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津波の恐怖知り尽くすまもなく一年を迎える東日本大震災。東京電力福島第一原発とは対照的に、東北電力女川原発(宮城県女川町)は大事故には至らなかった。海面から一四・八bの高台に原発を立地、引き波時にも冷却水を確保できる構造は、津波の恐ろしさを知り尽くした元副社長らが、最大限慎重な設計をした産物だった。 (池田宏之)伝承女川原発は、何度も津波の被害を受けた三陸のリアス式海岸の南部に立地する。周辺には内陸部まで津波が迫った伝承が多い。八六九(貞観十一)年の貞観津波、一六一一(慶長十六)年の慶長津波では、ともに当時の海岸線から四`以上離れた場所で津波の痕跡が確認されている。 そんな地域に生まれ育った東北電力の元副社長が、1号機の建設時、強硬に「高さ十五b」を主張した。故平井弥之助氏(一九〇二〜八六)。副社長を退任後、電力中央研究所に移り、女川原発建設に向けた社内の「海岸施設研究委員会」のメンバーとなった。 女川原発救った眼力平井氏の実家(宮城県岩沼市)近くには、千貫神社がある。今の海岸線から七`以上内陸にあるが、仙台藩に伝わる記録では慶長津波が到達した。東京帝国大(現東京大)の後輩で、東北電力で土木を担当した大島達治さん(八二)によると、平井氏はしばしば千貫神社に津波が到達したことに触れ、「貞観津波クラスの大津波に備える必要がある」と力説していた、という。 高さ15bの建設主張
女川原発の敷地をめぐっては、社内で十二b程度で十分とする意見もあった。だが平井氏は譲らず、社内の検討委員会も十五bを妥当と結論づけた。 |
震災
「東日本犬震災は1000年に一度と言われるが浦安は震度5強。この程度の揺れで家が傾くなんて地震対策がなされていなかったとしか考えられません」 |
引き波対策構造図 (プールに冷却水を確保。東京新聞12/3/7朝刊) |
泥水で埋め立てるのが普通だった |
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