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Geo日記
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[105]. 地中レーダ探査作業に参加した

  今回1週間にわたって地中レーダを使った地下空洞、埋設物の非破壊調査の手伝いに駆り出された.強風で列車が止まったりして作業開始と進行が遅れてDATA整理と図面で更に3日を要したが、地中レーダというのは300MHz〜1GHz程度のUHF波(300MHz〜3000MHz)が地中数メートルまで進入・反射してくるのを捕らえて地中の異物を検出し、空洞や、埋設埋設管、遺跡などから果ては若干の改良により地雷埋設推定などに使うもので,山陽新幹線トンネル壁剥離事故や道路陥没事故を経て選択に困るほど多くの業者が参入する作業となっている.鉄道トンネルでは架線やケーブルが邪魔して検査し難いが、それでも京王電鉄などがトンネル壁についてこの地中レーダによる剥離・空洞探査を行ったそうである.
道路探査画像 作業員図manImg
道路(埋設管)
隧道壁
試験車図carImg
道路(空洞)

  実務的には、計測対象面に測定線を設定して、設備などを測量しておき、データ処理ノートパソコンを組み込んだ送受信機を専用台車に載せて、アンテナと位置マーカ用のロータリーエンコーダと押しボタンを繋ぎ、減衰特性を対象地面に合わせて引いて歩くだけ.
  相対検出なので、計測現場の既知の空洞や配管のエコー画像を繰り返し見て設定を補正してから計測に入る。この設定と解読に若干の熟練を要する様である。
地中レーダ探査   1m間隔で探索すると、10,000m2の計測に1方向走査で最低10,000m、直交方向走査で20,000mの計測と、計測基準線設定が必要だから2倍から3倍の距離を計測器を押し引きしたり巻き尺を次々貼って歩くことになる.それはデスクワークが常態の身としてはなかなか厳しい運動で、数日間は足が重く太くなった様な強い疲労感が取れなかった。

  計測精度を上げるため、レーザー測距儀で対象面内の構造物の相対座標を100個所前後測量して平面図を起こし、これに探査結果を貼り付ける形にしたが、業界の実情はレーダ探査だけしか行わないのが普通で、精密測量付きなんてそんな丁寧な作業をする業者は珍しいのだそうだ.

  測量のナマデータは度分秒の方位角と距離の極座標で、数学座標とは方程式Y=Xを対称軸とする鏡像関係なので、表計算ソフトに計算式とオフセット座標を埋め込んでおけばデータを入力するだけで計算結果が得られ、それをX,YどちらかでSORTして散布図グラフを描かせて縮尺を合わせれば基本的な位置図面が出来上がり、これを作図ソフトに貼って縮尺を合わせ測線や注記を書き加えると基本図ができてしまう.123だとSORT無用だった.電卓(もっと古くは計算尺と7桁対数3角函数表)で1点ずつ計算していた時代と較べると天地の差だ.測量助手氏がまだ1点ずつ計算の模様なので、123/Excelに測量値そのままを放り込めば自動計算するファイルにして渡した.この辺りは計算慣れの問題の様で普通なら100点も座標計算するような仕事は希だから1点ずつ計算でも支障はないから専用ソフトなど出しても売れないだろう.
  個人的には面白い体験をしたが、社長以下総出で掛かり、私を含む助っ人で安上がりにしてるから可能になった受注で、部長・課長なんて間接層を常時抱える会社には請け切れない受注単価の作業だ.

  私の常用の表計算ソフトはずっと123だったのだが、マイクロソフトが独禁法違反のPC−OSとの抱き合わせ販売で「一太郎−123セット」を駆逐して以来Excelしか使えないのが普通の環境になってしまいこちらも123ファイルを渋々Excelに焼き直して渡す羽目になった.自作函数ライブラリーなど使おうものならセキュリティー絡みで起動の都度マクロの有効・無効を尋ねてきたり、セキュリティー設定を変えて貰う必要もあり、酷かったのは添付したExcelファイルが受信側のノートンにウイルスとして食われてどうしても受信されない!YBBは怪しいサイト扱いなのだ!仕方なく受信できる相手(iij4u)に送ってそこから転送して貰うこととなった。L123−2001ならウイルス犯も狙わないから気軽に扱えるし1,850円は安い!相手をこちらに引きずり込んだ方が早いのだが、折角覚えたExcelは捨てられないとか(w.慣れないソフトで罫線や書式を整えて余所行きファイルにするには作業時間が倍以上掛かってしまうから即結果の欲しい現場作業の記録点検用としては慣れたソフトを使いたいが、これはお互い様のことか。太郎123セットの時代に123を使わなかった告白ではあるが…………と若干溜飲を下げる。入力作業は変わらないからどちらも使える環境にして作成者が得意なソフトで作らせるのが正解なのだろう。出先での計測作業中に寝る時間を削ってデータ処理表を作るのだから上がりが早いことが最優先だ。両刀遣いに慣れれば良いのだが、日本語FEPをPC−ワープロと切り替えるだけでも半日くらいは疲労感が酷いからあまりやりたくないのだ。

  現場に「更衣室」などないから、2日目からは作業服通勤を決め込んだが、黄色のヘルメットでも被ればまさに工事の叔父さん…………って、文字通り工事の叔父さんだった訳だが.ゼネコン系大工事だと更衣室にシャワー室は付き物でヘルメットも白の○○隊みたいな格好の良いものでブランド物のスーツ通勤が常識的なのだが、末端はどこもその辺は手の回しようがなく酷いものだ。
  早朝の東武野田線に作業服姿でカメラを持ってかぶりついて、途中単線化する景色などを見てふと後を振り向くと女性ばかりではないか!乗ったときは早朝の始発駅で乗客が誰もいなくて気付かなかったが女性専用車に乗っていたのだ.添乗の工事の叔父さんと思われたのか誰も何も言ってこなかったがアブナイアブイナイ!こんな空いた線まで女性専用車を設定しなくても良いものを!
2006/03/31 24:10
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