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漁船撃沈イージス艦あたご、またも無罪!
軍の暴走族運行促進判決!
なだしおでも共通、避航義務船適用除外で逆転は不当

イージス艦「あたご」2士官
二審も無罪 東京高裁判決
漁船と衝突 回避義務なし

   2013/6/12 日本経済新聞14版43面 /6/11 21:53
     http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1102X_R10C13A6CC1000/
 千葉県沖で2008年、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と同県勝浦市の漁船「清徳丸」が衝突し漁船の親子が死亡した事故で、業務上過失致死罪などに問われた当時の当直士官で3等海佐、後瀉桂太郎被告(41)と長岩友久被告(39)の控訴審判決が11日、東京高裁であった。井上弘通裁判長は「あたご側に回避義務は認められない」として、両被告を無罪とした一審を支持、検察側控訴を棄却した。

 一審・横浜地裁判決は衝突直前の清徳丸の動きについて、検察側、弁護側いずれの主張とも異なる独自の航跡を認定。控訴審でも清徳丸の航跡とイージス艦の回避義務の有無が争点となった。

 井上裁判長は判決理由で、一審が認定した航跡について「清徳丸の速度や衝突角度は証拠に照らして疑問が残り、認定航跡は合理性に疑問がある」と指摘。検察側の主張する航跡の信用性も疑問視し、航跡の詳細な特定に必要な証拠がないことから「(一定範囲以上に)清徳丸の位置を限定できない」と述べた。

 航跡を絞り込めない以上、両被告に最も有利な航跡条件を採用すべきだとして、一審の認定航跡から推認できる最も東寄りの航跡を前提に、あたご側の回避義務の有無を検討。あたごと漁船がそのまま進めば衝突する「見合い関係」の位置になく、回避義務の存在を否定した。

 一審は、検察側が主張する航跡について「僚船船長らの証言を恣意的に用いており、特定方法が不適切」と指摘。そのうえで独自に航跡を特定し、「衝突前に方向転換した清徳丸側に回避義務があった」と判断、両被告を無罪とした。

 事故は08年2月19日午前4時すぎ、千葉県沖で発生。清徳丸の吉清治夫さん(当時58)と哲大さん(同23)親子が行方不明となり、約3カ月後に死亡認定された。横浜地方海難審判所は09年1月の裁決で、あたごの監視体制が不十分だったことが事故の主因と認定し、海自に再発防止を求める勧告をしていた。

 東京高検の青沼隆之次席検事の話 主張が認められなかったことは残念。判決内容を十分に精査・検討し、適切に対処したい。

高裁判決内容は灰色無罪
  過剰適用「被告人の利益に」

衝突図  イージス艦あたごが漁船清徳丸を撃沈した事故の東京地裁判決では、衝突の原因者が清徳丸側として無罪、今回6/11の東京高裁判決でも同様に清徳丸主因と取れる表現があり、さらに被告自衛隊側が主因清徳丸の立場から見張りに見落としはなく冤罪であるかのコメントをして検察を攻撃しているのも驚きで盗っ人猛々しい思いがしますが、記事内容を良く読み込むと、
  1. ).清徳丸の航跡を確定できる証拠がない。
  2. ).刑事裁判の原則として、確定できないものは被告人に最も有利に解して判断すべき。
  3. ).確定できない航跡の、あり得る最も被告人に有利なものを採用するべき。
  4. ).その航跡ではあたごに回避義務はなく、清徳丸に回避義務がある。
という判決構造になっていて、本質は「灰色無罪」=「有罪とするには証拠不十分」という内容なのに、刑事裁判の原則の適用が不適切で、被害者清徳丸側を攻撃するものに転換してしまう論理構成ミスが発生した様です。
 すなわち、本来の事実認定の仕方としては、清徳丸のあり得る航路の幅のうち、北西側50%ならあたごに回避義務、南東側20%なら清徳丸に回避義務、残り中央部30%ではどちらとは言い難く、その間、グラディエーションで負うべき責任が推移するが、あたご側に責任有りとする確たる証拠が得られない以上、刑事裁判の原則である「疑わしきは被告人の利益に」という原則から無罪とする、とすべきところです。
 それを、判断できないはずの航路を、被告人に最も有利なものに固定する誤りを犯したことから、清徳丸原因説にまでワープするミスを犯してしまったのがこの高裁判決です。
僚船GPS航跡図
blog:「〜こめんとするあほうです♪」

