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E5系のブレーキ装置が
 外資発注になった理由は?

【ドイツ製に奪われたブレーキ装置受注】

最新鋭新幹線「はやぶさ」
ブレーキは独製
JR東日本、初の外資発注

         2011/02/05 日経13版9面第2Top

 東日本旅客鉄道(JR東日本)が3月に投入する最新鋭の新幹線「はやぶさ」のブレーキ装置に、ドイツ社の製品が採用されることが分かった。時速320`bの高速運転に日本製品が対応できなかったためで、新幹線ブレーキへの外資参入は今回が初めて。日本技術の集大成を売りにしてきた新幹線だが、外資の追い上げで競争環境が変わりつつある。

 採用するのはドイツの大手メーカー、クノールブレムゼ社製のディスクブレーキ装置。東北新幹線の新型車両、E5系「はやぶさ」向けで、初期投入の3編成30両のうち24両で搭載が決まっている。
 同装置はこれまで三菱重工業、住友金属工業、曙ブレーキ工業が主に手掛けてきたが、今回は外資が競り勝った格好だ。

 JR東日本は2005年のE5系の試験線の開発時からクノール製品を採用。当時は同社が目指す営業時速320〜360`bを前提とした新幹線が日本になく、メーカーも対応できるブレーキを手掛けてこなかった。
 クノールはドイツの高速鉄道「ICE」で時速300`b超の営業走行実績があり、JR東日本の要望に沿ったブレーキ開発を提案できたもようだ。

 日本での新幹線開発はJRなど鉄道会社とメーカーが一体で進めるため、主要部品での外資の参入は困難とされてきた。ただ「速度や強度など世界レベルの技術開発は欧州が先行している面もある」(メーカー関係者)。JR東日本は新幹線の輸出を進めており、海外で通じる技術総合力を高めたい考え。外資開放を機に関連メーカー間の競争が国際レベルで進む可能性もある。

 右枠「ドイツ製に奪われたブレーキ装置受注」という記事をみて、とっさにひらめいたのが、日本のブレーキライニングメーカーが新幹線の360km/hに対応できるブレーキ試験装置を持っていないため、既に300km/h超での実運行データを出せた欧州系メーカに取られたのだろうか!?その高速仕様を明文として要求したのは日立製作所ではないのか?!と思ってしまいました。

 長年のライニング開発担当氏に疑問をぶつけると「ドイツ製選択の事情を直には知らないが、考えられるのは、石綿禁止で新素材のライニングを開発した時に、日本は有機物系の繊維を混ぜて強度を出して、非常に好成績を収めたが、ヨーロッパ系は金属繊維に替えたため、超高速領域の制動特性低下が少なくて日本製ライニングと逆転するのではないか?
 しかし、車では摩耗粉汚れのユーザークレーム率が、日本製ライニングだと1%くらいだが、ドイツ製は15%もあって、日本の感覚じゃあやってられない。高級車のベンツやBMW車じゃクレームになりやすいが、大衆車フォルクスワーゲンだとあまり文句を言われない。ユーザーも車の格を分かってる。鉄道用(ライニング)なんて極々微量だからブレーキ業界は問題にはしないだろう」との解説。

 特性直の評価ではなく「ユーザークレーム率」というのは初耳ですが、物理特性に関係しない部分はユーザーに下駄を預けるという商業的合理性に感心。さすがは自動車業界!新幹線の車体が大昔の鋳鉄シュー車両みたいに真っ黒けや赤錆になるのでしょうか?それだと白系統の塗色はダメになりますねぇ。

 従前の新幹線開発では、国鉄JRがメーカーと組んで実車で開発を進めて、量産化の時点で特性試験法を決めていた様ですから、新規開発領域の特性が最初の納入仕様として問題になることはなく、試走結果による特性改良要求として様々の改良試作を求められて何種類か作ってみては適合品を選んで量産に進みましたので、超高速鉄道という特殊な条件のブレーキテスターを必要とはしませんでした。

 ブレーキライニングメーカーにとって鉄道用製品は利幅が大きくても、需要としては自動車用が圧倒的で、しかも未知の超高速という試験条件はない自動車用と比べると、速度は3倍(エネルギーで9倍)、質量は20倍もの超大型ブレーキテスターを新規開発してまで参入するだけの企業体力がライニング生産だけのメーカにはありません。
 それに、どんな大規模なブレーキテスターを作ったところで最終的には実車試験で性能を確かめるほか無く、自動車用でも同材質なのに車種が違うと良く鳴くとか「相性」が生じて予想外の特性トラブルが現れてテスターだけで特性を判断できないのが永年の実態でした。
 近年はライニングだけではなく、ブレーキアセンブリーとして機構部丸ごとを納入するようになって、各機構の総合データを求められるようになりましたが、自動車用なら量が出るから特化した専用テスターを作れますが、高速鉄道ではわずかな両数で、量産用のテスターなど到底作れないのが実態でしょう。

