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他紙記事はどうかと図書館で探すとみつからない。朝日、読売、毎日、産経、赤旗全滅で、日経は持ち帰られたらしく不存在。覚醒剤使用で検挙された女性タレント保釈の記事に埋められたようだが、昨年5月の不発弾撤去騒ぎであれだけ盛り上がっておいて、そりゃあ冷たすぎませんかと思わず苦笑。あの騒ぎはTVワイドショーだけだったのか?あれから9ヶ月弱で貫通とは概ね順調に進んだ工事だ。
昨年6月国領縦坑から7mφ単線トンネルを掘り始め約860mを掘り終わって調布東縦坑に地下25mで到達、今後はマシンを引き上げて転向させ折り返して元の国領縦坑まで戻る逆線を掘るのだそうだ。柴崎(野川鉄橋西詰)〜西調布間2.8kmと相模原線調布〜京王多摩川間0.9kmを地下化し18個所の踏切を解消、京王本線と相模原線の平面交差と狭隘ホームの大混雑も解消する計画だ。元々は高架計画だったが、日照と騒音被害対策で両側に側道が義務付けられその地代で地下化とコストが変わらなくなり、地下化計画に切り替えられた。その辺は小田急下高井戸周辺の地下化変更と同様であり、小田急複々線化梅ヶ丘訴訟の反映と言って良い。2012年完工目標だからあと3〜4年で出来上がる。調布周辺の踏切による大渋滞は解消されるが、南北に抜ける道が少ないから地下化後は何処が隘路になるのだろう?渋滞が軽減されることは確かだが。
軟弱地盤の施工では、シールドマシンの切り羽を泥水で満たしたり、地盤を結氷させたり、かっては潜函で加圧して崩壊を防いで掘進し、土砂は泥水パイプなどで排出していたのだが、この調布トンネルはそのまま掘って剥き出しのベルトコンベアーで土砂を坑外に搬出している。
(See→4、左下がベルト、左上パイプは送気管、右上が高圧電源ケーブル。案内は昨年土木工学科を新卒入社の女性技術者Tさん。工科系の女性と言えば昔はそれなりの人が主だったけれどちゃんと公開できないのが残念、(公開に付き削除)なかなかの美形!隣を歩く某々プラント運転責任者氏もメロメロ(笑。女性はトンネル工事現場には立ち入らせて貰えなかった時代も続いたが「ユーラシア国技」大相撲界より先んじて陋習退治となっていた。頑張って優れた技術者に育って欲しい!)
トンネル壁を構成するセグメント(写真2)は近年鉄筋コンクリート製がほとんどなのだが、写真4でトンネル壁が黒く見える部分は鉄製で、その部分はボルト締め構造である。ここに開削工法で布田駅を作る時に取り外すとのこと。コンクリート製セグメントはボルト締めではなくピン留めになっていた。レール締結がボルト締めからパンドロールなどピン留めに変えて工数減を図っているのと同じだと思った。東京湾トンネルの締結ナットはM38でこぶし大もあった。
縦坑から搬入されたセグメントなどの資材は写真6のトロッコに載せられ写真5のバッテリー機関車に牽かれてシールドマシンに届けられトンネル壁となるリングに組み上げられる。
測距儀(写真9)はシールドマシンの計測標的を自動追尾し相対方位と距離を測って掘進位置を監視し設計した正規コースから外れないようにするためのものである。機能としては「トランシット+巻き尺+水平距離換算+標的自動追尾」の高精度のものだ。地上の3角点:基準点の絶対位置座標を基に、トンネル内に次々基準点を設けて、これとの相対位置関係でシールド機(に取り付けられた標的)の絶対位置を求めるものである。市販製品では標的にも拠るが最長で数100m〜数kmの距離を計測できる。
標的はどの方向から光を受けても等距離・同方向に反射する「測量標的用全反射鏡(光波測量用反射鏡:通称プリズム)」を用いている(16.図参照)が、光波(レーザ)測距儀での計測には必須の常識的アイテムだ。距離計測の全反射鏡は45度面に入射して2回反射して必ず元の方向に反射するのが特徴である。光路はどこを通っても最奥の直角部で反射したのと同じなので、光学レーザー測距儀を用いた測量用標的に用いる。1個〜遠距離計測には9個を並べた製品がある。(公称計測精度誤差1mm以内程度)
シールドマシンには長さがあるから、先端の掘進中心位置やセグメント組立中心位置を知るにはシールド機の方向が必要で、一般的には人手による測量で算出しているが、リアルタイムで方向を知るために、シールド機から測距儀を観測してその方向からシールド機自身の方位角を算出するとか、慣性ジャイロで基準点との相対差を計測する方法が採られる。
国領縦坑近くのトンネル壁に不発弾掘り出し地点を示す爆弾マーク有り(写真11)。マスコミサービス用の仕掛けか?しかし何処にも採用されず残念。不発弾処理直前に幾つものTV取材班が現場に来ていた(写真15)。s20年に撃墜されたB29から落ちた爆弾が不発でそのママ発見できずに'63年間埋まっていてこの工事の調査で発見されたものだそうだ。旧甲州街道側は発見以来丸24時間の厳重な警戒だったが、海側は広い畑で長い農道を線路際の柵まで自由に出入りできていた(写真12〜14、18)。