清徳丸僚船金平丸幸運丸GPS航跡図:
地裁・高裁判決で採用の航跡図はこれとの整合性がなく説得力に乏しい

 さらに、周囲状況に踏み込んで判断すれば、あたご側が近くの漁船団に全く気付かず直進航行するのを、Sカーブやループを描いて必死に逃げ回った僚船の航跡は各船のGPS記録として残され、図のように公表されており、あたご側が引き継ぎをミスし、見張りを怠って衝突事故を起こしたことは明白なのに、なぜその客観事実を採り上げて責任に言及しないのか、裁判所が自衛隊タブーに侵されていないか、判決原文を是非読んでみたいものです。

揺れる夜間の接近判断に困難
安全問題は避航船で判断すべき

 さらに、海難審判まで含んで適用に問題があるのが、衝突回避の安全原則として「避航船」の義務を外してしまっていることです。これは潜水艦なだしおによる遊漁船富士丸撃沈事故でも判断から除外されてしまった原則ですが、日中ならまだしも、波のある深夜の外海で灯火が動いているかどうか、近付いているかどうかの判断は極めて難しくて誤認しやすく、接近時の緊急操船を前提に安全を語るのは不適切というほかありません。一般航行中の安全確保になぜ避航船の義務を外してしまうのでしょう。軍艦が緊急時の作戦行動として商船・一般船規則の対象外とするというのであればまだ分かりますが、帰投前夜のレセプション:飲み会を開いているような日常運航時に、確実な安全を確保し易い「避航船」の義務でまず判断しないところに基本的な問題があると思います。

 街の灯のある島影が見えたり、集魚灯を掲げた船団でも視野にあれば別ですが、真っ暗闇の中の灯り1点が動いて見えるか止まって見えるかを波に揺れる小型船から目視で判断するのは極めて困難です。しかも、仮に相互に直交方向から同一速度で衝突する場合の相手の灯りの見え方は左右45度方向の光が停止して見えているだけで、即座には近付いているか遠ざかっているか判断できません。動いて見えれば分かりやすいのですが、その場合は決して衝突しません。全く動かない目立ちにくい灯りこそが衝突コースの危険な灯りです。

 だから安全確保には、航空機のように点滅させるか閃光灯で目立たせるとともに、相互の距離のあるうちに回避操作して、大きな余裕で交差するのを原則として義務づけないと、エラーで衝突事故に至ります。それなのに海難審判の判断基準から「避航船」の義務を外してしまうというのは、わざわざ危険度を増す妥当でない方針です。濃霧に幻惑されて突然相手船が視界に現れたのとは違い9kmもの遠くから見えていて、航行距離を増やさず回避できたというのに、以後引き継ぎせず放置で気付かずぶつかって撃沈したら責任を問われない方がおかしい。

#182:「避航船」と「保持船」
#181-N2:僚船の回避航跡

 最高裁は重大な判例違反と憲法違反以外の「事実誤認」などは審理しない建前ですから、一般の刑事裁判としては慣例的に今回の東京高裁が最終判決になると思いますが、「疑わしきは被告人の利益に」という原則の適用法としては、中間のグラディエーションの事実認定に適用して0か100%かに単純化してしまっては、あまりに文系的で、結論がワープしすぎる実質誤判になって影響が大きいので、最高裁でも審理を重ねて妥当な判断をして欲しいと思います。


ようやく合焦範囲(焦点深度)に到達  <2>

 うちの帝王が、市主催のカメラ教室で2回のレクチャーを受けての野外撮影練習で「花の博物館」(千葉市美浜区)に参集、私自身も重い三脚担ぎとして招集命令で付き人をしてきたのですが、美しい見た目と写像がまるで違ってしまい、色調に係るホワイトバランスと、特に像の焦点=合焦位置がままならないようで、講義メモにも「焦点深度」としてチャンと触れられているというのになかなか理解が得られず、「光量:LV」と併せて帰宅後もあの手この手で説明を繰り返えすことになりました。

   PC添付関数電卓

 Windowsには、オマケで電卓ソフトが添付されていて、その設定を「関数電卓」にすれば記事の対数計算が簡単に出来ます。画面にショートカットを作っておくと便利です。

