イグニッション・キー連動
車載拡声器充電制御

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主目次

[表1] 130AH12V入手価格

規格型名市価
単価@価格
Panasonic-125AH125D26R/L@34,951.\69,902.
ATLAS BX-125AHMF125D31R/L@20,366.\40,732.
VARTA-115AH115D31L/R@34,538.\69,076.
GS YUASA-115AH115D31L/R@35,465.\70,930.
??-115AH115D31L/R@31,980.\63,960.
?12V38AH38B19@3,980.@1,900有

充電専用 24V 発電機方式の充電制御回路

 車載拡声器の電源バッテリーは走行用と兼用としてフローティング充電にすれば特別の充電管理操作はほとんど要らなくなります。巨大出力の場合に大容量バッテリーを付加・交換することで500W出力程度までは安定して運用できます。(5km超程度〜長距離のデモ行進先導時に1速にしてエンジン回転を上げる程度の操作で済みました)

 さらに大出力拡声器の場合や使用電圧が拡声器と車で異なる場合は専用の充電用発電機を必要とし拡声器用バッテリーの充電管理作業が必須となります。
 それは端子電圧(または充電電流)を見ながら、定格電圧よりも下がってきたら充電を開始して、適度の電圧になれば止めるだけで済むものです。
 ところが、業者の施工をみますと走行中は常時充電で、充電入切スイッチも電圧計も無く、充電制御部のあるコントロール・アンプ(ミキサー・アンプ)は売られて居らず、国政選挙1〜2回程度の短期間の運用でバッテリーが過充電故障を起こしては、その都度大金をはたいて交換しています。
(バッテリー代だけで12V130AH×2基、何と\7万〜\10万!が1年〜3年内でアウト!)。小出力時は発電機直で動作できるので気付きませんが、大出力での歪み激増で異常に気付くことになります。拡声器使用時にアイドリング・ストップで調整しても若干の気休めにはなりますが、その程度では過充電を抑えきれないでしょう。
 車の後部荷物室に充電スイッチを設ければ対応可能ですが、大出力宣伝カーを組み上げる業者がスイッチを設置してないほど必要性が認識されて居らず、そんな操作を専任ではない一般の宣伝カー要員に任せるには、事前にレクチャーしても若干の無理があります。
 メーカーが充電制御を想定した制御線をコントロールアンプ(ミキサー・アンプ)から1本出しておいてくれればリレーの設置だけで済みます(青線)し、電子回路の独立を考えても電源スイッチを双極型にして片極を充電制御に使えば済む簡単な話なのですが、全く配慮がありません。

[表2]  充電管理
操作仕様
(停止でOFF)

SW位置動作
AUTO 拡声器と連動
OFF 不動作
ON 充電

 そこで、拡声器の電源スイッチに連動させて充電器(専用発電機)の接続配線を入切することで、過充電を抑制するとともに、電圧計を設けて手動でのON-OFF制御を可能にして、意識的な充放電管理が必要な状況を大幅に減らしてバッテリーの寿命いっぱいに使えるようにします。

○ コントロールアンプの改造が可能なら、その電源スイッチから配線を出すのが最も簡単ですが、バッテリー電圧が低下すると充電投入できない条件が危惧されますし、アンプ自体の交換・流用が困難になります。
 下図2図NX-500Cの回路では電源制御のリモートリレーのコイル端から1本線を出して充電制御リレーに繋ぎ、電圧計に繋げれば動作します(下図の青線)。
 また、ここで電圧計測して(ダイオードの電圧降下分は小さく測定されますが)充電管理することも可能です。コントロール・アンプの載せ替え無用で、バッテリー電源電圧がほぼそのまま得られるコントロール・アンプなら簡易にはこの方法が最良です。