 その辺の状況が分かっているから、特殊分野として部品発注した鉄道会社が自分で試験して実用品を得て来たのが従前の開発でした。これを最終特性値で指定して発注したら、現実に使っていて特性試験データを持っているところしか応札できなくなってしまい、発注仕様書が事実上の縁切り状になるわけです。E5系ブレーキアセンブリーの発注はこの縁切り状方式ではなかったのか?もしかして日立!と最初にひらめきました。(既にデータのある量産品なら、仕様で発注しても困りませんが、)

 家電業界での日立と云いますと、素材では定評のある分野もありますが、松下を追って大型TVを発売すると販売量で1桁以上後塵を拝するとかあって、部品業者への納入仕様だけはデータデータと無用にうるさいと不評で、良く売れてる他社の納入仕様は業者を泣かせる程苛烈じゃないというので、陰では「自分とこの技術水準がなってないのを部品納入業者に押しつけてるだけ!」などと腹立ち紛れの陰口が飛んでいた会社でしたから、E5系の件でもまた日立の発注仕様か!と思った訳です。
 実態で考えれば、発色の美しい希土カラーとか、高性能の観測用ブラウン管とか、安定したモータとかあるわけですが、EF200の開発では牽引職人である機関士をあからさまに下に見てその意見をことさらに無視して、「未熟練の乗務員」云々とかの実用新案を申請して敢えて対立を先鋭化させて、JRの機関車からは撤退した会社。例年、入社前の新入社員に真冬の五十鈴川の水垢離研修を課して無条件服従の奴隷根性を注入し闊達な創造性を摘むアホ会社。(じゃなかったらお客さんの職員で、性能に見解・意見を持って開発に参加する機関士を「未熟練の乗務員」呼ばわりはしないでしょう)
 JR東日本が周辺メーカを育てる、あるいはキャリア組の天下り場所確保政策を止めた現れで、209、E217、E231、E233などの発註に際して、一社単独集中発注を条件にして、低価格化を求めた流れなのでしょうか?

LÖWEN BRÄU
レーベンブロイ
LÖWEN BLÄU
ライオンビール

LÖWEN BRÄU=らいおんビール    雑談<2>

 各県に1つが原則の弁護士会が、東京にはなぜか3つもありまして、公式には「事件数が特に多くて3つになった」という説明なのですが、「意見の違いで分かれて、各県1弁護士会原則が決まったときにも例外として残された」とか、裏ではかなり揶揄的に「東京弁護士会」(東弁)の運営がリベラルな人士に乗っ取られて「アカ弁」になったと不満に思った会社側・体制側弁護士たちが「東京第1弁護士会」(1弁)を立ち上げ、そのあまりの御用ブル弁振りについて行けなくなった弁護士たちが更に「東京第2弁護士会」(2弁)を立ち上げて「トロ弁」(=トロツキスト:極左暴力集団許容)とか言われているそうでありまして、(See→真面目な解説はこちら。分裂時期を考えると「アカ弁」は戦後の創作)霞ヶ関の裁判所の東側にそれぞれに弁護士会館を建てて3つの建物が並んでいましたが、今は建て直して3弁護士会が一緒のビルに入っている様です。
 我が顧問弁護団は東弁と2弁、会社側は1弁でして、1弁だけが異質で、東弁と2弁の間には陰で揶揄される程の違いは無く、様々協力していたのが実態です。(民主主義擁護・憲法擁護の明確な目的を持った法曹団体は自由法曹団が弁護士団体、最高裁の弾圧で裁判官部会が消滅した青年法律家協会(青法協)が学者・研究者、司法修習生を含めた団体で、弁護士開業に必須の職能団体である弁護士会とは違います)

 その弁護士会館がバラバラに3棟建っていた時代に、確か2弁会館の地下に食堂があって、火に掛けて豆腐にドジョウを潜らせる柳川鍋\900.前後など意外にリーズナブルな値段の昼定食があったので時折通ったのですが、そこの壁には幅70cmくらいはあろうかという大きな鋳物のレリーフが掲げられていて、わが拙劣なドイツ語の知識で読み取ると、レーベンツァーン=直訳ライオンの歯=たんぽぽ!。ブロイはビールのことだから直訳するとライオンビールというドイツのビールだろうと思いました。印象としては丁度右図のような感じに数百年前の創業年が彫られていた様に思います。

 当時は緊張の法廷の前後で昼食がやっとで、裁判所地下食堂は官公庁最悪ランクのエサ・レベルに近くてなるべく外に出て食事しましたが到底呑む気にはならず、一度も口にしたことはありませんでした。
 それが最近缶ビールとしてコンビニの棚に出ていて、思わず衝動買いで呑んでみたところ、軽くてさわやか、白恵比寿をもっと軽くした口当たりで、何度か買い続けてうちのカミさんにも「旨いから」と呑ませたのであります。

 「レーベンブロイ」で検索しますと、アサヒビールが1983年から日本初のライセンス生ビールとして国内生産していたことが分かり、あの大きなレリーフは他では見たことがありませんから、ドイツ直輸入でレリーフも現地のものかと思っていたのですが、ライセンス生産していたとなると、重なる時期がありアサヒビールが配ったのでしょうか?それにしてはあまりに重厚な鋳物製で砂型によるものに見えました。真相はどうなんでしょう?

