[ 問題提起 ]
【 信号・標識・保安設備について語るスレ2 】>73
:04/03/14 21:25 ID:dEm+OtRo
小田急が面白い過走防止時素速照をやってます。JRやKO式の速照対方式ではなく、7個1組(0〜6)で、6径間速照をやってるとしか考えられない配置! 設置位置に自由度が少ないけど、車上装置の工夫で地上子数がJR方式の1/2+1個で済む。
う〜む。ナルホド!うまい!新宿は同方式でもっと多かったけどいくつだったか忘れた(w 。設置位置決定式はどうなってるんでしょう?OERの常時速照は23km/hと18km/hでしたっけ??
Http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/train/1077350451/73n
【 解析&試算 】
時素計測が「立ち上がり」または「立ち下がり」で動作する方式に統一されている
(下図)ものとすると、解析・設定・調整が楽なので、取りあえずこれを採用(注:国鉄・
JRの
Sx系では「立ち下がり」から「立ち上がり」という内法のタイミングで速度を照査する方式なので、地上子有効幅やコイルの結合度が誤差として影響しやすい)。ブレーキ応答の遅れは無視。
重要な着目点は「車上タイマーによる速度照査」=どの径間も共通のタイマー時素
Tsで比較動作すること。
私鉄の場合、初速
V0は信号速照で保障されているので、重ねての照査は無用。
地上子数
nを元に速度照査段階を求めると、この方式は原理的に0速照不能なので、ここに直下地上子非常制動を割当て、
「等減速度」を前提にすれば初速
V0を径間数(=地上子数
n)等分したものになる。一方、最終照査速度で定速度で仮想減速パターンに当たると考えれば
(n−0.5)等分となり、最上位がその
0.5/dランクになる訳だから、双方で照査段階を試算・設定する。
この速度段階を常用減速度
βで割れば、照査タイマー
Tsを求めることができる。
すなわち速度段階と減速度とから地上子設置位置を算出、d=n、or (n−0.5)として
1段階減速 Vst=初速V0/d
| 従って速度段階 Vi
=V0/d*i ………… i=1〜n−1
| 減速度 β | =Vst/Ts=V0/d/Ts
設置位置 Li
=V^2/(7.2β)=Vi^2/{7.2*V0/d/Ts}
| | =Vi^2*dTs/(7.2*V0)
| | ={V0/d*i}^2*dTs/(7.2*V0)
|
| ={V0*Ts/(7.2d)}*i^2={V1*Ts/7.2}*i^2
| | | | |
以上より
【 OERの設定を推定する 】と
V0=18km/h、n=7 として、分割数
dは
7、or
6.5 だから、
V1=18/d*1=2.57〜2.77 km/h/区
この減速を
Tsで行う想定だから、
JR並の
Ts=0.5秒では想定減速度
5.14〜5.54 km/h/sとなり実現不能で、ここは
Ts=1秒、想定標準減速度
2.57〜2.77 km/h/sが妥当なところだろう(注:営団標準
加速度=3.3km/h/s)。
以上より、地上子番号
i、速照値
Vi、地上子位置
Liは次図(表)の通り。
(上図:等分、中図:最上位1/2、下参考図:等間隔)
(均等分割)
i | Vi [km/h] | Li [m] |
| m | 等速 [km/h] | # | 備考
|
---|
| | | | | |
|
0 | 0.00 | 0.000 | 0.357 | 1.29 | −
| 時素 Ts =1秒
|
---|
1 | 2.57 | 0.357 | 1.071 | 3.86 | 0
|
---|
2 | 5.14 | 1.429 | 1.786 | 6.43 | 1
|
---|
3 | 7.71 | 3.214 | 2.500 | 9.00 | 2
|
---|
4 | 10.29 | 5.714 | 3.214 | 11.57 | 3
|
---|
5 | 12.86 | 8.929 | 3.929 | 14.14 | 4
|
---|
6 | 15.43 | 12.857 | 4.643 | 16.71 | 5
|
---|
7 | 18.00 start | 17.500 | − | − | 6 | 18km/h 等減速 度進入
|
---|
(最上位1/2分割)
i | Vi [km/h] | Li [m] |
| 差 | 等速 [km/h] | # | 備考
|
---|
