(2)知事との懇談で悔しい思い
3年生になった優君は「笑顔の会」の中心としてがんばってきました。優君は1年のとき橋下知事との懇談にも参加しました。その時の知事と高校生のやり取りは以下のような内容でした。
- 生徒
- 知事の政策では、私達高校生は笑顔になれません。私達の声を政策に結びつけ大阪の未来につなげてほしい。
- 橋下知事
- 高校生だからと言って容赦はしない。政治的主張をするなら「子どものたわごと」にならないよう社会の実態も調べているはずだから、僕もきびしく反論する。
- 生徒
- 私学には、決して裕福な人たちが通っているわけではありません。私はいじめで不登校になり、内申点がないために公立にはいけませんでした。
- 橋下知事
- なぜ不登校になったとき、転校して学校へ行けるようにしなかったのか。
- 生徒
- 不登校で勉強についていけなくなり、先生が「この学校ならきっと頑張れる」と薦めてくれた私立学校を選んだ。
- 橋下知事
- 追いつこうと思えば公立に入っても努力すればできる。いいものを選ぺば値段がかかるのは当たり前だ。
- 生徒
- 府立高校統廃合で、文化祭や体育祭、伝統あるクラブがどうなるか不安です。非常勤補助員の先生たちを辞めきせないでほしい。
- 橋下知事
- この世の中でどれだけ会社がつぶれて、失業者が出ているのか分かっているのか。
- 生徒
- 非正規雇用で悩んでいる若者がいっぱいいたり、リストラで困っていたりする人がいるのは知っています。だからこそ、教育や福祉に税金を使うべきです。
- 橋下知事
- そんなことは、あなたが政治家になってやってください。
- 生徒
- 今、苦しんでいる高校生がいっぱいいます。私が政治家になってからでは遅いんです。
- 橋下知事
- 「子どもが笑う大阪」と言う公約はみなさんを笑わせるためではない。今の大阪の借金を食い止めもっと小さい子どもが全部借金を背負わなくてもいいようにするのが私の務めである。
- 生徒
- 私学助成が削られれば、学枚に通えない生徒も出てきます。
- 橋下知事
- 公立に入れるよう一生懸命努力しなくては。
- 生徒
- 定員があって公立に全員は入れるわけではありません。公立にいけなかったのは私達の自己責任ですか。
- 橋下知事
- 競争がなかったら人間は努カをしなくなる。今の日本は自己責任が原則。それがいやなら日本から出て行くしかない。
- 橋下知事
- 高校の教育では、社会で生きていくために役立つことなど何も教えてくれない。社会で生きていくには読み書き・そろばんができれば十分、化学式やサイン・コサイン・三角なんたらなどなんの役にもたたない。義務教育までの力があれば社会のことは分かる。高校で学んでいるのは大学受験のためのもの。学ぷ権利の保障は義務教育までのこと。
- 生徒
- 数育は憲法で保障きれた権利です。義務教育まででいいとは書いていません。私達は、高校で平和についでや権利について、社会につながる重要なことを学んでいます。
- 橋下知事
- 君たちもあと5年10年したら分かること。
当初10分だけと言われていた懇談は、1時間半に及ぷ激しい生徒と知事のバトルとなりました。
生徒たちは時には涙を流しながらも、一歩も知事に引けを取らず堂々と自分たちの意見を主張しました。
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