【VVVFインバータ制御】
変電・き電スレッド3
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/train/1244698607/425n-489
[話の発端は→>425]
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475 名前:age代わり[sage] 投稿日:2010/06/22(火) 10:54:42 ID:EymcSC6I0
[VVVFインバータ制御の解説]に必要な要件
として>425〜>459 のQ&Aは誘導電動機型としては概ね満たしてる。
VVVF制御解説の絶対条件が、回転数に比例してモータに誘起する電圧に、インピーダンス降下分を加えた電圧を加えること。
直流機に対応させれば、モータの逆起電力に、巻線やブラシや起動抵抗の電圧降下を加えたものが供給電圧=架線電圧。
交流機ではそれに位相差が考慮されるヴェクトル和になるだけ。
これまでの解説で不足しているのは同期電動機型でのVVVFインバータ制御と、誘導機との相互比較だけど、日本の量産型車両に同期電動機方式は見あたらないから概ね可。(E331など試作のみ)
ヴェクトル制御は過渡現象制御なんで必須じゃないと。「トロイカのそりを引くトナカイを、最適位置に置き換える制御」
というのが「インバータ制御電車概論」(※p147閑話休題11)中のコラムの例え。
同期機にはスベリ回転が無いのでその分は高効率、低速回転でも効率が落ちないで済む→在来線でのDDM:ダイレクト・ドライブ・モータ
電圧一定速度以降の加速は、補償電流が流れて励磁を減らしてバランスするが、
過電流は困るので界磁励磁を減らすか、電機子の巻き数を落とす(タップ切換)など特有の調整が必要。
強力永久磁石式同期電動機(PMSM)というのは自動車のように1基なら扱えるが、
鉄道のような大出力の多数並列運転となると日本ではまだまだ開発途上。
誘導電動機の特性については、従前の周波数一定・電圧一定解析ではなく、周波数と電圧を比例的に変化させた特性:例えばスベリ周波数一定の特性を論じることが必要で、関係式のパラメターを入れ替える再整理だとはいえ、教科書にない独自解析。
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476 名前:age代わり[sage] 投稿日:2010/06/22(火) 10:56:13 ID:EymcSC6I0
若干説明不足かもしれないと思ったのが>>437 への解答>>439 で質問者はまだ成仏してないかもしれない。
>437の言うとおり、電圧が下がればデューティが増して電流が増えるが、それは抵抗制御の値までが限界。
同一出力での比較だから、VVVFやチョッパー車では起動抵抗損の無い分だけ電流が小さくて動作。
それが電源電圧が下がることによって抵抗損相当分が無くなり、定電流にまで増える。ここを誤解している。
同種の誤解としては、>>442の定電流領域:交流電圧と速度が比例する領域が一定:48km/h固定とする誤解。
架線電圧1500Vで48km/h以上から定電圧というのなら、架線電圧が1000Vの場合は電圧比例で32km/h以上から
ほぼ比例した一定電圧。>>451 の計算結果を援用すれば、1500Vで3相919Vが最大なら、1000Vでは3相613Vが最大。(※p127図4.1.2-3力行特性曲線)
また、可逆的エネルギー変換器であるインバータ、コンバータと、電力アンプの違いは指摘した方が良い。
極論すればインバータとコンバータの違いは、エネルギーの伝送方向であり、現に回生制動をすると両方向使用ではないか。アンプは信号増幅で、入力がエネルギーではなく可逆動作ではない。
以上
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477 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 10:57:06 ID:EymcSC6I0
(>>425〜>>459 Q&Aの要旨を挙げておきます)
>>425 VVVF車だと架線電圧が下がると出力を維持するべく電流値を大きくする
>>426 伝説!
>>427 スイッチング電源(レギュレータ)の例
>>428 出力を定電圧にする負帰還制御で起きる。VVVFには無い
>>429 VVVFでも架線電圧が下がれば出力が下がり電流を食わないのか?
>>430 供給電圧比例で交流電圧最大値
>>431 頭が潰れた台形波になるんじゃ?
