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首都圏JR4線不通:運転士、停止位置ミス
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言い間違いでドア開 翌日の新聞を見ると「乗客が勝手に非常用コックを操作してドアを開け線路に下りたために京浜東北線まで止まった」と報道されているが、これは車掌の誤ったアナウスが原因である。 |
6月22日午前8時前、東北線さいたま新都心駅先で架線切断事故が発生して3複線全部を止め、10時半には復旧工事が完了したが運転再開が13時10分過ぎになった。架線切断の原因は15両編成の電車が停止信号でその90m手前に停車してパンタグラフがエアーセクション中央付近を短絡、過電流が流れて熔断。現場には「セクション外停車票」が信号手前19mに設置されていて、電車はここまで進んで停車すべき処を、運転士が停止信号にのみ気を取られて若干早めの位置に停止して即停電に到った。エアーセクションの長さは約90m。という主旨の報道で、昨年末のスカイライナー事故など従前から各社で繰り返された事故だった。
ここで問題は「セクション外停車票」が通常は踏んではならない直下地上子位置より近い停止信号手前19mに設置されていることだ。ATS-P区間だから標準で閉塞信号手前30m〜場内信号手前25mに直下地上子が設置され、場内信号では停止信号時に絶対停止コマンドを発しており、電車はそれより手前に停車しなければならない。注意現示・進行現示になると直下地上子の発する情報は次の停止信号までの距離と勾配に変わり上を通過する車上装置情報を更新する。だから19m手前位置のセクション外停車票までは進めないのだ。袴踏み対応処理をしたところで冒進させないためには10m手前の設置が限界だ。
通常の運転なら信号変化を確認しやすい様、停止信号手前50m付近に停車する。これは運転規則であり運転士の操作を縛るし、ATS-Pのパターン接近警報のベルとランプで即制動操作を行うから適切な距離が残されて停まるのだが、それより前に進むには10km/h以下に減速してからブレーキを緩めて進入する。駅で出発信号が近い場合にはそうした配置が起こり得るが、その場合はホームの停止目標があり停止位置を間違えることはない。駅ではない場所の停止で低速進入操作を求められるような配置は不適当なのだ。それでも直下地上子位置まで進むと場内信号なら25m手前位置で強制の非常制動だし、閉塞信号なら30m手前以後パターン消去不能で50m冒進後フリーパスになるから、その手前に停まるしかない。
事故現場のエアーセクション位置をもう2径間以上手前にするか、余裕のある区間に移設する必要があるということだ。ATS-P直下地上子設置位置次第では運転士に全く責任がない可能性が強い。饋電−信号−運転相互に各種基準や禁止事項の日常連絡、設計の相互点検はないのだろうか?
実はエアーセクション熔断事故は大昔の中央快速線でラッシュ時に発生して大規模な輸送障害になっている。それ以降、セクションの位置を見直して熔断発生を抑えたはずなのだが、今回の様な無理なセクションはどうして残ったのだろう?15両編成に増結したときに点検漏れでも起こしたのだろうか?そこは疑問だ。
この事故の実体験情報では、事故時の車掌の案内が言い間違いをしており「窓を開けて換気して………」というべきところを「ドアを開けて換気して………」とやってしまい、早いうちから乗客がドアコックを操作してドアを開けたとある。報道の「一部乗客が勝手にドアを開けて線路に降りた」とは違う事態である。
そのため運転室のドア閉ランプが消灯、乗客の安全確保のため防護無線を発報してまだ動ける隣接線全部を止めることとなり、線路を歩行する乗客数を3倍以上に増やし、ドアを開けたのが乗務員の指示に拠らない行動扱いになって安全確認で運転再開も大幅にずれ込むこととなった。事故線だけ停止なら他線は駅までは走れて、乗客も乗務員の指示下なので若干は混乱も少なかったろう。とっさの言い間違いは仕方なく責められないが、故障はたまに有ることで、案内の雛形は準備しておいて貰いたいものだ。
(JR西日本とは違い東日本には馬鹿な懲罰的日勤教育はない(大昔にやめた)そうだからこの項を記す)
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