○ 拡声器各機器の自由交換を考えますと、ミキサーとメインを繋ぐケーブルにアダプターを挿入し、制御端子からステータスを拾って充電リレーを制御するのが妥当です。
 UNI-PEXの場合は4アンプを繋ぐ芋づる式結線の末端に制御端子コネクターが1個残りますが、そこは後部荷物室で走行中の操作ができないのと、一般市販では秋葉原電子部品街でも入手できない特殊規格である「サブミニDIN-10P」のため(-8Pまでは製品カタログにあり、市販していました)、このコネクターと接続基板と接続ケーブルをメーカー・販社に支給して貰えるかどうかが問題になります。(UNI-PEX社CS室(0120-56-5245)に申し入れて特殊部品を「特別に」分けて貰いました@3200×2!+@4000+@900)。宣伝カー運転中の充電操作仕様としては、「アンプ連動」、「充電」、「断」として、中央断スナップ・スイッチが使えます。

○ さらにコントロール・アンプと同じ場所で充電制御操作をするには、下図結線図のようにコントロール・アンプ直に制御基板を繋ぐ=メイン・アンプとの間のケーブルに制御基板を挿入する方が妥当ですが、フィールドでの手作業で非常に細かな配線での信頼性を確保できるかどうか。

○ 車と同電圧のパワーアンプ用電池を設ける場合に、スターター動作時のみ切り離して電池の損耗を避ける「アイソレータ」は専用電池保護に有効ですが、走行用バッテリー兼用とした方がほとんど無管理で使えるので、走行用バッテリーの寿命を若干縮めたとしても専用バッテリー無用の分で十分お釣りが来て(大出力500W機で大型バッテリーに換装等はあっても)走行兼用方式が簡便で確実ですから「アイソレータ方式」は無用に複雑化させるだけであまり意味がない様です。


[図1]  Sub mini DIN-10P コネクターとアンプ入力接続基板
(「充電制御BOX」に流用。7p箔を切断して「IGN連動制御」流用)

「イグニッション・キー連動」化でアンプ切り忘れ放電回避    <2>

 充電制御アダプターを作るのであれば同時に、車載拡声器アンプ・電源スイッチの運転連動化は必須です。アンプのスイッチを切り忘れて放置して車の走行バッテリーを放電させてしまい、起動できないトラブルが頻発しています。対応策としては2種。
★ アンプ電源をイグニッションキー連動とする。
  ○ シガレット・ライターから電圧を得て制御。
  ○ 充電用発電機の発電電圧で制御
★制御対象としては、アンプ供給電源の直接制御と、アンプ制御線への割り込み制御とがあり、
  ○ 通常はアンプ供給電源直接制御ですが、
  ○ 制御線への割り込み制御なら簡易に手許操作が実現できます。
 UNI-PEX製のミキサー分離型アンプの場合は制御線がコントロール(ミキサー)アンプまで来ていて、ここから充電制御ステータスを得る構造としますと、ついでに制御線に割り込んでイグニッションキー(IGN)連動を図る方が簡単です。 大電流リレー@1,500.に対してプリント基板用リレー@130。〜@300.で、価格と施工の有利は明らかです。プリント・パターンの制御帰線部を切断して、接続穴の無い側に穴を空けてハンダ付け用にレジスト剥離をして、この線をIGN連動用リレーでON-OFFして制御することにします。([図1]銅箔切断部参照)

[写真1]       プリント基板用リレー(例)   
(24V双極単投@180.&12V単極双投@130.)

バッテリー過充電故障で起こることは    <3>

 車載拡声器専用バッテリーを専用充電器でフローティング充電する場合、拡声器不使用時(=無負荷時)にも充電を続けて過充電となる訳ですが、過充電故障時の使用実感としては、音声が小出力では充電専用発電機直の電力供給で足りるため、簡単な試験ではバッテリーの故障に気付けないことが特徴です。 大電力出力が必要な場面で電圧降下してしまい音が歪んで必要な聴取空間全体に音声を送れないことになり、聴取領域内の各点毎チェックをしていると出力低下に気付くけれど、漫然と聞いたのでは一応音は出ているので異常を見逃してしまうやっかいなトラブルですが、可聴領域の広さは出力比例なので状態を客観視出来ると広汎な異常に気付く少々やっかいなトラブルではあります。 しかしそれを問題にしないのなら非常に高価な大出力1kW〜2kW拡声器の必要は無く、性能的には走行系バッテリー兼用方式の60W〜300W機で十分だということです。

