前口上 <鉄道解析ごっこ>

 様々な現象について、特定の思惑を持った話がされますと、実態が隠されてしまうことが間々ありますが、漏れ伝わる「事実の断片」を適切に取捨選択してモザイクのように組み立てますと真実が鮮やかに浮き上がってきて広く伝わる「通説」を覆すことがあります。

 国鉄JRの場合、長らく実質的な監督機関が存在せず、当事者の言い分がそのまま都合良くまかり通ってきた面があり、列車の衝突防止に大変優れた基準である「私鉄ATS通達」(参照:昭和42年鉄運第11号通達要旨)が国鉄JRには不適用で事故を繰り返しながら分割民営化1987/04/01に際しては、この通達を廃止させてまで不適用にして東中野駅追突事故88/12/05、大月駅スーパーあずさ衝突転覆事故97/10/12、第3セクターで土佐黒潮鉄道宿毛駅突入事故2005/03/02、尼崎事故05/04/25など重大事故を重ねてきました。

 そのスタンスの基本的な欠陥としては、産業界の労働災害防止対策では一般化して久しい「オペレータエラー発生を前提として、致命的事態に陥らない手だてを取る」という原則を、国鉄JRは頑強に受け容れず、過酷な懲罰を強めることでミス発生を抑制するという精神主義で乗り切ろうとする誤った方針から抜け出しきれないでいることです。
 JR西日本が尼崎事故発生で最初の事故報告書原案を国交省に突き返され参考に日航機御巣鷹山事故の報告書を渡されて体裁だけ整えて書き直し、詳細な鉄道事故調報告に糾弾されてなお改められず「事故調はひよっこ」と居直り、世論の厳しい糾弾と第3者委員会勧告を受けて事故から3年を経て、産業界からは40年遅れてようやく「安全性基本計画」に到達して、文面上だけは方針転換が図られましたが、その方針が実際に職場に浸透するのには更に長期の実践と内外からの点検が必要でしょう。JR東日本が88年の東中野追突事故の経験から安全性の高いATS-P換装など1社安全対策に力を入れてきたのが「例外的」な状態です。

 近年、航空機事故調査方式の改善に牽かれて鉄道事故の調査も当事者から→運輸省→鉄道事故検討会調査→鉄道事故調査委員会→運輸安全委員会とより公正の期待できる体制に進化しましたが、継続的な情報公開と世論の監視が無いと再び原子力村ならぬ鉄道村の論理に埋没してしまうおそれがあるのは尼崎事故調情報漏洩裏工作事件をみても明らかです。

 専門家ではない一般人が真相究明の報道や検討を行うに際し、一つのネックになっているのが物理的・科学的解析ですが、過去の専門分野の争点を見渡すと、ナマ情報さえ掴めれば必ずしも超高度の専門的解析力が必要というのではなく、多くの方に既修である高校物理学レベルでもかなりの程度自力検証可能なものもあり、また専門家が個人として伏せられた重要な事実を明らかにしている例もあり、解析の考え方さえ提示されていれば怪しげな主張群「133km/h以上で脱線」とか、「40km/h以上減速地点という曲線過速度防止装置の設置基準は転覆限界ではなく乗り心地だ」、「曲線で過速度脱線するとは考えたこともなかった」、「国鉄型ATSも私鉄型ATSも停止信号の手前で働くので安全性に差がない」とか、鶴見事故の原因が「競合脱線」など、様々の素人騙しの世論誘導を粉砕できる様になって意図的な誤導をためらわせ、押さえ込む力になれるでしょう。
 ものごとを自分の頭で考える物理学を丸覚えの暗記物化して従順な国民作りで支配側にとって無害化する流れはありますが、若い頭は受験の重圧だけでは押さえ込めないものです。このサイトでは、「解析ごっこ」を呼び掛けましてそのあの手この手を寄せ集めて提示し真相究明する人を増やしていきたいと思います。
 門外漢は間違って元々で、気軽に「ごっこ」に参加しましょう。解析計算を含む物理の期末テストも、10点〜15点のエラー=85点〜90点ですと上位校で学年トップの成績でした。丸覚え4択クイズ形式ですともっと高得点かも知れませんが間違った分は後から正しく直せば良いのですから。
 但しひらめきや着眼点は現実のデータで実証してから主張として公表すべきでしょう。高名ライターを含め根拠なしで目立てば良いだけの見解も歪曲工作同様に流布されています。そういう流言を自分で発信してはいけません。

2001/12/09 開設

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Last update: 11/08/27 23:55
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