ところが、そういう極端なド演歌唯一派ママばかりではなく、実は「営業用演歌派」の方が多いのが実態だ。
艶っぽい演歌の上手い調布国領のママは本田路津子ラストコンサートにも行っている隠れPOPs・Fork派、狛江銀座某KもPOPs派、慈恵第三病院前ママは排他的では無い演歌雑食派で従業員を使う管理職型(=曲目不介入)、総武線崖下のママは映画音楽・ミュージカル・洋物派の韓国からの出稼ぎ組で客との付き合いで演歌主流でやっているが、ジャンルを問わず貪欲に日本の歌や文字をゲットしていて、それらはいずれも良いメロディーや歌詞が好みなのだ。
韓国ママに英語歌詞への抵抗感が全くないのは、店で常用の日本語自体が彼女にとっての外国語だからだろう。看板近い時刻で客が私一人になったら「慕情=♪Love is a many splendored thing♪」(ナット・キング・コール/アンディー・ウイリアムズ他)を所望されてしまった。フツーの店では♪My way♪(Fシナトラ)以上に敬遠されて歌えない歌であるが、韓国語から見たら日本語も英語も外国語で有り、どちらかは関係ないのは確かである。
会社の付き合いが上司・高齢者中心に演歌第一だったから表向き股旅演歌主流になっているが、実際のファン層からみると、ある日突然に、オセロゲームのように股旅演歌少数転落の日が訪れるように思う。あるいは現在の客層が高齢化で若者が増えずにフェードアウトかも知れない。
ある時期、演歌界全体が束になっても、歌姫(浜崎あゆみ?(?宇多田ヒカル?))一人の売り上げに遠く及ばなかったとか、
定年後に初めてカラオケにはまったモテモテ後期高齢者大先輩氏が布施明や上条恒彦から歌い出したというのは実に象徴的である。