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海底トンネル事故
岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故で、同社は7日、行方不明の5人は工事を請け負った鹿島建設の下請け会社の作業員であることを明らかにした。自力脱出した作業員1人にけがはなかったという。 | ||
想定されるノーズダウン現象岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル事故で、海底を掘り進む円筒形掘削機の後部とトンネル壁面との境界部に、隙間(すきま)が生じて落盤を引き起こし、大量の土砂や海水が流入した可能性が高いことが、工事関係者や専門家への取材で分かった。境界部は海底に出現した巨大なくぼみの位置とも一致。掘削機の電源喪失により掘削面と岩盤との圧力バランスの機能が失われるなどし、脆弱(ぜいじゃく)な地盤とも相まって掘削機(重さ141トン)の前部が沈む「ノーズダウン現象」が発生したとみられる。工事会社の鹿島などによると、今回採用したシールド工法では、横穴を1.4メートル掘り進むごとに壁面ブロック(セグメント)を組み上げていた。 社員が事故直前に現場を見たところ、作業員らは掘削作業を中断していた。その後、壁面ブロックを下から組み上げる作業に入り、天井部は壁面ブロックがまだはめられていないか、ブロックを固定するセメントが注入される前の段階だったとみられる。 トンネル内にいた現場責任者の渕原義信さん(61)は事故直前、地上に「漏電」「ブレーカー」と連絡した。電気系統のトラブルがあったとみられ、壁を支える油圧ジャッキが緊急停止したか、掘削面と地盤との間で圧力バランスが崩れるかした影響で掘削機を突っ張って支える機能が失われ、重量で掘削機が前のめりに沈んで、後部の天井に隙間ができた。このため落盤を引き起こした可能性が高いとみられている。 地質専門家によると、現場海域の海底は泥と砂が堆積(たいせき)した軟弱な層が広がり、深くくぼんでいる場所もある。10年前に今回と平行する形で行われた隣接トンネルの工事では、水や石が勢いよく噴き出す「噴発」のトラブルが起きていた。 シールド工法に詳しいトンネル工学の専門家は「掘削面の土砂の取り込み口は閉じられていたことから、前面からの出水はあり得ない。ノーズダウン現象が大規模に起きたと考えられる」と指摘している。 事故は14日で発生から1週間たつが、残る作業員3人の行方は依然として分かっていない。 【井上元宏】 | ||
岡山・倉敷の海底トンネル事故:天井部、強度不足か
岡山県倉敷市の海底トンネル事故で、工事会社の鹿島は21日、半分に割れた状態の壁面ブロック(セグメント)片が縦穴から見つかったことを明らかにした。事故当日の7日に天井部に設置されたブロックの可能性が高く、ここから大量の海水が流入したとみられる。ブロックの厚さは通常より薄かったとの指摘があり、ノーズダウン現象と呼ばれる掘削機の傾きなど何らかの理由で生じた想定外の圧力に耐えられず、割れた可能性が出ている。 |
毎日新聞 2012年2月22日 東京朝刊 |
京王線調布シールドトンネル布田付近 |
事故翌日〜アクセス殺到:日記#130 |
東京湾横断道トンネル、シールド工法構造図 推進ジャッキ(上下のピンク)がトンネル壁リングを押して反作用でマシンを推進 (担当JV発行パンフより) |
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