>>433 それアナログアンプ。PWM/PFMデジタルアンプじゃ直流電源電圧で出力調整
>>437 電圧降下→電流減少→デューティ比増加制御で電流増ではないか?
>>439 その値は抵抗制御と変わらぬ。→(要追加説明。
抵抗損のない分VVVFが小電流だったが電圧が下がりそれが無くなり同じになるだけ
→補足>476)
>>440 チョッパーの入ったインバータ車が存在
>>441 昇圧動作をしてるかどうか。
昇圧してれば増えるが、主流の2〜3レベルインバータは昇圧せず
>>442 チョッパを持たない321系で、モータ電圧が一定になるのは48km/h〜だ。
それまでは速度増加につれて電圧が高くなる
>>443 電圧と速度の比例限界は直流供給電圧比例。1500Vで48km/h〜頭打ちなら1000Vでは32km/h〜頭打ち
(そこ32km/hが定トルク域終端になる>446上)
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478 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 10:58:22 ID:EymcSC6I0
>>446 架線電圧低下の話との繋がりがよくわからないのですが…
>>447 VVVFインバータ制御の定トルク制御領域の上端は供給電圧で決まり、
定出力領域=速度反比例トルク=スベリ増領域48km/h〜は1500V供給の場合
最大出力は直流供給電圧比例
>>448 列車が詰まった低速運転時のことは?
>>450 低速域では、モータ電流は大きくても、インバーターで変換されパンタ点電流は小さい
抵抗制御だと直並列制御のため1/2の電流を必要とする
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479 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 10:59:22 ID:EymcSC6I0
>>451 (発生電圧の数式表現)
U相電圧を基準位相として、U、V、W相電圧を現すと
Vu=E/2{K・sinωt+1}
Vv=E/2{K・sin(ωt−2π/3)+1}
Vw=E/2{K・sin(ωt−4π/3)+1} ・・・・Kは走行状態で0停止〜1上限 となって
[モータ端子電圧] (UVWそれぞれの電位差) ・・・・K=0停止〜1上限
Vu_v=KE(√3/2)sin(ωt+π/6)
Vv_w=KE(√3/2)sin(ωt−3π/6)
Vw_u=KE(√3/2)sin(ωt+5π/6)
ピーク値で最大 E(√3/2、実効値で E(√3/2√2)が定トルク領域の上限交流電圧で、実際はそれから回路素子での電圧降下分が減る。
1500Vdcでは、ピーク値1500×√3/2=1299V、実効値919Vがモーターの最大供給電圧。
それより高速部は誘導電動機ならスベリを増やして加速する定電力領域。
∵電圧一定、電流一定だから「一定値×一定値」の定電力で、トルクと速度が反比例関係。
角周波数ω=2πN×P極対数で、これをKと比例させ、さらに巻線抵抗などの電圧降下分を加算する制御がVVVF制御。
最大供給電圧以上の領域はそれ以上電圧を上げられず周波数だけを上げていくCVVF領域。
CVVF領域のうちスベリを増やして定電力に制御できる領域が定電力領域。
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480 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 12:07:47 ID:EymcSC6I0
>>455 VVVF車も直流モーター車と同様に架線電圧が下がると高速域の加速が鈍る?