 アクセスは左下「スタート」から→ 「総てのプログラム」「アクセサリー」「電卓」 で起動します。
 その設定としては
「表示」→ 「関数電卓」、→
「表示」→ 「桁を区切る」。
[計算例]:
 log2(16,000/2.5)
   =log2(6,400)
   =log106,400/log102 ・・・・(底変換)
   =3.8062/0.3010=12.6
計算尺
(計算尺)
[Key操作]:
  16000/2.5 = ln / 2 ln =
   ln :自然対数ε底、 又は
  16000/2.5 = log / 2 log =
   log:常用対数10底
   (Excel VBA ではlogは自然対数)
[√付き電卓で対数計算]
    See→log(x)
Key操作
焦点深度表:オリンパスM−1MD改
距離目盛り下が焦点深度表
絞り値の範囲が合焦範囲
(デジカメには無い機種が主)

 先ず露光設定について、光化学反応や物理反応量が対数函数に良く近似して、足し算だけで扱える、物理反応や人の感覚基準では指数函数だという光量LVの感覚がちんぷんかんぷんでダメ。しかし2底の対数は2進数と同様で比較的扱いやすいので、これは次第に慣れて貰うしかないのでしょうか。
 基準露光として、感度ISO-100で被写体照度2.5Lux(標準反射率18%で受光面が平均0.45Lux)1秒間が適正露出として、シャッターと絞りで減光してその状態をつくるのが露出設定の基本と考えれば良いでしょう。
 例えば、夏の晴天日中順光100,000Luxの光量はLV=log2(100,000/2.5)=(4+0.6021)/log102=15.3 ですから、
  T=1/512 でTv=−log2(1/512)=9.0、Av=15.3−9.0=6.3→F8(6Av)〜F11(7Av)とか、
 晴天風景順光16,000LuxはLV=log2(16,000/2.5)=log106,400/log102=12.6 ですから、
  T=1/256 でAv=12.6−8.0Tv=4.6→F4(4Av)〜F5.6(5Av)という計算で、一般的な標準露出値に一致しています。(2底の対数の求め方は、高校数学T代数の対数章の「底変換」参照。昔は中学数学で計算尺使用法(右写真)のはず)
 (銀塩写真時代には長らく、「晴天風景は順光でLV13(=20,000Lux)」として撮っていました)。
 (√付き電卓で対数計算可能: →http://www.geocities.jp/jtqsw192/math/bas/formu.htm#Calc

 次いで色調の基本は、人の目の感覚が光源に若干の色が有っても広範に白に修正して感じてしまうことから、その感覚に合わせて自動白色調整(AWB:Automatic White Barance)モードで撮れば、夕焼け・朝焼け時を除けば総て白昼写真に撮れるので大抵は間に合うハズなのですが、撮る側が「雨や曇りのムードが欲しい」とか、光の具合を知りたいとか思うと光線の色温度や色調を設定することになります。
 写像の色調に若干赤みが感じられて変だったので、設定をみますと何と2000゚Kとなっています。博物館屋内の光線は、太陽直射(色温度6000℃)は入らず、青空の明かりが主と見受けられましたので、7300゚K〜8300゚Kを試写してみて7300゚Kを選択。ケルビン温度(絶対温度゚K=+273℃)設定なんですねぇ。色温度表示が「℃」ではなく「゚K」であることに初めて気付きました。それで「K」レンジだったのだ!と納得。300℃差の黒体輻射の差:色調差なんて見分けられないですけどね。

 是非撮ってみたいという「空間に浮かぶ噴水の水滴」は高速シャッターと高感度設定で簡単に実現。大変喜んでいましたが、Aモード:絞り優先モードのママ諸定数を設定して強行撮影で、「シャッター優先「Sモード」にすると、操作が楽になる」という話は全く上の空でパスの模様。改めて光量LV表を見せて、「オートモードで露出選択ダイヤルを廻して最速シャッターにして撮れ」と言い直すことにします。