シールドマシンとは、円筒形のトンネル断面通りの本体筒の先端に回転カッターを付けて全断面で地盤を削り、その推進力はトンネル壁のリングと本体筒の間の全周に配した油圧ジャッキで得て、1リング分ずつ掘進してはジャッキを縮めた間隙にセグメントを組立ててリングを構成、すなわちトンネル壁を1リングずつ延長する方式を云う。リング長=セグメント幅は工事毎に選択するが1m程度。トンネル壁と地盤の間は砂や凝固剤などで埋め戻す。
特殊な例では円筒を横に2〜3本重ねた形のシールドマシンで駅部分を掘った例が営団地下鉄(東京地下鉄)にあり、それらの模型が東西線葛西駅高架下の地下鉄博物館に展示されている。See→日記#130 Last
その直径は、東京湾横断道トンネルで14mφでジャッキ48本、在来線ではジャッキが20本〜30余本、複線トンネルで10mφ前後、単線トンネルで7mφ程度であるが、新幹線は若干太め、リニア駆動の大江戸線は5.3mφ、下水道トンネルでは大小様々で2mφ程度もある。東京湾横断道はJVのパンフではトンネル径13.9mφとなっているが、カッターヘッド外径14.14mφ、切削外径14.17mφとも記載があり、その差は充填剤などで埋め戻している。リングと二次覆工の間に防水シートを挟んでいるなどをみても海底トンネルのため特に厳重な封止が必要なのだろう。
トンネル壁をカーブさせるのは斜断面のリングを混ぜることで方向転換を行っている。
シールドマシン推進用の油圧ジャッキは概ね1本100〜200トン余の最大推力があり、1本1本独立にon-offして掘進方向の制御を行う。シールドトンネル工事の現場では油圧ジャッキを「ピン」とも呼んでいる。
シールド工法の対象は土や砂礫であり、岩盤を掘るのはTBM(トンネルボーリングマシン)など様々な他の工法による。岩盤が200m前後と深い東京では開削工法を選べない土地ではシールド工法が主になっている。
このシールド工法は東京では主に地下鉄工事から採用され始めて一般化した。当初は縦坑間隔が僅か200mというのもあったが、今は数km以上を連続して掘り抜く様になった。長大なドーバー海峡トンネルにも日本製シールド機が参入している。
潜函による加圧状態で掘進したのは隅田川など下町の軟弱地盤帯を横切る地下鉄東西線などがあり、特に軟弱な部分は地盤を凍結して掘進した。東京湾横断道では川崎浮島縦坑発進時にも周囲の地盤を凍結させている。東西線は鉄製セグメントを使った。
東北新幹線の御徒町トンネルも潜函に拠る加圧で掘進していて、障害物に突き当たって除去処理をしている間に地盤が乾燥して潜函内の高圧空気が上被りの土を吹き飛ばしてしまい、その穴に通行中の車の転落する事故になった。掘進が停まった時点で地盤凝固剤注入を充分にしていたら避けられた事故だが、その原因究明まで日本中のシールド工事が停められた。
総武・横須賀線東京トンネルも大部分がシールドトンネルである。両国駅脇の隅田川トンネルは沈埋函工法で、陸で建造したケーソンを総武線隅田川鉄橋の下に斜めに沈めてトンネルにしているが、その東京寄りからはシールドトンネルだ。京浜急行羽田線の天空橋駅先の800R手前から羽田空港駅ダブルクロス手前までが単線×2の泥水シールド工法区間。先出の東京湾横断道トンネルも泥水シールド工法で、貫通直前の50mほどは「慎重に」掘り進めて貫通部付近では地盤を凍結させて掘進しシールド機同士を連結している。「慎重に」とは先進ボーリングでシールド機同士の相対位置関係を計測して発進以降累積した掘進誤差を吸収させる(=設計変更:貫通計画線設定を行う)ことである。無修正では測量精度による誤差を残しているので滑らかに繋ぐには貫通前の現物合わせが必要だ。飯田橋−市ヶ谷−四谷間の外堀沿い地下鉄路線(有楽町線、南北線)も駅間がシールド工法だ。
京王線国領不発弾処理現場 08/05/16 |
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BUILDUP REPORT [京王調布立体化第2工区]大林組
現場見学を案内して戴いた大林組T氏のREPORT。当ページ写真4の後ろ姿左側の方。サイトのTopにあったので写真から直リンク。
戸田建設 Zoom UP 現場(第6工区) 相模原線品川道坑〜
調布駅付近連続立体交差事業:京王電鉄
調布の地下にトンネルが!! 京王線連続立体交差事業視察報告 ドゥマンジュ恭子:NET市議
京王線連続立体交差事業 平成19年11月現在の状況 林あきひろ:自民市議
岸本なお子のMama通信 - 調布駅の橋上化・・・・・ホームの下では・・・・・ 共産市議
いび通信 - 京王線調布駅仮駅舎見学会…線路の下を見てきた:井樋匡利:共産市議
市議会議員のレポートばかりなのは、一般人は見学が難しいからなのか?一般人はこのページくらいしか見あたらないが。