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重要な安全装置センサーまでCPU制御に割り付けてしまうことの危うさと国交省主導の規制実施の必要を
日記121('06/06/17)で指摘したが、昨3日のTVニュースによると国交省はどうやら新たな行政指導基準を設けたようだ(なぜか新聞報道にはまだ見当たらないが)。またシンドラー社もメンテマニュアル公開と無償講習開催を決めたとか。
共に当然のことで結構な方向だが、人命の失われる前に実施して欲しかった。
各地でシンドラー社入札シャットアウトや工事中止契約解除が相次いでの軌道修正なのは確かだが、被災者に対してあれだけ挑発的に対応しては発注側の役所としても当然の反応だ。事故の法的責任の帰趨は別として、もっとも詳細に特性を知る設計製造者としては、表に出て住民・家主・メンテ会社や行政など関係者と繋ぐのは当然の役割だろう。また会社としてみれば捜査機関への資料提供など協力を拒否すれば激しいユーザー離れが起こるだろうから今後日本市場から撤退する方針でない限りそれもできない。エレベータ故障など他社製でも結構頻発しており高速エレベータ試験で作業者がゴンドラ毎墜落して亡くなるなど痛ましい事故も少なくないが、事故後のシンドラー社のような態度を取られたら、誰もがあそこだけは御免被ると思うだろう。あの調子で争って100件余もの訴訟を抱えているというのだから、普通の神経の担当者なら指名入札から外すのは無理もない。
設計屋としてみて、直接人命に関わる重要ステータスを他のステータスと並行的にCPU入力に並べたら、ちょっとした優先順位のエラーで不具合が起こって不思議はないから出来るだけ避けなくてはいけない設計だ。事故機とは違うが、同社製で起こした扉の閉まる0.25秒の間に戸開ボタンを押すとドア開のまま上昇するエラーなどは、CPUの優先動作である「割り込み」順序割付の間違いを越えて、「順次検索」する入力ポートに安全センサーを割り付けてしまった疑いすらある。
「間違っても」こういう事態にならないよう、この部分はCPUを介さずハードで制限するのが安全設計として常識なのだが……。昔の初歩的なMPU制御のテキストにもそうした注意は見かけたはずだ。
設計屋までが自ら「コンピュータ制御優秀論」の幻想に乗ってしまったのだろうか?
2006/07/04 21:00
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