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[49]. 廃止された私鉄ATS通達 |
1966年4月,ATS-S が全国展開された翌年1月,運輸省は大手私鉄対象にATS設置の行政指導を行い,ATS機能についての通達(昭和42年鉄運第11号通達)を出している.その内容は結果的にATS-Sの仕様を厳しく批判するものとなっているが,1987年4月の国鉄分割民営化に際して廃止されて,欠陥ATS-S/-Bの存続を許容するものとなった.しかし,分割民営化で低下した技術水準の回復を目指して日本鉄道電気技術協会から発刊された職場教育用テキスト:鉄道技術者のための電気概論シリーズ全45巻の信号概論7.「ATS・ATC」の冒頭総論の章で,本来記述されるべき原理的総論に代えてカコミとして無解説で掲載されている.これは,現行ATS−Sx維持の前提では書けない内容を,廃止済みのS42-11通達に代弁させたものだろう. 電気概論シリーズは業界共通の職場教育用テキストとして1990年〜94年(H.2〜H.6)に編纂され,2001年(H.13)現在で12万部という驚異的な販売部数となっている(改訂版緒言)が,その共通序文には,「過去の文献,図書を集大成するとともに,新しい息吹を吹き込み,現在の鉄道技術の基本と概論を単に(端に:ママ)結果―How to を知るのみでなく,Why ―なぜそうしたのか,背景経緯まで分かるものが欲しいとして,本書を刊行」とされている. その編集方針とは矛盾する,基本原理の叙述を避けた「ATS・ATC」には特殊事情が存在することをうかがわせている. 実は「眼光紙背に徹して行間を読む」と面白い本として紹介された本だが,その隠された部分がATS-Sx擁護のためストレートには書けない安全装置としての理論解析部である. その私鉄ATS通達(昭和42年鉄運第11号通達)の孫引きと,現ATS-Sxの超安価改良案(ATS-Sx系にも速度照査可能)を示しておく. |
2005/02/12 12:50
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