>>456 ,>>457,>>460 当然!電鉄によっては抵抗制御車とVVVFインバータ制御車と併結してるくらい特性を良く揃えてる。
当初、VVVF車が高速域の加速が良いと思われたのは、どうも出力が大きかったからみたい(w
>>459 「インバータ制御電車概論」\3300.飯田秀樹・加我敦共著電気車研究会2003/8/1刊。
ヴェクトル制御とか深い話をマトモに説明しているんでお勧め。
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481 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 13:10:22 ID:EymcSC6I0
>>475
実用上の細かな工夫の問題としては、
「PWM/PFM方式」で正弦波交流電圧を作るというのは「非同期動作領域」の話で、基本の話としてはOK。
高速回転ではスイッチング素子がPWM動作に追従できず、
方形波を幾つか重ねる「同期動作」「パルス動作」になる。
(結構知られてるから解説は必要だが、VVVFの主たる側面じゃない。)
さらに細かいが「IGBTトランシスター」はおかしいよ。→「京王電鉄」広岡友紀女史ほか
Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT だから、
「絶縁ゲートバイポーラ・トランシスタ」か「IGBT」ならOKだが、「IGBTトランシスタ」は不可。Tでトランシスタを重ねてしまう。
参考→http://www.jeea.or.jp/course/contents/02107/index_small.html
GTOサイリスターとか、ゲート素子も解説が有った方がいいかな?グレート・ティーチャー・オニヅカじゃあないとか。
尚、JIS表記では単語末尾は伸ばさない決まり。モータ、トランシスタ、アッテネータ等。
トランシスタをトランジスターというのは日本なまりで定着したから圧倒的多数が勝ち(w
爆撃機「ボーマー」をローマ字式に「ボンバー」というのも日本なまり。
ボーマー(ボマー)やトランシスタじゃ極少数で勝てそうにないが。
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482 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/22(火) 21:29:09 ID:EymcSC6I0
TGV系は同期電動機だが、磁石式じゃなく直流励磁式の模様で、CVVF領域に入った直後はどうしているのか?
放置して電機子補償電流で減磁させて同期電動機の発生電圧を合わせているのか、それとも励磁電流を減らして発生電圧を合わせているのか?・・・・・ご存じの方はお教え請う。
某ハイブリッド車のように電機子タップ切換は鉄道では無いんじゃないかなぁ・・・・・と資料無く推測。
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485 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/23(水) 16:21:14 ID:Trt8Up3u0
WikipediaのVVVFインバータ項を読んできたけど、鉄ヲタ汚染で無茶苦茶(w
総論部をちゃんと書き直した方がイイねぇ。あれじゃ一般人にゃかなりワカランです。ヲタ項は後の方に放置で。
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487 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/24(木) 20:40:55 ID:Sx9m3ECS0
閑古鳥が鳴いてる↓のスレを使ってやったらどうだろう。
パワーエレクトロニクス
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/denki/1072450742/
と言いつつ続けると、
中高速域は直流入力を反転させるだけの可変周波数(VF)制御、
低速域は一周期の間に細かくON/Offして電圧も変える真のVVVF制御、
って理解でいいのかな?
饋電電圧が下がってもVVVF領域の出力は変わらないが、早めにVFに入ると。
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489 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/24(木) 22:41:12 ID:SPB9hGyl0
>>487
お客さんの絶対量がまるきり違いますよう(w(すぐ前のRes.が1年間も空いていて!超閑散スレ)
プロは各自が自分なりに勝手に理解しますって。
逆に、パワーエレクトロニクスの解析、設計屋を鉄道関係スレに誘導した方が面白い論議になると思います。
強い興味を持つROMは大勢居るんだから、それまでかなり好い加減でもお互い理解していた内容が一般向けに分かりやすく整理される可能性が出てきます。
やっぱ、一般人が正確に理解できる解説を磨かなきゃアカン。
その点、鉄板はこだわりの強い住人が多いから有用。
揚げ足取りだけの唯我独尊人も居るんでなお面白く、鍛えられますって(w
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493 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/25(金) 17:34:15 ID:8MzYOTX00
>>487
> 中高速域は直流入力を反転させるだけの可変周波数(VF)制御、
> 低速域は一周期の間に細かくON/Offして電圧も変える真のVVVF制御、 って理解でいいのかな?