メーカー対応が筋では    <4>

 本来であればメーカーがこうした充電制御部、IGN連動制御部を組み込んだ製品を発売すべきです。充電管理しきれずに過充電・過放電故障に至るのはバッテリーの元々の性質ですから、ユーザー側の責任でありメーカーの責任にはなりませんが、街宣車を使う右翼などからの責任転嫁クレームを恐れてかUNI-PEX車載拡声器取説では全く触れていません。
 メーカーであるUNI-PEXの公式見解としてはアンプの取扱説明書の説明図で、専用バッテリー動作図のみを示していて、その先の「バッテリー充電管理についてはメーカーは全く関知しないで総てユーザー責任で運用して貰う」ということです。
 そうしますと、異電圧で充電専用発電機を使う場合には充電管理が必要になり、その簡易化にアンプ電源を連動フローティング充電は必須です。走行中にアンプを使ってないのに絶えず充電を続けては高価なバッテリーを過充電で破損させてしまいます。

 メーカー自身が当然、電源連動ユニットを製品化しているか、内蔵機種が有るものと思って問い合わせたところ、「車とアンプの電源電圧は同値を前提としており、12V/24V異電圧は想定していない」というのです。そんな仕様書&取扱説明書に明記の無い使用制限は困ります。少なくとも取扱説明書の全接続図に「同電圧が基本前提」と、その旨記載する必要が有りますが、全く記載が無く、最大出力(1200W等)の要求から24V電源定格のアンプを12V電源車に積んで宣伝カーを構成するのは当然のことです。 メーカー側の説明に「充電機構は総てユーザー任せだ」としておきながら、その言い分はないでしょう。明らかな瑕疵があります。
 但し、車では主CPUによる充放電制御が行われている前提で考えれば、拡声器用バッテリーの充放電制御もその主CPUに任せてしまう、共用・並列方式が妥当で、制御機構のない異電圧方式は採用すべきではありません。従って同電圧動作推奨であることを取扱説明書に明記しなかった手落ちでしょう。

 そのため、おそらくは少なくない数の専用発電機式宣伝カーは超短命バッテリーに悩まされながら運行していることでしょう。仮に政党関係だけでも自公民維共雑×各県に3台としますと846台=6×47×3、議員個人でも大出力指向は多くて(衆参選挙区数+比例)/nと考えますと、量産品に比べれば極々微々たるものとはいえ、結構困っていそうです。金権勢力では丸ごとレンタルが多いようですから、トラブルはレンタル業者負担で気付かないかもしれません。

