認めざるをえませんでした。
また藤江氏は、半径450b未満のカーブに改良型のATS-Pを整備する基準がJR西にあったことについて、「山崎さんは安全対策に見識が深い方なのでご存じであったのではないかと思う」とのべ、山崎被告が基準を認識していたとの考え方を示しました。
2011/02/03しんぶん赤旗B版4面
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JR脱線事故裁判
ATS担当者尋問
尼崎JR脱線事故で、業務上過失致死傷罪に問われた前JR西日本社長山崎正夫社長(67)の第7回公判が二日、神戸地裁(岡田信裁判長)で開かれ、山崎前社長が鉄道本部長を務めていた当時に、安全対策室で自動列車停止装置(ATS)の整備担当だったJR西社員の証人尋問が実施された。
JR西の安全対策に対する認識を確認するため検察、弁護側双方が証人申請。鉄道本部長は安全対策室など複数の部署を統括する立場で、山崎前社長は1996年6月〜98年6月に勤めた。検察側は安全対策の責任者だった山崎前社長がATSを設置する義務があったと主張している。
2011/02/02東京新聞夕刊D版8面うめ
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福知山線尼崎事故の刑事裁判で検察側証人がまたも検事調書内容を翻して、「山崎安全対策室長には