OKだが、鉄道の場合はCVVF領域(そちらでいうVF領域)の下端で、スベリを増やしてVVVF時の駆動電流を維持する「定電力領域」の制御がある。直流機の速度−トルク特性で言えば「弱界磁制御」に相当する部分で、トルクと速度が反比例関係になる。
> 饋電電圧が下がってもVVVF領域の出力は変わらないが、早めにVFに入ると。
出力は供給電圧=架線電圧比例。モータ電流は一定か、最大粘着力の速度特性に合わせて低速時に大きくする制御をしてるか、。
回転速度が検出できるんで、滑走しない最大トルクを加えることが可能。(直流機では回転速度検出がないから滑走しない最低限の一定トルク)
低電圧では早めにCVVF領域になる≡最大出力が架線電圧比例。
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【話の発端】 <start>
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425 名前:名無しでGO![] 投稿日:2010/05/24(月) 23:52:24 ID:HcyrXS6i0
VVVF車だと架線電圧が下がると出力を維持するべく電流値を大きくするために更に電圧が下がるという悪循環に・・・
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426 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 01:51:44 ID:4/dtHSUL0
>>425
それ、どうも伝説らしい。
VVVFインバータだから電流が増えると言うことはなく、元々大電力のためその分電圧降下し易いのが真相の模様
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427 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 02:22:55 ID:lCnxVkhr0
でも、例えばスイッチング電源だと電圧低下=電流増だよね。
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428 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 13:58:26 ID:4/dtHSUL0
>>427
それは出力定電圧のための負帰還が掛かっているから生ずる現象。
それを単純に類推的にVVVFインバータ制御に適用して生まれた伝説の模様。
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429 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 14:09:59 ID:rjeGG2m90
>>428
特別な細工をしていないVVVFでも、架線電圧が下がれば自然と出力が下がって電気を食わなくなるという事?
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430 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 21:08:15 ID:4/dtHSUL0
>>429
まず「限流値」で制御し、交流のPP最大振幅は直流供給電圧(=昇圧動作はしていない)、ってことだから、最大入力電力が直流電源電圧比例になるんじゃないの?
昇圧動作があれば、モーター電流は限流値一定でも、電源電圧が下がった分電源電流が増えるというのはあって、伝説通りになるけど、VVVFインバータには昇圧機能は無いみたい。
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431 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/27(木) 01:40:59 ID:3VOfPw6i0
以前、猛暑の際に過去にない大規模停電が起きて、被害が広がった原因が
インバータエアコンの普及と言われていたな。 電鉄でも同じこと起きない?
昇圧はしなくても、通常の正弦波の頭が潰れてきたら、それでも出力電力を
確保しようと矩形に近い台形波になっていくんぢゃなかろか。
でも某所で2本同時に発車して変電所のブレーカを落とした事故以来、
電流リミットは利かせてるのが普通ぢゃないかと思うけど。
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433 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/27(木) 10:41:43 ID:UzlB3hEU0
>>431
PWM/PFM-アンプ特有の出力調整法をご存じ?
ふつうのアンプはボリュームを廻すんだけど、
PWM/PFMアンプは直流電源電圧を変えると出力調整になり、高速オンーオフの波形は振幅以外は変わらない。
「矩形に近い台形波」というのはアナログアンプの感覚で、それを直にVVVFインバータに適用しては拙いんじゃないかしら。
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437 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/30(日) 22:01:41 ID:Pdu+A9fI0
機械系の人間が知ったか知識を披露してみるテスト。
>>430
電流を見て制御してるんだとすると
電圧降下→電流減少→デューティ比増加制御
みたいな流れになりそうだけど。
鉄道車両のインバータってPWMで正弦波っぽくしてるんだべ?
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439 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/30(日) 22:23:06 ID:S922VgGF0
>>437
交流モーターには直流電源電圧PPまでしか加えられないから、そこが最大入力になって電圧比例制限になる。
これは抵抗制御でも同様。途中経過は問題じゃなく、最大値の問題。
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440 名前:元元西社社員[sage] 投稿日:2010/05/30(日) 23:12:31 ID:K7ce2Qo+0
>>430
世の中には間にチョッパの入ったインバータ車が存在する件について。
441 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/05/30(日) 23:23:49 ID:S922VgGF0
>>440
昇圧動作をしていればその通り大電流を流すけど、
多くのVVVFインバータの構造は2レベル〜3レベルPWMだから、昇圧はなく供給電圧が限度でしょう、
∴低圧で電流をますます食うは伝説ではないか、という話を繰り返してる。
加速時に昇圧チョッパーが動作してるVVVFインバータ式車両がどれだけあるか?