 「焦点深度」を理解して貰うのに四苦八苦。絞りボタンを押して合焦範囲の変化をみて貰おうとしたのですが、「押すと暗くなるわねぇ」と、合焦範囲の変化に気付いて貰えません。フィルムカメラ用レンズの焦点深度表を見せても全然理解されず、仕方がないので屋外に出て、遠く続くガードレールに向けてファインダーを覗いて絞りボタン押して貰ってようやくピンぼけ範囲が少なくなることに気付いて貰えました。改めて新聞の季節写真をみて、対象の花にはピントが良く合っていて、背景の人や木立に暈けが入って撮れているのに初めて気付き、「カメラマンの腕」に感じ入ってます(w。

接写レンズ使用法  <CU.Lenz>

 「定年祝いに娘からプレゼントされた」というCANON EOS-M 持参でカメラ講座参加の御老体が、こちらの接写レンズ使用に気付いて、「どう使うのですか?」というもので、現物を一旦手渡してから、取付直して、
  1. 単純な凸レンズでせいぜい2枚構成、扱いはねじ込みフィルターと同じで、レンズ口径(55φ/当方77φ& 62φ)と同じものを準備。
    市販品は1度〜4度(CU−1〜CU−4)があるが、実使用では3度(CU−3)=1/3m焦点1個¥2k余〜¥3k余でまず足りる。
  2. 「度」の逆数が焦点距離なのは老眼鏡と同じで、焦点位置の被写体はカメラからは無限遠に見えます
  3. 2枚重ねは双方の「度」を足せば、その逆数が合成焦点距離。
  4. カメラの最短合焦距離の逆数がカメラの接写度
  5. ∴合成合焦距離は、接写レンズの度の逆数〜カメラ本体と合わせた度の逆数の範囲で合わせられる。
    最短合焦距離0.5mのカメラは最大2度(=1/0.5)の接写、これに3度(=1/0.333)の接写レンズを付けると2+3=5度→1/5m:20cmまで焦点が合い、1/3m=33cm〜20cmの範囲で焦点が合う。
  6. 接写用のマクロレンズなら無限遠∞〜すぐ近くまで連続的に焦点調整できて扱いやすいが、接写レンズの20倍以上の値段で、しかもマクロレンズでも、その最短合焦距離より近い被写体には結局は接写レンズが必要。
     望遠レンズにも、広角レンズにも、ズームレンズにも装着できるもので、普段は外しておくだけだから、C−PLフィルター同様、1枚持ってて良いアイテム。
と説明しました。
 カメラ教室の講義レジメには全く無かった内容なのに、私が勝手に喋ってしまって拙かったかしら?でも「接写レンズ」というのは一般の写真芸術派のアイテムではなくて、ごく特殊な記録・資料派の貧乏くさい補助資材ですから、写真芸術派とお見受けする講師団の今後の講義に出現することはまず無さそうですけどね。
(追伸:撮影講座は翌週、当日の作品を持ち寄って合評会を開いてお開き。接写レンズ派が+1人増えたことになり、話して良かったみたいです(w。会に持参した作品は、自分の部屋に飾りきれないからと娘が持ち込んだ遺伝子操作の青いバラの接写写真で、「すごく関心を持たれた」といいますが、それは写真の腕というよりも、珍しい濃い青いバラのセイじゃないでしょうかねぇ〜。花びらの付け根まで一律青いのはまるで造花のようで異様です)
   [関連記事は以下の通り]→
     接写レンズ
        光学関係メモ: 同Index
     日記#336−<3> C-PL(偏光)フィルターの活用
     日記#334−<2> 絞り解放撮影「一眼レフ写真」の極意→ 焦点深度(当記事)注意
     日記#317−<2> カメラ女子おばはん開業か?


経産省前テント撤去訴訟
本家の俺も訴えてくれ〜っ!  <3>

 途中退職者を含めた労働組合の何回目かのOB会が神奈川で開かれまして、一緒に頑張った懐かしいメンバーがパーティー発起人・幹事を引き受けていていまして、テキ連合支持派として労働者自主独立派の追放側に廻って実力阻止したり資金を止めるなど二度と顔も見たくないメンバーもくるのですが、丁度かち合った東京明治公園での「原発廃炉要求全国中央集会」からも日記#0247+で出合った女性組合員など数名がハシゴ参加で、呉越同舟の飲み会に参加してきました。

