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酷い判決!ストレス強度を無視
JR西の日勤教育「精神障害と因果関係なし」
 父親の請求棄却

JR西の日勤教育「精神障害と因果関係なし」 父親の請求棄却
配信元:2009/03/05 21:48更新 産経新聞

 JR西日本の運転士、服部匡起さん=当時(44)=の自殺は、同社の「日勤教育」と呼ばれる懲罰的な再教育制度が原因として、父の榮さん(78)=佐賀県唐津市=が労災申請を退けた尼崎労働基準監督署の決定取り消しを求めた訴訟の判決が5日、神戸地裁であり、橋詰均裁判長は「日勤教育と精神障害との因果関係を認めることはできない」として請求を棄却した。

 橋詰裁判長は「日勤教育を命じられていなければ、自殺しなかったと考えることはできる」とする一方、自殺との因果関係については「客観的に知るすべはない」とした上で、「(日勤教育は)精神障害を招くほどの強い負荷であるとは評価できない」と結論づけた。

 判決によると、服部さんは平成13年8月31日、JR京都駅からの発車が50秒遅れたとして、運転業務を外され3日間の日勤教育を受けた。日勤教育終了後の翌日(×無期限日勤教育中)に自殺した。

 判決後に会見した榮さんは「司法が切実な声に応えてくれなかったのは残念だ」と話した。

 尼崎電車区運転士日勤教育自殺事件労災申請訴訟の地裁判決敗訴が報じられている。まず、記事自体の間違いとしては、懲罰的日勤教育が3日間で終了ではなく無期限であり、その最中の自殺であったこと。「判決によると」とはなっているが、おそらくは記事側の要約ミスだろう。

 請求棄却の判決理由で「日勤教育を命じられていなければ、自殺しなかったと考えることはできる」としながら、「(日勤教育は)精神障害を招くほどの強い負荷であるとは評価できない」とは呆れる。精神的負荷は期間だけでなく、その瞬間的な強さ、事情が勘案される必要がある。

 事件の発端は、JR西日本が乗務員に対して列車折返し時のATS-P切換タイミングを教育・周知していなかったため、後部運転室にATS-P有効表示が点灯していることに車掌が疑問を持ち、運転士を呼び、更に検修係を呼んで確認したことで、出発が50秒遅延した。
 ATS-P車上装置には勾配で自然に動き出し後退するのを停める転動防止機能を新たに組み込んだことにより、折返し停車中も前後どちらかのATS車上装置を有効にしておく必要があり、当日も反対側の運転室の運転機器が操作されるまで、それまでは運転室だった車掌室のATS車上装置が有効になっていた。会社はこのことを車掌ばかりか、運転士にも徹底していなかったことがトラブルの発端である。(運転士用の教本には書かれていない様で、講義で触れない講師も居たとされている)。従って、事態の責任は会社側にあり、運転士が一方的に処罰対象になる案件ではない。だからそれを口実に日勤教育に晒されること自体全く納得できず、その反省文を求められても書きようが無かったことに加えて、日勤教育の内容は、不当に懲罰的侮蔑的で、具体的内容が無かったことで、業務命令自体がいじめそのもの、典型的パワーハラスメントになっていた。
 これが積極的な組合活動家を潰すための理不尽な攻撃と理解できたら却って耐えられるのだが、仕事のしっかりした運転技術に高い誇りをもって勤務していた生真面目な服部運転士にとって特に耐え難い不当攻撃だったことは容易に推認できる。それまで真面目に頑張って来たプライドと衝突、暴発したのだ。
 研修結果を心配して前夜呼び出して食事を共にした同僚達の証言でも、ずっと上の空で反応が鈍く、翌朝の欠勤で寮に連絡して惨事が発見されている。
 これで、日勤教育と自殺が無関係だとは到底言えない。最後の事実審理となる高裁段階の立証は、組合組織を問わず全運転士対象の調査などによる影響立証など、裁判所が逃げようがない事実を示して裁判所とJR西日本を追い込む必要がある。
See→[日記#126]:尼崎電車区日勤教育自殺事件

斜投影図は印象が大きく変わる!
手配写真の失敗、斜め上撮影像    <PS>

 ポン中ハッパタレントに続き英会話講師殺人容疑者の話題でTVジャックが続いているが、その嫌疑内容はさておき、科学技術的な観点からの話題としては、公開指名手配容疑者が長期にわたり発見できなかった原因は、斜め上から撮影した釣り目の手配写真が正面撮影の印象と全く違うものになったかれではないだろうか。日常的には斜め上からの人相・表情に接することは大変少ないだろう。
 顔形が平面的な場合、いわばおかめ顔・猿顔では、撮影点の上下で顔の印象はあまり変わらない。ところが目が円筒に貼り付くような犬顔だと、上方から見れば釣り目、下方から見れば垂れ目になるのは当然ではないか。手配写真と「整形手術後写真」を見比べて、決定的に違うのが耳の位置で、手配写真の方がかなり高い位置に耳があり、目と耳の相対位置が現尺換算で3〜4cmも違っている。新手配写真では耳の上端が目と一致しているが、旧写真では3〜4cmも高い位置ではないか。
 今後の対応として、地図作製時の航空写真処理技術を適用して、複数の写真から立体像を得て、書面画像を作成、上下左右像を加えて手配するのを目標として、なるべく正面画像を捜し、上方画像は正面に変換して手配すべきだろう。そこが最初の取り逃がしに次ぐ最大のエラーだった。
 逃亡容疑者側から見ると、その手配写真の有利さに気付かず美容整形外科をハシゴして正面写真を公開さられたことだろう。ほくろの位置とか二重まぶたか一重まぶたかなんて違いは少し距離を置けば全く分からない。通常は見えない上方映像だったから長期に潜伏できたのに、正面映像ではたった1週間で捕まってしまった。

(続)認識ミス、解釈ミス
 ニワトリが先か、卵が先か?    <PS2>

 先の薬物関連ニュースとして、薬物濫用犯・窃盗犯更正問題で、家族が更正に係わると再犯率が大幅に下がり、関係が切れていると再犯しやすい事実が報じられ、その教訓?として家族のサポートを強調していた。

 家族が身内の犯罪者更正に力を注ぐのは自然の情ではあるが、極端な粗暴などで到底一緒には住めないロクでなしということも充分考えられ、ここで無理をするともっとヒドイ犯罪に繋がることもあり得る。日本の殺人事件の約半数は身内相手に起こっている。普通の信頼関係が作れない状態で却って「家庭内暴力」「DV」などの暴発が危惧される状態なら、更正は困難で、離れて暮らした方が良い。家族など身近な者の関与で更正し易くなるのか、更正しにくい者が家族などの関与を断固拒否する傾向にあるのか、ニワトリと卵の関係で因果律を確定できない。

 マスコミ・ワイドショーなど責任を取れない外部の第三者が事情も分からず形を強要してはいけない。一緒に住める関係というのはそのこと自体が更正しやすい犯罪者ということで、無理に一緒に住んで対立を深めさせても再転落の動機を深めることはあっても良くなる保障はないだろう。家族からは、却ってどうにも手の付けようのない状態というのは有り得、かなりの冷却期間が必要なこともままあるものだ。人質立て籠もり犯の対応に親を引っ張り出すのは、犯人を刺激して逆上させ説得的解決を困難にする場合が少なくなく、それを見た反射的世論に乗って射殺を正当化するための手続きに近い。あれは逆効果で説得にならない場合が多い。

2009/11/17 22:55

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