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和声: 【 和音・和声・ハーモニー 】:
      存在しない幻の音が聞こえる! 雑記帳  <HARM>

  物理的に見た場合,「和音・和声・ハーモニーとは,複数の音を同時に聞いた場合に,それぞれの周波数の最大公約数付近の周波数の音が聞こえる現象」を言い,ハーモニーで耳に聞こえるその周波数は物理的な計測を行っても存在しません.この現象を積極的に活用して音楽を構成します.
  たとえば,ドの音程の1,2,3,4,5,6,7,8倍の和音は「ド,ド,ソ,ド,ミ,ソ,シ♭,ド」であり,このうち「4,5,6倍」を同時に鳴らしたものが「ド,ミ,ソ」の和音(長調主和音)ですが,聴感としては基本音1倍のドが聞こえ,この現象をハーモニー・和音・和声といいます.
  4倍音の代わりにその1オクターブ上(2倍)の8倍音を加えて5:6:8にすると第1展開:ミソド.更に5倍音の代わりに10倍音を加えて6:8:10=3:4:5にすると第2展開:ソドミです.(この比率は長調の和音の基本です.
  短調主和音の基本周波数比率はもう少し複雑な比率で,ラ:ド:ミ=10:12:15ですが,整数比です.)
2波干渉f1
<FIG1>2波合成波形
ギター
<FIG1.2>ギター5G開放弦(グラナドス製)音波形&スペクトラム


  世界各地に自然発生した整数比基準の音階は後述「平均律」に対して「自然律」と呼びますが,この音階の整数比に着目して,初めて数値で振動数(周波数)比を定義したものが「ピタゴラス律」です.

  自然律の場合,調毎に別の調律の楽器になる不便を生じます.ピアノやオルガンなどで調毎に別の調律をした楽器は用意しきれませんので,その音階の整理統合法として「平均律(対数律)」が生まれました.平均律は2倍(1オクターブ)の12乗根を基準とする対数律なので,和音が整数比にならず,響きにくくなります.そこで自然律のハーモニーの良さが着目され,「快い音楽」として更に総ての音を整数比で定義する試みを特に「純正律」といいます.しかし曲の途中で転調があると整数比調律の場合,却って酷い響きの和音が出来る弱点もあります.(平均律の方が豊かな音と感じる方も少数居る様ですが)
 なお、演奏現場的にはコーラスやオーケストラで「良く響き合う演奏」と言われるのは演奏者相互が音程を調整して実質この純正律での演奏になっているそうです。ピッチを変えられない楽器がこの調整に付いていけず、ピッチ毎に準備する楽器もあるようです。

  ピアノや電子楽器などの平均律調律に対し,ギターなど弦楽器の調律は高調波(ハーモニクス)を使って3対4の整数比を基準として行われることが多く,響きの良い和音が得られる訳です.この整数比3対4はピタゴラス律(自然律)の定義です.
  なお,「音楽理論」でドミソの和音の4:5:6の間隔を「長3度+短3度」というのは平均律とした場合の比を表すものになっており,長3度(4半音)=2の12乗根の4乗:短3度(3半音)=2の12乗根の3乗ですから,1: 1.260: 1.189*1.260=4: 5.04: 5.994 となって整数比に対して0.8%前後の誤差を生じています.この誤差は唸りとして差の周波数で振幅変調された様に聞こえます.だから音楽教科書の「楽典」の解説はあくまで音楽規約解説で,物理学的に見た和音の原理ではありません.短調「短3度+長3度」というのも全く同じ「音楽規約」で「物理解説」ではありません.

  存在しない音が聞こえる現象は,実は多くの楽器に見られ,ギターとかベースの低音は倍音のみで構成され基本周波数成分がないと云われていました.(実験結果:基本波が見えますね、倍調波とほぼ同振幅(wは少なめだけど旧計測結果は正しくなかった).このためスピーカーの再生限界より低い音程を音楽としては聞くことが出来るのです.このデータだと基本波が倍調波の-3dB程度なので旧測定で見えなかった可能性がありますが。(若干HP分野違いですが,BGMファイル作成時の加弦法の参考に)

高調波開放弦調弦f2
<FIG2>

cf. 高調波調弦=開放弦調弦  

  高調波(ハーモニクス)を使うと開放弦で調弦ができるので指で押さえる強さや位置の影響がなくなり,調律誤差を減らすことができます.2波干渉の包絡線周波数が双方の差の周波数なので、音量が増減しなくなる「ゼロ・ビート」調整をするから相対差としては非常に正確な調弦となります。これは、かって大昔の高周波・無線関係の較正・測定で多用された精密測定法です.開放弦とは弦を指で押さえない状態を言い,弦の振動モードとしては両端固定振動でもあります.
  弦楽器でハーモニクス(楽譜表記でHm,または arm)を発生させるには,弦振動の節に押さえの指を軽く置き,弾くと同時にその指を離せば良い.振動の節の位置は,ギターの場合,倍調波が12フレット上,倍調波がフレット上,倍調波でフレット上です.

