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パロマ元社長に有罪 東京地裁判決
東京新聞 2010年5月12日 朝刊 製品の欠陥以外の原因で事故が起きても、メーカーが安全対策を怠れば過失責任が生じるとした判決は、企業の消費者安全対策に影響を与えそうだ。判決は、所管する経済産業省についても「事故情報は省内で集約されておらず、事故防止対策を指示する契機として生かされなかった」と不備を指摘した。 半田裁判長は、修理業者によるガス湯沸かし器の不正改造が原因の事故が一九八五〜二〇〇一年に十三件起き、十五人がCO中毒死し、両被告がその大半を把握していた点を挙げ、「死傷事故の発生を予測することは可能だった」とした。 その上で小林被告について「長年経営トップの地位にあり安全対策の最終決定権者だった」とし、「使用者に注意喚起を徹底し、湯沸かし器の点検、回収など安全対策を取るべき注意義務を怠った。それらの措置を講ずれば事故は未然防止できた」と判断した。 パロマの社会的責任にも言及、「使用者の生命の安全を優先し、危険を伴うガス器具を提供する企業の責任を踏まえた対応が求められていた」と述べた。 系列業者に改造禁止の文書を出すなど安全対策をとっていたとする弁護側の主張は「不十分で、限定的な効果しか期待できなかった」と退ける一方、「事故の一次的な責任は不正改造を行った修理業者にある」と執行猶予の理由を説明した。 弁護側は「事故は予測できなかった」などとして無罪を主張していた。 判決によると、小林被告らはCO中毒事故が相次いでいたにもかかわらず、十分な安全対策を取らず、〇五年十一月、東京都港区のアパートで大学生上嶋(じょうしま)浩幸さん=当時(18)=を中毒死させ、兄(29)を重症にさせた。 |
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