73閉-参-法務委員会-4号 昭和49年11月28日

○内藤功君 警察庁にお伺いいたします。
 去る十一月の二十二日に兵庫県の養父郡八鹿町において、八鹿高校の教職員約六十名の方に対して白昼公道上において、また昼間から夜にかけて、高校の建物の中において殺人未遂、傷害、監禁、暴行等の事件が発生したということで告発、告訴が警察、検察当局になされていることは御存じだと思います。この事件について現在まで警察庁としてどのように事実を認定し、どういう捜査をしておられるか、まず概略のご説明を願いたい。

○説明員(半田博君) ただいま御指摘の十一月の二十二日の事件につきましては、十時間余りにわたりまして八鹿高校内で、話し合いと称しておるわけでありますが、その中で暴力事件が起こったようでありまして、その結果、現在まで負傷者四十四人、うち二十八人の方が現在入院をしておられる。二ヵ月の重傷の方三人、六週間の方四人、一ヵ月の方二人、四週間三人、この方々が重傷であるというふうに承知をいたしております。
 本件につきましては、本部から二十人の捜査員を派遣し、現在五十三人の捜査態勢をもちまして鋭意捜査につとめておるところでございます。

○内藤功君 この事件は、あとでまた御説明を願いたいけれども、約十三時間半の長時間にわたって行なわれています。またほとんど同一地帯、狭い同一場所で行なわれています。警察署からは約八百メートルぐらいの距離の高校で行なわれている。機動隊も後に出動して近くにいる、そういう中で行なわれた。それから被害状況を刻々と被害者側から、特に家族あるいは高校の生徒の側から、あるいは国会議員、県会議員、弁護士などの側から警察に報告しておったはずである。そういう中で起きた事件であります。こういう点が非常な特徴であります。またあとでお話があると思うが、校長、それから教育委員会の職員が、この学校の中ではいま話し合いをしているから、平穏だから警察は入らないでくれということを警察側に申したということも伝えられております。
 そこで、まず伺いたいのは、この事件について最初にどのような通報を受け、警察として二十二日の朝から夜にかけて、どのような手を県警本部、さらに所轄の警察でおとりになったか、その手順を伺いたい。

