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ATS区間に非ATS列車で大惨事!
ブリュッセル郊外列車衝突


信号システムの不備が原因か
 ベルギー列車衝突 
asahi.com 2010年2月17日0時7分:朝日新聞社

 【ブリュッセル=井田香奈子】ブリュッセル郊外で15日に起きた列車衝突事故で、ブリュッセルの検察局は16日、業務上過失致死傷の疑いで捜査を始めた。地元州知事らはブリュッセル方面からきた電車が赤信号を無視したと発表していたが、信号自体が点灯していなかった可能性も指摘され、システムの不備が問題になりそうだ。

 ベルガ通信によると、赤信号を無視したとされる列車の運転士は衝突直前に脱出、生存しており、国鉄に対し、「対向列車に警笛を鳴らし、止めようとしたが間に合わなかった」などと話したと伝えられている。この路線には自動列車停止システムがあったが鉄道当局によると、この列車には対応する停止装置がなかった。各列車から速度などを記録したブラックボックスが見つかっており、州政府や検察局が内容を調べる。

 16日時点で死亡が確認されたのは男性15人、女性3人で、重体20人を含む80人がけが。損傷が激しい車両の一部に乗客が残っている可能性がある。事故は鉄道網全体に影響を及ぼしており、ブリュッセルとロンドン・パリを結ぶ高速列車ユーロスター・タリスは16日も運休が続いた。


[ リコールの内容 ]
10/02/17 トヨタ全国紙一斉全面広告より

 ABSの制御プログラムが不適切なため、ブレーキをかけている途中に凍結や凹凸路面等を通過して一瞬だけABSが作動すると、ABS作動直前よりもブレーキのかかり具合が低下することがあります。この理由により、リコールをさせていただくことにいたしました。
※上記現象が発生した場合は、ブレーキペダルを更に踏み込んでいただければ確実にブレーキが効きますので、ご対応いただきますようお願いいたします。

 この事故ニュースで驚くのは、ATS設置路線にATS車上装置の無い列車を乗り入れさせていることです。そんなことをしたらATS設置の意味がありません。しかし、シカゴの惨事でも異なるATSの7路線が乗り入れる地点で、そこに有効なATSが無かったとか、台湾国鉄は国鉄OBコンサルタントの齋藤雅男氏に「ATS車上装置が故障した列車はどう扱えば良いでしょう?」と相談して「ATS故障の列車は絶対に使ってはいけません」と指導されるなど、他国ではATSが添え物扱いになっています。ここが一番の問題で、国際列車が乗り入れるような稠密路線にATSのない列車の運行を許容してはいけません。
 問題は、どの方式に統一するかで、自国開発の方式を「国際標準」として先に登録して商圏を確保しようと云う戦略路線同士がぶつかりながら纏めるのは大変だろうとは思いますが、安全最優先で頑張って欲しいもの。
 機能としては既に廃止扱いになっている日本の私鉄ATS通達が基準にはなるでしょう。あれこそ絶対停止を加えるなど纏め直して「国際標準」として提唱すべきもので、幾つかの具体的システムと共に売り込むものでしょう。総研のATS-Xとか、現用ATS-Pとか、Ps−Sxを整理し標準化を試みた変周式(地上子共振周波数式)ATSとか、鉄道利用の量と質では世界の先端となった日本の技術を4島内だけに留めておくことはありません。速度照査が無く不評のATS-Sxでも中間現示制限と閉塞信号への直下地上子の追加でかなり安全性を上げることができます。

やはり回生失効問題!
プリウスABSリコール
   <1>

 プリウスのリコール改修内容が回生失効周りであることを、写真週刊誌FLASHの2010/03/02号記事p102〜103が明らかにしていて、技術系には強いはずだった日経BPの記事の酷さを浮き立たせています。
 アメリカからのトヨタ叩きキャンペーンの一環という切り口の記事中で、技術解説としては好い加減な処もありますが、(1).トラブル内容が回生制動と、油圧制動の自動切換設定であること、(2).米車でもフォードのフュージョン・ハイブリッドで同じトラブルでリコール改修しながらそのままカーオブザイヤーに選出されていることを述べて、トヨタ側のクレーム対応の拙さと、米マスコミ、政府の不公正な扱い、それに煽られるだけの日本側政府マスコミの不定見さを指摘していますので、骨子としては優れた記事です。
 定評あった日経BPも女性の裸で売る写真週刊誌の記事に決定的に負けるなんて劣化著しく末期的症状ですね。トヨタの言い分をそのまま垂れ流しただけだなんて。大スポンサーであるトヨタのトラブルには切り込めず、アウトローで生きられる黄表紙本などアングラジャーナリズムに便乗してしか真相を暴露できないなんてイヤな時代に戻りつつあるのでしょうか?

