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自然発火の可能性も捨てないで!
続発の乳幼児焼死事故

自然発火と思われる自動車火災

2007/06/06海浜幕張See→#160

車内は跡形もなく全焼、外殻のみ残る
 右の写真はショッピングセンターの駐車場に留めた無人の車両から出火して両隣を含む3台が全焼した2007/06/06 17:35頃の火災です。夕方の買い物ラッシュで駐車場係員が数名いて、客案内誘導している時の出火で、すぐ発見されて消火器で消火が試みられましたがすぐ燃え上がって全焼に至ったものですが、延焼した乗用車も小型の作業トラックも車内に特に燃えやすいものを積んでいた様子はなく、火元からの強い輻射熱で発火してみるみる炎に包まれたものです。
 車は動力源として元々燃えやすいガソリンやLNG/LPGを大量に積んでおり、何等かの経路で防火・防爆システムが破れると爆発的に燃焼するものです。

 続けざまに報じられている乳幼児が焼死した自動車火災事故は報道記事をみる限り「ライターによる火遊び」として処理される模様ですが、無人でも発火する事故ではなかったのか、具体的証拠に基づいた特に慎重な調査が望まれます。家族である事故当事者に冷静沈着な判断は難しく、主観的に原因を自分の身近に抱え込んでしまっている危険があります。自動車の発火事故自体は少なくなく、そういう中でのライターでの火遊び事故「連続発生」というのは当事者と捜査機関の主観的偏りを危惧するものです。
 かって某メーカー車がやたらに火を噴くかの報道が多発しましたが、実際の発生率をみれば他社と変わらない実質誤報だった訳ですが、本質はクレーム隠しに狂奔してユーザーに責任を押しつけた姿勢が嫌われた訳で「○○車はそんなに悪いのか?」などのヨイショキャンペーンは全く的外れでした。
 同様に組合潰し御用支配に狂奔してトヨタの製品コンセプトを追うだけたった日産がプリンスの技術を食い潰しても結局は倒れたように、力尽くのやり方をみたユーザーはそれが我が身に降り掛かることを嫌って敬遠するのでしょう。

割れる評価、慧眼か?第2の川島令三か?
「JALが危ない」広岡友紀著         <2>

 JALが準倒産扱いで経営再建が試みられていますが、そのものズバリの「JALが危ない/全日空に比べなぜトラブルが多いのか」と題する本が2006/03/15付けでエール出版から出ています。著者は彼の「「電車の進化」大研究」(See→#206)の広岡友紀氏。日航の破綻を4年前に具体的理由を挙げて予言した卓見の書などと持ち上げて増刷されるかも知れませんが、酷い歪曲や誇張も散見されて読んでいてかなり疲れるアジテータ的本でした。同時期に読んだ山之内秀一郎著「JR改革はなぜ成功したか」は、到底同意できない事実認識と評価を含みながらもすんなり読めたのに、広岡JAL本の方は元航空関係者とあって具体的で同意できる点も多くあるのですが、引っかかり引っかかりで読破に4倍〜5倍の時間が掛かってぐったりの激疲労。

 例えば全日空雫石空中衝突事故について、自衛隊が民間航空機を標的に邀撃訓練をしていた事実と、飛行訓練中に見張り不十分で旅客機の航空路に割り込んで衝突事故に至ったことを繋げて「かって全日空は岩手県雫石上空で札幌発東京行きの同社ボーイング727-200型機が自衛隊訓練機の仮想敵機にされ撃墜されるという言語道断な行為の被害を受けている」(p83L6)として強烈なアジテーション型歪曲記述をしていたり、雫石事故以降の全日空の乗客死亡事故ゼロに対し日航がクアラルンプール、モスクワ、・・・・御巣鷹山まで事故の連続という指摘は当たっていても、ボーイング747-SRが全世界で日航と全日空しか使ってない機体で日航のみ事故を起こしたのは日航の体制が悪い(p66〜他)とまで書いてしまうと若干煽りが烈しすぎるように思えます。尻餅事故とその修理不良の見逃しに拠る御巣鷹山事故ですから、日航の劣悪な体制の影響があったにしても歯切れが良すぎる記述。

 日航123便御巣鷹山墜落事故についても、尻餅着陸後の圧力隔壁修理ミス見逃しや、飛行中の異常振動情報が集約・検討されずに放置されていたことを糾弾するのは妥当ですが、相模湾上で異常発生後に機長が羽田引き返しを決めたことを烈しく糾弾して、自衛隊浜松基地や名古屋空港、横田基地、海上着水を選ばなかった判断について、当初は方向舵以外は効いていた油圧が迷走中に効かなくなって墜落に至ったと非難しているが(p69〜)、油圧が急激に効かなくなって高度維持も方向制御も覚束なくなり左右エンジンの推力調整で操縦して制御困難で迷走した時系列を無視した、言い掛かりに近い非難を加えているのは戴けません。どっちにしろ油圧低下でコントロールを失って迷走でしょう。
 後知恵で、一刻も早く非常着水していたら生存者が増えた可能性はあるけれど、機のダメージの全体像を掴めない状況で、エンジンは正常に働いているのに多数の死者が出る可能性の大きい着水という選択を迫るのは無茶でしょう。(自衛隊の存在自体は憲法違反であり紛争地域・戦闘地帯への海外派兵など2重の違反だとは思っていますが、事実とは違うアジテーションをやられると武装組織自衛隊の威嚇付きキャンペーンが通りやすくなり田母神前幕僚長の様な無思慮低レベルな御仁が実権を握りやすくなってしまいます。日韓併合の時も着剣した軍で宮殿を取り囲んで取り囲んで、拒否したら殺害する体制で女性摂政に日本との統合条約に署名させましたしねぇ。あのやり方が正当なら傷害を伴わない強盗罪は存在しなくなります)

 その辺で突然の論理の飛躍が現れる玉石混淆の言いたい放題本で、妥当な主張が幾つかあったにしても、これは危なっかしい第2の川島令三本!と注意深く読んでいて疲労困憊の本ではありました。妥当な主張もあり、慎重に書けば良い本になるのに、このままでは技術的なデタラメ記事で批判を浴びる川島令三2世になりそう。前出著書「「電車の進化」大研究」での不正確さ極端さはこの著者固有の特性だと思うようになりました。

2010/04/10 01:55

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