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Geo日記
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[118]. 測候所原則廃止は災害抑止に逆行

  昨年末の羽越線突風脱線転覆事故を受けて気象データの気象台との共有で危険予測法の開発を求められていたが,このたび気象庁はその気象災害の予測に欠かせない測候所を今後5年間で原則廃止の方針を決めたと報じられた(5/14).

気象庁
  測候所を原則廃止へ

 気象庁は十三日までに全国四十六カ所にある測候所を今後五年間で原則廃止する方針を決めた。政府の「行政減量・効率化有識者会議」に提出した公務員削減案に明記した。廃止に向けて、住民からの問い合わせに対応する業務の遠隔化、自動観測システムの導入などを促進する考えだ。

 測候所は気象や地震、火山、海洋などの観測・通報のほか、桜の開花宣言なども実施している。気象庁はこれまでも合理化を理由に各測候所の無人化・廃止を進めてきたが、地域の防災活動にも役割を果たしてきた測候所の全廃には、反対も出そうだ。

 気象庁の削減案によると、四十六の測候所に関係する要員は現在計四百五十四人で、自動観測システム導入による無人化などで計三百三十八人を削減。測候所は廃止するが、無人化が困難な火山監視や高層気象の観測などの業務は近隣の気象台などに要員を集約して継続する。
           東京新聞 5/14朝刊

 これは気象観測と予報を業務とする役所の根幹の業務を投げ捨てる自己否定の策だし,気象災害予防重視とする国交省方針にも反する愚行ではないだろうか.こういうものこそ国交相の指導力を発揮して国民生活を災害から守る現場を守るべきだろう.誤報の尻馬に乗った外れた指示で事故復旧を遅らせた愚の穴埋めをして貰いたいものだ.
 繰り返しで再現性のある現象は観測機器と数値処理でおおよその判断指標を出せるが,羽越線転覆事故の様な数値予測不能な局地的突風発生の可能性などは当面気象の専門知識による人の判断に委ねるほかないだろう.
 切迫した危険事態発生の可能性が見えるのに,確度が低く空振りのリスクがあるからとか,逆に異変を拾えず事故になると生け贄の刑事責任を問われかねないとかの理由で判断を避け,総て機械任せにする方向はまともではない.
 現在システムに判断を委ねているものは人による判断の膨大な蓄積であることを忘れて貰っては困る.

2006/05/14 22:00
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