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尼崎事故発生のJR西日本歴代3社長の過失責任の有無について検察審査会が予想通り不起訴決定を覆して起訴相当の議決を行い、これは検察審査会法の改正を受けて裁判所指名の弁護士により強制起訴の予定と報じられました(右カコミ記事参照)。
井手氏ら絶対的権力を握っていた歴代3社長がお構いなしで、処分権を十分には与えられていなかった技術系幹部(鉄道本部長)で事故当時は子会社社長で事故後の改善の先頭だった山崎4代目社長のみの起訴という検察の処分では、稼ぐ最優先の真の原因者が免罪されて、技術系のエラーに集約されて逆のメッセージになっていましたから今般の検察審査会の起訴相当議決でようやく均衡の取れた処分になりました。
[See]→
日記#219=
不公平な従属的技系幹部だけの起訴
懲罰的日勤教育こそ重要な事故誘因,
日記#228=
歴代社長、懲罰的日勤教育推進者は訴追されるべき
この議決について、予見可能性がどうのこうのと検察の不起訴理由をなぞった「厳密な立証」を口実の免罪論が根強く流布されていますが、国鉄分割民営化の立役者にだけ特に厳密な責任立証を求めるのは妥当じゃありません。審査会起訴相当議決と同時期に報じられた、校舎屋上明かり取り窓からの学童転落事故で校長と担任が業務上過失致死を問われて罰金の簡易起訴で決着していますが、この事故の方がよほど「予見可能性」は低いでしょう。
原因は、「天窓」であるプラスチックの明かり取りドームが、子供が上に乗って暴れるには元々強度不足なのに加えて、紫外線などによる経年劣化で脆くなっていて踏み抜いて落下してしまった訳で、強度と防護柵については設計設置側の責任とも云うべきものでしたが、校長と担任教諭がその措置を取らず、ドームに乗って遊んでいるのをみても注意しなかったことを理由に刑事責任を問われています。
工学系からみれば、経年劣化の著しい合成樹脂素材に半永久的強度を期待する方が誤りで、人が立ち入る場所であれば柵でガードするなり、寿命を設定して定期交換するなりの策は必須で、建築側の責任が大きい様に見えます。
先日、山手貨物線(湘南新宿、埼京、NEX)の五反田駅付近で電車が通信ケーブルを引っ掛けて架線と混触し長時間不通になりましたが、その原因は通信ケーブルの屋外敷設に固定具ではなく、筐体内などでの配線結束用でナイロンやポリプロピレン製の結束帯=インシュレータで取り付けていたため直射日光の紫外線で劣化し工事から1年余で外れて垂れ下がって事故になったもの。臨時雇いでなく、そこそこの経験ある常用の技術者だったらまず知っていたでしょう。TVアンテナの並行フィーダーやそれを支えるインシュレータが経年でボロボロになるのはメンテ経験があれば誰でも知っています。
私自身の最近の体験でも、インバータ式蛍光灯シーリングライトの修理を4基ほど手掛けましたが、蛍光管を保持するポリカーボネイト樹脂と思われる透明の部品がボロボロになっていてランプ交換だけで折損してしまい、仕方がないので測量用のナイロン道糸で蛍光管を釣って応急修理しましたが、高照度型102W〜144W (=30W+32W+40W →細管27W+34W+41W →高出力細管38W+48W+58W)機とはいえ、人工光による経年劣化で、たった8年(灯具増設時)〜18年余(=新築時設置:器具製造印は'92年製で符合)でプラスティックスがボロボロというのには驚きました。
これを機に身の回りを点検しましたが一定の強度を要するプラスティックスの寿命というのは概ね10年前後の様です。洗濯機を置く丈夫なプラスティク台(洗濯機防水パン)は、洗濯機の足が当たる部分4個所がボロボロになって2個所は床に突き抜ける大穴が空いて、2個所は八方にヒビが走って裏に抜けていますし、洗面台の収納棚を支えるポリアセタール樹脂の部品は2個とも真っ二つに飛び散ってネジだけ残して棚が落ちています。また食器戸棚やテーブル、椅子などの家具も10年余で接着剤が劣化して木組みが緩んでガタガタになっていましたので接合面に接着剤を塗って締め上げて組み直しました。ヒビに気付いて3mm厚ベニヤ板をクッションに挟んだ足からはそれ以上ひび割れが拡がりませんでしたから、丈夫なはずのプラスティックが一番薄いベニヤ板より脆く弱く劣化したことになります(防水パン自体は銘板をみるとNationalロゴの松下電工製で粗悪品ではない様です)。テーブルタップも硬化していてひび割れなど劣化が目立つものは交換、ADSLモデムケーブルも7年ほどでかなり硬化していて既に何本か交換しています。こうした経年劣化は消耗部の寿命と割り切って定期交換するか、劣化のない金属製を選ぶ方が良いでしょう。