 全国紙2/17朝刊に一斉にトヨタの全面広告が載りましたが、そこでは相変わらず「ABSの制御プログラムの不適切」とあり、回生失効の問題を伏せたまま切り抜けるつもりの様です(右枠下段)。しかしABSが働いてその悪条件での最大制動を行っているところに強く踏み込んでもブレーキが増すことはありません。回生失効による一時的なブレーキ抜けなら踏み込めばブレーキが効くでしょう。[See→日記#238 ABSとは]

 可能性として言えば、ABS制御と回生失効制御機能を持つ運転制御装置を「ABS制御装置」と名付けてしまったために混乱を生じている可能性があります。最初の広報対応で外したことを言ってしまい修正できなくなっていて、リコールで修正するのは回生失効の処理定数なのに「ABS「装置」制御プログラムの不具合」という表現になって真相の理解を妨げているのでは?構成部品のネーミングミスが背景かもしれません。

 そして、もしABS動作時の復旧時間そのものが0.46秒固定というのでは、18km/h走行時で氷上滑走1m+ABS空走距離2.3m=3.3mノーブレーキというのが長めなのでしょう。回生失効後の滑走復旧制御にABSプログラムが噛んできて、そこに不適切が現れるということでしょうか?緊急に止めなければいけない制御と、高効率を目指した電力回生制動優先で緩やかに止まって良い場合とは別物です。前者は正常動作の模様で、後者については回生失効による空走の様子を周知徹底し注意喚起すべきことです。
 鉄道総研開発のマルチモードブレーキでは1/100秒間隔で速度変化率(≡加速度)をみて再粘着を予測検出して制動を再開している訳で、プリウス制御ではどんな制御アルゴリズムと観測間隔を選んでいたのでしょう。北海道の特急用鉄道車両に比べれば桁違いの量産品ですし、新型プリウスの方が後年の出現ですから更に高度の制御が可能なはずなのですが・・・・・。

アクセル戻らず他は独立の別クレーム   <2>

 アクセルが戻らない故障というのは、昔はかなりの頻度で起こっていたもので、フロアマットに限らず「キャブレターの針が引っ掛かった」の「ケーブルが引っ掛かった」のと、あちこちで遭遇体験を聞きましたから、品質の安定した今も一定の割合でトラブルが発生する可能性は否定できないと思います。私自身も他社の車ですが昔、東名高速でアクセルが引っ掛かって戻らない現象を助手席で経験し、ブレーキとクラッチとキー操作で高速道から脱出したことがあります。
 ただ、昔はマニアルミッションですからクラッチを踏めば暴走するエンジンを簡単に切り離せましたが、今はオートが主流に変わり、それだと減速比が大きく大トルクのバックギヤやローギヤでトルク・コンバータが更にトルクを3倍以上にすることで足踏みブレーキ力を上回りかねない危険な状況を生じて重大事故に繋がる、ということでしょう。オートマ車暴走事故の体験を聞くと、その多くでブレーキでは止めきれない駆動力が発生しているようです。
 電子制御に違法CB(市民バンド)の大出力電波が飛び込んで制御不能というのは初期のEFI車(電子燃料供給制御車)では当たり前にありましたから、電子制御に疑いの目が向くのは無理からぬことですが、原因が何処にあったにせよ即座にキーオフなど緊急措置を取れる構造とユーザへの周知徹底が重要でしょう。何秒間かボタンを押し続けないと切れないなどというデスクトップパソコンの様な仕様であれば最悪の欠陥構造と言うべきです。故障程度では簡単には事故にならない体制は必要でしょう。プリウスの緊急操作性はどうでしょうか?
 三菱自動車の車軸折損クレームでも、パロマでも、このトヨタでもトラブルを伏せ、問題ないと言いくるめて放置する期間に問題を深刻化させています。
2次振動系の減衰振動
 減衰定数により振動的、非振動的(過制動)、その境界の臨界制動と変わる。心持ち振動的に設定するのが最も収束が早い。