 うちのカミさんはこのビールに特別の旨さは認めてくれず、「同じ値段なら缶チューハイがイイ」とのたまい、3度目はご希望通り缶チューハイとして自分だけ呑む様に。そのうちにコンビニの在庫が切れてしまい、アルバイトのレジの青年に「レーベンブロイが切れてるけど、今度はいつ入るの?」と聞くと「えっ!何ですか?それ」と怪訝な顔。「ドイツのビールで直訳するとライオンビール」というと「全然分かりませ〜ん」と売ってるものを全く知らないので諦めました。彼にとっては商品は総てバーコードのプリントされた物体で、具体的内容は無関係だったのですねぇ。それから2週間余、エキストラビールは桜満開の沖縄オリオンビールに替わっていて、その味はン10年程昔に沖縄で呑んだオリオンビールの水っぽさがなくなって美味しくなっていますけど、続けて呑む魅力は感じられず、元の一番搾りに戻りました。

 ビールの味は、古くはアサヒがガリバーキリンに対して渋みキャンペーンを張り「苦みと渋みは違う!」と攻勢を掛けていた時代が記憶にありますが、その時代はまだ未成年で、どちらも苦くて飲めなかった時代(w。しかし、そこがきっかけで各社の味競争が始まり、現在が在るわけですが、ヴェトナム戦争に調達されて兵士たちに「日本のビールは旨い!」と評価が確立したのもこのころ。ビアホールでは旨いサントリー生ビールがビンでは不味いのは売れなくて店晒しになって味が落ちたからだろうと気付き、他銘柄も同様でビールは生鮮食品だと理解(近年は味落ちの少ないのも在りますが)。
 吹き出しやすい銘柄があることにも気付き、まれに酷い味になって、ロット毎に品質の荒れる銘柄では、あまりにエグくて飲めなくなり自身の体調不良をいぶかっていたところ、雑菌繁殖で回収になったというニュースが流れてきて納得。吹き出しやすいロットが時々混じるのも含め、製造ノーハウ蓄積が他社より遅れている工場だと思いました。
 人気のスーパードライは、何となくウイスキーくさくて私はパス 、クラシック・ラガーは旨み不足で苦すぎにつきパスで、これは行きつけのスナック常連客にも同様で仕入れ銘柄を元のラガーに戻していました。もっぱら一番搾りで、秋味など季節物の出始めを新鮮で旨いビールとして、次第に味が落ちるか、他と変わらなくなるまで飲んでいます。

 これらとは別系統の選択が恵比寿です。千葉は埋め立てる前は内湾の漁師が出漁前夜に網元の家に集まって大宴会をしていましたが、このときのビールは魚釣りの神様、恵比寿さまの描かれたエビスビールと決まっており、他銘柄だとケチだと非難されたとか。そんな経過で、エビスがサッポロの軍門に下り、山手線恵比寿駅に接したエビスビール工場を売り払って新工場を造ったのは特別の需要がある千葉内湾船橋市の埋め立て地であり、併設レストランへのバスが津田沼、船橋などから出ています。際だって旨いというほどでは有りませんが、地元には時折キャンペーン価格で出荷されるそうで、その期間中は店によっては普通のビールと同じ値段で売られていて「白恵比寿」の味を覚えました(w。

 こういう嗜好品は、人毎に好みが違って、評価が変わるのでしょうけど、ビールは生もので、新鮮な方が美味しいってのは、ホントだと思います。更に新製品の出始めは旨い!そんなに違う味の製品を次々出せませんからねぇ。次の新製品に備えて特徴が次第に消えて行くのでしょう。
 3/11大震災後、ビールが無くなり、「4/12までは入荷の予定なし」と言われてしばし断酒となりましたが、キリンの工場には自家発電装置があって、原発必要性教育用無計画停電の影響は受けないというので、待っていると2週間ほどで少しづつ出てきました(が、出たてのロットは味が少し荒れてました)。発酵食品なので停電があるとその前後が生産できないのだとか。食パンや納豆と共に、半導体のカマと同じです。