| | | | | |
|
0 | 0.00 | 0.000 | 0.385 | 1.38 | −
| 時素 Ts =1秒
|
---|
1 | 2.77 | 0.385 | 1.154 | 4.15 | 0
|
---|
2 | 5.54 | 1.538 | 1.923 | 6.92 | 1
|
---|
3 | 8.31 | 3.462 | 2.692 | 9.69 | 2
|
---|
4 | 11.08 | 6.154 | 3.462 | 12.46 | 3
|
---|
5 | 13.85 | 9.615 | 4.231 | 15.23 | 4
|
---|
6 | 16.62 | 13.846 | 5.000 | 18.00 | 5
|
---|
7 | start (18.00 | 18.846 | − | − | 6
| 18km/h 等速度 進入
|
---|
- 算出した設置位置から考察すると地上子有効幅より短い値が考えられ「内法」動作でないと設定不可能の可能性がある。JR式はST、SN共に内法だから起動側は立ち下げ動作だが照査側は立ち上がり動作である。小田急も実は車上回路を簡略化できる内法方式なのだろうが、超低速側は問題ないのと、現場の設置調整の容易さを考えると回路屋としては立ち上がり方式がお勧めだが。(実地調査例は図をクリックする)
- 地上子配置は「減速距離均等割り方式」ではなく「速度均等割り方式」になる。
新宿駅過走防止装置:時素1秒18km/hを12分割
i | | Vi km/h
| Li [m] | m | 等速 km/h |
| i | Vi km/h | Li [m] | m
| 等速 km/h | | 備考
|
---|
| | | | | | | | | |
|
0 | 0.0 | 0.000 | 0.42 | 1.5 | 7 | 10.5 | 11.67 | 3.33 | 12.0
| 時素 Ts= 1秒
|
---|
1 | 1.5 | 0.42 | 0.83 | 3.0 | 8 | 12.0 | 15.00 | 3.75 | 13.5
|
2 | 3.0 | 1.25 | 1.25 | 4.5 | 9 | 13.5 | 18.75 | 4.17 | 15.0
|
3 | 4.5 | 2.50 | 1.67 | 6.0 | 10 | 15.0 | 22.92 | 4.58 | 16.5
|
4 | 6.0 | 4.17 | 2.08 | 7.5 | 11 | 16.5 | 27.50 | 5.00 | 18.0
|
5 | 7.5 | 6.25 | 2.50 | 9.0 | 12 | 18.0 | 32.50 | 5.42 | (19.5
| Top
|
---|
6 | 9.0 | 8.75 | 2.92 | 10.5 | 13 | 19.5 | 37.92 | − | (21.0
|
|
- 等減速分割なので速度段により過走距離が増減し最低速段はほとんど意味がなくなる。その点では点速照は等間隔設置が望ましいが、最低速段を省略するとか、想定パターンが常用制動で、実際は非常制動なので打ち消されて大きな支障はない。
- 高価な地上子を半分+1近くまで少なく出来る良く工夫された方式
- 等分方式でも、最上位1/2方式でも大差ないので、等分方式が妥当と思われる。
- 下図&右表は新宿駅で用いられる端頭駅用の厳重な過走防止装置の設営状態の推定図である。急行特急ホームでざっと見ただけだが、速照地上子の先頭は50m前後に有るように思えた。しかし、それでは進入速度設定が上がるか時素が1秒より更に長くなる。残念ながらあの雑踏で測量するのは難しい。速照地上子は12個11径間と思われる。
青線が1.5km/h/sの制動曲線、赤線はその0.5秒手前の制動指令点、緑線は非常制動4.0km/h/sの制動曲線で、過速の場合にこれで強制停止する。分割数が多いので過走が極めて少なくなり、1径間先行配置型に近い特性となる。
(以下の図は推定値)
- [参考図]地上子対等間隔配置=減速距離均等割方式
速照点配置としては、2乗値均等割であるこの方式の方が合理的だが、ST など現実の時素速照点配置をみると速度均等割基準で設置と思われる。それなら小田急方式は地上子が半分+1で済み、コスト的に優れている。
(過走防御=Y現示速度防御、信号全速防御=不使用)
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