ギターの開放弦調弦図 <Tune>

ギターの開放弦調弦図
音叉
A440Hz音叉

整数比−平均律
調弦周波数比較

(楽譜上はこの2倍周波数)
(実周波数は楽譜上の1/2)
周波数 階数
整数比平均律
1E660.0659.324 (5)
2B495.0493.919 (4)
3G391.1392.015 (5)
4D293.3293.710 (5)
5A220.0220.05 (5)
6E165.0164.80 (0)

[調弦周波数表] (ギター:実音周波数は1/4)
弦周波数[Hz] 高調波[Hz]備考
平均律整数比×3×4(×5)
1E1318.511320.00 (3960.00
2B987.77 990.00
(977.7
(3960.00
(3911.1

(不採用
3G783.99782.2 2346.6 (3911.1
4D587.33586.6 1760.002346.6
5A440.00440.00 1320.001760.00 A音叉較正
6E329.63330.00 990.001320.00
◎「2B」×4=「3G」×5調弦では10Hz余(1%)の誤差を生ずる。
 (不正確な上、合わせにくい音程につき不採用!)
◎「6E」×3=「2B」、「5A」×3=「6E」×4=「1E」では誤差がない。
 合わせやすい音程でもあり、こちらの調弦が妥当。

  この調弦法(ピタゴラス律)では総て開放弦による調弦なのでフレットの押さえ方に拠る誤差がないことと,調弦しやすい音程で作業ができるため正確な調弦が簡単にできます.(正確に調律された場合、開放弦の音程自体の差は普通の人には判りにくいでしょう.整数比律(自然律、ピタゴラス律、純正律)と平均律の違いが誰の耳にも分かるのは「セブンスコード」(X7,「属7」=属和音+基音から7番目の音)の違いです.だから「正確な調弦法」でOKです.)

[ギター調弦の動画]

 a:440Hz音叉により第5弦を440Hz/2(実周波数440Hz/4)に調弦する動画が上、
第5弦を基準に他の弦5本を調弦する動画が下側。
 下側の05:47以降が弦の高調波を用いた「開放弦調弦法
(5フレットが4倍調波、7フレットが3倍調波、12フレットが2倍調波。
4フレット付近が5倍調波というのはなかなか発音できないし、合わせにくく誤差多く不採用×07:40〜「調弦周波数表」参照)
AW-2G
チューナー
KORG AW-2G
 1〜2弦については、動画の末尾08:57〜でも説明している、
第5弦の3倍調波=第1弦開放弦=第6弦4倍調波と、
第6弦の3倍調波=第2弦開放弦の方が合わせやすい。

[音叉と弦相対調整法 by J-Guitar.com/You Tube]
○演奏家の多くは既に「チューナー」使用調律に変わっている(右写真)。
    (2013/02/07追補)

分布定数型共振  see 定在波の発生

  伝送線路の進行波と反射波の干渉で振動の節と腹ができて,節で固定する共振装置が構成できる.振動の両端を固定した型と、一方を開放した型の共振器がある.振動の伝播だから共振点としては基本振動の他に、両端固定型で整数倍(1〜n倍)、一方開放型で奇数倍(2n−1)倍の共振振動数が存在する.これは集中定数型共振とは様子の異なる点である.集中定数型共振であれば共振角周波数は(バネ定数/質量)や(1/LC)の平方根1つになる.
  波動速度V,振動数ν,弦長L,次数n,弦張力T,弦密度ρ,  とするとき、
   波動速度V=√(張力T/線密度ρ)
     (この式は架線の振動伝播速度式 (./FIG/210wav/wavspd.htm 03/02/14) と同一である)
弦長L= 波長λ1/2 (基本波)
2/2)×2 (2倍調波)
3/2)×3 (3倍調波)
4/2)×4 (4倍調波)
n/2)×n (n倍調波)
λ12L(基本波)
λ22L/2(2倍調波)
λ32L/3(3倍調波)
λ42L/4(4倍調波)
λn2L/n(n倍調波)
前出図FIG3
「高調波振動とフレット位置」参照)
  一方, V=ν・λ だから、
弦長L=λ/2=V/2ν となる
例:V=2×165Hz×0.65m=214.5m/s: (波動伝播速度)