 参加申し込みの「ひとこと」蘭を見ますと、連合加入ごり押し派の中心メンバーが「・・・・・・ナショナルセンター連合の体たらくは呆れるばかりだ」と書いて参加していたり、(引いてみれば連合路線の酷さはその結成時から変わらないので、反対派を引きずり降ろしてまでも「時流(デマ・キャンペーン)」を追って強行加盟した自らの不明こそ真っ先に述べるべきですし、職場労働者全体の利益を思っての主張や行動であれば重なる人員整理合理化に抗して先頭で闘っているハズが、早々に早期退職に応じて離脱したのでは単なる変節でしかなかったことを物語るものですが)、連合加盟問題以前の早い時期に中途退職したメンバーも顔を見せたりで、70名前後の元を含む組合員が様々の思い出やしがらみのなかで2時間余のパーティーに参集したのでした。

 職場では激しい労働組合弾圧が続いて争議の連続でしたが、養殖御用第2組合結成の積極的活動家が生産現場の高卒管理監督者班長中心だったのに対して、こちら闘う組合側には主力の現場女性労働者と、競合他社で通用する開発研究者・技術者層が多く参加していて、自分だけならさっさと転職できるのに意地でも被弾圧側組合に残って頑張っていたので、たとえ転職してもその時点までは「一緒にやせ我慢で頑張った同士」という評価が勝り転職自体を「裏切り」などと非難する空気がなく、労働組合以外でもOBや現役たちが幾つものグループで旧交を温めている、不思議な集団です。「抜けるヤツは裏切りだ」としがちな一般的な争議組合・争議団とはかなり雰囲気が違います。

 私は折からのドクターストップを尊重してカメラ係としてパーティー会場を歩き回り飲食量をセーブしていたのですが、早期退職組X氏から話し掛けられ「俺はなかなか腹を決められず、職場活動を中途半端に辞めてしまったけど、今はチャンとやらなきゃイカンと、沖縄のヘリパッド闘争などに首を突っ込んでる」と、早期退職側が若干の負い目を感じているのが分かります。「あんたたち文系感覚だと『五十歩百歩』は同じだと評価するけど、理工系感覚じゃ五十歩突っ込んだのと百歩突っ込んだのでは明らかに違う。わずかな量で質が違ってくるかも知れない」と九大卒X氏を少し持ち上げて(連合加盟実力行使強行派で「合理化」に即退職のY氏は阪大理系。独善強行暴走で大量組合脱退を招いた中核派Z氏(欠席)は横浜国大と、変節に専攻・出身校ブランドは関係ありませんし、自分の変節を職場に残る人達に押しつけて居残り迷惑を掛けたりせず、馬鹿らしくてやってけないと思ったら変節・迎合などせず、いつ辞めたか記憶にない程静かに退場するのが普通です。東北大・早稲田大・鹿児島大・電通大氏らはいつ辞めたのかほとんど記憶がありません。非組合員への昇格を内示されて組合を脱退する条件を出されて憤然と退職したのもいました)、そこで「原発廃炉を求める経産省前座り込みテント排除裁判」についての興味深い内情話を聞きました。
経産省前テント13/3/10
 現在、テント撤去と使用料請求裁判の起こされている経産省前座り込みテントは、原発事故直後に俺たちが一般市民として被災者への全面賠償、原発の具体的な安全対策などを要求して、経産省側が具体的回答を寄越すまで徹夜で待つというのでテントを建てて泊まり込んだのが始まりだったが、経産省からは2年を過ぎた現在まで具体的回答が無いが、始めてすぐメンバーの一人が体調を崩して他界するなど命懸けの闘いになってしまって「俺たちだけじゃ保たない」と、他の市民団体にも呼び掛けて「テント村」として現在まで交代で泊まり込みを続けていた。経産省からの回答待ちの泊まり込み継続のために「村」を名乗ったことを捉えられて、国・経産省から訴訟を起こされたが、最初に要求交渉に名を連ねて申し入れて回答を待っている俺たちのほとんどは訴訟の対象から外されている。役所への請願行動の回答待ちで構内にいるだけだから、不法占拠には当たらず、排除の対象でもないのだけれど、泊まり込み待機を始めたやつを訴訟の相手から外して他を標的にするなんて、ふざけるな!俺たちも訴訟の対象に加えろ!と今、約170人ばかりが「俺も被告にしろ」裁判をしている。裁判所がこの訴えを一人一人審議してくれると、当分排除命令は出ないで済みそうだ。
 というのですが、請願の回答待ちの行動を施設管理権・所有権にかこつけて弾圧できるのかどうかを判示するという、憲法16条に明文で定めた国民の請願権を保障するかどうかの重大な裁判ではありますが、近年の支配側しか見ない裁判所が、「所有者の意思に反した滞留」という外形だけを捉えて請願行動弾圧排除を進める判決を出さないよう多くの注目が必要です。ま、その意味でみると、俺たちも訴訟に参加させろ!訴えろ!という裁判にも付き合っている担当裁判官は16万人もの原発事故避難移住者や息長く続く反原発の与論も勘案してそこそこには頑張っているのかもしれません。X氏はさらに加えて・・・・・・