質量・バネの2次振動系の制動不足
 =開発時の性能テスト不足   <3>

 カローラで調査されているハンドルのブレは、実際に発生するかどうかを含めて調べてみないことには原因は掴めません(バッシング政策に基づくネガティヴ・キャンペーンの可能性も全くゼロではありません)が、2次振動系の振動制動特性の設定次第で特定の速度で発生することは充分考えられ、その速度以上や以下では起こらず、運転者が強く握っていて振動特性が変わり自由振動には至らないことも充分あり得ることで、もし発生していたとしても深刻な事態には陥らない可能性もあります。それでも開発時の性能テストが極めてルーズであったことを示すものです。
 左右の操向輪がキャンバーとトゥインを設定されて接地のピンポイントを中心に操向することで操向力を軽減、両側を若干内側に向ける(=トゥインを設定する)ことで安定した直線進行を図っていますが、質量のあるところにバネを介した力が加わって振動制動が不足していれば過渡的振動は当然に起こり得るものです。対策としては開発であれば理論に沿った油圧ダンパーなどの部品を追加するのではなく、振動しない形状や補強を探すのですが、出荷済み製品への対応はどうするのでしょうか。「ちゃんとハンドルを握って運転して欲しい」で済むのかも知れませんが、やってみるしかないでしょう。
 これは自転車でも両手放し運転でハンドルを自由振動に任せると空気圧も噛んで特定の速度で振動を始める車両は結構ありますが、手を添えればその振動は止まります。カローラの場合、パワーステアリング機構を油圧式から電動式に変えたときに振動制動特性が変わって振動しやすくなったのを試験不足で見逃した可能性があります。それはいずれにしろ手抜き開発で見逃したものです。
 一方、高速走行ではステアリングを堅めにするのですが、この具合が狂っていると不評でしょう。発生率が分かりませんが、設計不良なのか製造不良・部品不良なのか実態調査が待たれるところです。

番外:
腰パン氏8位入賞に留まる   <4>

 腰パンスタイルで出場辞退強制に追い込まれそうになったプレーヤーが下馬評の銀ではなく、8位入賞のニュース。スポーツ界を支配する老人達の私的感覚での出場停止がやり過ぎという見解は変わらないものの、後追い情報では人を見下す傍若無人キャラの様で、それがメダル獲得で全部肯定されてしまうのは不愉快と思っていたら、競技では得点が伸びず、8位入賞に留まったという。まぁ、8位入賞は、そこそこ適度なところでしょう。
 報道に何処まで信憑性があるかは鉄道関連報道の好い加減さをみても吟味が必要ですが、日刊現代、週刊新潮、週間文春に4年前の日経新聞まで揃って腰パン君の悪行暴露で、同僚を威圧支配していく与太者型の模様。けして「信念の人」などではありません。4年前の出場者の憧夢氏がその攻撃対象にされて、周りを睥睨し、お前呼ばわりする与太者キャラであることを報じています。選手村の場を支配して成田憧夢氏をパージだなんてコンビニ前にたむろし通り掛かりに絡んでいる類と同じです。昔、表彰台のアメリカ黒人選手が国旗に背を向けて拳を突き上げて、自国にはびこる人種差別に断固抗議のアピールをした価値ある抵抗とは比べようもなく下らない馬鹿晒しではあります。個人個人は様々でも、元チャンピオン達がヤクザの用心棒になっていたり、暴行傷害で逮捕されているボクシングや、暴行傷害朝青龍を大スターとして待ち望む格闘技興行などは、それなりのレベルに見られる訳ですが、スケボーも同様にコンビニたむろ派レベルの「スポーツ」であることをその第一人者が身を以てアピールしたことになります。「仲間はずれにした」というのはその他大勢の選手は消極的にせよ腰パン暴君に従ったわけですからそれが主流です。
 朝青龍・亀田弘毅型のアウトローや人を見下すことで自分の価値を主張するようなタイプが、メダリストというだけで、見下しを含めて無定見にもて囃され「信念」などと美化される不愉快な場面を見なくて済むのは有り難いことです。
 あの覚醒剤常用アイドルの例もありますし実相は知る由もありませんが表に見える範囲では一生懸命型の白鳳の方が共感が持てます。愚挙を囃す、その半分以上はマスコミの責任ではありますが、・・・・・。
 今回のトラブルで本質的反省をして、同僚など他への態度を改められれば劇的改善となるのでしょうが、決勝戦後の会見でも競技の実力のみを言い募るようですから改善の見込みはほとんどなく、常に代表派遣されるべきかどうか論議を呼び、演技成功も手放しでは喜ばれない悪がきキャラのままでしょう。これぞ自己責任というか、自業自得が適語です。