ハ長調・イ短調3音和音一覧

長調BWXEF TABWXE
短調D Y Z @ A V C D Y Z @
ファ ファ ファ ファ
ファ ファ

長調 B W X E F T A B W X E
短調D Y Z @ A V C D Y Z @

3和音

  長音階ド、レ〜シに1、2〜7の番号を付けて、その2音上と4音上に和音の構成音を置いた場合、和音1,4,5が下側4半音+上側3半音(=対数律:長3度+短3度)で周波数比4:5:6の長調コード比に極めて近く、和音2,3,6が下側3半音+上側4半音(短3度+長3度)で周波数比10:12:15の短調コード比に近くなります。和音だけは3半音+3半音(短3度+短3度)で、最大公約数比を云えば25:30:36で非常に響きの悪い和音となっています。両端の音の距離が6半音というのは、他の和音の両端の周波数比が2:3(7半音:完全5度音程)より半音短く「減5度音程」です。
  以上7種の和音をローマ数字で表し、長調コードを大文字、それ以外短調コードを小文字で表します。
  ここで長調和音は3種とも4:5:6,短調和音は3種とも10:12:15とする試みを純正律といいます.
同階名の純正律での長調と短調で違う音は「レ」だけであるが、直下の音に対して長調は9/8倍、短調は10/9倍で半音の1/4.25だけ音程が違い転調するには2種類の「レ」が必要になります。
  整数比で追っていくと周波数比倍までを完全音程、4:5を長3度、5:6を短3度としています(1:2=完全8度、2:3=完全5度,3:4=完全4度).これ等より半音広い音程を「増」音程、狭い音程を「減」音程と呼んでいます.半音が上下どちら側に含まれるかに注意して見て下さい.上側が長調、下側が短調、両側が減になります.(半音はミ−ファ間とシ−ド間です)

以下、余談・雑談 modeで 
(このページ全部余談だろうがって?)

半音はどうするの?  旋律的・和声的短音階!

  和音、和声の原理が解って伴奏を付けやすくなったのはよいけれど、はやり歌は圧倒的に短調の曲で、しかもメロディーの昇りでファが半音上がる「旋律的短音階」が半分近くあるはず.この音程はどんな基準で決めたら良いのでしょうか?他の半音音程は無調音楽じゃないから出てこないと思いますが、このファ#,ソ#は音程を決める必要があります.      (調査して本文と表に加筆予定

♪小節〜♪の帝王はどうするの? こぶし:ビブラートは周波数変調だ!

  ビブラートを物理的に解析すると振幅変調あるいは周波数変調です.ということはキーの周波数の上下、ビブラート周波数だけ離れた音が存在するということです.♪小節〜♪の周波数は4Hz〜8Hz前後の様ですから、A音440Hzを8Hzのビブラート付きで発すると432Hz、448Hzの調子外れの音が重畳していることになります.これは仮想の存在しない音ではありません.それは「純正律」で問題にしている1%弱の差より大きな狂いです.カラオケビブラートの帝王は純正律楽団には参加出来ないか楽団背景のソリストになるしかありません.   尚、振幅変調と周波数変調の差違は中心周波数の位相に対する上下のビブラート周波数の合成位相が0度(一致する)のが振幅変調、90度差があるのが周波数変調(位相変調)で、周波数成分としては両者に差はありません.(ATC-1D#AM-FM参照)


BGMの設定

  BGMの諸設定は,音量としては,気を付ければ聞こえている程度,すなわち周囲雑音と同レベル〜±3dBが効果的とされています.そして一定のリズムを刻むもの.加えてメロディーやハーモニーが心地よいこと.それにより集中力が高まり作業能率が向上します.その「心地よい」要件の中に総てのコード周波数が整数比で構成される前出「純正律」が注目を浴びています.PCでの問題は純正律音階の音源を何処に求めるかです.電子楽器・ソフトは平均律がデフォルトですから.