 ヘリパッド反対闘争では現地座り込みテントに延べ1ヶ月あまり泊まっているが、現地の共産系の人達が頑張っていて、古堅(ふるげん実吉:人民党書記長→共産党元衆院議員)さんが継続的に講座を開いてくれていて、数回聞いたけど、全部は聞けなくて帰京した。共産は運動の下支えは良くやってくれている。
 「左」がここまで衰退してしまっては、もう、セクトだなんて言ってられない状況だから、一緒にやるしかない。革マル派や中核派は相手の「殲滅」を基本方針にしてるから除くしかないが、それ以外は総掛かりで行く必要があると思ってる。最近は仲間から『お前、どこのセクトに転んだんだ』と言われるモンで「ノンセクト・ラジカル」だと思っててくれって言ってる。共産は運動の現場の何処にも居るねぇ。などと話し続けるので、へ〜、セクトだったの?少々スケベ〜なビッグマウスかと思ってたぞ〜(w。姉御のスナックには行ってるか?行かないと閉めちゃうぞ〜。などと混ぜ返しながら聞き役・撮り役に徹したのでしたが、パーティーお開きの帰宅途中に都下の姉御(前回は出席)のスナックにフラリ立ち寄ってカラオケ・コントローラ3面びっしり24曲を歌いまくったのでした。渡された名刺には「9条改憲阻止の会/伊達判決を生かす会」とありまして、実に渋い標題で頑張っている様で、地味に地域にビラ配りで400枚配って一万歩∴2万歩歩くか!などと不純に底辺を埋めるこちとらの活動とは華やかさが違います。

 立法・行政・司法とマスコミが総掛かりの労働者攻撃大デマ・キャンペーンのなかで、それに抗する正当な方針を提起しても「組合だなんて抵抗勢力!ダサ〜い!既得権粉砕!」などと本来の味方から受け容れられないことも少なくない現状ですが、それを自党セクトの主導権奪取のために攻撃側に廻り働く者の諸権利を売り渡す卑劣な変節の歴史が繰り返されてきました。
 振り返れば、解雇自由・争議抑圧・非正規化推進の連合路線が主流となった結果が、青年の過半数が不安定な非正規労働者となって次世代を残せないワーキングプアになりましたし、保育士など現業公務員をパート化・外注化して現業公務員の交代勤務・時差勤務をなくす要求単純迎合路線は、正職員が仕事に責任を持つべきだとする勢力と争った組合役員選挙には勝利して次世代の働ける安定した職場をなくして劣悪な非正規・パートの職場にしてしまいました。
 道路・港湾など公共インフラ同様に国が負担することが前提だった国鉄の設備投資費を、総て高利の借金で行って利息を金融資本に支払い続けさせて政権党が政治献金などとしておこぼれにあずかり、その累積が丁度累積赤字額27兆円となる国鉄財政問題は、「働かない国鉄労働者の責任による累積赤字」という大規模なデマ宣伝で、国労潰しを介しての日本の労働運動の破壊攻撃が行われて、攻撃に迎合して主導権を握る勢力が多数現れて連合が作られました。国労攻撃で右派御用組合の主導権を握り自分の組合員まで含む合理化解雇を促進、「闘争団を職場復帰させたらストで闘う」と息巻いて自セクト革マル派の温存を図った旧動労JR東日本労組の様な露骨なものさえありました。
 古くはレッドパージ攻撃でも、社会党系は反対派を「アカ」だとして名指しして解雇させ職場から追放して、米軍占領下の集会禁止令下で特認されて総評結成大会を開き御用養殖派として日本の労働運動の主導権を握りました。土井たか子党首には「人材活用センター反対」でマスコミの前でパフォーマンスをさせながら、議会など政党実務では全く放置して「人活センター現場視察」さえ許さず、現実の職場では国労に繰り返しの分裂攻撃を仕掛けて国鉄当局に味方するような謀略的行動も採って労働者側への組織攻撃・連合拡大を図りました。国鉄争議そのものを粉砕攻撃する「4党合意」を勝手に結んで闘争団に押し付けを図って反対者の生活費を止めて揺さぶるなどの卑劣な真似もしました。