○説明員(半田博君) 本件につきましては、当日の午前九時五十七分に一般の方から所轄の八鹿署に、店先で多人数が道路をふさいで口論のようなことをしておるという旨の一一〇番の通報に接しました。このため、所轄署におきましてはパトカーを現場に急行させるとともに、署員を動員しまして署長以下二十人が現場に向かったわけであります。道路は四・七メートルぐらいの道路でありまして、そこに百数十人の方が蝟集をしておるというふうなことで、警察官がかけつけたわけでありますけれども、人垣にはばまれて中の実情がよくわからないという間に学校の中にその集団が入っていってしまった、こういうようなことであります。
 そこで、署長といたしましてはあとが心配であるということで、教頭、校長等に対しましても、中で何か行なわれるのじゃないか、どういう状態なんだということをしばしば聞いておるわけでありますけれども、私のほうは県の教育委員会のほうからも来ていま話し合いをしておるのであって、警察がこの場に入ってもらったのではかえって事態が混乱するから待ってもらいたいというふうなことであった。このことは、さらにまた十一時ごろも校長のほうから、教育長、教頭、校長の三者で話し合った結果、やはり事態収拾はひとつまかせていただきたいというふうな申し出があったということであります。この間署長としましては、八鹿町の町長も訪れまして、ひとつ町当局としても本件の事態が紛糾しないように、あなたのほうのできる限りにおいて努力はしてもらいたいというふうなことも申し入れておるわけであります。さらに、再びまた校長にも会いまして状況を聞きますと、やはり県教育委員会のほうからも来ておるし、いま平穏に話し合っておるのだからという、三たびそういうふうな説明であった。そこで署長といたしましては、その後、じゃ県教委の人にも会って事情を確かめたいということで、県教委の方ともお会いをいたしました。ところが、これも中でいま平穏に話し合いをしておるので特に問題は起こっておらないというふうなことであったということであります。
 午後三時二十分ごろになりまして、署長はなお心配になりまして、解放同盟側の当日現場の責任者であるというところの山本南但支部長を呼んで もう三時二十分にもなったけれども、どうしているのだということを聞いてみたところが、いま話し合いをしているので、とにかく六時半までには話し合いがつきそうだ、六時半になったら話し合いがつかなくとも話を打ち切って解散するからというふうな話であった。この間に解放同盟側はどんどんと人がふえまして、七千人くらいに一時ふくれ上がった。こういうような状況でございますが、その後も校長なり県教委のほうに事実の確認をしておるのでありまするけれども、そのような事実はないというふうなことでありました。
 九時二十三分ごろに、解放同盟の県の執行委員の山口書記長外二人の者についても、ずいぶん時間が経過しておるんだけれどもどうなんだということを聞いてみますと、十時までには終わるからというふうなことであった。その後十時十八分になりまして山口書記長を呼んで、もう警察は入るぞということで、十時四十五分に態勢をととのえまして署員三十一人が確認のために現場に入ったところ、先生三十三人が職員室におられて、中には負傷されている方もあって、病院のほうに行くようにということで病院に行っていただいた、こういうふうな状況であったということであります。
 そこで、八鹿の署長といたしましてはそういうような措置をとったわけでありますが、この間十時十分に隣接六署に対しまして応援派遣を求めまして、計百二十人、自署の態勢を含めまして百六十人の態勢を午後の二時にはとっておる。さらに十一時ごろ県本部に電話をしまして、機動隊の応援を要請をしておる。この際たまたまフォード大統領の訪日等がありまして、大阪国際空港のほうに機動隊が参っておったわけでありますけれども、これもデモの終了を待ちまして、あるいは長期戦になるかもしれないということで、毛布、ガソリンを積み込む、食事をさせる、こういうようなことをして機動隊を出発させ、これは十八時十八分に百八十人が現場に到着をしておる。さらに応援部隊といたしましてそのような各署の部隊を集めまして、これは三百三十人、二十二時に現場に着いておるということでありまして、当日出勤した警察官は総計七百十四人というような措置をとった次第であります。

○内藤功君 話し合いをやっていたというのでほっておいたら、あとで中に入ってみたらけがをしていた人がいたというわけなんです。結局話し合いでなかったということが明らかになったわけですね。あなたはいまいろいろな話をされましたけれども、もう少し正確に私どもの調べたことを申し上げて、お答えを願いたい。

 これは高等学校の門から先生方が歩いて石田書店という本屋の前に来たところが、そこへ自動車がうしろから来て前を扼して、その回りを解放同盟といわれる方々がずっと押し寄せてきた、金属のついた半長靴でけとばす。それからスクラムを組んでいる人をひっぱがす。約一時間にわたってなぐる、ける、引っぱる、髪の毛をつかむ。そうして両わきを持って道路の上を引きずる。そのために背中の皮まですり切れたという人がおります。大の字に寝ている人をゆさって、車の上にほうり投げる。そうして回りの生徒や町民からは泣きながらやめてくれということを言ったにかかわらず、学校の体育館の中に車でもって運び込み、引きずり込んだ。
 いまあなたは、そういう集団が中に移動して行ったと言われましたけれども、その移動というのは表現のしかたいかんでありまして、移動というようなものじゃない。こういうふうにして中に運び込まれた。この時点において、警察の機動隊というものはもちろん姿をあらわしていない。二十人来ているというけれども、その二十人の人たちというのは何をやりましたか。何もやってない。そうして体育館の中に連れ込まれた。

 体育館の中ではこれは何人か高等学校の生徒が、体育館は外から見えますから、見ております。まさに修羅場、阿鼻叫喚であります。四十五人ぐらいが連れ込まれた。そして女の先生も含めて着衣をぬがされております、女の先生も含めて。そうして、水をバケツで最高十八ぱいかけられた人がいると被害者が申しております。そして一人の人に二十人から三十人ぐらいの者がぐるっと囲んで、マットの上にすわらせる。牛乳びんでなぐる。それから半長靴でける。さらにたばこの火を顔につける。針で突く。指の間に割りばしやボールペンを、こういうふうに感覚を失うように突っ込む。ボールペンを握り締めさすということをやる。そして一ヵ所に集めておいてそういう暴行を加えたあと、この指導者の丸尾という人だそうですが、ばらばらにせいという号令をかけるとみんなを壁の側に一人ずつすわらせる。そうしてさらに暴行を加える。また一ヵ所に集める。また散らす。こういうことを何回か繰り返した。この情景を見た生徒は、ほんとうに泣きながら警察に訴えに来たのです。そして、そのことを次長にもちゃんと言っておるのです。