[図2] 充電連動・イグニッションキー連動回路図


[写真2] 端子間の白化部で短絡故障

[写真3] 同所を半田付けし直して地絡故障が回復
[写真2−3] 写真2−3 拡大比較

工作上の注意    <5>

● 難物 Sub mini DIN-10Pレセプタクル
 サブミニDIN-10Pはピン間隔が非常に小さいため一般の「電子工作用ハンダ」では隣のピン同士が半田付けされてしまい組み立てられませんで、「高密度集積基板用ハンダ」(0.6Φ弱活性化ロジンRMAタイプ無洗浄はんだ:太陽電気SD-60)と超小型の15Wセラミック半田ごてを使いました。ハンダごては大物用の100W、一般電子回路用にセラミックの40W、1/10インチ蛇の目基板等高集積用にセラミックの10Wは揃えた方が良いです。セラミック鏝は我が某社製造部が昔から採用して使い易いので個人としても従前型より若干高価でも使っています。
 先日パワーアンプ内のミキサーアンプ保護フューズを何回も飛ばしてしまうので調べると、ミキサーアンプが電源地絡故障を起こして居ましたが、既に製造中止から7年の修理期限切れでメーカーには取り合って貰えず「自力修理」を試みますと、このサブミニDIN-10Pの接続基板のハンダ量が過剰で経年腐食で樹枝状結晶を生じて短絡したもようで隣接同士の電源+−が短絡していました。([写真2]参照)。電源+(8p)と隣接する−(9p)、GND(7p)の配線3本を半田付けし直して盛り上がるハンダ量を減らすときれいに回復。([写真3]半田付け時の加熱時間がやや不足した模様)。 高密度配線には見合った厳しい条件管理が必要なのに製造現場にそれが不足した、あるいは車載拡声器には無用の高密度配線を自社製品囲い込みのために使ってトラブルを呼んだのでしょう。松下通信製車載拡声器の専用接続ケーブルは特別のキー溝を付けた特殊なコネクターを採用して囲い込みを図っていましたが、サブミニではない普通サイズのコネクターのため普通の工程で製造できていました。性能には無関係の無用の高度技術は使わないのも優れたバランス設計ではあります。
 統一地方選挙前の車載拡声器増産体制はこうした不慣れのトラブルが増えて、UNI-PEX製旧型のNB-101パワーアンプでは半田付け忘れ2箇所、イモ・ハンダ1箇所とかノボル電気旧型YB-51ミキサーアンプではマイクアンプ2個が並んでイモ・ハンダで音が途切れて叩くと繋がりハンダ付けし直しで解決というのも経験しており、製造で作り込む品質の管理としてもっとしっかりして貰いたいところです。 もし、わが某社でこんな不良が発生しますと半日ベルトを止めて教育訓練が行われJIS-9001管理で個人特定された作業者が曝し上げられて減点評価:ボーナス10%減候補となり、JR各社の日勤教育の様な罵声は飛ばないものの同じ不良を繰り返す下請けは切り捨てられるでしょう。See→[図1]
 コネクターの構造としては円周の8等分に8本のピンを配した上に、中央部に2本のピンを置く10ピン構造ですから、中央部の2ピン周辺の半田付け作業が特に問題になります。日本のコネクター会社がサブミニDINは8ピンまでしか市販品にしていないのは利用に無理が有るからでしょう。 「高密度集積基板用0.6ΦSn:Pb=60:40」という極細で錫含有率の大きいハンダを使って作業をクリアしましたが、もっと小さい10Wセラミック型の方が作業が楽だと思います。鉄道模型HOゲージ製作や電子回路組立経験で助かりましたがハンダ付けに一定のスキルが無いと困難な作業です。
 それ以前に、Sub mini DIN-10Pレセプタクルの2連での取り付けにはプリント基板穴直径とピン径の差以内の高精度を要して、外装ケースにレセプタクルを装着するには組み立て治具なしにはかなり困難があります。写真2〜3の単独基板を配線で繋ぐ方が無理なく組み立てられます。
 ここは組み立て上のネックで、高精度の穴開け工作に加えてヤワヤワと現物あわせでナントカ組み上げましたが、手作業での確実な組み立て工程としては「レセプタクル取付用金属板」を設けてここに仮止めし、2連用プリント板を取り付けた後にレセプタクル取付ナットを専用レンチを作って締めて、この金属板をケースにねじ止めする[図1][写真2〜3]の構造の方が(誰でも失敗しない作業としては)確実です。 そのリスクを避けるにはバラ部品では無く、レセプタクル取り付け金属板と基板とを合わせた部組品を分けて貰う方が安全ですが、無理のようです。ケースへの直接固定を止めてプリント基板でレセプタクル(=接続ケーブル)の強度負担をするのは無理で応急措置としても避けるべきです。
○ 互換性の問題を犠牲にしてもミキサーアンプ内部配線直から制御信号を得る方が楽かもしれません。
● 老眼・弱視ではかなり無理な作業
 1/10インチ・ピッチの蛇の目基板に制御部を組み立てましたが、テスターとルーペとノギスで確認しながらの作業となり、先出の地絡故障発見時は一眼デジカメによる接写を拡大映写([写真2〜3])しながら判断しましたので、老眼・弱視ではかなり無理な作業です。
● 分流器
 大電流を測定する電流計は被測定回路に分流器(シャント抵抗器)を挿入し、その観測端子に微少電圧計を接続して測定するものです。

