注水中断なしは他幹部も知っていた
週刊朝日'11/07/22号p141第4段L−7〜
福島原発最高幹部匿名氏談
全面停電で冷却不能に陥り暴走を始めた原発を爆発させないために必死の手立てを取っているときに、海水注入中断は絶対に有り得ず、それは東電幹部の一部も知っていたはずだが、行き掛かり上訂正できず、「吉田所長の独断で給水継続」として政府・管首相との関係を切り抜けた。
後知恵でいくらでも脚色できる面はあるが、これは拾って良い「事実」だと思う。本社技術系幹部が冷却の絶対的重要性を知らなかったというのはなかなか考えがたいからだ。しかし主力の文系幹部は迎合方針だったのだろう。現地で奮闘する吉田所長だけに管首相支持無視の正当操作決定の責任を負って貰う、打撃最小の巧みな方針。事故現場で命がけの陣頭指揮で技術的には正しかった所長は現場からは外せない。
しかしこれで東電の発表は、益々真相との意図的乖離を疑われるようになって諸刃の刃になった。本来は、イラ管相手に迎合することなくストレートに技術解説して半可通指示命令を引っ込ませるべきであった。公聴会のやらせなどで騙してばかりだから、技術的に絶対譲ってはならない事項で断固突っ張ることが出来なくなったのだろうか?
また、建屋カバー設置は放射能の飛散防止目的ではなくGoogle Earth等で世界に実情が曝されるのを避けるための本店主導・政府同意の愚行らしい。現在はGoogle Earthで「福島第1原発」を検索すると、鉄骨剥き出しに吹き飛んでいるナマの事故現場がそのまま見えている。
'11/07/13追記
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