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[103].事故調査機関は監督機関と独立要
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営団地下鉄日比谷線中目黒惨事からまる6年経過.国交省に事故調査検討会が作られ,1年半後に調査報告書を公表すると共に,この事故を機に常設の航空事故調査委員会に鉄道事故を含める法改正が行われた.事故調査を当事者ではない常設機関に移したのは前進だが,それでも以下の3つの問題が残る.
公共輸送機関の事故については西欧に準じて免責を定めて原因追求するとか,会社としての責任を問える様刑法を改めるとか,せめて安全対策に処分権のない現業に根拠薄弱な刑事責任を押し付けがちな現行運用を改めて貰いたい. さすがに昨年4月の尼崎惨事ではこの失態を承けて航空・鉄道事故調査委員会に鑑定依頼の形で誤送検のリスクを回避したが,1.〜2.項の問題はそのまま残っている. 不公平だろうが冤罪だろうが目に見える処罰対象を作りさえすれば良いかの警察成績主義は願い下げにしたい.弁護士が付かない少年事件など未解決事件を寄せ集めて背負わせたり,バイクライダーを無差別制圧して負傷させたり,恐喝暴行集団先輩に抵抗した被害者をあべこべに傷害罪で処罰,直前の先輩恐喝屋の暴行を「別事件」と称してそちらは免罪したりの恣意的な取り締まりが罷り通っている. 1.項については,疑わしきは罰せずが刑事裁判の原則だから,事故原因がミスであると確定できない限り処罰してはならないが,事故抑制対策は発生確率のより高い要因を潰せば有効で,それが極めてまれに起こる真因をマスクしても対策としては有用なのだ.だから最も有り得る推定で差し支えないが,刑事処分の根拠にはできないものがある. 2.項は,中目黒事故の事故調査検討会報告書に典型的に現れている.様々な脱線要因を並べた報告書について,マスコミ報道では脱線原因の特定できずとして終わっていて,摩耗速度を抑えられるレール側面の斜研削までが「のり上がり易くした要因」とされて「自主的に」中止されてしまったが,検討会と国交省の事故防止対応指示から原因を読み解けば, ●主要因が輪重バランスの無管理 ●副要因が脱線防止軌条設置基準を営団のみが極端に緩めたこと に尽きている.東急以外の事業者が,まさか左右バランスを管理してないとは信じられないことだったが,何等かの台車組立調整工程で結果として保証されるのではないかという疑問がなくならないほど酷いことだ.通常はライナーという詰め物で輪重を調整しているのに,なぜ全社で放置されたのか??これらは最終報告書公表前から折々に公表されて事前に判っていたことだ. この対処からは,かっては路線の最高速度まで認可事項としていた運輸省が,安全の基本についてまで事業者任せにして,ガードレール設置基準を策定していなかった監督責任は明白だが,事故調査検討会報告書の書き方一つでマスコミ的には有耶無耶にされてしまった.事故調査検討会報告書自体をまともに読み込んだマスコミは無かったということだ.事故報告書が細分化された複数ファイルで公開されているだけでなく,エラーで停まりどうやっても一発ではダウンロード出来ないのは国交省擁護なのだろうか?と疑ってしまう.私はマスコミ関係者からコピーを頂いた. 類例では,'68年前後の過速度転覆事故に速度照査通達を出していれば'05/04尼崎事故を防げた可能性は強いし,'87年国鉄廃止時に私鉄ATS通達を廃止してなければ'88年東中野事故や'97年大月事故は無かった.そもそも'67年私鉄ATS通達を猶予期限付きででも国鉄に適用していれば数々のATS-S改良を迫る事故は起こらないで済んだのだ. 事故調査機関は監督機関とは別建てにすべきではないだろうか. |
2006/03/08 23:58
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