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Geo日記
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傾斜錯覚補正に鉛直ストライプは効かないか?
   エスカレータでも壁板継ぎ目線で錯覚発生

傾斜錯覚
垂直線はどれ?
傾斜錯覚
東京駅中央線1,2番線ホーム−通路間

 視界に鉛直線がなく、斜めの黒く太い繋ぎ目が斜めで頭上を1周し、時に視覚的水平感覚を幻惑する。斜線に壁色のテープを貼り、鉛直線で視界誘導が必要か?
 画面上方のビラの下線が実際の水平方向。
鉛直ストライプ 東京駅総武線地下1〜4番線通路−地上通路間
 壁のパネルの条痕が鉛直で、視覚的水平感覚を幻惑しない。
 ディズニーランドの人気アトラクションに「宇宙旅行」があります。これはスクリーンの前面展望に合わせて座席付き部屋全体を揺らして、さらに効果音を重ねて臨場体験感を出していますが、このアトラクションの原型は習志野市にあった京成電鉄谷津遊園の遊具「ビックリハウス」です。跳び箱状の椅子に座ると、突然その椅子が前後に揺れて、部屋の壁が回転を始めるため、自分が回転している錯覚を生じます。その遊具の一部に斜めに大きく傾いた廊下状の部屋があり、どうしてもまっすぐには歩けないのですが、なぜか1本の柱が逆方向に傾いて建てられていました。試しにその柱を鉛直基準として立つと、ちゃんとまっすぐに歩けます。傾いて見えた柱が実は鉛直に建っていたと言うわけです。

 同様の錯覚を生ずるケースが、東京駅3階の1〜2番線に登るエスカレータの化粧板の継ぎ目が階段方向に直角で勾配分傾いており、考え事をするなどでうっかり視線が目標を外すとこの継ぎ目線に惑わされて鉛直感覚を失ってあわててベルトを掴むことがあります。総武線地下ホームからの上りエスカレータよりも錯覚を起こしやすいのは、中央線エスカレータの継ぎ目線が視界を一周しているからでしょう。透明のエスカレータでは鉛直・水平の内部構造が見えて錯覚を起こしません。

 今日は3/11大震災からまる3ヶ月。震災で家が傾いて気持ちが悪いというのも、視覚と平衡感覚の鉛直線のズレからきているとしたら、壁に鉛直ストライプを貼り、方形の家具も低い方に交い物をして視界に水平−鉛直線を多くして錯覚を打ち消せば、違和感は軽減できるかもしれません。我が家は幸いにして震度5強で3分余揺られても傾かずに済みましたので確認実験できませんが、ダメモトで視界に鉛直線を多く置いてみたらどうでしょう。
 右表の住家全壊判定基準の1/20勾配=5%といいますと、数値的には一見緩やかな印象が有るかも知れませんが、鴨居の高さ1.7mから下げ振りを垂らして8.5cmも空くという激しい傾きで、国道の峠道の勾配基準が6%〜4%であり、国道20号甲州街道大垂水峠越えなどが該当しますが、それはかなりの急勾配に感じられます。8%ともなれば逆落としに見えるほどです。それが、基準となる鉛直線が視界にあることでどう影響するでしょうか。

[補足] 住家の傾斜被害
緩和認定基準

5月2日改訂で全壊以外にも支給
判定   四隅の傾斜度  見舞金
全壊   1/20≦     300万
大規模半壊1/60≦〜<1/20250万
補修150万
半壊   1/100≦〜<1/600
不認定  〜<1/1000
 公共の建物・交通機関でもそうした錯覚が起こると、いざというときのパニック誘発要因となり得るので、工事落成直後には錯覚発生を感じていた東京駅1〜2番線エスカレータの覆い壁には虎の尾テープなどによる鉛直線を描いた方が良いと思っていたのですが、震災被災家屋で不具合が顕在化したので、書くことにしました。部内で安上がりに実施できる安全策は、試験的にでも実施してみてはどうでしょう。無実施箇所との比較や、従前との比較で転倒事故発生率などに有意差があれば、全部に適用すればいいことですから。

2011/06/11 00:30

錯覚誘発!東京駅中央線エスカレータ壁      <2>

 この記事を書いてから、長いエスカレータの壁に注意してきましたが、京王新線新宿駅は煉瓦様タイルを壁に鉛直に張っていて錯覚の余地はなく、総武快速横須賀線東京駅はアルマイト壁のリブ:コルゲートが鉛直に張られていてやはり錯覚の余地が無いのに対し、東京駅中央線(1,2番線)ホームへのエスカレータだけが斜めに上がるベルトの直角方向に壁の10mm幅前後の黒い太い継ぎ目が走って、視界から鉛直基準線が無くなります。恐らくこれが錯覚によるふらつきの原因でしょう。錯覚防止に鉛直ストライプで視野ガイドを作ってみる価値のある場所です。

2011/08/18 01:30

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