 私はここに写真を一ぱい持ってきた、たとえばこれはこの高等学校の指導者の先生であります。細面の人ですけれども、すっかりふくれ上がっております。あとでゆっくり見ていただきたい。こういうような写真が一ぱいあります。このような一方的な暴行を加えたのです。

 そして、さらにこれだけではない。残酷なのは、このようなけがをさせるために会議室へさらに連れていった。その中で、いわゆる自己批判、差別教育をやっていたという確認を迫って、その確認を迫る過程の中で二階の会議室に連れていく。そして入れかわり立ちかわり自己批判を迫る。そしてこの中で、たとえば片山先生という方は、毛布に包んでごろんと会議室におっぽり出された。動かなくなった。そうすると、あ、こいつ死んだわというようなことを言うのだそうです。まさにここに殺意があらわれている。死んだと。そしてさらに、少し体を動かすと、あ、こいつはまだ生きてる、こういうことを言っていたそうです。これはもうやられた人の証言ですから間違いない。そしてさらに驚くべきことは、保健婦の人に強心剤を用意させておるのです。そして気絶をした人には強心剤を打つ。さらに衣類の着がえを持ってきて、血やあるいは水でよごれた衣類は着がえさせる。こういう計画的なことまでやっております。これはあえて計画的と言いたい。

 そしてさらに、さいふの中身が紛失したという人もいます。このさいふだけが出てきた。中身が紛失している。相当、何万円というお金であります。さらに給料袋のなくなった人がいる。これはふしぎに学校当局を通してその先生に返ってきたそうであります、給料袋のほうは。さいふの中身のお金は返ってきておりません。強盗の疑いもここに入ってきておる。こういうようなゆゆしい事態が生じたわけなんです。
 そうして、この会議室でさらにこういう暴行を加えたあとその隣の解放研室、解放研究会の部屋があります。ここの部屋に連れ込まれた人は最も強硬と見られた人です。四角いいすをひっくり返してすわらせる。そこでたばこの火を押しつける、こういうような暴行を加えた。あなた方が入って、けが人の先生が何人かおられたというのは、まさにこういう状態が終わったときに行かれたと思うわけです。

 そこで私は伺いたい。校長やあるいは教育委員会の責任者が、中で話し合いをやっておりますと言われた場合であっても、警察官は、この非常に長い話し合い、しかもどんどん病院にけが人が運ばれている、さらに国会議員や市会議員、県会議員、生徒や先生の家族から警察に救出してくれという訴えが出ている、こういう事態の中で、警職法の第六条に基づいてなぜ機動隊の立ち入り、警察官の立ち入りを行なわなかったのか。警職法の六条は、いま私がここであなたに条文を言うまでもない。こういう犯罪がまさに行なわれている、生命身体に危険があるとうかがわれる場合には、管理者の承諾がなくたって中に立ち入ることができるわけですね。そうでしょう、そして犯罪の制止、警職法の五条でできる。そして中をちょっと見ればいい。見ればやられているわけです。子供はみんな見ているわけです。そこで現行犯の検挙もできるわけです。私は、二十二時三十分とか言われるそのおそい時間までの間に、なぜ相手の言い方、そこに疑問をはさみ、中に立ち入って検挙なり制止なりをしなかったのか、この点をひとつお伺いしたい。

○説明員(半田博君) 先ほども申し上げましたように、いやしくも管理者である校長先生あるいは県の指導主事の方々等が一致して、そういうふうな事態は起こっておらないということを、署長が何度も何度も確認をしておるにかかわらず、そういうことを言われておるわけであります。そういうような次第でありまして、署長としては一応その人たちの言うことをやはり聞くべきである、こういうふうに判断をしたというふうに聞いております。

