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激甚な合成樹脂劣化!

【 劣化損耗 】

写真1:風化したエアコン結露ドレーンパイプ(西面18年直射)

写真2:結合予定部、切断位置で14Φ、16Φ、18Φ選択

写真3:外付コンセント電線腐蝕(瞬間停電原因)

写真4:外付コンセント(交換作業)
日記#244【修理】(再掲)

写真5:腐蝕破損洗濯機パン(12年)
写真6:折損ポリアセタール樹脂棚部品(接着修理作業)

写真7:折損蛍光管ホルダー(10年?)

写真8:
 写真1は直射日光でボロボロに劣化したエアコンの塩化ビニル製結露排出用ドレンパイプである。経年は18年のはずだが、南側で直射日光に曝され続けると5〜6年でボロボロだそうだ。
 去る4月に山手線五反田駅で結束バンドで留めていた通信ケーブルが垂れ下がって架線に絡み、湘南新宿ラインと埼京線(山手貨物線)が長時間止まった事故があり、紫外線に弱いポリエチレンの結束バンドを、経年強度の必要な通信ケーブル戸外取付に使った掟破りの失敗が指摘されていた。
 だが、直射日光劣化はポリエチレン樹脂に限らず、ポリカーボネート樹脂や、塩化ビニール、塗料・塗装などかなり広範に生じていることが分かった。
 日記#244で、蛍光灯器具などでの各種樹脂の劣化損耗を指摘したが、もっと広範に樹脂が経年劣化している。直射日光に曝されると10年保たずにボロボロなのだ。

かなり劣化、築18年3LDK    <1>

 先日、実家の外壁の再塗装工事を行った。塗装により外壁保護のための光沢皮膜が出来て家本体を保護するのだが、塗装から10年も経つと、塗装表面が粉っぽくなり、亀裂が走るようになって保護能力を失うし、ベランダのセメントもヒビが入ってそこから雨水が廻って木造構体をブヨブヨにしてしまうので、併せて防水工事も必要で、3LDK戸建て住宅で\45万〜\85万の見積で、時には客の顔色を見ながら\120万の見積も出てくる我々シロートには大変危なっかしい工事である。複数の業者から合い見積もりを取って納得の工事を頼んだほうがいい。職人さんらで土建組合が組織されている東京、神奈川、埼玉、千葉、兵庫などではその土建組合ルートで職人さんを紹介して貰うと、東京三多摩では不動産屋ルート工事費の1/2〜1/5程度で済むから驚きだ。若干ぼられてもまだまだ安い。(千葉はそれより心持ち高いが、様々な課題を先頭で闘っている土建さんを怠惰なのが請負単価で叩いては罰当たりなんでその分は言い値でOKした。)
 足場を組んで外壁洗浄やヒビ補修・劣化交換をして乾燥させてから4回塗りで10日ほどで工事を終えた。

 塗装工事に伴い固定を外したエアコン配管テープを新しいものと巻き替えてあるのだが、3本とも高所から低所へ向けて巻いていて、雨水やゴミをテープの中に取り込む逆方向巻きになっている。順方向に正しく巻き替えないと配管やバルブの腐蝕などトラブルを起こす。明らかに冷房機シロート工事である。
 更に冷房運転を開始すると1基の熱交換パイプの断熱材から水が出ている。良く見ると外壁からの配管出口の断熱材が丸ごと壊れて銅管2本とドレンパイプが露出しており、そのドレンパイプから水漏れして断熱材パイプに水が流れ込んでいる。そのボロボロで穴だらけのドレンパイプが写真1である。
 材料の直射日光下の寿命とはいえ工事に起因するトラブルなので業者に連絡すると、対応してくれて材料費\500.で復旧することとなった。このようなトラブルは現場毎に起こしているはずだが、開業10数年にして初めて指摘された欠陥だとのこと。それは客が破損の原因に気付かずに客側で修理しているからだろう。ドレンパイプ(約50.\/m)とそのジョイントと巻き上げテープ(\130)は耐候性寿命からして約10年の壁塗り替え毎に交換する必要があるようだ。気が付けば自宅エアコン(写真9:移設13年)の塩ビ配管もボロボロになっていて、テープと併せ自分で全面交換だ。
 ドレンパイプ同士は1m毎に結合部があり14Φ、16Φ、18Φ部が並んでいて(写真2)きちんと嵌め合う部分で切断して繋げばよい。直射日光の当たらない室内部配管はどちらも弾力を失っていなかった。

