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帰宅途中に図書館に寄ると、イージス艦が『衝突1分前に逆転を掛け、方向は変えなかった』という報告は虚偽の疑いが濃く、真相は漁船に衝突するまで気付かず、衝突後に元に戻るために後進を掛けたという記事を発見。
国民軽視に怒れる元護衛艦艦長からの指摘として「後進で回避は不自然」、「1分あれば舵取りはできます。イージス艦は他の護衛艦と比べてずっと船の針路を変えるのが早いのです。………実際に触ってみたけれど舵取りの機敏さが違います。………後進に入れる前にやることは舵を切っての回避行動のはず」、「おそらくぶつかってから自動操舵をやめているから」、……、「漁民のためにも精査して欲しい」とあって、訳の分からない政府・防衛庁発表より余ほど具体的でリアルな説得力有る見解が報じられていた。出典は08/03/10付け赤旗14面B版【社会・総合】すなわち唯一の自衛隊違憲論を維持する政党の機関紙で、いわば自衛隊存続の敵側に元艦長が怒りの告発をしているのだ。いま青年漫画誌で結構ヒットしている長期連載イージス艦漫画だって軍事ヲタ作家によりその超高性能振りをエピソードで詳しく紹介しながらのストーリー展開となっているのに「船としての走行性能は一般船舶と変わらない」なんてアベコベの説明されても、聞いた皆は眉にツバを付けて聞くだろう。「元艦長の操舵実感」の方が遙かに説得力がある。
錯綜領域での「GPS式自動操舵装置」での運行が強い非難を浴びているが、GPSを使った自動操舵装置というからにはGPS受信部の超LSIと周辺回路は存在しており、それを軍事専用部品だけで構成しているとは考えがたい。量産品ほど開発費を投入できるので優秀なものが作れ、ゲーム機用の画像処理LSIなどはどこの製品も大昔からココムによる対共産圏輸出規制品に指定されているほどである。米軍でさえ湾岸戦争を機に大量派兵の歩兵部隊に軍事用GPSを持たせ切れなくなって民生用GPSを購入して持たせている。それ以降GPS信号に誤差注入をやめたので一般用GPSの精度が大幅に上がって、米軍の誤差設定に対応してFM放送に重畳していた民生用GPS誤差補正信号が無用となり送信を停止した。だから、一般航行用の自動操舵装置内蔵のGPSなら民生用として開発されたGPS-LSIで構成している可能性が高い。電子分野では軍用のMIL規格を上回る民生用製品が多数存在してそれが軍事用に使われているのだ。それなら航行ログファイルが有って、衝突時の航跡は残っている。いや、軍事用だって算出した位置はログファイルとして残っているのが普通だ。複雑な計測ソフトには必ずといって良いほど記録部がある。それは観測・算出データの正統性の検証にも必要だからだ。
それなのに、事故から20日経つ今現在、その存在さえ言及されないというのでは、「誤って廃棄された給油ログ」同様、証拠隠滅工作が行われてしまう。内閣・防衛大臣・防衛庁内局の責任として直ちに保全処分を行うことが必要だろう。
そうすれば、衝突まで自動操舵であったかどうかが明白になる。明白になっては困るから、3週間も必死に隠し続けている。極々Deeeepな兵器ヲタとして知られる石破茂防衛相がこのことに気付かない訳がない。データ保全に必要なアクションを取らないのは情報隠蔽側の立場に居ることを自白する様なものだ。
航空機は従前はVORなどの航空灯台を辿っての双曲線航法とか、ジャイロで位置推定をしながら航行していたが、3/13からはGPSを使って目的地に直行する航法が導入されて、時間短縮、燃費・CO2減が図られ、航路幅も従前の25kmから国際基準の16kmに収められ官制能力も向上すると3/13毎日新聞がトップ記事で報じている。位置把握が正確で事故になりにくい効果もあるだろうが、それを船の錯綜する海域での「自動操舵」に用いて回避義務も無視して惨事にしてしまったのが今回のイージス艦による漁船撃沈事故である。
使い方次第で優れた装置頼りの怠慢に対しては激しく牙をむく。航空機の自動操縦装置でも、機長等が客席に顔を出している間に自動操縦が外れて墜落寸前の降下をした事故があった。たしかペットの猫が自動操縦装置の解除ボタンを踏んできりもみ降下が始まったはず。このインシデント以降、機長らが操縦席を外すことは禁じられた。
[航空灯台概説] (JALのサイト)
これも自衛隊現役幹部からの内部告発として、事故後極秘裏に事故艦あたごにヘリで飛来して打ち合わせをして極秘裏に持ち出したのは、事故直前の宴会で口を開けてなかった酒瓶だったって週刊誌報道で、ホンマかいな!(W。空き瓶は細かく砕いて海に捨てたとか、日本に近付き慰労の宴会のため自動操舵に切り替えて、お開き以降艦長は熟睡してたのだとか。
自衛隊側の様々の隠蔽工作と取れる動きが見られるから何を言っても言ったもの勝ちに通ってしまうから週刊誌側の営業政策としては実にうまいが、 入港時の親善レセプションの話は出ているから、たとえ帰投直前宴会で飲んだのは事実であっても「酒類隠蔽空輸」説は必然性がなく、衝突事故で慌てふためいての不合理行動の可能性も捨てられないが、その部分は眉につばをつけながら聞くべきだろう。冒頭項の「衝突後に自動操舵を解除した」話よりは信用性が低い。
衝突時のGPSデータは案の定海上保安庁が押さえていて、事故としては双方書類送検の方向で決着の見込みらしい。しかし、衝突直前の回避動作のみが問題とされ、その前の避航船、保持船の回避義務が全く問題にされないで同列になる「なだしお事故型」判断は納得できない。
また、大型船は軍艦であっても平時航行では全周に灯火を点けるのを義務づけて夜間の発見を容易にすることも検討対象だと思う。潜水艦の哨戒任務で存在を消したい場合には相応の注意を払って姿を消す訳でそれは例外だが、大型艦は姿を消せないから帰投直前時・宴会中の夜間航行は満艦飾で行こう
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