442 名前:元元西社社員[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 21:26:12 ID:UjNDj+B20
チョッパを持たない321系で、モータ電圧が一定になるのは48km/hである
(それまでは速度増加につれて電圧が高くなる)件について。
443 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/03(木) 21:51:09 ID:8byscMpX0
>>442
モータ電圧が一定になるのは供給される交流ピーク値が直流電源電圧に達したとき。
48km/hというのはおそらく供給電圧1500Vが前提であり、今論議している饋電電圧が下がった場合、
饋電電圧にほぼ比例して交流供給電圧が一定になる速度が変わるのだろうと。
ピーク値が電源電圧に達するまでは速度比例で交流モータを駆動するのはどこも一緒。
比例的に変わるのなら、供給電圧1000Vでは32km/h以上で供給電圧一定になっている可能性が大きい。
∵48km/h×(1000/1500)=32km/h。
昇圧していれば別だけど、そんなVVVFインバータ車両はどこにあるんですか?
446 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/05(土) 01:56:17 ID:uh6kffkOO
>>442
定トルク域終端速度が48km/hなんですね。
でもそれとチョッパ云々は無関係ではありませんか?
あと、架線電圧低下の話との繋がりがよくわからないのですが…
447 449 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/05(土) 22:38:37 ID:TFhCQoZE0
>>446
VVVFインバータ制御の定トルク制御領域の上端は供給電圧で決まり、
48km/hというのは定格条件(おそらく1500V供給)の場合でしょう。
ほぼ供給電圧比例ですから、供給電圧1000Vが動作可能範囲であれば32km/hまでが定トルク領域、
それ以上は定電力領域となってトルクが速度反比例、スベリ周波数を増やして脱出限界手前まで加速、
更に高速側はトルクが速度2乗反比例という、直流モータに酷似した特性になるはず。
そもそもで云えば、回転子の磁界による電機子コイル逆起電力は回転数比例=走行速度比例なので、
回転数・速度に比例した3相交流電圧(+電圧降下分)をモーターに加えるというのがVVVFインバータ方式のキモ。
これが供給電圧を上げられなくなる限界が電源供給電圧ですから、饋電電圧が下がればそれに比例した低い速度で上限になり、それ以上は電流一定・スベリ増加の定電力領域で加速、
脱出(停動)トルク以下を上限として電流が速度反比例、トルクが速度2乗反比例の領域に加速される。
∴最大入力は電源電圧に規定されてしまい、インバーター車が低電圧だと特別に大電流を飲み込むことはないと言う話です。
ところが仮に昇圧機能があって、架線電圧は1000Vなのに、1500V時と同様の交流電圧を発生できるインバータ装置を搭載していれば、
それは1000Vでは1500V時の1.5倍の電流を食って益々饋電降下させるはずですが、
そのようなインバータを搭載した車両は無いのでは、、、、?
すなわち、インバーター車は「饋電電圧異常降下」で余計に電流を食って饋電を落とすというのは、電子系の鉄ヲタがスイッチングレギュレータの動作と混同して広まった伝説だろうと。
448 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:33:35 ID:cliQk4dE0
列車が詰まった低速運転時のことは考えなくていいの?
