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Geo日記
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道連れ間接自殺!
   秋葉原大量殺戮

  グランド・セフト・オート

   (=殺人ゲーム)まんまの犯行

 日曜朝から遠出して夕刻に帰宅すると、日頃はニュースなど話題にしないカミさんが「TV見たか?」とかなり興奮気味に秋葉原殺戮事件を解説する。ニュースをあさると、秋葉原の旧日通ビルのあった歩行者天国の交差点に神田明神通りからトラックで突入して数名を轢き殺して衝突して止まり、車を降りて通行人を手当たり次第ナイフで突きまくり旧広瀬無線脇の路地で制圧されるまで7名死亡、10名重軽傷の大事件を引き起こしていた。
 人に車をぶつけて殺し、刀で体当たりで突いて殺しまくというのは、ギャングのボスの指示による「ミッション達成」を楽しむベストセラーの極悪ゲームソフト「グランド・セフト・オート」そっくりではないか。通行人や警官に車をぶつけて排除、銃撃や爆破で排除で犯罪課題を実現するあのゲームを初めて見たときの嫌悪感が現実のものになったと感じた。犯罪や殺人そのものをゲーム対象にするとは信じがたい感覚だが、なぜかファンは少なくない。殺人や犯罪への抵抗感がこのバーチャル空間で慣らされて弱められ、あるいは殺人欲求に転化されたらどうなるのか、こんな酷いソフトがただ儲かれば良いで無批判に放置されてはならない。従前のテトリス、スーパーマリオ、倉庫番といった大ヒットした純ゲームとは全く違うのだ。元々はPC用のソフトがSONY-プレーステーション2(PS2)用Ver.3で大ブレーク、全世界に広がったものだが、神奈川県での規制を皮切りに全国で有害図書指定されて18歳未満への販売は建前上禁止された。
       See→極悪ゲーム[グランド・セフト・オート]解説/by Wikipedia

 そして特に感じたのが、死刑による間接自殺を策して、極悪ゲームに倣った最大殺人効果を狙ったもので、大阪池田小事件や荒川沖駅殺傷事件と共通パターンを感じるのだ。池田小事件では逮捕・起訴されてからも悪態を付き続けて死刑判決を確実なものとして処刑されていった。これは犯罪「厳罰化」の目に見える効果で、究極の応報刑としての死刑を増やしても全く凶悪犯罪抑止にはならなかったことを示すものだ。

 殺人事件を起こして死刑になる間接自殺犯罪は絶対に許されないものではあるが、犯人が全く先の展望のない非正規雇用、派遣労働に追いつめられていった酷さと、一旦身を落とすとそこからは這い上がれない絶望的状況については指摘する必要がある。
 特に低賃金で無補償解雇勝手の使い捨て労働力として規制緩和導入された派遣労働、偽装請負によって、労働力の再生産がほとんど不可能な劣悪な状態に追い込まれている。電機業界の中高年大量リストラに緒を発し、国鉄分割民営化攻撃での解雇自由化で日本鋼管、NTT、製造各社での多数の中高年の解雇が補助金まで付けられて強行されて、現在「非正規労働」に分類される被雇用者が3200万人に上り、更に名ばかり正社員、名ばかり管理職の存在で、生活の成り立たない労働者が大幅に増えている。身近でそれが直接感じられるのは、母集団がほぼ一様とみなせる公立中学校卒業者で高卒時に就労した人たちの就労先を追ってもらえば半数余が派遣など非正規労働への就業であることに驚く。これでは若年ほど生活が成り立たない絶望的状態なのだ
 現在定年を迎えつつある団塊の世代までは、新卒者は地方から大都市に出て就労して、一生懸命働けば中小企業への就労でも家族を養いギリギリ自宅を持てた労働者が多かった。無論リストラで失業者にされ、国鉄10万人首切り分割民営化合理化でも追い出されて半分の収入に落ちた人も少なくなかったが、全体としてはそこそこの実績の労働者が多かった。ところが現在では、ボーナス支給どころかいつ解雇されるか分からない派遣労働と、もっと酷い偽装請負が日本経団連会長企業を筆頭に全国に蔓延して、違法な偽装を暴かれるとCANON御手洗は「法律そのものに無理がある。合法化せよ」と居直って逆に圧力を加える有様。こういうあり地獄に多くの労働者を追いやり、補助金や税軽減でそういう不当を促進する政治と併せ根本的改革が必要となっている。