[表3] 分流器の構造計算

2012年版「理科年表」物理58(p420)金属の電気抵抗:銅より算出、国立天文台編著、丸善出版刊
[図3] 4端子分流器は電流計測に当たり端子接触抵抗の影響を受けない、そして少し離れた位置で電流計測できる工夫
 温度特性を規定した厳密なものが市販されていますが、充電管理用としては高価に過ぎ過剰品質なので、温度特性を無視して銅線で構成します。 元々蓄電池の低温での温度特性が著しく悪くて、電流計測値の温度特性を卓越するので目途扱いとなります。
○ 車載拡声器の出力P=1200W、電源電圧V=24V、効率η=65%(実際上78%は実現困難)とするときの
直流入力電流 I=P/V/η=1200/24/0.65=76.9A。

最大出力60W余で十分、街頭宣伝

 ただし、市街地での実運用では10m前方地上位置で90dBという拡声器規制条例の制限などで、高効率のリフレックス・ホーン・スピーカーを前後方向に2本使った場合、概ね60W出力で足りるので、その際の直流電流は10Aそこそこでしょう。
 駅頭などの喧噪地域での運用では周辺雑音(バックグラウンド・ノイズ)を超える出力が必要で、スピーカー軸を若干上方に向けるなどして計測点である地上直での音量は90dB以下に抑えて大出力運用をして広汎に拡声することが求められます。 拡声器条例による取り締まりでの計測点が「スピーカー軸上10mの路上1m高」であり、上空無人の空間での音響レベルではないため、状況に合わせた大出力運用は可能で、そうした例外的な場で最大出力500W〜1200Wという能力が発揮できるということです。 従ってホーン・スピーカー軸上に住居のある団地・高層マンションでは希に90dB超が計測されて弾圧に使われる可能性はあり、そこでは要注意ですが、無警告の弾圧は難しいでしょう。

誤設定の余裕をみて150W〜300W、わずか13dB差!対1200W

 また、不適切な素人設定では最大出力が最大定格の1/2〜1/16になる条件もあり、そこで十分な音量を確保する上での最大出力定格は150W〜300Wというのも実運用上の妥当性があります。  電子技術者出身の市議会議員数名が長らく最大出力定格60Wの車載拡声器を使っていますが、これは自分自身で正確な設定が出来て必要十分な性能が得られるからでしょう。
 また音の聴感強度は対数的で、10低対数の10倍「dB:デシベル」で表しますので60W対1200Wの「20倍」はわずか13dB(≒13phone)の差に過ぎません。 最適設定法資料を記載しているはずの「取扱説明書」は現実には開梱時に製品箱と一緒にゴミに出されてお手上げなのが実態。 ワイヤレスマイクの使用周波数帯の衝突を避けたり複数受信をしたいのにチャンネル割り当て表が無く往生するとか、スーパーや駅の放送とチャンネルが衝突するとか、対応に資料を見たいのに見当たらない場面はかなりあります。
 読めば解る接続図の掲載されている諸機器の取扱説明書を読まずに棄てるのは絶対に止しましょう。家電製品とは違い、様々に適切な設定を求められるものですから、その使用に必要な添付書類は機材と一緒に保存・管理が必要です。
○ 音声信号の平均電力を最大値の 1/10(AM放送の0dB基準:平均変調度30%)とすれば、運行中の平均電流は1/√10×76.9=25.2A
 拡声器アンプの動作電流は、瞬時にはインピーダンスの低いバッテリーから主に供給されるでしょうが、充電用発電機からは平均負荷電流+αが供給される訳で、音声出力での運用ですから30A弱の想定で足りるでしょう。(電線導体の断面積は3.5mm2程度必要。屋内低圧配線用2Φ電線の3.142mm2では23A程度)。
○ バッテリーの動作設定として、最大電流で2時間律放電、平均電流で5時間律放電、フローティング充電(=平均電流余を充電)を想定すると、電池容量AHは 154AH、125AH程度となりますので、専用バッテリー容量は最低125AH〜若干の余裕を採って170AHを選ぶことになります。
○ 従って、電流計はフルスケール100Aを想定して入手可能な100mA、100μA目盛りと大電流計測用4端子分流器で構成することになります。(電流計表示面の単位表示から「m」「μ」を削除します)
○ 市販品の100μA電流計の内部抵抗が実測で1.827kΩ=電圧182.7mVとなります。
○ 分流器は市販品ですと50mV/100mV出力では不足なので不適合。
○ 自作の分流器は、100A/100μA=106倍で分流抵抗1.827mΩ(=1.827kΩ/(106−1))、
○ これを簡易に電気銅電線で構成しますと、[表3]の通り、
   銅抵抗率 ρ=1.69×10−8 [Ωm]
   単芯銅線直径 d=2.0Φ [mm] (屋内低圧配線用。他に 1.6Φ規格)
   電線断面積 S
   分流器抵抗 R=1.827 [mΩ]
   電線長さ L  とするとき、
R=ρ(L/S)=ρ(L/(Πd2/4)) (定義式)より、
L=R(S/ρ)=R(Πd2/4/ρ)  =1.827×10−3(3.142×(2×10−3)2 /4/(1.69×10−8)[m]
 =339.6 [mm](長さは断面積比例ですから∴3.5mm2電線では339.6×(3.5/3.14)=378.4mm)
 一方、製品流用で60A100mV分流器は100A時に166.7mV(=100×100/60)で近似できるから、安心にはこちら。
また、一般的な自動車用リレーの遮断電流容量は15A〜30Aで、1000Wアンプ動作時の最大電流77Aには遠く及びませんが、無音時で小電流の入切を前提に使用します。自動車用リレー@1,500.に対し、一般産業用60A〜100Aで@14,000.〜なので、故障したら差し換えながら使うつもりです。