○内藤功君 いかに教育委員会の人であり校長という肩書きがあっても、これは常識の問題です。たとえば、部屋の中で何か殺しをやっているらしい、しかしその家主が、入らないでくれ、ここは管理人だと言った場合、警察はああそうですかと引きさがりますか。そういうものじゃない。警職法の六条は十分要件を満たしている。当然その中に立ち入っていいケースだ。私は、この点の警察の職権の不行使は非常に遺憾だと思う。警職法六条の要件を満たすにかかわらず、警察権の行使をしていない典型的なものだと私は思う。

 さてそこで、いまお話が出たので文部省にお伺いしたい。この八鹿高校には珍坂という校長がおられる。それから教育委員会の方もここに、なぜか現地糾弾闘争本部の中におられたようで、こういう方々はこの八鹿町の高校において起きた事件について、いま警察はこの人たちが中は話し合いだと言っているから入らなかったと言っているのですが、どういう認識だったのか、どこに一体目がついているのか。中の状況をどのように把握していたのか。この点をとくと承りたい。

○説明員(柴沼晉君) 先生御指摘の点につきましては、実は私どもも県の教育委員会を通じましてたびたび照会をしておるところでございますが、県の教育委員会の調査によりますと、その時点では、ちょうど昼から生徒の集会が野外の川原で行なわれるということで、校長及び県の指導主事は生徒のほうの、何というか、生徒集会のほうに指導に向かっておった……

○内藤功君 質問にまともに答えてください。体育館と会議室とそれから解放研室、この三つにしぼってどういう認識かということですよ、質問は。

○説明員(柴沼晉君) それで、先ほど申し上げましたように、校長先生としては、従来いわゆる確認会ではこういう事件が起きたケースがございませんので、生徒が野外で集会を行なうということで、その生徒の指導が非常に重要であるということで県の教育委員会の指導主事と川原で行なわれた生徒集会の指導に行くとともに、また、帰ってきてこういう事件が起きていることについて、それぞれ解放同盟の代表の方々といろいろ話し合いを行なっていたということでございます。

○内藤功君 そうするといま私が非常に時間をかけて言ったように、この体育館なりあるいは会議室なりあるいは解放研室の中でこういうことが行なわれているわけですよ。一対一じゃない。何十人何百人という人が数十人の先生をやっているわけです。音が聞こえないわけはないでしょう。これを知っていて中には何にもありませんと言ったのなら、これは犯人隠避罪あるいは暴力行為の共犯ですよ。いいですか。知らないでいたというなら、どこに一体いたのか。どこかに逃げていたのか。しかし、中にちゃんといて、中で話し合いが行なわれていますと言っているのですから、これは警察にうそをついたということになりませんか。どうです。

○説明員(柴沼晉君) 校長あるいは県教委の指導主事の事実認識の問題は、私どもとしても県教委を通じての調査以外わからないわけでございますけれども、校長あるいは県教委の指導主事としては、先ほど申し上げましたように、校外の川原の生徒集会のほうに気を奪われて、そちらのほうに生徒の指導に行った、そういう報告でございます。それからまた、校内でのそういう事情につきましては、いろいろと解放同盟の代表の方々と話し合った、そういう報告でございます。

○内藤功君 これは重大な問題です。川原で行なわれておる生徒の集会に気をとられていて――教育委員会なり校長さんというものは、その高等学校の教職員の方々にとって非常に大事な責任ある地位におるわけなんですね。しかも、その先生方に身体生命に危害がある事件が起きているのに、気をとられていて全然わからなかった。これでは、それ自体ですでに監督者としての責任、刑事責任を含めた責任が今後追及される。私は時間の関係でこの追及は、あなたに対してはきょうここでやめておくけれども、重大な問題だということをひとつ指摘しておきたい。

 なお、調査が十分でない。そんな紙の上で報告を受けているからそういう答えになる。あなたはちゃんと行って、こういうような被害を受けている人にも会って、実際に現場へ行って調べてきなさい。初等中等教育局長に私は特にあなたから、現場に行って実情を調べてくる、そういう責任があるということを申し上げておきたいと思うのです。