 今回の犯人は中学校までは優等生で、屈指の進学高校に合格して挫折し、「自動車関係を目指す」といっても、優等生が単純労働力を目指したはずはなく、設計開発研究だろう。それが派遣労働からは這い上がれない絶望状況にあがき抜いて力尽き、解雇計画を突きつけられ、作業服を隠されて暴発。
 その極端な過剰反応は全く許せないが、暴発の背景としての逃れられない苦境にだけは同情を禁じ得ない。それが少数者ではなくされた世の中は狂っている。

2008/06/12 23:55

案の定の従軍慰安婦番組改変最高裁判決    <2>

 前項の記事をまとめていたら、NHK従軍慰安婦番組改変問題で被取材者の「期待権」につき最高裁逆転判決のニュース。時の政権の従僕=最高裁が案の定の不公正逆転判決でまたか!と大した驚きはないが、この事件の問題点はまるで違う。
 公共放送が政権党要人に日常的にご用聞きに歩き、安倍晋三次期首相、中川元官房長官の意向を承けてNHK自身の編集権として番組内容の不公正な迎合的改変を行った問題だから、期待権云々の結論がどう転ぼうとジャーナリズム失格の愚挙であることは全く変わらない。それは個人的横領などの不祥事より遙かに重要な、報道機関としての存立に係わる重大事態だ。横領はNHKが頼んでやらせたことではないが、政権党有力者の言い分で番組内容を事実を無視して改変したことはNHK自身の判断だ。
 更にNHKはニュースの時間で一方的な言い分を垂れ流し、高裁判決報道では安倍元首相らの言い分紹介に終始し訴えた側を一切報じなかった。朝日新聞報道の「政治家に呼びつけられた」は誤りで「日常的に訪問してご意見を伺ってる」というのはもっと従属的で酷い状態なのに、それが不公正編集の弁明になっていると本気で思っているらしい。権力側の圧力に負けたというのならまだ同情の余地はあるが、自らご用聞きしてその意向に沿って番組を改編するなんてもろに政府自民党広報放送局だろう。

 こういう不公正な姿勢を貫くNHKに対しては日記#144:不公正NHKへの抗議・抵抗法に記したような徹底した抵抗を試みる価値がある。
 対応法の記載漏れはNHKとの遣り取りで一切情報を与えないことが抜けていた。TVセットの有無、居住実態を含めて一切回答せず「一切回答拒否」、「契約しない」、「支払わない」、「お帰りください」の一点張りが良い。名義を間違えて訴訟を起こしたらそれだけでアウトだ。私自身は既に住所地にTVセットを持ってない(笑。どうせ政府公報の域を出られないロクでもない番組なのだから、断固契約を拒否してワンセグやNETだけにして何ら差し支えないだろう。
 地デジ切換が済むと今度はWOWWOW並に未契約者には見せないプロテクトが掛かって未契約問題は全面解消する訳だから、残るは未払い問題だけになり、民放しか視聴しなければ問題ないはずなのだが、現運用ではNHKを受信できなくてもTVセットさえあれば受信料を請求されTV受像設備不動作・撤去時の契約解除通告の有効性の争いになる。不動作時期の立証責任を負わされるとNHKは契約廃棄通告については知らぬ存ぜぬで正常動作するTVが無くても全額請求となってしまう。

秋葉原無差別殺戮事件続報メモ

※ 75%解雇計画というのは、寮以外に住む家のない派遣にとっては絶望的事態。まして日建総業という派遣会社は、安い給料から寮費だTVレンタル代だと称して収奪し、手取り10万円の超低賃金労働を強いる大手悪質手配師会社。蓄えなど出来ないから解雇のとたんにホームレス化してしまう。小泉純一郎・安倍晋三主導の実に残酷な奴隷制度だ。殺戮は絶対に許せないが、それに追い詰められて狂気に走る動機としては同情を禁じ得ない。

2008/06/14 00:25
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