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Geo日記
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主目次

突風対策はどうなった?
羽越線事故3周年

JR東羽越線事故対策報告
jre5対策の実施状況 08/12/03強風警報S
範囲拡大
jre4対策の実施状況 08/04/01
jre3対策の実施状況 07/12/18気象情報運転規制試行開始
jre2対策の実施状況と
今後の取組
06/12/20ドプラー
レーダ試験
jre1当面の対応 06/01/17防災研新設
運転再開
JRE公式サイトTop
参考羽越線突風転覆事故 06/01/3105/12/26〜

 冬の寒冷前線に伴う積乱雲から吹き下ろす突風で特急いなほ14号が転覆脱線大破した事故から明後日25日は丸3年になるが、この間のJR東日本の対応がその公式ホームページに毎年公開されている。運転再開時の1号から数えて今月分で5本目になり、そのハード対策についてはかなり追究されている。特に、突風対応に気象情報から事前抑止を行う予測制御方式を昨年冬から試行して、局地天気予報業者からの情報で輸送指令を介して抑止するのと、ドプラーレーダを設置して研究を始めている。また、風速の予測システムの導入で抑止時間を従前の30分よりかなり短縮できる様になり、規制を発動しやすくした。

 当ページで指摘した予測制御方式導入と、必要十分な観測装置設置については事故時から約3倍に増え、日記#92(05/12/26)などの指摘はほとんど試行・実施されている。また強風個所の洗い出しは詳細な地形図を元に、算出するソフトを鉄道総研が開発して実際に適用している(See→総研フォーラム)から、現場の経験と感で設置していた事故当時に較べて大きく進歩していることが分かる。

 しかしながら、現場の独自判断禁止については表向きは全く緩められていない。数値化できない現象でも乗務員や駅員の判断で停止が認められなければならない。全面禁止規則は不当なのだ。
 だが、事故当時通常120km/h走行であるべき現場で100km/h走行をしていたことは咎められて無いようなので、その判断禁止の真意がどこにあるのか図りかねている。許容誤差範囲の減速だったのだろうか?運転規則でガチガチに固めておけば、警察検察から後知恵の屁理屈で不作為などで生け贄的刑事責任を問われないで済む防衛的措置とも取れるのである。善意で導入した新安全管理項目が完全ではなく漏れがあって事故に至ったからといって予見可能性を取られ刑事処罰ではたまらない。天気予報を外して刑事罰は無いはずなのに、基準の見えない恣意的運用はノーだ。

 各種事故調報告に拠れば、事故時の関係者はパニックに陥り、近隣他列車に停止を求める列車防御さえ満足に行われない例が多い。そんな実態で「臨機応変の措置」を取れる自由度を乗務員に与えれば、不適切な措置だと刑事罰に処する口実を与えるだけというのも現実に照らして説得力があるのだ。
 たとえば尼崎事故での防護無線発報操作は行われたが、事故による主電源停電で発報されなかったことは操作者である車掌は認識していない。後で尋ねられれば発報音を聞いてないという状況である。もし気付けば、発煙筒を焚くか、現場付近の踏切支障警報装置利用だが、予備電源に切り替えれば発報出来た可能性のあることは全く教育されていなかった。対向列車が衝突せず止まったのは全く偶然の幸運だった。

 こうした状況をみれば、現場オペレータへの生け贄的刑事処分が事故防止・被害抑制に逆効果、あるいは良くない影響を与えていることが分かる。

 また、局地気象予測業者からの情報提供で抑止するシステムの試験運用を冬季に限った理由は何かは明らかにされていない。試験運用だからこそ全期間のデータを得て、そこから絞り込めるものを見つけて必要なアクションだけに縮小するのが常道だが、その絞り込みは試験運用までの2年間のデータ整理で行ったものか、あるいは過去の気象観測の実績データなのか、平行して調査研究を始めたドプラーレーダ観測に委ねたのか、その辺は明らかにして欲しい。結果としては冬季観測だけで足りるのかもしれないが、それを何らかの方法で実証する必要がある。強風転覆事故はこの羽越線いなほ14号事故に限らず全国各地で繰り返され、同日に転覆した例(94/2/22夕JR北海道石勝線特急おおぞら&三陸鉄道)さえあって、一般性の高い事象であるから、成果の公開を条件に公的な補助金を付けてでも推進して良い課題である。ATS-SN開発と同様に全JR共同開発というのもあり得る体制ではないか。

2008/12/23 23:55
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