450 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 09:29:16 ID:wHF/C1Gw0
>>448
列車が詰まった低速域では、大トルクでモータ電流は大きくても、インバーターで変換されてくるからパンタ点電流は小さいから問題にならない。
抵抗制御だと直並列制御のため1/2の電流を必要とするので、起動抵抗損のない分インバーターの方が電流が少ない。
インバータ・コンバータは起動抵抗のような過剰電圧を吸収消費するものではなく、電気エネルギー変換器だから高効率。電機子チョッパーと同様。
(省エネ数値的には軽量化が一番効いてるってのは有り、高速域の回生制動採用=界磁チョッパー類がそれに次ぐけど)
451 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 15:24:46 ID:wHF/C1Gw0
三角関数の加法定理は高1の数1だったはずだから、高1まで学んでれば判るものとして
VVVFインバータの出力電圧波形を数式で現してみましょう。(若い頭だときっと解ります)
電源供給電圧E(標準は1500Vだけど何でもOK)、
ノッチ進段比例定数K(0〜最大値1)で
2〜3レベルインバータの場合(E/2が交流のゼロ点)、概ねで
U相電圧を基準位相として、U、V、W相電圧を現すと
Vu=E/2{K・sinωt+1}、
Vv=E/2{K・sin(ωt−2π/3)+1}、
Vw=E/2{K・sin(ωt−4π/3)+1}、となって
モータからみた電圧では直流分E/2が総て相殺されて、位相がそれぞれ2π/3ずつ均等にずれた3相交流になっていて
その電圧はピーク値(K=1でのピーク値)でE/2になってることがわかります。
(実効値=2乗平均根でみればその1/√2)
モータ端子電圧で考えるとUVWそれぞれの電位差ですから、
Vu_v=Vu−Vv=E/2{K・sinωt+1}−E/2{K・sin(ωt−2π/3)+1}
=KE/2{sinωt−sin(ωt−2π/3)}
=KE(√3/2)sin(ωt+π/6)、同様に
Vv_w=Vv−Vw=E/2{K・sin(ωt−2π/3)+1}−E/2{K・sin(ωt−4π/3)+1}
=KE/2{sin(ωt−2π/3)−sin(ωt−4π/3)}
=KE(√3/2)sin(ωt−3π/6)、
Vw_u=Vw−Vu=E/2{K・sin(ωt−4π/3)+1}−E/2{K・sin(ωt)+1}
=KE/2{sin(ωt−4π/3)−sinωt}
=KE(√3/2)sin(ωt+5π/6)
すなわち、ピーク値で最大KE(√3/2、実効値でKE(√3/2√2)が定トルク領域の上限交流電圧で、実際はそれから回路素子での電圧降下分が減る。
1500Vdcでは、ピーク値1500×√3/2=1299V、実効値919Vがモーターの最大供給電圧で、それより高速部は誘導電動機ならスベリを増やして加速する定電力領域になります。
∵電圧一定、電流一定だから一定値×一定値の定電力で、トルクと速度が反比例関係。供給電圧1000Vでは→→(略
452 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 15:35:46 ID:wHF/C1Gw0
>>451
でもって、角周波数ω=2πN×P極対数で、これをKと比例させ、さらに巻線抵抗などの電圧降下分を加算する制御がVVVF制御。
最大供給電圧以上の領域はそれ以上電圧を上げられず周波数だけを上げていくCVVF領域で、
そのうちスベリを増やして定電力に制御できる領域が定電力領域。
455 名前:名無しでGO![] 投稿日:2010/06/06(日) 18:43:10 ID:yBM/Bity0
VVVF車も直流モーター車と同様に架線電圧が下がると高速域の加速が鈍る?
456 457 460 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 20:57:02 ID:wHF/C1Gw0
>>455
当然!
当初、VVVF車が高速域の加速が良いと思われたのは、どうも出力が大きかったからみたい(w
今は、電鉄によっては抵抗制御車とVVVFインバータ制御車と併結してるくらい特性を良く揃えてる。
459 名前:名無しでGO![sage] 投稿日:2010/06/06(日) 22:01:48 ID:mK7RnLAZ0
>>453 >>454
求む!模範解答(w
テキストをひっくり返すと解説・解析は商用周波数固定でのあれやこれやばかりで、
VVVFインバータの特徴である回転数とモータ端子が比例する制御について整理して触れているものはなく、
それを自分で整理して、技術的には強くない一般人が理解する形に焼き直すのは様々な工夫が必要で、
定式化されたものはまだない。
式表現からのアプローチが>451〜>452、日本語文章表現からの解説がその前の幾つか。
その辺で専門書ながら、一般にも解る工夫が随所にみられる本が「インバータ制御電車概論」\3300.
飯田秀樹・加我敦共著電気車研究会2003/8/1刊。
ヴェクトル制御とか深い話を変なたとえ話ではなくマトモに説明しているんでお勧め。
(続き)475〜→→↑
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