 次に私は法務省にお聞きします。これは刑事局長にお聞きします。
 法務省の管轄する検察庁に対して告発がすでに三件なされている。一つは、この八鹿警察署の署長が当日とった処置、これはもう不作為の最も典型的なものである。これは公務員職権乱用罪、保護責任者遺棄致傷罪、犯人隠避罪、こういうような罪名にかかわるものだということで神戸地検に告訴してあります。告訴状はここにあります。さらに、参議院議員の安武洋子さんに対して、安武さんが病院に入っておられる方々に見舞いに行ったときに、いわゆる解放同盟と称する人たちがこれに対して共謀の上、腕をつかみ、背中をなぐる、腰をけるという暴行を加えた。国会議員としての調査活動を妨害した。国会議員として許すことのできない暴行を加えたという告訴状が出ております。

 私は、きのう神戸地検に参りまして次席にもお会いして、こういう捜査について不偏不党の立場で厳正に積極的に捜査をするように申し入れましたところ、次席も書類が来次第、自分のほうとして積極的にやるという答弁があった。これはもう当然だと思うのです。けれども、刑事局長としてこのような問題についての御見解を、簡単でいいから承りたい。

○説明員(安原美穂君) 御指摘のような告訴事件がもう一件、警察から、告訴ではなくして九月八日に発生しました橋本哲朗教組支部長ほか九名に対する監禁傷害事件が、すでに警察の捜査を一応了して現在検察庁に送られておりますから、現在神戸地検が受理しておりますこの種関係の受理事件は、三件でございます。これにつきましては昨日、神戸地検次席検事が内藤先生に申し上げたように、不偏不党、厳正公平の立場で、暴力否定という立場から適確な捜査を行なうということを私も信頼をいたしております。

○内藤功君 最後に警察庁にお伺いしたい。もう事件の事実関係ははっきりしてきたと思うのです。これは捜査の常道として、被害者は出ている。すみやかに強制捜査に移らなくちゃいけない、特に主謀者は名前がはっきり告発状に書いてあります。これを逮捕して強制捜査をして、そうして迅速な捜査を進める段階にきている。これは不偏不党といま刑事局長が言ったけれども、そうなんです。これはどの党の問題とか、どの団体の問題じゃなくて、暴力事犯は絶対許されない。そうでしょう。そういう中で、いまここでまじめな警察官、まともな警察官と、何かわからないが、つかまえるべきものをつかまえない、まじめでない警察官のかなえの軽重を問われている。また、この暴力を支持するような政治勢力があるとすれば、これはもう国民から見放されます。まじめな民主主義を守る勢力と、そうでない勢力のかなえの軽重を問われている。もしいろんな理屈をつけてこういう人たちあるいは暴力をふるう人たちを弁護し、支持するような勢力があれば、これは必ず見放されます。役所もそうであります。

 こういう意味で、これはもうあなたに聞くまでもないと思うのです。この強制捜査を含む厳正な捜査をやる。特に強制捜査を、いまは何もやっていないじゃないですか。私は去る十一月の八日に、地方行政委員会であなたに聞いたでしょう。そのとき、あの朝来町の事件などについて、いまここで逮捕しておかないとこの種暴力事犯は必ず増長して次の事件が起きますよ、だからやっておきなさいと言った。不幸にして私の予言どおりになったわけです。二十二日にこの事件が起きたじゃないですか。私は過去のことをいまここで責めることはない、緊急の問題だからね。だから警察庁、これについてはっきりどういう態度で臨むか。この答えいかんによっては私はさらにあなたに対して申し上げたいと思うけれども、それをよく考えて、これについてのあなたの断固たる決意をここで示しなさい。

○説明員(半田博君) この八鹿高校の事件についてもただいま鋭意捜査を進めておるところでありまするし、前にも十数件の告訴、告発事件がございます。こういうものの中で被疑者もかなり特定されてまいっております。この点につきましては可及的すみやかに強制捜査を含む捜査に踏み切りたい、こういうふうに考えております。

※→八鹿高校事件関連国会質問一覧 1974/11/22〜1975/03/31