シャイロック−K    雑談<3>

 菅直人首相が裏確認書に辞任とその時期が明記されていなかったことをもって、「辞任の約束はなく、福島原発の冷温停止を見届けて辞任したい」と居直るのを聞いて、鳩山由起夫元首相の相変わらずの事務的な甘さ、人柄の良さ?自称軽率さと共に、理念ではなく口先とパフォーマンスと出し抜きで生きてきて、バル管とか呼ばれたセコさに鼻白む思いだった。与党議員らが不信任案に賛成を決めて強く辞任を迫った交渉の、解決条件という流れで出された「メモ」に、続投承認の意味がある筈がないだろうが、詰めの足らない文案にほくそ笑んで「合意」し、鳩山前首相にピエロを演じさせて続投するつもりだったのだろう。そこは岡田幹事長も同様だ。
 与野党にはびこる原発・電力議員が中電浜岡原発停止に危機感をもって引き下ろしに掛かったものという説もかなりの説得力があるし、災害対応で政局どころではない、自公の党略的事態だが、管首相に大局的状況を主導する姿は全く見えず、スポットライトの先を追って自分がどう美しく舞うかのパフォーマンスで災害処理にさらに困難が加わることが続いていて到底擁護する気になれない。

 阪神大震災時の村山首相は確かに非力のお飾り首相だったが、能力のある人物を要所に配して力を振るわせ、無用に出しゃばって邪魔することはなかったからきちんと役割は果たした。細部まで首相判断を条件にして余計な指示を出したことがネックになって災害処理が転がらないというのは妨害ではないか。核燃料熔融が実際には非常に早い時期に起こっていて首相指示の影響が少なかったというのは結果論。不信任案否決で居直り続投はどう見たって無理筋の殿ご乱心の事態である。

<K>
 昔の経験だが、一部上場某社の労務担当K部長が、組合3役と交渉して、会社側の要求として数枚の合意事項案を作ったものの、ほとんど妥結に至らず、次回交渉に持ち越すことになって、「では、合意分だけはお互いにサインして確定させよう」と持ちかけて、合意ページにサインをさせて、それを「清書してくる」といって、合意が成立しなかった全項を含む確認書を作って、そこに「正式サイン」を求めた。

 組合3役は合意していない確認書にはサインできないと拒否。この時の労務担当K部長の言い分が傑作で「下書きの合意サインには範囲限定がないから全部に合意している。ユダヤ人と交渉するときには、一旦サインしたらそれで確定だ。借金の担保として心臓の廻りの肉1ポンドとあったら守らなきゃいけないものだ!一旦サインしたんだから、清書にもサインしろ!」と迫って、3役はそんなバカな話はない、ここはユダヤ人の国じゃぁない!と拒絶して物別れになった。
 そうすると、K部長は組合代表の記名押印欄に自分で代筆署名して、「組合との合意事項」として全社に配布して、それを元に組合活動制限を図った。

 交渉が一段落してから、合意事項を纏めて確認書を作ればいいものを、即時発効ではない内容を交渉途中でわざわざサインするのはおかしいのだが、現場労働者で交渉慣れしていない組合3役は嵌められた訳だ。会社に一人だけ呼び出されて、その場で交渉に応じたり、まして妥結確認などしてはいけない。組織的対応を無視した個人プレーを突かれてしまった。

 しかし、これはビラや集会などによる真相暴露で、役職者側までK部長非難に回ってしまい、捏造確認書は効力を発せず、「シャイロック−K」「代筆署名のK」と揶揄され、蔑まれることとなった。(「ユダヤ人K」にならなかったのは?「心臓の周りの肉1ポンド」のせいか?)。後日の裁判に会社側から「合意」の証拠として持ち出されたが、K部長の「代筆署名」は致命的で会社側の目論見に反して会社の敵対的謀略的労務政策を立証する文書となった。

 管首相も、掲げる理念のない、首相の地位死守を自己目的とする困った人だが「味方」をペテンにかける様では自滅は必至だ。現に裏確認書の文面の穴は与野党から塞がれる事態になっている。首相ともなるとシャイロック−管では通らない。
(鳩山前首相は施政方針演説で、結論の「新しい公共」の当否は別として、日本の企業が欧米に比べて桁外れに長寿命であり、企業運営の理念が利潤追求唯一論では無かったことを指摘。See→日記#247右コラム:10/01/29演説10/05/21記事。会社も従業員も共に生きていく経営政策が日本の企業を桁違いに長命化しているとして、今後の政策の基本として「新しい公共」を提示していた。岡田の仕掛けた陰湿な罠、普天間移転解決の目途「5月まで」で辞任。首相は国民のための理念を持って欲しいもの。「最小不幸社会」だなんて右顧左眄の日和見主義で到底理念とは呼べない鼻白む思いのものだ。)

2011/06/06 23:55

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