  一方,疲労はその集中の分激しくなることが分かっており,充分な休養も必須です.
  休養が足りないと慢性の蓄積疲労で過労性疾患発症の危険が高まります.
  職業性過労疾患の基本原因は長期にわたる過重労働の蓄積疲労ですが,数日から1週間の休養で立ち直れる初期症状を一気に悪化させて重症化する引き金は大抵の場合ワカランチン上司のキツーイ一発があり,数ヶ月から数年,酷い場合は10年もの休業に追い込まれています.「そんな症状信じられるかっ!」と怒鳴りつけたところで,一番訳が分からずどうして良いか困っている患者を再起不能に叩き落とすだけの心ない仕儀だからです.不定期に襲う1000V絶縁抵抗計の電撃にボロボロになったパート社員に,原因調査もせず「そんなはずはない,甘ったれんな!」と怒鳴って作業を続けさせ5年以上もの休業治療に追い込んだ文科系馬鹿上司も居たし,「1,000Vと言ったって,命に別状ある訳じゃないでないでしょう」とほざいて業務上認定を却下しようとした非道い労働基準監督官も居たりして,どの程度別状ないか自分で確かめてみたらと切り替えされてソヤツは1000Vプローブ(探針)にはとうとう触れませんでした.たとえ死なないと分かっていても1,000Vの猛烈な電撃はゴメンです.そのケースでは運良く認定の担当者が代わって危うく認定セーフとか.
                                       <BGM3>
  労働省は療養3年超の労災患者2千数百名をそれ以上回復の見込みなしと一律に決めつけて、御用医師に患者診察なしに1分余の「書面審査」で症状固定の診断書を書かせて(自分の住所氏名職印押印の時間だけで、検討時間なしで)療養費の支給を打ち切り,労災被災者の解雇制限を解いて働けない体のままほぼ全員を解雇させ労働者使い捨てに加担.患者や主治医の抗議に対して「生活できなければ財産を処分した上で生活保護を受ける制度になっている」と放言.これらは明らかに過労死ペースの促進策.労働省というのは産業界のための労働力調達省化して居り,純粋に労働者保護の役所とは言えなくなって久しい.


  まぁ,自分の命優先で,頑張りましょう.しっかりした労働組合があれば会社に対して回復訓練と生活保障を要求して、労働省には異議申し立て、再審査請求、行政訴訟と治療時間を稼いで、その間に健保も活用して治療を続け職場復帰を果たして、労災裁判が最悪の結論でも解雇出来なくしてしまう高等戦術も採れましたが、まぁ何と不勉強・横着あるいは御用組合の多いことか!

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Last Update: 2012/02/10   UpDate:04/12/23 /10/15  /08/31

(以下別紙資料)
<FREQ>
ハ長調・イ短調 純正律・対数律周波数表
      (純正律の転調には「」音が2種必要)
対数律
(平均律)
純正律備考




ハ長調イ短調

周波
整数比周波
直下
整数比周波
直下
0 1.0000880.010/3 3.3333880.010/9 4.0000880.010/9 基準
-4ファ0.7937698.58/3 2.6667704.016/15!* 16/5 3.2000704.016/15!*
-50.7492659.35/2 2.5000660.010/9 3.0000660.09/8 1弦
-6  0.7071622.3
-70.6674587.39/4 2.2500594.09/8 !* 8/3 2.6667586.710/9!*
-8  0.6300554.4
-90.5946523.32.0000528.016/15!* 12/5 2.4000528.016/15!*
-100.5612493.915/8 1.8750495.09/8 9/4 2.2500495.09/8 2弦
-11  0.5297466.2
-120.5000440.05/3 1.6667440.010/9 2.0000440.010/9
-13  0.4719415.3
-140.4454392.03/2 1.5000396.09/8 !* 9/5 1.8000396.09/8 !* 3弦
-15  0.4204370.0
-16ファ0.3969349.24/3 1.3333352.016/15!* 8/5 1.6000352.016/15!*
-170.3746329.65/4 1.2500330.010/9 3/2 1.5000330.09/8
-18  0.3536311.1
-190.3337293.79/8 1.1250297.09/8 !* 4/3 1.3333293.310/9 4弦!*
-20  0.3150277.2
-210.2973261.61 1.0000264.016/15!* 6/5 1.2000264.016/15!*
-220.2806246.915/16 0.9375247.59/8 9/8 1.1250247.59/8
-23  0.2649233.1
-240.2500220.05/6 0.8333220.010/9 1.0000220.010/9 5弦
-25  0.2360207.7
-260.2227196.03/4 0.7500198.09/8 !* 9/10 0.9000198.09/8 !*
-27  0.2102185.0
-28ファ0.1984174.62/3 0.6667176.016/15!* 4/5 0.8000176.016/15!*
-290.1873164.85/8 0.6250165.010/9 3/4 0.7500165.09/8 6弦




周波
整数比周波
直下
整数比周波
直下
備考
対数律
(平均律)
ハ長調イ短調
純正律

  周波数は=880Hzを基準に相対比率を乗じて算出したもの.実演奏では1%程度は高めのオーケストラなどが存在する.
 日本の音楽ホールに設置のピアノにはそれぞれ専任の調律師が付くようになって、現在基準音A=442Hz設定が多くなっている.ISOの規定が変わったわけではない。
  旋律的・和声的短音階の音程基準は不明
[参考資料出所]純正律音階と平均律音階  http://gabacho.reto.jp/whims/whim0010.html
   玉木宏樹の純正律セミナー:純正律研究所  http://www.archi-music.com/tamaki/pms.html