抵抗制御車の加速走行特性

     抵抗制御車の加速走行特性は大きく領域に分かれる。
  1. .全界磁領域(並列フルステップ到達まで)
    ほぼ、定加速:A0[km/h/s]:≦V1[km/h]。応荷重制御で限流値を決定
  2. .弱界磁領域(弱界磁フルステップ到達まで)
    ほぼ定電流なので、加速度は速度に反比例:
    A1(v)=K1/v:(V1≦v≦V2)
  3. .特性領域(弱界磁フルステップ到達以降の加速)
    • 磁束量が電流に比例し、
    • トルクが磁束量と電流に比例、
    • 端子電圧は架線電圧で一定、
    • 逆起電力もほぼ架線電圧なので、
    • 速度がn倍になった場合は、磁束がn分の1になり、それは電流がn分の1になる,
    • トルクとしては磁束×電流比例だから、n自乗分の1になる。
      A2(v)=K2/v^2:( V2≦v )
  4. .以上の関係より加速度Aの総合特性は、V1,V2を境界に以下の通りとなる。

  • V1,V2を境界に、定トルク領域、定出力領域、特性領域に分けられる。車両性能を比較する場合この2点での牽引トルク(加速力)を押さえれば良い。(ギヤ比と車輪径はそれに内包されて無関係になる)
  • 平衡速度Vmは、加速駆動力と走行抵抗が等しくなり平衡する速度。
  • 実際の車両では、弱界磁出力定格が全界磁定格より大きかったり、短時間定格で高加速モードが設定されていたりするので、厳密な解析には調査が必要。

    1).v≦V1 の場合、
    A(v)= A0………… @
    2).V1≦v≦V2 の場合、
    A(V1)=A0
    A1(v=V1)=K1/V1で共に同値だから
    K1=A0・V1
    A(v)=A0・V1/v………… A
    3).V2≦vの場合
    A(V2)=A0・V1/V2
    A2(v=V2)=K2/V2^2で共に同値だから
    K2=A0・V1・V2
    A(v)=A0・V1・V2/v^2………… B


  • 「応荷重装置」とは、「旅客数、荷重に応じて加速力減速力を調整して一定の加速度減速度を得る装置」とされているが、その説明では応荷重装置の必要性は解らないない。「滑走限界一杯=最大限の加速減速を得るために荷重に応じた加速減速力を与える装置」で「等加速、等減速はその結果」とした方が適切。
  •  応荷重装置による限流値減少を前提に弱界磁領域も定格電流一杯まで定トルク制御をすれば、その電流は速度比例になるが、抵抗制御で回転数検知制御を行った車両は無いようだ。
     (VVVF制御では速度検知が前提だから、滑走限界μの大きい低速域でトルクを増やしたり、CVVFすべり増領域で駆動電流を増やすなど特性限界を追求するのきめ細かな制御が可能になる)


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    Last Update: 2004/10/11   (2003/07/27    org. 01/11/13)