2010/02/18 20:55

プリウス限定免許案!週間金曜日   <5>
  →回生制動車講習義務化が必要

回生制動力

 週間金曜日2/19発売号に副題「ガンバレ、トヨタ」、「トヨタは物作りを間違っていたのか」p18 とする座談会記事があり「回生(制動)」問題を指摘し、「プリウス限定免許」を提唱しています。
 解説は初代、2代目プリウスでのガタガタ制動を3代目で改め、特別の人ではなく一般の人に大量販売したための情報不徹底によるトラブルという指摘で、逆に回生失効が改められての不具合とも取れる記事ですが、少なくともトヨタが触れなかった回生制動絡みのトラブルであることは指摘しています。トヨタ・バリヤーを越えて、ようやく真相が漏れだしたにしても、なぜこんな基本的特性を隠そうとするのでしょうか?省エネより制動力を重視してブレーキペダルを踏み込めばちゃんと効いて問題ないというのですから最初からきちんと理由を含めて説明していれば全く問題にならないでしょう。そういう知識無用の一般車として大量販売したいから伏せるのだとしたら、ユーザー愚弄も甚だしいものです。回生制動を主とするモードのある車にはその発売元としても回生制動車講習義務化が必要です。

 緩やかな制動を総て回生制動に拠れば、その制動力は右図に示すようなかなり複雑な速度特性を示して、加えて低速域の回生失効速度で突然の回生失効が現れるので、そのままでは一定の制動力を期待して一定の力で踏み込むユーザーには当然「違和感」を与えるでしょう。そうした原理的解説無しに「ユーザー違和感だ」と弁明されたら普通の人は眉に唾を付けてしまいます。プリウス運転者にプリウス講習を義務付ける必要があるようです。ホンダ車で問題にならないのはエンジン主、モーター補助の制御構造の様ですから、モーター特性の暴れが直には運転者を襲わない、その代わりエネルギー回生量は減り総合効率ダウンということでしょう。

 それよりずっと怖いのが、キースイッチをやめて、一定時間押すボタン式にしたと取れる記述です。発生原因は別として、暴走時に即座に止められるキーをやめてしまったのこそ重大欠陥と言うべきでしょう。すぐにはエンジンが止まらないなんてボタン式はパニック発生源ではないですか!
 この電力回生制動力変動の摩擦式ブレーキによる自動補償を電車では「電空演算」などと言いますが、プリウスではどういう特性設定をしているのか、鉄道車両では半ば公開されているだけにトヨタが秘匿して切り抜けるのには無理があります。隠せば隠すだけ余計に疑われて窮地に陥るのに、ブレーキドラム取付ボルト折損の三菱自動車同様、トヨタにもまともな危機管理参謀格が居ないのでしょうか?

[補足] (10/02/28追記)
 週間文春2/25号p122「カーなべ#235」にも「ブレーキ・バイ・ワイヤー」技術として回生制動との分配の話が載っていましたが、動作が暴れる大きな原因である「回生失効」には全く触れていません。他ページに2/15現在のデータが載ってますから発売日としては17(水)〜18(木)日頃。トヨタ自身からはこの辺の説明が無く、それとは違うABSの動作特性として説明しているため、却って不信感を醸しています。
 暴走故障も対応を求められ非難されるのは当然としても、他社の発生比率とも比較して 見合った追及が必要でしょう。やたら火を噴く○○車という報道の印象も、発生率の他社比較では有意差は出なかったものも有ったと思います。
 2ペタル車で特に怖いのはアクセルとブレーキの踏み間違いで、更に最近はブレーキペダルを左足で踏んでいるドライバーも増えていて、利き足ではなくて暴走を止めきれないこともあるでしょう。
 これは、遮断応答の早いキーにしなければ、パニック誘発構造でしょう。

2010/02/21 14:45

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