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Geo日記 |
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[72]. なぜ無い?過渡現象論解析 転覆速度計算 |
JR西日本が「133km/hまでは転覆しない」と強烈に主張し続け、それを事故調が「理想的状態のみの机上の空論」とたしなめたが、昨日は、事故調が「従前報道の曲線手前位置で非常制動を掛けた場合、転覆位置では速度が下がりすぎて転覆しないから、曲線に入ってからの非常制動ではないか」と考え出している旨の報道があった。 その解析内容を知る由もないが、どうも釈然としない。橋だの建物だののいわゆるドカチン系技術では「突発荷重は静荷重の2倍」というのは基礎的常識で、そこから安全率2.5〜3.0が選択される。過渡応答である突発荷重値でみれば安全率1.25〜1.5でギリギリである。 この突発荷重=過渡応答の考え方を転覆解析に導入すれば、カント逓増速度次第では静的な転倒限界に比べて小さな遠心力で転倒することになる。カーブ突入で突然右に足払いを掛けるような突然の加速度を生ずる訳だから、変位は最悪静荷重の最大2倍に達するものである。 微分方程式の1階項:抵抗成分が小さい場合は、2階の振動系で過渡的には2倍になるはず。空気バネ併設のオイルダンパーで制され、緩和曲線のカント逓増距離(計60m弱)で少なくはなるだろうが、逆に走行振動分は転覆を促進するから、少なくとも静的な解析よりは動的要素を加味した解析の方が、低速度での転覆を示すだろう 遠心力が2分の1は、速度では√2分の1、133km/hが静的限界なら94km/hが動的転覆限界の最悪値、108km/hは転倒するに十分な速度になりうる。ゆっくりの変化ならそれに追従してあまり関係ないが、過速度の急激な変化では過渡的に過剰な変位を生ずる訳だ。それが今回の報道ではJR西日本のアリバイ主張よろしく、静荷重しか考慮していない様に取れてしまう。影響小として省略否定するにしても触れてもらいたい。 事故調はステップ入力の過渡現象についてどんな検討を加えているのだろうか? |
2005/05/26 17:45
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