 このような大規模な謀略に世論がまだまだ騙されてしまう、毎度毎度、攻撃に迎合して主導権を握る右派勢力が現れることの繰り返しでしたが、そうした攻撃と裏切りに断固反対を表明しながらも、追い出されずにギリギリ組合役員にも留まって影響力を与え続けて攻撃を緩和、OB会まで緩やかに組織するという驚異の粘り腰も、いずれ評価されるべきでしょう。
 テキ側の懐に潜んで役員にも当選し静かに掣肘するなど、血の気の多過ぎる私には到底無理な活動形態であり、御用路線に激しく歯向かって早々に散華で追放されて終わってしまうと思いますが、御用集団の中にごく少数でもまともな見解・方針を発する集団・党派が残っていると、時にはオセロのような一斉局面転換をして御用化の蓄積を吹き飛ばしてしまうことも間々ありまして、養殖御用右側も悪事を強行し辛くなるのです。占領軍の庇護の下に御用養殖組合として結成された「総評」が第2次世界大戦で無条件降伏し占領された日本の戦後処理=独立に際して単独講和か全面講和かを巡って「ニワトリからアヒルへの転換」を果たして民主勢力側に大転換したのが典型例です。理屈としては良く良く判っている積もりですが、本来味方であるハズの多数から追放されないギリギリで少数意見のまま居続けるのは大変なことで余程シッカリした思想的バックボーンがないとやり通せないでしょう。そうした人が一人、支部幹部に当選して職場に活動報告しただけで飲み食いの費用が年間決算で1/10に激減したのは驚きでした。リーマンショック解雇多発時に、争い方をレクチャーするDVDをビラ並みの費用で作れるようにダビングマシンを構成して、組織的には連合と対抗する地域全労連に与して当事者に配布したとか、調査活動と資料作成、デモや集会申請などの裏方活動への参加は、物証など得ようもなく、御用側には抑えようがありません。せいぜい集会や選挙・学習会などの「強制動員」で日程を埋めて一般組合員を囲い込むくらいの妨害しかできず、それも原発廃炉要求など多彩な自発的運動の展開下で、大儀のない強制動員に対して「無理〜、出られない〜」と腹を決めて居直られたらそれきりです。日産など会社が直接に支配介入した処はどこも経営が傾きましたから近年は軽々には手を出しません。

西武鉄道TOB
企業は社会の公器か?!利潤を得るためだけの道具か?!  <4>

 西武鉄道が禿鷹ファンドにTOBを仕掛けられて、不採算路線や西武球団の処分をほのめかされて、経営権を奪われて株主利潤最優先のみ追求される事態になって、会社側は鉄道と企業の公共性と、企業価値毀損を訴えてTOB阻止を図っています。その結果、禿鷹ファンド側は拒否権株数は得たものの、方針を決定できる株数には遠く及ばずに失敗、尚も経営陣送り込みを要求して争っています。

 しかし今、日本を席巻しているアメリカ型資本主義は、資本だけが潤えばよいハゲタカ型で、精算して売買差益で潤えば企業閉鎖は当然で労働者や産業やユーザーがどうなろうと関係ないという、激しく劣化した剥き出しの守銭奴資本主義で、労働力再生産が出来なくなるような低賃金、不安定労働、解雇自由化、ただ働き残業を要求して「規制緩和」「事業税免税」「企業負担軽減」を声高に叫んでいます。竹中・小泉、安倍路線、経団連米倉弘昌らの路線です。その結果、製品を消費して支えたガラパゴス市場の規模を縮小させて、企業として立ち行かなくなる「合成の誤謬」状態となっています。
 企業の公共性を訴える西武鉄道の主張は、これとは真っ向から対立するまともなもの。西武鉄道の株主がハゲタカファンドのTOBにほとんど応じていないというのは大変面白い処で、労働者保護剥奪など国民騙しのスローガンには使うけれど、自分たちでは信奉していないということです。