しかし、一般人がそのプラスティックの経年劣化と脆弱性を知っていたかとなるとかなり疑問があります。特に教職者は1か0かの思考法に慣れて、五十歩と百歩の違いを重視する理工系型評価ではなく、歩んだ事実には本質的差違がないという考え方をしがちな人達なのに、建造物の一部である天窓の明かり取りドームが劣化して子供が乗っただけで壊れるかも知れないなんて発想は、材料強度が全くの専門外だけになかなか困難だったのではないかという疑問があります。設計者がその注意義務違反、過失責任を問われたのであればまだ納得性はあるのですが、ユーザー側である教員だけが刑事責任を問われた処罰は如何なものかという抵抗感はぬぐえません。
この事件の刑事処分に比べたら、曲線での過速度転覆脱線である尼崎転覆事故の予見可能性は審査会議決のようによほどハッキリしていて、検察が何をためらって不起訴処分としたのか大変いぶかしく思います。
老人世帯で視感度が落ちているため部屋の照度を2倍〜3倍以上高めにする必要があって、高効率高照度の店舗・事務所用の65W直管器具(FL65D管)も使っていましたが、流石にそちらは保持部であるソケットに丈夫な樹脂が使われていて18年経過していても崩壊することはありませんでした。家庭用電気器具というのは業務用よりかなりヤワに出来ているのが分かります。
外付きにした電源コンデンサー 200WV 100μF 85℃ (FCL-30:30W天井灯器具) |
ボロボロの蛍光管ホルダ(透明樹脂が黄化) インバータ高照度細管3管式144W器具 |
劣化折損したポリアセタール樹脂製部品と補修接着 合成樹脂が経年劣化は予想を遙かに超えるもの。こんなにも脆弱なものだとは!ケーブルを結束帯で屋外の手摺に止めて設置したというのはあまりの無茶(JR東日本通信インフラ工事で五反田駅で支障) |
100V40W単管ラピッドスタート高力率型安定器 (FL-40:40W天井直付器具)温度フューズ無? |
ボロボロに劣化破損した洗濯機パン 800W×640D Nationalブランド |
ケースが膨らんだ容量抜け不良の 電解コンデンサー(ケミコン) |
[インバータ蛍光灯器具修理]
インバーター式蛍光灯器具は吊り掛け改造に加え、本来の修理としては、
容量抜けコンデンサーは105℃定格なのを、手許にあった85℃定格で間に合わしたところみるみる減光して1ヶ月後には使い物にならないほどに劣化。そこでコンデンサーを器具外に取り付けて配線して使用中。最近は秋葉原で売られるケミコンが従前の85℃定格から105℃定格に切り替わりました。それを使えばコンデンサーを外付けにする必要はありませんが、熱気の抜ける穴を開けた方が熱劣化を防げるでしょう。 |
外径730φの144W高照度シーリングライト(天井灯)が、天井への取付ネジごと根本からテーブル上に落下して、半透明プラスティックカバーに多数のヒビが入っています。
そうなった原因は、天井コネクターをネジ止めしている石膏ボードがグズグズに崩れてネジが抜けたためですが、そうなったのは蛍光灯器具を天井に位置固定するスポンジが経年劣化してドロドロになり使えなくなったので撤去して使っていて、照明器具半透明カバーの止め構造が外周部にあり、その着脱トルクにコネクター取付部の石膏ボードが耐えられず次第にグズグズになっての落下と判明。
スポンジなんてちょっと温度が高い処に使えば数年でドロドロになるもので、位置決めには不適な材料ですから、蛍光灯器具が回転しないための固定足を付けてない構造欠陥によるトラブルで、他でも多発している可能性があります。
幸い人身事故にならずに済み、落下した器具も元通り動作しましたが、設計の欠陥であることは確かです。発火事故ではないからリコール対象かどうかは微妙とはいえ困った構造です。他にも同一構造のシーリングライトも3個所ほど心当たりがあり事故防止に位置固定しなければいけません。
事故個所は取り敢えずインバータ式102Wペンダント型器具(吊り下げ式)を取付ましたが、光源の位置がシーリングライトより50cm下がり、壁など周囲は心持ち照度が下がったため、総光量は減っているはずなのに却って明るく感じます。
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