電力廻りも経年劣化    <2>

 大型湯沸かし器の種火が時折消える。ブレーカーが飛んだときと同じ症状だから瞬時停電による現象の模様で外付きのコンセントの接触部の腐蝕が原因かと思って接点部清掃をいくら繰り返しても改善されないので、開けてみたところ、コンセントに挿す配線がかなり緩め。外してみると写真3のように真っ黒で、心持ち過熱で焼けている。電線を磨いてコンセントを新品に交換し(写真4)、雨水進入を警戒して外装噛み合わせ部にビニールテープを巻き、もう1つある屋外コンセントも点検清掃して同様にビニールテープを巻いた。
 電気関係はこの他、トイレのスイッチが投入できなくなって交換、その電球ソケットが全部ねじ込むと点灯しなくなって緩めて点灯させては落下の危険があり交換、洗濯機コンセントの緩みで丸ごと交換、洗濯機受水パンもボロボロに穴が空いて床に水漏れして交換(写真5)、居間電灯スイッチ感覚不良で交換と、3LDK築18年でコンセント16基中2基、スイッチ16個中2基、電灯ソケット6個中1個、レセプタクル5個中1個、点灯が見えない照明の蛍スイッチを、逆に点灯時に表示する逆蛍スイッチに交換したことになる。
 更にモータ関係では、風呂場の換気扇が軸受けの焼き付きで時折停止する。廻り中が鉄板枠の不燃物だから火災発生の危険は無さそうで、問題の含油メタルにCRC-556を吹き付けてグリグリと廻しているうちに復旧しそれから2〜3年は廻る。3度ほどは直している。風呂兼用の湯沸かし器にそうしたモータを使ったブロアーが2基使われていて、修理業者が2度復旧させたが、これはモータ交換と、腐蝕したボイラー部交換の応急措置で、レギュレータが充分働かず、経年16年で丸ごと新品買い換えを言われているが、湯水の如くと言うほどには使わないもので、そのまま騙し騙し使用中である。
 剥いた電線を穴に挿すだけで配線が完了するのは昔のネジ止め式より楽で良いのだが、あんな小さな接触面積で15Aを保証できるのか不安になってしまう。

 ベランダに放置していた塩化ビニルのバケツが持ち上げるだけでバラバラになったのには驚いた。プラスティックの洗濯ばさみも同様ボロボロだ。エアコンの室外機もみな塗装が粉を吹いている。直射日光と紫外線に曝された合成樹脂は烈しく劣化して強度を保てなくなる様である。
 プランターで植物を置いていたベランダはヒビが何本か走ってかなり深刻な状況で、ヒビにモルタルを数回充填した上で防水処理をして貰った。ベランダ下部には耐水層があり見掛けほど傷まない構造なのだそうである。今回の防水工事で劣化の進行は抑制されるはず、というのがセールストークでなければ有難い。繰り返しの入院などで若干手入れが遅れてしまった。

千葉市の補償排除アリバイ作成調査!    <3>

 他に劣化部はないかと家廻りを調べると、万年塀の1区画に全高にわたり隙があり隙間から隣が見える。柱の位置不良でコンクリート横板が柱の溝に全く噛んでないのをモルタル塗りで誤魔化していて隙間が空いてしまった。大地震ではバラけて飛んでくる。一見して施工不良だ!