 かっての日本の経営は、利潤追求唯一主義ではなく、客も、従業員も、会社もそれぞれ喜ばれ利益のある経営を社訓とするなど、家業として皆が暮らせる事業運営が尊ばれていました。目先の利潤だけのために暮らせない低賃金を押しつけたり解雇したり、外注を切り捨てたり、機に乗じたボロもうけはしないで、お互い生きていける方向を目指していました。また、自動車の大量生産を確立したヘンリーフォードは「ここで働いている人達が自分の車を持てるようにする」と宣言して、実現させています。フォードが利潤第一主義であればベルト作業による非熟練単純労働化で賃金を下げる方が目先の利潤は増える様に思えますが、大量生産品の市場は成立せず立ち行かなくなってしまうということです。最近、ベネズェラやブラジルで貧困層に向けた政策支援で景気が大きく浮揚しているというのは、収入を貯め込めずに消費するしかない層への財政支出ですから大変妥当な経済政策です。

 ところが、日本では、リストラ解雇に税金から補助金を出して貧困層を増やし、生活保護水準を切り下げて消費に水を掛け、新たな消費を必要とする生産財への設備投資を煽って、生産力過剰を深刻にする逆アクションの愚策を「景気対策」と称して、有り得ない「トリクルダウン」期待で資金のだぶついている大企業に国家財政を注ぎ込む見当外れを続けています。s50年代から電機業界を先頭に大量の首切り合理化を繰り返し進めて、続く日本鋼管などは一ヶ月で7000人もの強要「希望退職」を強行、電電公社→NTTも、国鉄→JRも数万人単位の人員整理合理化の強行と、それに抵抗する労働運動への支配介入・弱体化、御用・養殖化、労働者派遣の解禁で目も当てられない状況になりました。NTTなどは首切り対象者に片道2時間半の通勤を強いて「自発的退職」促進で首切り合理化費用を抑えましたし、JRも奴隷扱いの刺々しい職場にして嫌気を誘い、安価に済む「自発的退職」で5万人を放逐しました。かっては90%以上が期限のない正規雇用だったものが、青年の過半数が非正規雇用、正社員待遇も劣悪化した現状があり、安倍政権と経団連はさらに解雇自由の限定正社員への劣悪化、残業手当ゼロ法案の成立を狙っています。西欧では労働組合も闘い、法規制があり、政府も勝手な合理化解雇を許さないので、日本の労働者・勤労者が一番酷い状況に置かれています。

 大昔は組関係の手配師をしていた土建屋社長が、グッドウィルなど人材派遣会社が、請負額の半分前後をピンハネしているニュースを聞いて「堅気の方がヤクザよりやることがアコギだ。俺たちは目の敵に取り締まられたけど、ピンしか刎ねてなかった(=1割刎ねるので「ピン(=1)ハネ」)。それを半分以上持っていった上に、交通費も500円までしか出さず、事務手数料まで取るだなんて無茶苦茶は、俺たちじゃ考えられない」と言ったのだそうです。昔は暴力団絡みのタコ部屋があって働いたほとんど全部を巻き上げていましたから、それはグッドウィルやニッケン(≒トヨタ)と同じ様なものでしたが、少なくとも「合法」ではなく、取り締まり対象でしたから、今のように大企業が職場に直接受け入れることはありませんでした。労働者派遣法はピンハネを合法化して人入れ屋たちを成功有名人化したのです。

 これでは生産力の過剰を吸収する需要など生まれるはずがなく、不況は深刻化するばかりでしょう。高度経済成長後、大量の首切り合理化に最初に手を着けた電機業界が、地デジ切換にかこつけた政策的な強制需要が一段落するとガラパゴス化機器を買い支えた国内需要を喪って大ピンチに陥っているのは極めて象徴的です。目先の利益だけで、首切り合理化を強行して労働者にしわ寄せして、自分たちの市場を枯らして自分の首を絞めてしまいました。安倍、竹中・小泉らの新自由主義政策の実質は古典的な剥き出しの資本主義そのもので典型的な「合成の誤謬」というべきです。

2013/06/13 21:55

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