試作充電制御器写真    <6>


[写真4] UNI-PEX入力基板と
制御部1/10インチ蛇の目基板

[写真5] 充電制御BOX加工

[写真6] 前面

[写真7] 背面
車載拡声器バッテリー充電放電制御BOX  (加工途中は表面を養生テープで保護)




[写真8] 24V単極単投リレー [写真9] 12V単極単投リレー [写真10] 手作りの分流器

[写真11] 充電制御BOX全体像

[表4] 部品表




[写真12] Click Here!
[図4] 充電連動・イグニッションキー連動回路図(制御線直出方式)
 サブミニDIN-10Pコンセント回りの配線はJISカラーコード0〜9を基本として、7紫のみを除いて8灰色、9白色、0黒色を7,8,9pinに充てています。(10pはNC:無接続([写真3]の無ハンダ端子)ですが、パワーアンプ入力部の接続基板内とLB-710ケーブル自体では接続されています。これはパワーアンプ直近に配置されるであろう充電制御リレーのリモート制御線として使えそうです。パワーアンプ末端の空き入力コネクターからケーブルで制御信号を取り出すことも可能です)。
 DIN-10Pコンセントの配線割り当てがCTRL-GND:7p、+電源:8p、GND−電源:9pであり、これの黒=GNDイメージに合わせたものと思われます。
 広瀬製の独自規格コネクター(@583.リード線手ハンダ用)はサブミニDIN-10Pに代用できるようですが、pin番号が逆順に付されていて、番号の付け方自体にはDIN-10Pより判別しやすく合理性があるけれど、実装時にどうしているか要注意。基板の端子番号は元通りで変えてなく逆順に繋いでそのまま継承しているのかもしれません。

安価代替品発見!サブミニDIN-10Pレセプタクル

 右写真の通り、サブミニDIN-10Pとはピン番号は逆順ですが代替できる安価なレセプタクル広瀬HR-10Aを発見!@580.+配線でコストが約1/4程度に激減します。
 このハンダ付けには高密度配線用のハンダとハンダごてが必須です。(3/10追記)

2015/02/10 23:55

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