 風呂場近くの土台にシャワー毎に水が染み出している。これは風呂場タイルの壁と床の境のヒビ割れが原因だが、校庭の大木を何本も引き抜くときにきちんと廻りの土を掘らず、重機で反動を付けてガンガン跳ねて地震のような烈しい振動を繰り返したことが原因だろう。斜め向かいの他区画でも振動被害が問題にされてるようだ。そのままでは風呂も使えないから自分でシール剤を買ってきて風呂場を数日乾燥させた後、全周の角を埋めて水漏れを止め応急復旧させた。養生テープは使ったのだが、それを剥がすタイミングを間違えて充填痕が幅広く残ってしまった。
 市に問い合わせると「来年5月の竣工時検査で被害が確認されたら保障する。中間では検査の契約をしていない」というのが言い分で、それまで待っていたら家そのものが腐ってしまうし第一異常があればすぐ現認出来る体制にしなければ、被害補償逃れだけの検査になってしまうが、「千葉市の工事時の周辺検査は総て始めと終わりだけ契約」というのだ。もっと酷いと思ったのは周辺住宅の工事着手前調査の結果を当事者には何処にも渡してなく、クレームが出たときの反論用だけにしていたことだ。透けて見える危険な万年塀や塗装のヒビは総て市としての事前調査により把握しているが、対象者には事前調査完了時に何ら連絡をしていないのだ!事前にアースドリル工法と聞いていたので、衝撃打設とは異なり家が傷むことはないと思って室内調査は遠慮したのだが柵沿いに植えられた60年余の大木群引き抜きに衝撃打設並の乱暴な工事が行われた。
 私が関係した東京都の某ビル建設工事では地盤監視に地下室の周囲の公道を毎月測量して沈下・崩落を警戒していた。工事の中間でも常時監視である。その点、千葉市のやり方は中間検査の態勢が全くなく、そのことを口実に完了検査前に自前で修繕した物は被害補償をしないのだから、純粋に補償逃れのためだけの実に酷いアリバイ検査である。

 土台にも3個所ヒビが入っていたが、これは化粧モルタルが主の土台から離れたもので強度には関係なく、剥がれ部分数mの塗り直しで済んだ。

 ベランダ下の木部が数cmほどボロボロになった原因は瓦屋根の雨水が樋に全部入らずに木部に当たっての腐蝕の模様だから導水板を設置し、瓦屋根の防水が怪しげな個所をパテで埋めることにする

タフだったインバータエアコン    <4>

 3台のエアコンは壊れもせず18年間よく頑張っている。特に南側のエアコンは年寄りの熱中症や凍死防止に夏は30度設定、冬は22度設定で数年間入れっぱなしで使っていたからかなりガタが来ているはずなのにそこそこ冷えて頑張っている。連続運転型のインバータエアコンというのは連続運転には強いのだろうか?猛烈な熱源を抱える戦車の冷房装置をこなす三菱重工の家電エアコン会社製はタフなのだろうか?VVVFインバータ制御電車開発も三菱電機が先頭だった。
 製造に要するエネルギーというのもあるから、新型エアコンのカタログスペックにだけ釣られてまだ充分働くエアコンを捨てて買い換えてしまう電機業界救済・非省エネキャンペーンには乗らないつもりだが、ヒートポンプの熱倍率が当時3倍前後だったのが、今は改良されて4倍余というのでは、効率低下に気付いた時点で早々に交換した方が良さそうだ。18年の実績からみればインバータ式の選択は父の三菱零戦マンセイに加えた単なる新し物好きだけではなく、永年配電線や住宅配線工事の設計・施工管理で食べてきた経験に基づく技術的に妥当な選択だったようだ。なお、ガス漏れするようなエアコンにはいくらガスを継ぎ足してもダメなんだそうで、交換がお勧めとか。逆にちゃんと働いてるモノを捨てることはないんだと、移設を頼んだ電気工事屋氏に解説された。室外機跡は玄関前の全面スロープにして手摺伝いに通れるようにした。


写真9:東芝RAS-402EAD インバータエアコン結線図 1989年製


2010/07/29 23:55

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