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尼崎事故の次の惨事はきっとJR東海!と思われるほど帝国軍隊型精神論の安全対策と力尽くの労務管理を強行し、
ATS-P設置は断固拒否だった
JR東海が
JR西の惨事を承けて最近
'11〜'12年までに全線に
「ATS-PT」を設置すると発表したが、その具体的内容が次第に分かってきた。
それは一言で言えば「物理構造としては
ATS-Pそのものを拠点
P型設置をして主に
輸送量増大を図るものだが、政治的効果としては
ATS-Pの名を借りて
安全至上主義への切替と誤認させ万一事故時の非難緩衝網を張った」ということだ。オペレータに無用のエラーを誘発する
JR西日本より厳しい上意下達の権力支配に何らの反省はない。
先ず着目すべきところは
コード(国鉄語では「電文」)だが、これは一時独自コード説も流れたが独自コードに積極的メリットはなく、
JR東西貨物を含む全社と合意してきたコード系を採用する方向になったから、
ATS-Pである。コードでみれば
ATS-PNも疑いなく
ATS-Pである。これに何を付加して上位コンパチにするかが
ATS-PTの検討課題である。
地上設備については、設備を最も単純化できる
ATS-PNに車上情報受信機能(エンコーダ)を加えたもの、すなわち構内進入で現示アップ機能を利用して車間を詰め輸送力を増強できる構成にしたものに落ち着く。
-PNのみが「固定電文」と言われるが、エンコーダ式も予め準備された「電文」を選択して送るから地上子出力は信号現示数種の固定電文で両者に差はないのだ。
車上装置は、
JR東海自身の
Webページでパターンの制限速度を超えると「非常制動」と明記されているが、漏れ伝わる処によるとこれは広報担当者の誤りの模様で、
JR東西と同じく直通ブレーキ型車両では常用最大制動として線路容量増加を図るものと思われる。
従前の
ATS-Pと最も大きく違うのは実構成の部品、アセンブリだろう。
1986年に
H-ATSとして西明石、大阪、京都、草津4駅に設置されてはや
20年、当時の構成部品は博物館行きの歴史的製品だらけになって、入手困難品も出来てしまった。JR西日本の
ATS-P2は車上装置の再設計品であるが、
JR東海としてはこれらを、現状の素子と技術を使って今後も長期に保守可能で小型軽量高機能に設計し直すことが求められている。
ATS-P動作記録を取り出す5インチフロッピードライブなど捜すのが困難ではないか。同一接続の3.5インチドライブで代用できるから良いが。これらは同一機能のシステム構成要素を選ぶだけなので全く問題にはならない。
従前のATS-Pに欠けているとすれば、それは
- 貨物列車の速度制限(旅客は許容不足カント量毎の制限コードを制定済み。速度制限コード中の3+2ビットの空きを貨物用のマイナス速度制限に割り当てる余地がある)
- 無閉塞運転中の15km/h速度制限(T-180〜直下地上子検出で解除。現在、最高速度を受信する構造で片浜・宗像事故型の誤解が怖い。都営地下鉄などの1号型ATSでは当初より15km/h制限)
- 列車長補正(既に実施の可能性も無いわけではない。新型の運転台には既に連結両数の情報がある。それを取り込むかどうかだけの話だから。)
- 制限速度モニター表示(ATS-PF/ATS-Psでは採用済み)
東海がこれらを取り込んだ改良をしてもコストはほとんど上がらないで済む。
ATS-PT仕様の正式決定が待たれる処である。
避けて欲しい拠点P!安全対策なら全面Pが筋
漏れ伝わる
ATS-PT仕様中で是非とも改めて貰いたいのが場内信号と出発信号についてだけ
ATS-Pを設置し、一般の閉塞信号は赤信号警報だけの
ATS-Sx(-ST/-SW)のままにするいわゆる「拠点
P」方式である。拠点
P方式では最高速度で赤現示の閉塞信号に突入できる弱点は変わらない。
現実の事故を見ても、沼津片浜事故、宗像海老津事故、前2回の東中野事故、あさかぜ追突事故は閉塞信号で起こっており、これらは拠点
P方式では防げないし、無閉塞運転制限がないと抑制・防止できない(無閉塞運転禁止令が守られれば防げるが、その保証はない)。絶対信号の絡む事故としては、土佐くろしお鉄道宿毛事故、スーパーあずさ大月事故、飯田線北殿事故、
'88年東中野事故などがあり、前2者は
ATS-Sx絶対停止地上子では防げなかった事故である。
JR東海がここで
ATS-PTを導入することは絶対信号に対しては有効で、高速側が丸裸だった
ATS-ST過走防止装置の重大欠陥を埋めて安全性が高まるものではあるが、閉塞信号誤認で沼津片浜事故を起こしたのは
JR東海自身ではないか!車間が詰まって輸送上のネックになる駅前後にのみエンコーダ付き
ATS-P(=現示アップ可能)を導入というのは安全よりも実質増線効果追求のみとなって、尼崎大惨事の反省措置としてはすり替えがチト露骨に過ぎないだろうか?
これは
JR西日本に対しても言えることで、旧国電区間と空港線以外は大動脈東海道山陽線を含めて総て拠点
Pという
手抜き増発策は是非ともやめて貰いたいものだ。
JR東日本は拠点
Pに対応できる車両を持ちながら
'88年末来一貫して全線
Pを守っている(残念ながら拠点
Ps設置の噂は聞くが、
Ps設置路線は亜幹線である)。
2006/07/04 20:00
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