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Geo日記
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[65]. ようやく過速度転覆に収斂か

  読売6日夕刊1面の記事では,評価部を除いた数値として,
1).非常制動開始点がカーブの手前100mで,108km/hでカーブに進入
2).120km/hからのブレーキングポイントはカーブの380m手前で,
  カーブ入口で70km/hに落ちる
3).矛盾情報:非常制動開始点速度は108km/h.非常制動100m長でこの間
  全然減速していない.
  (脱線時速度だろう?もし108km/hから制動ならカーブでは100km/hを切って
  転覆を免れている)

 このままでは「解なし」の矛盾情報だが,仮に
4).120km/hから非常制動を掛けた
5).シミュレータ試験からは130km/h出ていた可能性はある.
6).車掌と指令のやり取りや乗客の証言の異常な揺れから「130km/hから常用制動」説を
 採用。客室同乗運転士は衝撃で20分も気絶していたから事故の瞬間の記憶が飛んでいる可能性があり「あった」証言は採用できるが「無かった」という証言は確実性に乏しい.
7).207系には滑走防止装置が無く,速度信号を制動軸から採っているから,遠心力加速度で粘着力を増したため測定値は増速し,両端は130〜128km/h108km/hでは滑走がなく,その間は滑走しては減速線にまで加速するというのが見られるばずだから(3)は合理的な説明が付く.JR北に採用された鉄道総研のマルチモードブレーキの動作線をみると4軸が独立に滑走して低速回転になっては再粘着して加速し元の減速線に戻っているから,事故車の増速データもそれで説明可能.力行ノッチが動作したと考えるより遙かに説得力があるだろう.
とすると
減速距離は,速度2乗差を減速定数で割った値になるから
○ 非常制動減速度=(120^2−108^2)/100=27.36=3.8km/h/s
○ 常用制動減速度=(120^2− 70^2)/380=25.0 =3.472km/h/s
130km/hからの常用制動開始点を逆算すると
(130^2−120^2)/25+100m=200m 位置から常用制動を掛けたが充分減速せず,あわてて100m位置で非常に切り替えたがこの時点の速度は120km/hあり,曲線入口で108km/hになったが過速度で横転,大惨事になった.
8).通常は塚口駅先で一旦100km/hに落としてからカーブ手前で70km/hに落とすという報道を採用
○ そのブレーキングポイントは,(100^2−70^2)/25=204m!
これが標準的安全運転で良く覚えてるはずの制動ポイントだ.
  数値的には先の130km/hからの制動開始点とほぼ一致!必死の回復運転130km/hで突っ込み,いつもの制動ポイント200m手前で常用最大制動を掛けたが ,あまりに早すぎて,100m手前点120km/hで非常制動に切り替えたが落としきれず108km/h70km/h制限に突入して転覆脱線!
これが具体的データに矛盾しないシナリオだ.
前の試算は制動定数が分からず,取りあえずATS-S地上子位置算出基準の20〜20/0.7を採用していたが,5/6夕読売報道はこれを25〜27.36と特定した.
2005/05/07 16:00
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